旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

346 / 593
最近攻殻機動隊にハマった。

しかし、絶望的に頭が悪いので内容はふんわりとしか理解できてない。

でもおすすめです。


346話 異世界テンプレファンタジー その2

伝説級のステータスということで、大騒ぎになった。

 

ギルドマスターなる偉そうなおじさんとも面談する羽目になって、大変面倒くさかったね。

 

初雪は、なんだか楽しそうにしてたけど、こっちはいい迷惑だよ、本当に。

 

「あー、そんでどうするの?」

 

「取り敢えずランク上げ」

 

また、これ、テンプレで、冒険者にはランクがあるらしい。SからEまで。

 

方式的には加点式みたいだから、適当に戦ってればランクは上がるみたいね。

 

五人でパーティ組んでそこらで暴れ回る。

 

ゴブリンの巣にプラズマミサイル撃ち込んだり、オークの群れにパルスガン掃射したり。

 

パーティとしてのバランスも良かった。

 

回復役がいないことが気になるけど、そもそも回復が必要なほどのダメージを受けるとは思えないし。

 

まず、前衛に漣。

 

直接攻撃を受ける、所謂タンクではないが、ターゲットを自分に向けて、後衛に手出しさせない。

 

異常なスピードで敵を撹乱し、近付こうとする相手を蹴り飛ばす。

 

そして、中衛に私と初雪。

 

私はレーザーブレードとレーザーライフル、プラズマミサイルで、初雪はライフルと格闘、そしてパイルバンカーで機動戦。

 

しょうがないから私が全体指揮してる。

 

後衛に秋雲と巻雲。

 

呪術と魔法で範囲攻撃してくれる。

 

そうこうしつつ一、二ヶ月冒険者をして回ると、すんなりとBランクに昇格していた。

 

変な異名とか付いた。

 

個人的によく使うエネルギー系武装の光から、『燐光』の通り名が付いた。

 

やめて……。

 

恥ずかしいからやめて……。

 

尚、『紫杭の盾』と名付けられた初雪さん、大喜び。

 

「つよそうで草」

 

こちとら草も生えないんだけどね!

 

 

 

そう、それで……、今私達は、辺境って感じのところにいる。

 

この辺境は、開拓地で、魔物退治の依頼が多いのだ。

 

つまり、私達向きだってこと。

 

あ、そうそう。

 

例によって、魔王とかいるらしい。

 

そいつらが、暗黒大陸?ってところから攻め入ってきているらしいよ。

 

王都とかでは、その、魔王の僕が度々攻めてくるとのこと。

 

もう、ね、面倒だからその魔王とかいうのをちゃっちゃと倒して終わりにしたい。

 

 

 

「緊急クエストです!!」

 

冒険者ギルドに出向くと受付嬢が大声を張り上げていた。

 

「ドラゴンです、この街の付近にドラゴンが来ました!!至急討伐をお願いします!!」

 

ドラゴンが出たらしい。

 

「ドラゴン、ねぇ……」

 

「受けます」

 

「あ、初雪!!」

 

「貴女は……、燐光のパーティの?!ありがとうございます!これで何とかなるかも……!!」

 

初雪が勝手にクエストを受諾してしまった!

 

ああ、もう!

 

……まあ、いいか。

 

しょーがない、やろう。

 

「依頼の詳細を聞きたいんだけど」

 

「あ、はい。依頼は、街に来るドラゴンの退治、報酬は三百万ゼニーです」

 

「え?三百万?」

 

庭付きの家が買えるんだけど。

 

「はい、流石に、今回の事件は大事ですから、冒険者ギルドも大金を出しますよ」

 

「ふーん、まあ、分かった。良し、行こうか皆んな」

 

「「「「うん」」」」

 

 

 

現場に急行すると、そこには緑のドラゴンが。

 

『グォア……、ガォ……』

 

「ん?何だろう、あれ?」

 

「何かに、怯えてる?」

 

「追っ手が来ないか後ろを振り向いているみたいに見えるね」

 

確かに……。

 

何かから逃げてきたのかな?

 

まあいいや、やっちゃえ。

 

私がレーザーライフルを撃つ。

 

あ、貫通しないんだ。

 

結構丈夫っぽい?

 

『ガァ?!!』

 

「漣!タゲとって!」

 

「りょーかい!」

 

「初雪は私と援護射撃!」

 

「うん」

 

「秋雲と巻雲は術を!」

 

「「はーい!!」」

 

指示を出して、と。

 

「行くよー!」

 

漣が空を飛んで、ナノマシンでできた具足で思い切りドラゴンの側頭部に蹴りを入れる。

 

『ガッ?!!』

 

ドラゴンが怯んだところで。

 

「今だ、撃てー!」

 

「分かった」

 

初雪とライフルで、ドラゴンの翼に集中砲火。

 

『ガァァァ!!』

 

ドラゴンは翼に傷がついて、地面に落下する。

 

「今だ!!」

 

「「はいはいー!」」

 

秋雲が、混沌の大火球を。

 

巻雲が、ソウルの結晶槍を。

 

それぞれ撃ち込んでドラゴンにトドメを刺す。

 

『ゲ、ァ………………』

 

ああ、ドラゴンの頭がぐちゃぐちゃに……。

 

グロいんだよなあ、未だに慣れない。

 

別に私は殺しを楽しいと思ったりしないからなあ。

 

こういうグロいの見せられると困る。

 

素材の剥ぎ取りとか、極力やりたくないね、うん。

 

「もっちーさん、もっちーさん」

 

「はい何初雪さん」

 

「ドラゴンの角の先っちょ切って。記念に持って帰る」

 

「はいはい」

 

レーザーブレードで、と。

 

うわ、結構丈夫だな、ドラゴンの角。

 

じっくり数十秒かけて焼き切ったドラゴンの角を懐に仕舞う初雪。

 

「ついでに写真撮ってツイッターに上げる」

 

皆んなで殺したドラゴンの前で写真を撮る。

 

 

 

「終わりましたー」

 

「も、もうですか?!」

 

「確認お願いしますー」

 

「は、はい」

 

そして、数時間後に、確認の人が来て。

 

「ドラゴンの死体を発見したそうです!それと同時に、Sランクへの昇格も決定です!!」

 

「な、何だと!!」

 

「本当か?!」

 

「凄え、流石は『燐光』のパーティだ……!!」

 

あー、やめて下さい本当に、その厨二異名やめてー。

 

「それにしても、ドラゴンは何から逃げていたんだろうね?」

 

「さあ……?」

 

「ドラゴンって、魔王軍でも切り札の強力なモンスターなんでしょ?それが脱走とか、する?」

 

「それにドラゴンは凶暴で、誇り高いとか聞くけど」

 

「そんなドラゴンが逃げる程のことがあったの、かな……?」

 

うーん。

 

「分かんないなぁ、けど、何かが起きてることは確かなんじゃない?」

 

と、月並みなことを言っておいた。

 

「ふおぉ……!良い、この雰囲気……!」

 

あと、初雪が喜んでる。

 

「まだ見ぬ強敵の気配っ!」

 

「はいはい」

 

 

 

「さて、それじゃあ、次は西に向かうよー」

 

「「「「おー」」」」

 

「魔王とかってのを倒さなきゃならないからねー、まずは四天王とやらを倒さなきゃならないっぽいねー」

 

あー、えっとね、四天王は大体世界の東西南北に一人?一体?ずつ配置されていて、魔大陸へ侵入できないように結界を張っているらしいよ?

 

だから、四天王を各個撃破して、その結界を破壊して、魔王のいる魔大陸に行かなきゃならないんだってさ。

 

……めんどくさい。

 

さて、冒険者ギルドから滅茶苦茶引き止められたけど、行くよー。

 




望月
『燐光』(笑)。

初雪
『紫杭の盾』(笑)。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。