しかもその上で、レッドデッドなんたらとフォールアウト76買おうとしている俺ガイル。
積みゲーが溜まるゥ。
『2000シリングだ』
『はぁ?相場は500シリングってところだろ、舐めんな』
『2000シリングだ!』
『嫌だね、譲らねえよ。500シリングだ』
『おい西洋人、甘く見てんじゃねえぞ!』
『俺はこう見えても東洋人だ。はい500シリング。これ以上は払わないからな』
『足りない、2000シリングだ!!』
「死ね」
「まぁーーーっ?!!!古鷹!待って!待って古鷹!!」
牙斬刀を抜いた古鷹を止める。
「提督の手を煩わせるクズは殺さなきゃ、ですね!」
「駄目だから!駄目だからね古鷹!」
値段交渉で揉めるのは海外では普通なんだよ!!
『ひ、ひいっ!!わ、分かった、タダで良い!タダで良いから殺さないでくれ!!』
タクシーのおっさんは逃げていった。
うん、まあ。
「タクシー代得したズェ……」
やりました。
「良いかい古鷹、日本ではあまり見ないかもしれないけど、こっちだと値切り交渉をやるんだよ」
「そうなんですか?」
「ああ。連中、相場の分からない金持ちの旅行者だと思って、ぼったくろうとしてくるんだよな」
「万死に値しますね」
「いやいやいや、それくらいで殺してたらキリがないよ……。思い通りにいかないから殺すってのは良くないよ」
「ですが、騙そうとするなら罰を受けるべきでは?」
「騙すのは確かに悪いことだが……、騙される方も悪いってところはあるしなー」
悪意なんて大小を問わなければ世界中のどこにもあって、それから身を守るためには自衛するしかなくて。
旅をする上で必要なのは単純な力だけじゃなく知恵や人を疑うことも大切だ。
「あ、ごめん古鷹、ここのホテル、シャワーが水しか出ないわ」
「構いませんよ」
そう?
二人でシャワーを浴びてきたら……、さあやるか!というような色気のある展開にはならない。
薄い壁の薄汚いホテルでさあやるかとはならないでしょ?
うん。
「シャワー冷たかったでしょ?」
「いえ、この国は暑いのであまり気にならなかったです。でも、お風呂に入れないのは少し気が休まりませんね」
「あー、そうだよね、日本人は特に、お風呂に入れないのが辛いって言うね」
硬めのベッドの上に寝そべる。
「それに、夜は結構冷えるからね。艦娘だから風邪とかはひかないだろうけど……、あったかくして寝ようね」
「はい、その……」
ん、ああ。
「一緒に寝る?」
「はい!」
朝、チェックアウトする。
ここでも例によってぼったくられそうになったが、古鷹がキレて店員の襟首を掴んで殺気を当てると半額になった。
やだ、俺より頼もしい……。
惚れちゃいそうですわ。
「っし、まあ、ケニアに来たんだからサファリは見ておこうか」
俺はもう何度も行ってるけどね。
だがまあ、自然ってのは季節や時間帯、その他諸々の要因で姿を変えるもの。
同じもの、同じ景色が見れることは二度はない。
だからこそ面白いんだと思うよ、俺は。
「さて、古鷹。サファリに行きます」
「はい。動物がいっぱいいるんですよね?」
「そうだよー」
うーん、歩きで行っても良いんだけどね。
保護区にそのまま忍び込んだことも多々あるけど、犯罪だしな。
「と言う訳でツアーに参加します」
「はあ……、またお金で揉めるんじゃないですか?」
「んー、どうだろ?多分大丈夫じゃない?ツアー関係は割とちゃんとしてるから、ツアー料金でぼったくられることはあまりないとは思うよ」
「そうですか?」
「まあどこかで騙そうとしてきたりはするかもね」
「治安、悪いですね」
「しょうがないって。むしろ日本の治安が良過ぎるのよ」
そんなことを話しつつ、ツアーガイドの店へ。
『ツアーですか?ぜひうちを!』
「コニチワー、トモダチー!」
『サファリならうちが一番ですよ!』
と、激しい勧誘。
「古鷹、どこが良いと思う?」
「そうですね、少なくともあそこは駄目ですね」
と、指を指す。
「おっ、正解!よく分かったねー」
「だって、指先から睡眠薬の匂いがしますからね。良からぬことを考えていそうです」
「そうだよー、観光客に睡眠薬入りのお茶を飲ませて眠らせた後、身ぐるみを剥ぐんだよなー」
睡眠薬入りのお茶……、下北沢……、野獣……、うっ、頭が。
「にしても、睡眠薬の匂いなんてよく分かったね?」
「白露型が持っているのを嗅いだことがあるんです」
ああ、成る程。
『うち、明日から出発、五日間!ドライバーは運転上手いし、ホテルも綺麗だよ!』
『資料は?』
『はいこれ』
ふむ……、まあ、妥当かな?
「ここにしようか、古鷹」
「はい、提督に従います」
そして明日。
あらかじめ食料や水を大量に買い込んでおいたものをバックパックに詰める。
『出発だよ!動物が沢山見られるといいね!』
と、サファリ専用車に乗せられて移動。
「あれ?と言うより、古鷹は動物の匂いとか平気なの?」
「あ、平気ですよ。そう言うものだと割り切っているので」
あ、そう。
さて、八人くらいかな?集まったんだけど。
『君、凄く可愛いね!名前を聞いても良いかな?』
『古鷹です、よろしくお願いしますね』
同じ観光グループの軽薄そうなアメリカ人が声をかけてきた。
「ふ、古鷹、殺すなよ、お願いだから」
「?名前を聞かれたくらいじゃ殺しませんよ?」
ほんとぉ?
『古鷹ちゃん、恋人とかいる?』
『はい、この人です!』
『う、お、超ハンサム……、負けた……』
まあ、そのアメリカ人は俺の方が圧倒的にハンサムであることを察して、退いたが。
古鷹との旅行は、いつ古鷹がキレるか分からんからデンジャラスで楽しいな(皮肉)!
それで……。
『ほら、あそこ、ガゼルがいるよ』
と、ガイドが声をかけてくる。
「……鹿?」
「違うよー、ガゼルは牛の仲間だよ」
「へえ、じゃあ食べられるんですか?」
「うん、美味いよ。帰りにガゼルが食べられる店探して寄ろうか」
『あれはダチョウだ』
「あれは鳥ですね」
「ああ、食うと美味い」
「味はやっぱり鶏みたいなんですか?」
「いや、赤身で脂身が少ない感じかな。生でも美味いんだよね」
牛肉の代用品としても注目されてるんだぞ、ダチョウ肉。他にも、卵と羽根が色々なところで使われてるな。
『ゾウだよ、ほらみて、子供のゾウと一緒だ』
「ゾウですか」
「ゾウはなあ、まあ、凄い筋っぽくて硬いんだよな。味は悪くないけど」
「へえ」
「あとは、そうだな。ゾウは死んだ時に凄いぞ。ハイエナとハゲワシがゾロゾロと集まってきて骨だけになっちゃうんだよ」
「そうなんですか。提督もこの辺りで死んだ時は食べられましたか?」
「え?うん、調子乗ってたらライオンの群れにやられてはらわた引き摺り出された経験があるけど」
「へえ、ライオンさんはなんて言ってました?」
「美味いってさ」
「やっぱりそうですか。提督って美味しいですからね」
「特に心臓はめちゃくちゃ美味いともっぱらの評判だよ」
いやあ懐かしいなあ、人外のお友達は俺の心臓がかなり美味いって言って、よく胸骨をぶち破って手を突っ込んでくるからなあ。
まあ俺なんてね、皆さんの愛と勇気とか、そう言うのを守ってるんでね、実質アンパンマンみたいなもんなんすよ。僕の身体をお食べ、みたいな?
『あれは……、ライオンだ!』
「あ、ライオンですよ提督。話しかけてみて下さい」
「良いよ。おーい」
「グルル……」
「こんにちは」
「ガオ」
「うん、遠くから」
「ガオ」
「そうかな?」
「ガウ」
「あー、そうだね。俺のことは良いからそっちのこと聞かせてくれない?」
「ガウガウ」
「ほー。ありがとう、参考になった」
成る程なあ。
「なんて言ってました?」
「西に群れがあるんだって」
「へえ、本当ですか?」
「うん。動物の言葉って、なんかこう、ニュアンスで分からないかな?」
「理解できるのは提督くらいですよ」
「そんなことないぞー?俺の知り合いの大学教授の弟子は、動物と話せるって言ってたぞ」
『西にライオンの群れがいると無線が入ったよ!向かってみようか!』
ガイドの言葉を聞き流しながら、サファリを満喫した。
「どうだった?」
「楽しかったですよ!」
帰り道。
古鷹は楽しかったと言ってはいるが。
「でも、不便だし、飯は美味くないし、汚いし、貧乏だし……」
「そんなことは関係ありません」
そう?
「提督、私は、大好きな提督と一緒にいられるなら、例え地の果てでも、地獄でも、一緒にいられるだけで嬉しいですよ」
「古鷹……」
「提督と一緒にいられるのが、艦娘の一番の幸せなんです!」
古鷹は、本当に良い子だなあ……。
「でもな、古鷹?そうは言っても辛いだろ?俺は本当に地獄に行ったこともあるから言うけどさ、君達を連れていけないようなところにも行くかもしれないんだよ」
「それでも……、私達はついて行きます」
あとナンパしたいからついて来られると困る。
でもまあ。
「分かった、ついて来て良いよ。でも、頼むから、たまには一人にさせてね」
「はい!」
古鷹
堕天使フルタカエル。
旅人
値切り<80>。