ss書く暇があるなら資格とかの勉強した方がためになりますよ。真似しないようにしましょう。
でも、ss書くのは楽しいからなー。
「じー……」
「どうした鈴谷」
「この前」
「うん?」
「この前、古鷹と二人きりで旅行に行ったんだよねー?」
「ああ、それが?」
「狡いなー、二人きりとか狡いなー!」
「鈴谷も行くか?」
「マジ?!良いの?!」
「但し、初心者向け旅レギュだぞ」
「何それ?」
レギュレーションの内容を説明する。
「ふむふむ……、お金を持たずに出発して、現地で稼ぐんだー。……キツくない?」
「俺は別にキツくない、けど鈴谷にはキツいだろうな。いやならやめてもいいんじゃよ?」
「はー?ヘーキだし!」
「お?なら試すか?」
「良いよ、やってやろーじゃん!」
はい、インド。
「鈴谷くぅん?何持ち込んだのかなー?」
「スマホだけだよ、ダイジョーブ、レギュレーション範囲内だって!」
まあ許す。
俺はギターだけ。あと、中身が空の大きなバックパックも。
「さぁて?まずは稼がなきゃ話にならねえよなぁ?」
「どうやって稼ぐの?」
「んー、そうだな、今回はー」
「ソーリー!スミマセーン!」
あ、あいつ今観光客からスッたな。
あいつもスリだ、あのガキも。
都会だからスリが多いな。
よし。
「鈴谷、ちょっと待ってろ」
「え?」
「俺の速度もな、捨てたもんじゃねえぞ?」
足捌きと加速の魔法で加速して、目にも留まらぬ速さで街を駆け抜ける。
そして。
「提督?何これ、財布?……ってことはまさか」
「スリ本人の財布プラススリがスった財布……、と。中身を確認するからネカフェにでも入ろうか」
「え、えー!提督ー!いつもは私達に良い子にしなさいって言うのに、そんな悪いことやっちゃうのー?!」
「いやー、スリからスった金は悪党から奪ったカウントだから。悪行ではない」
「……まあ良いや!」
わちき許された。
「さあて、中身はー?合計してー、30000ルピーか!結構稼げたなー!やっぱりスリがスった観光客の財布が混じってるからかねえ」
「いくらぐらい?」
「四、五万円くらいかな」
「え?それっぽっち?だって、10個以上財布スってきたじゃん?そんなんじゃホテル代にもならないんじゃない?」
「大丈夫、インドは物価がクソ安いから。五百円もあれば宿も見つかるし二百円もあればまともなカレーが食えるぞ」
まともじゃなくて良いなら屋台とかだともう四十円くらいで飯食えるぞ。
「マジ?何それ凄ーい」
「じゃあ、ネカフェを出て……、ここで普通のスマホならSIMカードを買うところなんだけど」
「はーい、提督と艦娘のスマホは明石の変な改造で地の果てでも電波繋がりまーす!」
ってな訳で、スマホのネット環境についての問題は解決、と。
「次はスーパーで食料とか水とかを買い込むよ」
「おー!」
スーパーにて。
「シャンプー欲しいよー」
「これはアプリコットの香りだってよ。ノンシリコンだ」
「ノンシリコン?ならそれにしようかなー。安物のシャンプーは髪が痛むから嫌なんだよねー」
「分かるわー。けど本格的な旅では風呂なんか入れないからね」
「どうすんの、そういう時は」
「川で水浴び」
「冬は?」
「濡れた布で拭く。俺は寒さとか平気だから冬でも水浴びするけど」
「うわー、私無理ー」
「無理って言われても湯船がある宿なんて中々ないぞ?そもそも湯船に浸かるって文化がないからな」
入浴するって文化自体があんまりないのよね。ローマ人のテルマエとか有名に思うだろうけど、アレはキリスト教の伝来とともに廃れたし。
いやー、水の価値が安くて温泉がそこらから湧いている日本ならではなんだよな、風呂って。
外国では何日かに一回シャワーを浴びるくらいのもんだぞ。
だから、まあ。
体臭はお察しだ。
あー、いやほら、でもさ、身体を洗うかどうかは気候にも左右されるでしょほら。
高温多湿となると毎日でもシャワー浴びたいけど、寒くて乾いた……、寒冷地なんかではあんまり風呂入ろうって気にならないよ。
でもまあ、俺は基本的に毎日水浴びしたいと思ってはいるよ。
湯船は入らなくても良いかな、って感じ。
「あとね、提督、一言いい?」
「何かな?」
「マジで暑い」
あー。
「今は特に暑い時期だからなー。でもこの時期逃すと雨季が来ちゃってジメジメするから。日陰なら結構涼しいよ?」
「暑いー、暑いー」
「ほら、水」
「何℃くらいあるのこれ」
「ほんの42℃くらいだって」
「ほんの???」
「よっしゃ、飯にするか。鈴谷ー、下手すりゃ腹壊す屋台の飯とちゃんとした飲食店の飯、どっちが良い?」
「それ、実質一択じゃん!」
いや、分かんないでしょ?屋台の方がコスパは良いんだよ、コスパは。もしかしたら屋台の方が良いって言うかもなー、なんて。
「じゃあここのちゃんとした飲食店に入ろうか」
「うん……、それでも、建物ボロくない?」
「こんなもんだよ。もっと都心の方には綺麗な建物もあるけど、この辺だとこれくらいが妥当かねー。あ、でも、味は悪くないと思うよ。本場のカレーは……、いや、インドには正確にはカレーって食べ物はないんだけど、まあ、不味くはないよ」
まあ、味覚は人によって違うからなんとも言えないが。
「そうなの?」
「あ、それとここおかわり無料だ」
やったぜ。
「メニューは……、って読めないよこれ。んー、提督のおすすめにする!」
「んー、そうかい。まあ、何食べてもこの店ならそうハズレはないだろうね」
まあ俺も旅には慣れてるから。
美味い店くらい勘と嗅覚で分かる。
それと客層かな。
この店には、いかにも富裕層って感じの客が多いから。
いや、必ずしも高価=美味しいという比例関係ではないとは思うけど、一般的にはやっぱり高価=美味しいという図式は成り立っちゃうよね。
俺もゼロ円で何か作れって言われたら獣の丸焼きくらいしか出せないけど、百万円で何か作れって言われたら、美味しい本格フランス料理とか中華とか和食とか作れるし。
そりゃあ、獣の丸焼きと比べたら、本格フランス料理とかの方が美味いだろ?
確かに高い癖に不味いものもいっぱいあるだろうけどさ、普通は高い方が美味いよね、ってな訳で。
『サブジと、タンドーリチキン、ビリヤニとカレーを何種類か』
サブジは炒め物、ビリヤニは炊き込みご飯。
俺が適当に注文する。
「あれ?ナンじゃないの?」
「違うんすよねー。ナンは精製小麦粉だろ?精製小麦粉はそれなりに高級品なのよ。だからインドでは、全粒粉でできたチャパティってのを食べるんだぞ、基本は。まあ、次はナンを食べに行こうか」
「うん」
『ご注文のお品です』
「お、きたきた」
「いただきますー!っと、その前に写真撮っとこ。インスタに上げよう」
さて、味は、と。
「うん、美味しい」
「うん、いけるいける」
いや、特に食レポはする気がないけど、美味いよ。
「でも結構辛いねー、私は平気だけど」
「そりゃあねー。味は良いから良いじゃん?ってことで」
いやー、肉は美味いなー。
インドはね、ベジタリアンが多いからね。
ベジタリアンの飯は肉がないからあんまり美味しくない。
いや、それは俺の好みの問題なんだけど。俺って基本肉が食いたいから。
「「ご馳走さまでした!」」
さて、この後は宿を探すかー。
鈴谷
栄養満点の黒井鎮守府ご飯と改二でナイスバディになった重巡。美容に詳しいしツイッターとインスタをやっている。
旅人
中立中庸。悪い奴からは奪ってよし。