旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

349 / 593
普段はアニソンとロックしか聞きません。それも古いやつ。

好きなバンドはクイーンとペナルティキックオールディーズです。


349話 異世界テンプレファンタジー その5

南の街へ、火のボルケインを倒しに。

 

何だかんだで最後の四天王だからね。

 

あと、南には勇者がいるらしいから、それにも会いたい。

 

勇者は、何でも、物凄い威力の魔法と、最強の剣技を使い、盾も持ち、攻防も距離も問わずに戦えるオールラウンダーで、三人の仲間と一緒にいるんだとか。

 

勇者かあ、楽しみだなー。

 

 

 

「おっ、望月じゃねえか」

 

「身内ーーーッ!!!!」

 

摩耶さんだった。

 

勇者パーティの正体は、高雄型であった。

 

であるかー……。

 

もう、もうね、本当にもう……。

 

「どうした望月?」

 

「いや……、折角ファンタジーなのに、身内にしか会わないから……」

 

「そうなのか?」

 

「がっかり感が凄い」

 

「そ、そうか?なんか、ごめんな?」

 

「あ、いや、摩耶さんが悪い訳じゃないんで!本当に!大丈夫だよ、うん」

 

「いや、まあ、そうだよな。普通は現地の冒険者が活躍してるって思うよな……」

 

「いや、まあ……」

 

「なんか、悪い」

 

「いや、大丈夫、本当に」

 

 

 

『マヤ 18歳 女 艦娘族

職業:魔法剣士

 

生命力:42666

精神力:41440

筋力:4963

魔力:3975

耐久:3466

器用:1547

技量:1978

感覚:1481

敏捷:1589

 

スキル

艤装召喚5

剣術5

盾術5

弓術4

投擲4

歩法4

騎乗3

火魔法4

雷魔法4

氷魔法4

無属性魔法4

自己強化魔法4

回復魔法4

空間魔法4

サバイバル4

異世界言語理解5』

 

ステータスは強いし。

 

「あ、そうだ、望月。あたし、ちょっと火のボルケインとか言うの倒したいんだけどさ」

 

「あ、うん」

 

「四人じゃダンジョン攻略がめんどいからさ、手伝ってくれない?」

 

「え、真面目にダンジョンを攻略するんですか?!」

 

「お、おう」

 

おおお、冒険者っぽい!!

 

「オッケーです、やりましょう!」

 

 

 

いやあ、良かった!!

 

これが一部艦娘だと、ダンジョンに爆薬仕掛けて一網打尽とか平気で言うからね?

 

さて、と。

 

「火のボルケイン、ボルテスの塔攻略、開始!!」

 

「「「「わー!!!」」」」

 

楽しい!

 

 

 

って言ってもまあ、戦闘面で困ることはないけどね。

 

私、漣、初雪、巻雲、秋雲の五人と、高雄型の四人。

 

困らない困らない。

 

「火蜥蜴だ、横からやって!初雪!」

 

「あいあいさー」

 

ここでも、指示するのは私かな。

 

摩耶さん達、高雄型は……、なんて言うかな、個人プレーが基本って感じ?

 

連携とかはないけど、お互いに気づいたところをカバーし合うみたいな。

 

やっぱり、連携のプロである古鷹型の二人を見た後ではねえ。

 

でも、強いよ。

 

少なくとも、私よりは強いんじゃないかな。

 

「いや、戦ってみると分かんねえと思うね。実際、睦月型は強いし、アウトレンジから攻められるとキツイし」

 

と、摩耶さん。

 

「そう?摩耶さんなら、その気になればどうとでもできるんじゃない?」

 

「いやあ、その辺は本当に分かんねえって。実際にやり合ってみないとなあ」

 

「いや、実際にやり合うとかごめんですけどね」

 

「あたしは構わないぞー?」

 

「いやいや、本当に、勘弁してよ、マジで無理だから」

 

「そうか?やりたくなったらいつでも言えよ」

 

「なーにが嬉しくて身内でバトらないとならないんですかねェ……」

 

いやー、戦闘狂だよね、割と。

 

 

 

「あ、ご飯どうします?」

 

「安心しろ、あたし達は異次元ポケットの魔法で食料を持ち込んでるからな」

 

「え、そうなの?」

 

「ああ、分けてやる」

 

「いや、なんかごめんなさい」

 

「良いって、気にすんなよ」

 

そんで、ダンジョン飯。

 

「この火蜥蜴の肉、食えるんじゃねえか?」

 

「……え?く、食うの?」

 

「ああ、冒険者だからな」

 

うーん。

 

まあ、艦娘だし、毒が入ってても死なないかな。

 

ダンジョン飯、ちょっと興味あったし。

 

「じゃあ、焼いてみます?」

 

「いや、野菜と煮てみようぜ」

 

煮る。

 

「はぁい、コンソメあるわよー」

 

と、愛宕さん。

 

「コンソメは美味いぞー、パスタも入れてスープパスタにしよう」

 

スープパスタ、アリだね。

 

「あとサンドイッチも作ってきましたよー」

 

と、鳥海さん。

 

「飲み物は紅茶で良いかしら?」

 

と、高雄さん。

 

この人達、サバイバル能力高くない?

 

 

 

そして、塔の最上階に。

 

『クハハハハ……!!俺が四天王の一人、火のボルケインだ……!!』

 

おー、ドラゴンかー。

 

『ここまでよく来たものだ……、だが、ここで終わりだ!!』

 

と、襲いかかって来た。

 

でもまあ、こちとら、たかがドラゴン程度にやられるほど弱くはないからね。

 

「撃て撃てー!」

 

『アイスボルト!』

 

『スウォーム!』

 

と、10分くらい戦って、最後は。

 

『ぐああああーーー!!!くっ、ここで俺を倒したところで、新たな十人の魔王様には勝てないぞ!!!精々足掻くんだな!!!ふふふ、ふはははは!!!』

 

と言って倒れた。

 

ん?

 

んんー?

 

「十人の魔王?十人の魔王?!!多くない?!!」

 

『いや……、最近魔王様が代替わりして……。それで、なんか……、十人に増えたのだ』

 

「い、いや、多いって!!王様が十人いるんだよ?!国としておかしいだろ!!」

 

『い、いやその、我々魔族は国というか共同体で、強い奴が王になるから……。今回はたまたま同格のやつが十人いたってだけで』

 

「ウッソだろオイ!」

 

『いや、本当なのだ。新しい魔王様達には誰も敵わない。先代魔王はズタズタに斬り刻まれて死んだ。城にいたドラゴン族も皆、悍ましい実験に使われ、命からがら逃げ出したそうだ』

 

「ええぇ?!」

 

あ、あの、辺境で倒したドラゴンって、逃げて来たやつなのかな?

 

「もう良いか?」

 

「アッハイ」

 

『ぐぇ』

 

摩耶さんが火のボルケインにとどめを刺す。

 

えー?

 

十人?

 

十人の魔王?

 

えー?

 

 

 

どう考えても多過ぎる。

 

下手したら負けるかもしれない。

 

と言う訳で、各地から仲間を集めた。

 

「あの、古鷹さん、加古さん」

 

「「はい?」」

 

「なんか、魔王倒したいんだけど、十人もいるらしくて」

 

「あ、手伝って欲しいと?」

 

「うん、良いかな?」

 

「良いですよ」

 

とか。

 

「足柄さん、魔王倒すの手伝ってくれない?」

 

「あー……、まあ、良いわよ。妙高型は手を貸すわ」

 

とか。

 

「ゴーヤ、魔王倒すの手伝って」

 

「えー……、ゴーヤ達、陸では強くないでちから、いやでち」

 

「そう、なら良いや」

 

とか。

 

「それじゃ、高雄型の皆さんも手伝ってくれるの?」

 

「ああ、良いぜ」

 

とか。

 

良し。

 

「それじゃあ、皆んな!魔王を倒しに行くぞー!!」

 

「「「「おー!!!」」」」

 

と、言うことになった。

 




望月
キャンプした時みたいで楽しかった。

高雄型
冒険者。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。