は〜い〜、こちらポーラですよお。
んへへへへ。
いやあ、昨日の夜は沢山飲んでー、なんだか気持ちよくなったら〜、んー。
覚えてませんねえうはへへへへえ〜。
仕方ないんですよお、お酒が美味しいんですもの〜。
「で?誰ですか貴方?」
「いや、こっちのセリフだぜぇ……」
んー?
「オレンジだからオレンジさんで良いですか〜?」
「オイラはそんな名前じゃねえ!」
「ああ、オイラーさんですか〜」
「い、いや、オイラはビィってんだ」
「?、オイラーさんじゃないんですか〜?」
「ビィだよ!オイラはビィ!」
「オイラー・ビィさんですか〜?」
「違うっての!ビィが名前なんだよ!!」
「ああ、そうですか〜、なら、最初からそう言って下さいよ〜」
「言っただろ!!」
「それでトカゲさん」
「オイラはトカゲじゃねーーーっ!!!」
あら〜?
怒らせちゃいましたねえ。
なんででしょう?
「ビィ、どうしたの?」
すると、十五歳くらいの女の子が。
「ジータ、この姉ちゃん、なんつーか、微妙にズレてんだ……」
「えへへぇ、よく言われます〜」
「ええと、貴女は?」
「私ですかぁ?私はポーラですよぉ」
「ポーラ、ね。何でこんなところに?」
「ええ〜?」
……そう言えば、何でここにいるのか、ここがどこなのか、分からない?
「んー、分からないです〜」
「え?わ、分からない?」
「はい〜、迷いました〜」
「迷った……?」
昨日の夜、たらふく飲んで記憶がないと言ったところ。
「あはは、ラムレッダみたい……」
「?」
「え、と、ここにいたら危ないよ?森の中は魔物が出るから」
「はぁ、魔物」
魔物〜?
魔物?
「深海棲艦ですか?」
「えっ、深海、何?」
「深海棲艦なら、私が倒しますよ〜?」
「ち、違うかな?深海なんとかじゃなくって、魔物だよ?」
「日本で魔物と言えば深海棲艦くらいですよ〜?」
妖怪って言うのを見たこともありますけど、それは違う世界の話ですし〜。
「ここはその、ニホンってところじゃないよ?」
「ええ?そうなんですか〜?んー、寝ている間に日本から出ちゃったんですかねえ?」
「い、いや、それは分からないけど、そうなんじゃないかな?現に今ここにいるんだし」
「ここはどこですか〜?」
「アウギュステだけど……」
んんん〜?
「えと、ヨーロッパですか〜?」
「いや、アウギュステはアウギュステだよ?」
んー。
「あはぁ、完全に迷いましたねえ!」
もう完全に……、完全に迷いましたねえ!
「……もしかして、困ってる?」
「んー、割と?」
「それじゃあ、取り敢えず私の団に来てよ!」
「団?」
「そう、騎空団!」
んー。
「よく分からないですけど〜、お酒はありますか〜?」
「沢山あるよ!」
「沢山ですかそうですかー!じゃあついて行っちゃいます〜!そのうちお迎えは来ると思いますし〜!」
「お迎え?」
「提督ですよぉ」
「提督……、偉い人?」
うーん?
提督……、階級的には偉くないですし。
「でも凄い人ですよ〜。優しいしかっこいいし〜」
「………………旅人のマオって人?」
「あ、はい」
頭を抱えるジータさん。と、ビィさん。
「マオさんね……!マオさんとこの子ね……!!」
「あの野郎の知り合いか……」
「どうしました〜?」
「あの、ね、マオさんはね、うちの団の非常勤みたいなものなんだけれど……」
「女癖が最悪でなぁ……」
あー。
「私達、艦娘も、百人ぐらいいますけど、皆んな提督が大好きで、日夜鎬を削ってる?んですよ〜」
「うわぁ……、うわぁ……」
「あの野郎は本当にもう……」
仲良くやっているとは思いますけど〜?
「大丈夫なの?大丈夫なのそれ?私の団、あの人のせいで女の子同士が争い合って大変なことになったんだけど」
「たまに半分本気で殺し合いしたりしますけど、基本的に皆んな仲良しですよ〜?」
「うわぁ……、うわぁ……」
ええ〜?
何があったんでしょう……?
「最初はメーテラとかラムレッダとか狙いやすそうなのを……、次にマライアとかシグとか……、堅実にソシエとユエルとか……、見境なくシャルロッテとかセンとか……、アステールやサラにも声をかけていたし……、どうやったのか堅物のシルヴァやそもそも人じゃないゾーイまで……」
「うう……、やめてくれぇ、睨み合わないでくれ……、オイラ達仲間だろ……」
トラウマに嘆く二人。
……提督、何をしでかしたんですかねえ?
「それじゃあ、私達は依頼だから」
「姉ちゃんはどうすんだ?」
「んー、お伴しますねえ」
「戦えんのか?」
「はい〜、殺し合いは得意ですよぉ〜!」
「物騒だなあ……」
よく分かりませんけど、魔物を殺せばお酒が飲めるんですよね〜?
「この辺りのお酒は何が美味しいんですかね〜、楽しみですね〜」
「ああっ!魔物だ!」
「えい」
ケルベロス。
「銃……?」
「姉ちゃん、銃使いだったのか!でも、そんなでけえ銃、どこに隠し持ってたんだぁ?」
「これですかぁ?」
私のケルベロスとデスホーラーは艤装ですよお。
なんなら、この服も艤装ですねえ〜。
「艤装なんで、好きに出したり消したりできるんですよぉ」
「艤装?」
艦娘、知らないみたいです。
まあ、恐らくは地球じゃないですものね〜。
なら、艦娘について知らないのもおかしくないですよねえ。
「えーと、ですねぇ、まず、私達は艦娘と言って、私の世界で活躍した戦艦の、何というか、化身なんですよぉ」
「へー、星晶獣みたいなものかな」
「肉体のある船の幽霊みたいなものと思ってもらって構いません〜。ちゃんと子供も産めますし、お腹も減りますよ〜」
「成る程」
「でも、毒物に強くて〜、力も素早さも、丈夫さも五感も、全部、人間より強いんですよ〜」
「へー」
「それで、皆んなそれぞれ、艤装と呼ばれる装備を持っていて〜、それを使って戦うんですよ〜」
「その銃が艤装なんだね?」
「はい〜、それとこの服と、デスホーラーも艤装です〜」
「そうなんだ」
そうなんですよ〜。
二丁拳銃ケルベロス、複合武装デスホーラー。
そしてズボンとジャケット、帽子に伊達眼鏡。
これが私の艤装。
「あ、また魔物だ!」
「えい」
「早い?!」
よく分かりませんけど〜、この程度の強さなら、戦闘にもなりませんね〜。
害虫駆除みたいなものですかねえ。
「まあ、このレベルの魔物なら、私も、まず負けることはないけれど、ポーラは凄いね!無傷で切り抜けちゃうんだもん」
「えへへぇ、それほどでもないですよぉ〜。私は、黒井鎮守府の中では中くらいの実力しかありませんから〜」
「こ、これで中くらいなんだ……」
魔物?を沢山倒したので、報酬をもらって、グランサイファーってところでお世話になりました〜。
「ん〜!こっちはエールが主流なんですか〜?」
これはこれで美味しいですね〜、ビールとかとはまた違った味わいです〜!
料理も美味しいですし〜。
戦後はこの辺りで騎空士?をやるのも良いかもしれませんねえ。
「ポーラ、ここにいたのか、迎えに……」
「「「「マオー!!!」」」」
「あっ、やべっ」
あ、提督。
お迎えありがとうございます〜。
「マオっ!会いたかった!」
「ウチの旦那様になってくれるって!」
「ぼくをずっと怖い人から守ってくれるって!!」
「愛しているって言ってくれたじゃないか!」
「一生側にいるって!!」
「けんぞくぅなんだよ!!一緒にいなきゃダメなのに!!」
あら?
女の子達が集まりましたねえ。
「あ、あはははは、ポーラ、帰るよ、早く帰るよ」
あ、見なかったことにする気ですねこれ。
「「「「マオー!!!」」」」
「お願い帰して……、お願い帰して……」
うーん。
「彼はポーラのものですよぉ〜、有象無象は引っ込んでて下さ〜い」
「「「「……は?」」」」
んー?
「「「「マオは渡さないっ!!!!」」」」
やりますかぁ?!
「かかってきて下さいよぉ〜!!」
そして始まる乱闘。
「グハァッ!!!」
「ジーターーー!!!ジータがストレスで血を吐いちまったぜぇ!!!」
ポーラ
二丁拳銃使い。
ジータ
お空の世界の騎空士様。旅人のせいで騎空団の人間関係がヤバいことになったことがトラウマ。