旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

335 / 593
最近忙しくて書き溜めが二つしかない。

ネタくれ。

いやほんと、マジでネタ切れ。


335話 異世界転移これくしょん その4

む、こちら長門だ。

 

昨晩は少し飲み過ぎてしまって、意識が曖昧になって、そのまま床で寝た、気がするが。

 

ここは森だ。

 

むう、黒井鎮守府の裏山だろうか?

 

……いや、お世辞にも賢いとは言えないこの私にも分かるぞ。

 

辺りを見回すと、明らかに、裏山のものではない動植物が生息している。

 

発行する大きなトンボのような生き物、極彩色の鳥のようなもの、おかしな形の昆虫。

 

蔦が伸び、草木が生い茂るジャングルのような地。

 

日本ではない。

 

いや、地球ですらないかもしれない。

 

ここは、どこだ。

 

 

 

「むう……」

 

取り敢えず、艤装である服を着て、辺りを歩く。

 

遭難した時は歩き回るななどとはよく聞くが、今のように助けが来る見込みがない場合なら、歩き回る他ないだろう。

 

幸いにも、景色が特徴的で、同じ道を行ったり来たりすることはない、とは思うぞ。

 

さて……。

 

「腹が減ったな……」

 

戦艦は燃費が悪いのだ。

 

「だが、その辺の虫を食う訳にもいかんな……、それは最終手段だ」

 

そう呟いて歩く。

 

一刻も早く人を見つけねば。

 

提督が探しに来てくれるだろうが、その前に何か食べたいぞ。

 

む?

 

「これは……、何かが焼ける匂いか?火、と言うことは人がいる、のか?」

 

まあ、現状、何の手がかりもないしな、向かうしかないか。

 

森の木々を掻き分け、足を進める。

 

すると、そこには。

 

「グルルルルゥ……」

 

「恐竜……?」

 

頭から尻尾の先まで、十メートルはあろうかと言う竜がいた。

 

桃色の皮膚に、青紫の毛が生えた竜だ。

 

成る程。

 

「ガルルルゥウ!!!」

 

「ここはそういう世界か!」

 

竜は、私の姿を見るや否や、尻尾で攻撃をしてきた。

 

縄張りを犯す敵に見えたのだろうか。

 

対話は不可能だな、これは。

 

尻尾の一撃を受け止め、投げ飛ばす。

 

「おおおおお!!!」

 

「ガァアッ!!」

 

竜は、背中から地面に叩きつけられ、苦痛のうめき声を上げる。

 

それはそうだろう、そのトン単位はあるであろう巨体を投げ飛ばされたら、効くだろうよ。

 

「グ、ガアアアア!!!!」

 

すると、竜は、背中に羽のような膜、トサカを立てて、怒り狂った。

 

痛みを怒りで打ち消すのか。実に野生的で、効果的だな。

 

そのまま、竜は、火を吹いたのだ。

 

信じられるか?

 

火を吹く生き物とは、この世のものとは思えんな!

 

しかし、火を吹くくらいでは私は殺せん。

 

少しばかり煤が付いたが、無傷だ。

 

さあ、次はこちらの番だ。

 

「砕けろ!」

 

「ゴギャ?!!!」

 

鼻に当たる部分を殴り、吹き飛ばしてやった。

 

「まだだっ!!!」

 

地面を踏みしめ、追いすがり、膝蹴りで顎を砕く。

 

「だりゃりゃりゃりゃー!!!」

 

空いた土手っ腹に連打を浴びせると、内臓が破壊されたらしく、竜は、大量の血液を吐いて、動かなくなった。

 

「ふむ、こんなものか」

 

と、そこに。

 

「あ、あの」

 

「む?」

 

生物的な鎧を身につけた人間が声をかけてきた。

 

「君、今、アンジャナフを素手で殴り殺していなかったか?」

 

「これは、アンジャナフ、と言うのか。私相手に一分保たせたのだ、それなりには強いな」

 

と、正当な評価をした。

 

「は、はあ、そうか……。君はとても強いんだな。自分じゃこれだけ武装してやっとやっとだよ」

 

「なに、努力は人を裏切らないぞ。精進するといい。君もいずれこれくらいはできるようになる。……ところで、ここはどこだ?」

 

「ここは、古代樹の森だけど」

 

「そうか……。実は私は、道に迷っていてな。助けてくれないか?」

 

「あー、まあ、今丁度、今日の仕事がなくなったところなので、手を貸しますよ」

 

「む、助かる」

 

 

 

どうやら、この戦士の仕事は、先ほどの竜……、アンジャナフだったか?の危険な個体が現れたらしく、それを討伐しにきたと言う話だった。

 

が、しかし、それより先に私がアンジャナフを殺してしまった故に、報酬は全部渡す、とのこと。

 

少し悪いことをしてしまったか?

 

「すまない」

 

「いや、気にしないで良いさ。狂暴なモンスターは大きな被害を生むかもしれないからね」

 

そうか。

 

さて、それで、なんだが。

 

「旅人、新台真央の名に聞き覚えは?」

 

「マオ……、ああ、旅人か。知り合いなのかな?」

 

「ああ、そうだ。連絡できるか?」

 

「いや、旅人は神出鬼没だから、連絡はできないな。けど、たまにここに来るから、ここで待っていたらどうかな」

 

「良いのか?すまないな、本当に」

 

「良いよ、大丈夫」

 

………………。

 

ぐぅ、と、私の腹が鳴る。

 

「ぐぬ」

 

「あ、ああ、その、食事はどうかな?料理長の料理は安くて美味しいんだ」

 

「そ、そうなのか?」

 

先程、報酬と言って、この世界のお金をもらったしな……。

 

「よし、では、そこで何かを食べようか」

 

案内されたその土地は、船の周りに木組みの建物が無秩序に建てられた、ある種面白い地だった。

 

ここは『アステラ』。

 

新大陸の調査団の地。

 

そこで、その、料理長なる人物に会ったのだが。

 

「ニャんだ?」

 

「い、いや、何でもない」

 

猫だぞ、こいつ!!!

 

比喩でも何でもなく、猫みたいな人とかでもなく、二足歩行で歩く猫だ!

 

どうなっているんだ一体……。

 

いや、それを考えれば、うちにも、首輪付きという二足歩行で歩く動物がいたな……。

 

おかしくない、のか?

 

「そ、その、オススメを」

 

「おう」

 

しかし……。

 

目の前の鉄板で肉や魚を焼き、大鍋でシチューを作られると、こう。

 

食欲が湧く!

 

「はいよ」

 

「おお!いただきます!」

 

串に刺さった海老、肉。これは……、パエリアというやつか?それとシチュー、そしてチキン?らしき鶏肉。

 

それと酒……、これはビール?のような、エールというやつか?

 

さて、肉。

 

「はふ、熱っ、むおお!」

 

肉汁が溢れる!

 

美味い!何の肉だ?分からんが美味い!

 

「シチューは?おお、濃厚だ!」

 

提督が言っていたな、煮る料理は一度にたくさん作るほど美味いと。

 

成る程、確かに、これは一度にたくさん作らないと出せない味だろう。

 

美味いぞ。

 

パエリアは……。

 

「おお!美味い!」

 

魚介の風味がたまらないな!

 

しかし、私が食べたことのあるものとは少し違うな……、こっちの方が生命力に溢れるような、活力を得られるような気がする。

 

「ごくっ!っぷはあ!」

 

酒も美味い!

 

「お代わりだ!」

 

「……姉ちゃん、まだ食うのかい?あの旅人並か?」

 

「む、確かに私は、提督と同じくらいは食べるが?」

 

「……てめえら、じゃんじゃん作れ!余った食材は全部使え!この姉ちゃんは旅人並に食うぞ!」

 

「「「「ハイニャ!!!」」」」

 

おお!

 

料理がたくさん!

 

 

 

「ふぅー、食った食った!いや、美味かった!」

 

「お代はこれくらいニャ」

 

「こんなもので良いのか?安いな」

 

「余りそうな食材を全部食べてもらったから安いニャ」

 

「成る程な」

 

はあ、満腹だ、美味かった。

 

こんなに美味いものを腹一杯食べれば、どんな敵も怖くはないだろうな!

 

む?

 

「長門ー、迎えに来たよー」

 

「おお、提督!」

 

「もー、酔って別世界に行くとか駄目だよー?気を付けてねー?」

 

「ああ、すまない……」

 

「でも、楽しかったかい?」

 

「あ、ああ!」

 

「なら良かった。次からは一緒に行こうね」

 

そして、提督と軽く挨拶回りして、そのまま、帰ることになった。

 

 

 

しかし、あの味は忘れられないな……。

 

「あ、あっちの食材は幾らかあるから、黒井鎮守府でも作ろうか?」

 

「本当か?!」

 

美味い飯が食える。

 

こんなに幸せなこと、そうそうないぞ。

 




長門
はらぺこ。

ハンター
有能。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。