旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ちにたい。

もっちーが行く異世界テンプレファンタジー編、はーじまーるよー!


345話 異世界テンプレファンタジー その1

望月がラノベを抱えて歩っていたが、それを道に落とす。

 

そしてそれは側溝へ……。

 

「ああっ、私のラノベが!」

 

「ハァイ望月ィ」

 

そこで俺のエントリー。

 

側溝から話しかける。

 

「異世界転移もの見てる?最近流行ってるよ?」

 

望月が首を横に振る。

 

「オォ……、なろう系は受け付けない?何も皆んなが皆んな全てクソって訳でもないぞ?」

 

と、俺が風船を出しながら言う。

 

すると、望月は。

 

「どうせテンプレチーレムでしょ、騙されないよ」

 

と手を引っ込める。

 

「確かにそう言うテンプレチーレムが大多数なのは認めよう。しかし、中には違うものもある」

 

そこで俺は畳み掛ける。

 

「でも、ファンタジーは良いだろう?指輪物語みたいな世界!夢があるだろ?異世界に行ってみたくなるだろう?」

 

「確かにね!ダンバイン見るわ」

 

「待てや!」

 

俺は望月のラノベを取り出す。

 

「私のラノベ!」

 

「どうだい?これを機に異世界でファンタジーしてみないかい?」

 

嫌な顔をする望月。

 

「オォ……、中世レベルの生活は嫌だ?大丈夫、転移のマジックアイテムでいつでも黒井鎮守府に戻ってこれる。観光気分で異世界転移俺つえーだ!」

 

「本当に観光気分で異世界転移俺つえーできる?」

 

「ああ、本当だとも!異世界転移は良いぞ望月ィ、異世界転移は良いぞぉ……」

 

ゆっくりと手を伸ばす望月。

 

「だから君も……」

 

俺はその手をゆっくりと掴み。

 

「異世界にご招待だ!!!」

 

「あああーーー!!!」

 

引き摺り込んだ。

 

 

 

「……で?」

 

「異世界転移とか、興味ない?」

 

「まあ、なくはない、かな」

 

「面白そうでしょ?」

 

「うん、まあ」

 

「行こうか」

 

「いや、行くかどうかならうーん、って感じだよ?」

 

そう?

 

「いやほら、この前は職場体験代わりに艦娘にアルバイトやらせたら大失敗だったじゃん?だから、最初から冒険者とか暗殺者とか軍人とかやってもらうのならどうかな、と」

 

「何で司令官は色々やらせたがるの?」

 

「君達が社会に出れるようにと思って」

 

「私は養ってもらう気満々だけど」

 

いや、それは良いけどね。

 

「いざという時のためとか」

 

「司令官が死ぬとかないでしょ」

 

ないけど。

 

「……まあ、良いよ。どうせ暇だし、付き合うよ」

 

「ありがとう望月!!」

 

望月は何だかんだ言って優しいから好きだ。

 

「じゃあ、あとで異世界転移体験組を集めたら、俺が神雷を誤って落とすから、それに巻き込まれて転移してね」

 

「う、うん」

 

 

 

×××××××××××××××

 

「んっん、さて、やるか。えー、ごほん。と言う訳で、お前さんは死んで……、ねえな、えー、雷を落としてしまった、あー、ショック?で、異世界転生をしてもらうことになる?なりまし、あー、なりました!いや違う、なったのじゃ!」

 

グダグダじゃんか。

 

せめて台本くらい用意しようよ、司令官……。

 

神のコスプレもつけ髭だけで雑だし。

 

「はーい、ご主人さ、じゃなかった、神様ー。しつもーん」

 

「はい、なんじゃ?漣?」

 

「チートはくれますか?」

 

「いやもう……、既にチート持ってるでしょ君ら。これ以上何が欲しいの?」

 

「じゃあ、スマホ下さい、ネットに繋がったやつ」

 

「あ、うん、そのくらいなら良いよ。特殊素材と魔法技術を使った、異世界でも使えるスーパースマホを渡すから、受け取ってね。あ、受け取るのじゃ」

 

役作りも雑ゥ。

 

「えーと、あとなんか言っとくことあったっけかな……。あ、そうだ、ステータスオープンって言ってみ?あ、のじゃ」

 

「?ステータスオープン」

 

『モチヅキ 14歳 女 艦娘族

職業:ウェポンマスター

 

生命力:28755

精神力:19351

筋力:1054

魔力:788

耐久:1277

器用:2548

技量:2411

感覚:2664

敏捷:2941

 

スキル

艤装召喚5

クイックドロー4

精密射撃5

クイックブースト4

オーバードブースト4

マルチロックオン4

ブーストチャージ4

算術4

科学4

戦術3

異世界語理解5』

 

おぉお……。

 

なんかそれっぽいのが出た。

 

「えー、なお、ご覧になっているそのステータスは、一般人の生命力、精神力が100、各ステータスが10、スキル二つ三つがその世界の人の基本ステータスとなっておるのじゃ。あ、スキル横の数値はスキルレベルで5が最大ね。異世界語理解は俺からのプレゼント。年齢は外見年齢から適当に決めた、俺が」

 

「え?待って待って待って?強過ぎない私?」

 

「いや……、君らのパワーを数値化するとこうなるんだよね……」

 

……まあ、並の人間の百倍くらいは強いとは思うけど、私も。

 

えー、これはもう、早速ヌルゲーの予感。

 

……まあ、良いか。

 

「あ、あと、ステータスは見せようと思えば他人にも見せられるから」

 

そうなんだ、お約束だね。

 

「もっちー氏、見せてー」

 

「お、漣。良いよー」

 

ふむ、漣は格闘家。

 

巻雲は魔法使い、秋雲は呪術師、初雪はガンナー……。

 

他にも見せてもらおう。

 

白露型はやっぱり狩人で、摩耶さんは魔法剣士、愛宕さん重戦士、鳥海さん魔法使い、高雄さん戦士。

 

妙高型は暗殺者で、古鷹さんベルセルク、テストさん人形使い、川内さんは忍者、神通さんは侍、那珂ちゃんは吟遊詩人。

 

弓を使う空母は狩人認定。

 

戦艦は大体が格闘家。

 

ガンナーと格闘家が多い傾向があるかな。

 

まあ、艦娘だしね。

 

私としては魔法使いがいることにびっくりなんですけど。

 

おかしいでしょ、普通に。

 

……まあ、黒井鎮守府がおかしいのは今に始まったことじゃない、か。

 

よし。

 

じゃあ、まあ、行こうか。

 

「黒井鎮守府に帰るには、渡したスマホのホーム画面にある帰還をタップしてね。はい、じゃあ、いってらっしゃい」

 

……………

 

…………

 

……

 

「っと、ここは?」

 

町外れ、ってところかな。

 

人影はない。

 

でも、向こうに街らしきものが見える。

 

周りには、漣、初雪、秋雲、巻雲。

 

大体、いつも一緒にいる面子だ。

 

「これはあれかな、パーティを組めってことかな」

 

「五人で?」

 

「普通四人じゃない?」

 

「そう?メガテンでは六人だし、モノによるんじゃないかな?」

 

五人で駄弁りながら、街へ向かって進む。

 

門番さんに適当に挨拶して、街中へ。

 

おお、ファンタジー。

 

あ、ちょっと怪しまれたけど、女の子なんで最終的にはスルーされたよ。

 

そんで、割とノリノリの初雪が、冒険者やりたいと言い張って、結局冒険者をやることに。

 

「初雪さんや、何でそんなノリノリなの?」

 

「実は私、なろう系好き」

 

ははあ、なるほどなあ。

 

「このままパーティをクビになっても美味しいッ!!」

 

「いや、クビになんてしないよ……」

 

「最近は、パーティをクビになった人が無双するのが流行ってるから……」

 

そっか……。

 

 

 

「おいおい、成人もしてねえガキが冒険者だって?」

 

「この仕事舐めてんのか?」

 

「甘く見てんじゃねえぞ!」

 

そして、テンプレに絡まれた。

 

「ふおお……!」

 

ああ、初雪の目がキラキラしてる。

 

そうだよねえ、見た目女の子の五人が荒くれ者の冒険者になろうとしたら絡まれるよねえ。

 

「へへへ、いやー、すみませ「かかってこーい!」ちょっと初雪?!何で喧嘩売るの?!」

 

「「「舐めんなガキィ!!!」」」

 

あーもー、全く!

 

「手加減苦手なんだからさあ!」

 

「ぐえ」

 

軽く、本当に軽く押し飛ばす。

 

それだけで宙を舞うチンピラ冒険者は、壁に叩きつけられた。

 

「あちゃー、殺してないよね、これ?」

 

「死んでない、おっけー」

 

初雪ー。

 

「てっ、てめえ」

 

「私のターン」

 

初雪は、振り下ろされた斧を片手で白刃取りすると、軽く殴った。

 

「あぎ」

 

そして、あまりの威力に縦に一回転するチンピラ冒険者。

 

「ちょっと!!」

 

「大丈夫、殺してない」

 

「ひ、ひいいいい!!!」

 

残った冒険者は逃げて行った。

 

そして、無事一目置かれた私達は、冒険者登録をする。

 

「………………え?な、何ですかこのステータス」

 

そして、無事にステータスがバレる。

 

「実はドラゴンだったりとか?」

 

あー、めんどい。

 




望月
艦娘の中ではあまり強くない方だが、精密射撃には定評がある。そして何気に頭もいい。

旅人
つけ髭で神っぽいコスプレをした。

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