家系が良いんだけどなー。
最近、マヨネーズで土手を作った食パンに卵乗せてトーストしたパンにめっちゃハマってます。あれはやばい、悪魔の食べ物だ。
もう四月の初め頃じゃん。
よし。
「たまには仕事するッかァ〜」
いやー、ね。
俺の仕事は、殆どが大淀とかの仕事できる艦娘が代理で終わらせちゃうのよね。
俺の意思をほぼ完全に読んでくれるから、適切に仕事を終わらせてくれちゃう訳よ。
俺がやることと言ったら最終チェックくらいのもんで、殆どやることはない。
たまには俺もなんかやらにゃなあ。
動き出す、俺。
「大淀」
「はい」
「仕事やります」
「はい」
大淀はね、ほら、付き合い長いから、何で?とは聞いてこない。
俺がやると言ったら全力でサポートしてくれる。
良妻。
いや、やめてくれ、結婚してない、結婚してないぞ。
さて、とは言え、さっきも言ったように、俺の仕事はない。
そもそも、仕事の速さ的には大淀の方が俺の何倍も速い。
遅い奴に任せるより、速い奴に任せて、遅い奴はそいつにしかできないことをやらせるのが効率的じゃん?と考えられる。
黒井鎮守府はホワイトかつ効率的。
できないこと、苦手なことには、チャレンジしてみろとアドバイスはするが、無理矢理やらせたりすることはない。
事実、先日の異世界送りの件についても、半分くらいの艦娘は断った。
NOと言える日本人を目指して欲しい。
さて、俺にできること。
わーたしにーでーきることー。
ひとーつづーつーかーなえ……、こなしていきたい。
パンツじゃないからはずかしくないもん。
俺にできることとは即ち、取引先と直接会うことと、黒井鎮守府の責任者としての役割の二つ。
責任者としての役割については、まあ、うちの子は皆んな優秀だし、滅多に責任取るようなことは……。
………………。
さあ、取引先に挨拶してこよう!
『やあ、こんにちはジョルノ。ああ、いや、もうジョルノさんって呼んだ方が良いかな?』
『構いませんよ、マオ』
あら、心が寛大。
目の前にいるのはイタリアンマフィア、パッショーネのボス、ジョルノ君。
昔知り合ってね、友人なんだよ。
いやあ、ちょっと仕事にイタリアまで来てさ。会合だよ。
「真央〜?イタリアまで来といて何の話をするんや?」
「仕事の話ですよ真島さん」
「なんや、みぃーんな英語やから分からんわ」
「イタリア語です」
「変わらへんやろ」
真島組の真島組長。東城会の代表として来てもらった。
他にも色んな人と仕事の話をする。
三合会の張さん、ホテルモスクワのバラライカさん、黒須組の白竜さんと大物が揃っている。
『喧しい男だ……。平和ボケした日本のギャング如きが何故ここにいる?』
とバラライカの姉御。
「あん?何や姉ちゃん?」
しかし、真島さんはロシア語が分からない。
が。
『タイのロアナプラに引き篭もるお山の大将に言われたくはないな』
と、態々ロシア語で言い返す白竜のアニキ。
『……なんだと、ヤポンスキ(日本人)』
腰の拳銃に手を伸ばすバラライカさん。
それに反応してスタンドを出すジョルノ君。懐の銃に手を伸ばす張さん、白竜のアニキ、ドスを手にする真島さん。
おおっとー?
『はいはい、やめましょうよほんとにもう!皆んないい歳した大人でしょうに!喧嘩腰はヤメテ!!!』
と、俺が英語で呼びかける。
あーもー、こう言う人達集まると喧嘩するから嫌だわ。
毎回俺が止めに入る。
最悪撃たれる。
俺が。
『仕事の話をしましょう?ねっ?』
『『『『……チッ』』』』
やだ、怖いよぅ。
『それよりバラライカさんは後で俺と一晩』
銃声。
『……酷くない?』
『さあ、仕事の話をするぞ』
と張さん。
『あれ?俺が撃たれたことはスルーなの?俺の扱い悪くない?』
『では去年の総決算から入ります』
とジョルノ君。
え?
俺の扱い、悪くない?
仕事終了。
『バラライカさん、この後暇?デートとか』
銃声。
『……酷くない?』
『9mmが効かないチゥドーヴィシシィ(怪物)と付き合う趣味はない』
『いやいや、人間だって。9mmくらいなら弾く奴いっぱいいるって!ねっ、デートしよう!退屈はさせないか』
銃声。
『消えろ』
『はい、すいません……』
「大淀ー」
「はい」
「仕事で辛いことがあったから慰めて」
「はい」
帰国。
悲しいなあ。
バラライカさんにはイマイチ好かれてないなー。
何でも、銃弾が効かないと言うのはかなり気味が悪いんだとか。
ロアナプラ行った時はよく化け物扱いされたっけ。
「では、こちらへ」
「おいーっす」
「はい」
ソファに座った大淀が、自分の膝をポンと叩く。
おっすおっすおーっす。
そりゃアレかい?膝枕かい?
イェア。
「fuu↑」
ダイブ。
「それで、提督?何か嫌なことがあったんですね?話してください、力になりますよ」
「ンアッ、そのゥ、ちょっと言いづらい話だから!」
「そうですね、私以外の女を口説いて振られたなんて、私には言いづらいですよね」
「そうなんだよー、流石にそれは言いづら、い……?!!」
何で知ってりゅの???
「いえ、良いんですよ、気にしてませんから」
「い、いや、本当に、その」
「気にしてませんから」
「……ごめ」
「気にしてませんから」
あびゃぁぁぁ。
怖いよー。
艦娘怖いよー。
「どうやって知ったの?」
「人工衛星と滞空ナノマシンです」
ほぁあ。
「君達、割とヤバいストーカーだよね」
「愛故にです」
愛と言えば何でも許されると思うなよー?
さて、次は書類仕事を終わらせようか。
まあ、さっきも言ったけど、やることは多くない。
あ、それと、書類仕事とは言ったけど、基本データで送られるよ。
いや、態々紙にする必要ないよね。
今どこもペーパーレスでしょ。
んじゃやるかー。
んー。
……あのね、まあね。俺のところに資料が来ている時点で、もう終わってるようなもんだからね。
基本的に俺は確認するだけ。
俺がやることと言ったら、年末年始に決算やったり挨拶したりくらい。
たまに、直接取引先と会ったりしなきゃならない時もあるけど、それも月に何回か。
仕事っていう仕事はないねー。
もうこうやってサインを書くことくらいよ。
……ん?
『書類』『書類』『書類』『婚姻届』『書類』……。
「騙されると思ったか……?」
婚姻届をゴミ箱にシューーーッ!!!超エキサイティン!!!
書類の中にはこういうのがあるから困る。
どこから手に入れてきたのか、魔界技術で作られた、サインすれば魂を縛るような呪具まで紛れ込んでいるから怖い。
「あとエロ自撮り写真な」
何故か変な写真も紛れ込んでいる。
うわうわうわ、凄いこれこんな、小さな身体にこんな極太の。うわわわわ。
あーあ、そっちの穴にも?
えっ、そこも?
あらららら。
……貰っておこう。懐のアルバムに忍ばせる。
「さて、仕事したなあ」
「お疲れ様でした」
頑張ったなー。
……これで、一ヶ月くらいはもう仕事がない。
「いかんなー」
「はい?」
「何か俺にできることを探して働かなきゃな、と思って」
「その必要はありません、養います」
「ヒモかぁ、それもありっちゃありなんだよなぁ」
でもなー。
「いや、まあ、思いついたらだけど、何かしらはやるわ。最近、お遊びが過ぎる気がする」
「そう、ですか」
うん。
なんかしら、やろうか。
大淀
指パッチン一つで現れる助手役。
ギャングスター
ゴールドエクスペリエンス。
旅人
働いた。