旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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現在攻殻機動隊をハイペースで視聴中。

面白くないこれ?抜けないけど。

OP、ED曲共に良。作画バッチリ、声も良い。

タチコマ可愛い。


338話 イート・ザ・深海棲艦

「提督、私思ったんです」

 

「なんだい赤城」

 

 

 

「深海棲艦って、食べれるんじゃないですか?」

 

 

 

赤城……、遂に頭が……。

 

「赤城さん……、遂にいかれてしまいましたか……」

 

加賀が悲しそうな目で赤城を見る。

 

「ちっ、ちっ、ちっ、可能性の追求ってやつですよ、加賀さん」

 

何が?

 

「赤城さん、良いですか?深海棲艦は、食べ物ではありません。見れば分かるでしょう?」

 

「そうかしら?世の中には、孵化しかけのヒヨコや蛆の湧いたチーズ、動物のペニスや睾丸を食べることもあるんですよ?」

 

因みに、それらは腹の丈夫さに物を言わせて食べてきたらしい。俺も食べたことある。いやあ好奇心って良くないよな!

 

「いえ、まあ……、そうですけど、それとこれとはまた話が別では?」

 

加賀反論。そーだそーだ。

 

「ほら、イ級とか、外殻を砕いたことあるでしょう?中身は青白い肉なんですよ、行けますって」

 

「し、しかし……」

 

うむ……。

 

俺が口を挟む。

 

「赤城、あのな、深海棲艦の正体は、恐らくだが、海の怨念なんだよ。それでも食べたいか?」

 

「怨念ってなんだか重そうでお腹にたまりそうですよね」

 

「赤城さぁん!!」

 

加賀の悲痛な叫び。

 

まあ、そうだな。

 

赤城が食べたいってんなら、やってみるか。

 

 

 

「で、僕達のところに来た、と」

 

「そうだよ(肯定)」

 

えー、この手のことのスペシャルアドバイザー、白露型、の時雨のところに来た。

 

赤城と加賀も一緒についてきた。

 

工房はランタンと魔法で光り、怪しい雰囲気を醸し出している。

 

「あらかじめ聞いておくけど、深海棲艦を食べたことってある?」

 

「いや、流石にないね。深海棲艦を食料的観点から見たことは無かったよ」

 

だろうなあ。

 

白露型は神秘学者集団みたいなもんやし。

 

「で?どうなの?実際?」

 

「ふむ、これが成分表だよ」

 

紙を受け取る。

 

どれ。

 

たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル……。

 

「あれ?これ、食える?」

 

「そうだね、食べたとしても問題はないね」

 

マジか。

 

「でもこれ、ちょっと、数値が人の肉に近いよね」

 

「おや、そこに気付くとは」

 

ニヤリ、と笑う時雨。

 

おっ、緑髪のエレアかな?

 

このままでは「本当に食べてしまったのか?」されてしまうやもしれん。

 

「しかし、それはあくまでも成分表。深海棲艦は怨念で動く肉の塊なんだよ」

 

「成る程、じゃあ、霊的に問題がある、と?」

 

時雨は少し考える仕草をして、言った。

 

「……いや、艦娘や提督なら、食べたとしても直ちに問題はないと思うよ」

 

そんな放射能みたいな。

 

「てか、俺なら何を食べても大体大丈夫でしょ」

 

「……そうだね、それもそうだ。話を聞くところによると、赤城が食べたいと駄々をこねたんだろう?」

 

「まあ、そうだね」

 

「むー、駄々なんてこねてませんよー!私はただ、可能性の追求を」

 

「赤城さん、黙ってましょう?ね?」

 

赤城ェ。

 

「ふむ、どうだろう。怨念の量も大したことはないからね。総合的に見て、食べても問題はないと思うよ」

 

そう、か。

 

「じゃあ、早速やろうか。赤城、深海棲艦を狩ってきて」

 

「はい!」

 

 

 

さて。

 

「イ級です!」

 

取り敢えず……。

 

「血抜きだな」

 

狩ってから転移で直ぐに帰ってきてもらったから、死体は新鮮だ。

 

「ひゅうぅ……、せぇや!!!」

 

まず、甲殻を切り裂く。

 

南斗聖拳で。

 

その後、動脈を切り裂いて逆さ吊りにする。

 

ドロドロと、人間のそれより赤黒い血液が流れ出て、辺り一面に鉄の匂いが漂い始める。

 

「美味しそうですね」

 

「正気ですか赤城さん」

 

「ええ、血の匂いは好きですよ」

 

「まあ、私も嫌いではありませんが」

 

おおっと?ヤベー会話。

 

スルーして解体。

 

臓器の作りや位置は、時雨から渡された紙に書いてあった。

 

それぞれを分解する。

 

「青白い、ですね」

 

手元を覗き込む赤城が呟く。

 

そう、深海棲艦の肉は青白いのだ。

 

何というか、普通の肉の色彩を反転させました、みたいな。

 

「よし、と」

 

取り敢えず解体完了。

 

「どうします?焼きますか?」

 

「待って、取り敢えず俺が食べてみる」

 

生で。

 

え?

 

いや、生肉。

 

食わない?

 

いやあ、俺は旅の途中、生肉すら食えないシーンが多々あったから、生肉でもご馳走ってか、何て言うか。

 

さて、ぱくり、と。

 

「ど、どうですか?」

 

んー。

 

あー。

 

「人の肉に近いな。食感は硬めだ。煮ると美味いかもな」

 

「成る程!」

 

寄生虫とかもいないし、割と食料として優れているのでは?

 

次は……、焼いてみるか。

 

塩胡椒でシンプルに、一センチ程の厚さに切り分けた肉を焼く。

 

「食べてごらん」

 

「いただきます!」

 

「う、い、いただきます」

 

赤城と加賀が、食べる。

 

「ん、これ、意外と美味しいですよ」

 

「……本当、美味しいわ」

 

驚いた表情を見せる二人。

 

確かに、想像していたよりはずっと美味い。

 

人間の肉っぽいが、幻想種っぽくもある。食用ではない肉らしい野性味もあるが、海の生き物であることから、獣臭いということもない。

 

いやー、狸とか食ったことある?あれくっせーのよ。

 

「次は、スペアリブだ。煮込んだものを甘辛いソースで食べるぞ」

 

「あ、これかなりいけますよ!普段の料理として出てきても大丈夫な感じです!」

 

「お、美味しい!料理人の腕かしら?」

 

あれ?

 

これ行けるな。

 

行けるんじゃないか?

 

「良い匂い……!何作っ、て、る、のおおおおおお?!!本当に何作ってるのかしら?!!!」

 

おっと、サラのエントリーだ。

 

「いや、ちょっと、深海棲艦食ってみようって話になって」

 

「どうやったらそんな猟奇的な発想が?!」

 

「前あげた俺の右腕どうした?」

 

「?、スープにして食べましたよ?」

 

うーん、この。

 

「深海棲艦を食べるなんておかしいですよ!!!」

 

「俺を食べるのは?」

 

「それは普通」

 

うーーーん、この。

 

「サラさん、これが思いの他美味しいんですよ!」

 

「アカギ……、遂に頭がいかれて……」

 

「いかれてません!本当に美味しいんですよ!!」

 

「ほ、本当に?really?」

 

「本当です!」

 

恐る恐る、サラが焼いた深海棲艦肉を頬張る。

 

「………………あ、お、美味しい?!!」

 

「でしょう?!」

 

などと、騒ぎながら食べていると。

 

「何だ何だ?」

 

「どうした?」

 

「何、うおおおおおおわ!!!深海棲艦食べてるううう!!!」

 

と、艦娘達が集まってきて。

 

 

 

「本当に美味しい……」

 

「深海棲艦って食べられたのね……」

 

「何だろうこれ……、鯨?牛?に近い?うーん……」

 

結局、皆んなで深海棲艦を食べた。

 

割と皆んな、娯楽に飢えているし、冒険心もあるしで、多くの艦娘が深海棲艦肉を口にしていた。

 

「ね、提督、可能性の追求、やってみるものでしょう?」

 

「ま、まあ、そう、かな?」

 

そして、深海棲艦を食べ尽くした後。

 

「白露型が提督の肉を提供してくれるそうだ!」

 

「「「「わーい!」」」」

 

あっ、ふーん。

 

最終的に俺の肉の料理を作らされる羽目になったが。

 

「あのさ、君達はさ、食べられる人の気持ちを考えたことある?」

 

「嫌なんですか?」

 

「割と嫌じゃない」

 

美人になら食べられても良いかなーって。

 

 

 

どうせなら性的に食べて欲しいもんだけどなーーー!!!

 




赤城
鋼の胃袋の持ち主。

旅人
基本的に何でも食べられる。

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