旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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虐殺器官見ました。

面白かったけど、んにゃぴ、よくわかんなかったです。

SF好きだけど、毎回政治やイデオロギー?とかの話になるんで難しいよね。

あとはブレードランナーとか映画も見たいです。


347話 異世界テンプレファンタジー その3

「望月、知ってる?」

 

と漣。

 

「何が?」

 

と私は聞き返す。

 

「今向かってる西には、『骸』って呼ばれる凄腕の冒険者の二人組がいるらしいよ」

 

「へえ」

 

「じゃあ、その『骸』より先に四天王の一人、土のバルコンネを倒さなきゃ」

 

と初雪。

 

はいはい、分かったよ。

 

それにしても、『骸』か……。

 

一体何者なんだろう……?

 

 

 

「あ、こんにちは望月ちゃん」

 

「よー、望月ー」

 

………………。

 

あー。

 

………………。

 

うー。

 

『骸』の正体は、古鷹さんと加古さんだった。

 

「身内かよっ!!!」

 

何でだよーーー!!!

 

何で身内なんだよーーー!!!

 

「ファンタジーぶち壊しじゃんかよ!」

 

「はい?ふぁんたじー?よく分かりませんけれど、怪我や病気になったりなんかしていませんか?」

 

「あ、それは、うん、大丈夫だけど」

 

「それは良かったです。私は犬ですから、群れの仲間を大切にしますよー」

 

相変わらず頭おかしいこの人……。

 

古鷹さん。

 

自称、司令官の犬。

 

司令官を不快にすれば仲間だろうと噛み付く狂犬だ。

 

趣味は庭の整備。

 

巨大な特大剣、牙斬刀を片手で振り回す怪力と、雷を操る技を持つ魔神。黒井鎮守府でも最強の一角である。

 

ステータスを確認させてもらったところ。

 

『フルタカ 18歳 女 艦娘族

職業:ベルセルク

 

生命力:58770

精神力:56981

筋力:6212

魔力:1046

耐久:4568

器用:1745

技量:2978

感覚:2677

敏捷:1431

 

スキル

艤装召喚5

料理4

園芸4

剣術5

格闘4

歩法4

連携5

殺意のオーラ5

血の狂乱5

死の旋風5

魔刃連撃5

威圧4

トールハンマーブレーカー5

マジンパワー5

異世界言語理解5』

 

私の上位互換かな?ってレベルで強い。

 

ってかスキル欄が怖い!

 

何よ、殺意のオーラって!

 

この人本当に怖いからもう……、もうね、もう……。

 

何が怖いってね、この人には底なしの悪意があるんだよね。

 

他にも榛名さんみたいに、日本語が通じないやべーやつはいるけれど、古鷹さんは悪意を持ってキレてるからやばいんだよね。

 

ナチュラルボーンキチガイは、実はまだ交渉の余地があるから。司令官の命令だとか言えば騙せるんだよね。

 

でも、古鷹さんは悪意を持ち、態とやるから怖い。

 

命乞いとか通用しないタイプだ。

 

何を言っても、司令官の敵と認識したものには喰らいつく狂犬だから。

 

あー怖い。

 

「そ、それで、古鷹さん、何でこんなところに?」

 

「?提督の命令だからですよ。命令通りに戦っているんです」

 

「あー、いや、司令官はね、私達に異世界での生活をエンジョイしてほしい、ついでに社会での生活を学んでほしい、と思ってるんじゃないかな」

 

「そうなんですか?」

 

「私はそう思うなあ。別に戦えとは言ってないし」

 

「でも、私は戦うことしかできませんから」

 

「あ、そうですか」

 

あとついでに、戦闘狂のキリングマシーンであることも挙げられる。

 

兎に角殺し合いが好きらしくて、庭の整備以外では出撃か実戦形式での訓練、と言う名の殺し合いばかりしている。

 

正直言って、会話のコマンドを一つ間違えれば、首が斬り飛ばされる可能性がなきにしもあらずなので、あんまり会話したくない。

 

「……あー、兎に角、私達は魔王を倒す予定だけど、古鷹さんは?」

 

「特に予定はありませんね。この辺りで適当にモンスターを殺していくつもりです」

 

「それじゃ、ちょっと手伝ってくれないですかね?」

 

「はい?何をですか?」

 

「この西の都の近くには、魔王の四天王の一人がいるらしいんですよ。一緒にそいつ倒しませんか?」

 

「ええ、良いですよ」

 

あら、あっさり。

 

 

 

まあ、ね、古鷹さんと加古さんのコンビは最強だからね、いてもらうと助かるよね。

 

『ぐっ、があぁ……!!ば、馬鹿な、この俺様をここまで追い詰めるとは……!!』

 

土のバルコンネは、古代遺跡の洞窟の中にいた。

 

金属の鉱石の塊のゴーレムみたいな見た目のやつで、黒くて4mくらいの硬そうなやつだ。

 

頭の部分からオレンジ色の三つの目が光っていて、身体の形を自在に変化して襲いかかってくる。

 

まあ、5時間くらいかな?ダンジョンの中を進んで、最奥にいた。

 

最初は、『俺様は四天王最硬のバルコンネ様だ!』とか、『メスどもめ!ゴブリンの孕み袋にしてやる!』とか言って粋がっていたけど、それを聞いた古鷹さん、加古さんがブチ切れて襲いかかって行った。やっぱ怖いよこの二人。

 

「私の全ては提督のもの……、提督のものを犯して殺す?」

 

「許されることじゃないね、それは」

 

どうやら、常日頃から司令官の子供が欲しいと言っているのに、一向にその気配がないところ、孕み袋にしてやると言われたのが相当イラついたらしい。

 

ふぇえ、逆鱗の位置がどこだか分からないよぉ。こっわ。

 

「古鷹さん、援護射撃要りますか?」

 

「ううん、大丈夫だよ、望月ちゃん」

 

振り返って笑顔で告げる古鷹さん。

 

やめて下さいこっち見ないでうわあ瞳孔ガン開き!!

 

片手で2m近い特大剣をぶんぶん振り回してる。

 

遺跡の中だし引っかかるんじゃないの?と思うじゃん?古鷹さんの馬鹿力は、遺跡の壁ごとぶった斬っているのよね。

 

古鷹さんは、100kgを超える肉厚の馬鹿でかい特大剣を片手で振り回す怪力その力を完全に制御する技量。

 

加古さんは、艦娘ですら反動で肩が外れかねない程の威力がある二丁拳銃で、1km圏内なら百発百中。

 

……でも、そんなことより、凄いのは、二人揃った時のコンビネーションだ。

 

声も、視線も、合図もなしに、完全な連携を可能とするコンビネーション。

 

いやもう、あれはコンビネーションなんてものじゃないね。

 

最早、腕脚四本の魔神と言った方がいい。

 

加古さんが銃を向けた時には、射線の古鷹さんが避けて、古鷹さんが剣を振った時には、間合いの加古さんが跳んで。

 

まるで、一つの生き物みたいに動く。

 

その威力もさることながら、手数が尋常じゃない。

 

離れれば銃撃、近付けば斬撃が飛んでくるキルゾーン。

 

二人がコンビを組んだとき、勝てる奴はいないと評判だ。

 

「「死ね」」

 

『がぁぁぁぁぁ!!!!』

 

例えるなら、熱したフライパンにバターを押し付けたみたいな、そんなスピードで物理的に削られていく土のバルコンネ。

 

『ひいっ、や、やめ……!!』

 

「「死ね」」

 

古鷹さんが首を斬り飛ばし、加古さんがその首を撃ち抜いた。

 

……化け物、じゃん?

 

 

 

「『燐光』のパーティと『骸』の二人が四天王を倒したぞ!!!」

 

「うおおおおおお!!!」

 

「祝杯だああああああ!!!」

 

土のバルコンネの首を持って帰ったら、大歓迎された。

 

「いやあ、ありがとうございますー」

 

適当に礼を言って場を逃れたいが。

 

「何を言う!礼を言うのはこちら側だ!」

 

と、領主まで出てきた。

 

「君さえ良ければうちの騎士に、いや、嫁入りしないかね?」

 

「「「「結構です、既に心に決めた人がいるんで」」」」

 

「そ、そうか。しかし、パーティーにくらいは出てくれるかな?」

 

「いやー、次の四天王を倒さなきゃならないんでー」

 

「な、なんと!まさか、全ての四天王を倒すつもりかね?!」

 

「いや、一応、魔王討伐が目標ですねー」

 

「ま、魔王討伐を?!」

 

「と言う訳なんで、忙しいんですよー。それじゃ失礼しますー」

 

面倒事を全スルーして、次の街へ。

 

次は、東かな。

 

東の街。

 




望月
ファンタジー世界でくらいは身内以外に会いたかった。

古鷹
クラス:バーサーカーのマジヤベー奴。

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