面白くないこれ?抜けないけど。
OP、ED曲共に良。作画バッチリ、声も良い。
タチコマ可愛い。
「提督、私思ったんです」
「なんだい赤城」
「深海棲艦って、食べれるんじゃないですか?」
赤城……、遂に頭が……。
「赤城さん……、遂にいかれてしまいましたか……」
加賀が悲しそうな目で赤城を見る。
「ちっ、ちっ、ちっ、可能性の追求ってやつですよ、加賀さん」
何が?
「赤城さん、良いですか?深海棲艦は、食べ物ではありません。見れば分かるでしょう?」
「そうかしら?世の中には、孵化しかけのヒヨコや蛆の湧いたチーズ、動物のペニスや睾丸を食べることもあるんですよ?」
因みに、それらは腹の丈夫さに物を言わせて食べてきたらしい。俺も食べたことある。いやあ好奇心って良くないよな!
「いえ、まあ……、そうですけど、それとこれとはまた話が別では?」
加賀反論。そーだそーだ。
「ほら、イ級とか、外殻を砕いたことあるでしょう?中身は青白い肉なんですよ、行けますって」
「し、しかし……」
うむ……。
俺が口を挟む。
「赤城、あのな、深海棲艦の正体は、恐らくだが、海の怨念なんだよ。それでも食べたいか?」
「怨念ってなんだか重そうでお腹にたまりそうですよね」
「赤城さぁん!!」
加賀の悲痛な叫び。
まあ、そうだな。
赤城が食べたいってんなら、やってみるか。
「で、僕達のところに来た、と」
「そうだよ(肯定)」
えー、この手のことのスペシャルアドバイザー、白露型、の時雨のところに来た。
赤城と加賀も一緒についてきた。
工房はランタンと魔法で光り、怪しい雰囲気を醸し出している。
「あらかじめ聞いておくけど、深海棲艦を食べたことってある?」
「いや、流石にないね。深海棲艦を食料的観点から見たことは無かったよ」
だろうなあ。
白露型は神秘学者集団みたいなもんやし。
「で?どうなの?実際?」
「ふむ、これが成分表だよ」
紙を受け取る。
どれ。
たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル……。
「あれ?これ、食える?」
「そうだね、食べたとしても問題はないね」
マジか。
「でもこれ、ちょっと、数値が人の肉に近いよね」
「おや、そこに気付くとは」
ニヤリ、と笑う時雨。
おっ、緑髪のエレアかな?
このままでは「本当に食べてしまったのか?」されてしまうやもしれん。
「しかし、それはあくまでも成分表。深海棲艦は怨念で動く肉の塊なんだよ」
「成る程、じゃあ、霊的に問題がある、と?」
時雨は少し考える仕草をして、言った。
「……いや、艦娘や提督なら、食べたとしても直ちに問題はないと思うよ」
そんな放射能みたいな。
「てか、俺なら何を食べても大体大丈夫でしょ」
「……そうだね、それもそうだ。話を聞くところによると、赤城が食べたいと駄々をこねたんだろう?」
「まあ、そうだね」
「むー、駄々なんてこねてませんよー!私はただ、可能性の追求を」
「赤城さん、黙ってましょう?ね?」
赤城ェ。
「ふむ、どうだろう。怨念の量も大したことはないからね。総合的に見て、食べても問題はないと思うよ」
そう、か。
「じゃあ、早速やろうか。赤城、深海棲艦を狩ってきて」
「はい!」
さて。
「イ級です!」
取り敢えず……。
「血抜きだな」
狩ってから転移で直ぐに帰ってきてもらったから、死体は新鮮だ。
「ひゅうぅ……、せぇや!!!」
まず、甲殻を切り裂く。
南斗聖拳で。
その後、動脈を切り裂いて逆さ吊りにする。
ドロドロと、人間のそれより赤黒い血液が流れ出て、辺り一面に鉄の匂いが漂い始める。
「美味しそうですね」
「正気ですか赤城さん」
「ええ、血の匂いは好きですよ」
「まあ、私も嫌いではありませんが」
おおっと?ヤベー会話。
スルーして解体。
臓器の作りや位置は、時雨から渡された紙に書いてあった。
それぞれを分解する。
「青白い、ですね」
手元を覗き込む赤城が呟く。
そう、深海棲艦の肉は青白いのだ。
何というか、普通の肉の色彩を反転させました、みたいな。
「よし、と」
取り敢えず解体完了。
「どうします?焼きますか?」
「待って、取り敢えず俺が食べてみる」
生で。
え?
いや、生肉。
食わない?
いやあ、俺は旅の途中、生肉すら食えないシーンが多々あったから、生肉でもご馳走ってか、何て言うか。
さて、ぱくり、と。
「ど、どうですか?」
んー。
あー。
「人の肉に近いな。食感は硬めだ。煮ると美味いかもな」
「成る程!」
寄生虫とかもいないし、割と食料として優れているのでは?
次は……、焼いてみるか。
塩胡椒でシンプルに、一センチ程の厚さに切り分けた肉を焼く。
「食べてごらん」
「いただきます!」
「う、い、いただきます」
赤城と加賀が、食べる。
「ん、これ、意外と美味しいですよ」
「……本当、美味しいわ」
驚いた表情を見せる二人。
確かに、想像していたよりはずっと美味い。
人間の肉っぽいが、幻想種っぽくもある。食用ではない肉らしい野性味もあるが、海の生き物であることから、獣臭いということもない。
いやー、狸とか食ったことある?あれくっせーのよ。
「次は、スペアリブだ。煮込んだものを甘辛いソースで食べるぞ」
「あ、これかなりいけますよ!普段の料理として出てきても大丈夫な感じです!」
「お、美味しい!料理人の腕かしら?」
あれ?
これ行けるな。
行けるんじゃないか?
「良い匂い……!何作っ、て、る、のおおおおおお?!!本当に何作ってるのかしら?!!!」
おっと、サラのエントリーだ。
「いや、ちょっと、深海棲艦食ってみようって話になって」
「どうやったらそんな猟奇的な発想が?!」
「前あげた俺の右腕どうした?」
「?、スープにして食べましたよ?」
うーん、この。
「深海棲艦を食べるなんておかしいですよ!!!」
「俺を食べるのは?」
「それは普通」
うーーーん、この。
「サラさん、これが思いの他美味しいんですよ!」
「アカギ……、遂に頭がいかれて……」
「いかれてません!本当に美味しいんですよ!!」
「ほ、本当に?really?」
「本当です!」
恐る恐る、サラが焼いた深海棲艦肉を頬張る。
「………………あ、お、美味しい?!!」
「でしょう?!」
などと、騒ぎながら食べていると。
「何だ何だ?」
「どうした?」
「何、うおおおおおおわ!!!深海棲艦食べてるううう!!!」
と、艦娘達が集まってきて。
「本当に美味しい……」
「深海棲艦って食べられたのね……」
「何だろうこれ……、鯨?牛?に近い?うーん……」
結局、皆んなで深海棲艦を食べた。
割と皆んな、娯楽に飢えているし、冒険心もあるしで、多くの艦娘が深海棲艦肉を口にしていた。
「ね、提督、可能性の追求、やってみるものでしょう?」
「ま、まあ、そう、かな?」
そして、深海棲艦を食べ尽くした後。
「白露型が提督の肉を提供してくれるそうだ!」
「「「「わーい!」」」」
あっ、ふーん。
最終的に俺の肉の料理を作らされる羽目になったが。
「あのさ、君達はさ、食べられる人の気持ちを考えたことある?」
「嫌なんですか?」
「割と嫌じゃない」
美人になら食べられても良いかなーって。
どうせなら性的に食べて欲しいもんだけどなーーー!!!
赤城
鋼の胃袋の持ち主。
旅人
基本的に何でも食べられる。