旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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艦娘が大分魔改造されてきたなー。

……独自設定と言い張ろう。

今回の独自設定は、深海棲艦についてです。突っ込みどころは沢山あるけど、これはギャグssです、雰囲気を楽しんで下さい。


36話 南方海域攻略作戦 中編

今日はー、楽しいー、南方海域攻略作戦ー!

 

俺専用の素敵輸送船、旅人号を自動操縦させながら、深海棲艦お仕置きコスプレセットを製作しつつ、海上を走る俺。

 

旅人号は前回から更にチューニングを施し、最高の居住性と医務室、プチ工廠に仮眠室……、並の客船以上の快適さを実現した!!

 

 

 

「司令官、頼む、せめて機銃くらいは付けてきてくれ……」

 

「だが断る」

 

「司令?その、データを見るまでもなく、危険な作戦です。……せめて、最新型のイージス艦などを……」

 

「でも断る」

 

「まーまー、提督が良いって言うんだし、大丈夫でしょー」

 

「ふん、お前らが考えてるより、提督は強いんだよ。……アタシは良く知ってる」

 

様々な意見が交錯する中、俺は……。

 

「鈴谷ちゃん、熊野ちゃん、これ、どうかな?」

 

「えー?罰ゲーム用にしてはかわいすぎなーい?」

 

「寧ろ私が着たいくらいですわ。……少し、際どいですけども」

 

この鎮守府のおしゃれ番長、鈴熊シスターズに、深海棲艦に着せる服の相談をしていた!!

 

 

 

「クッ、駄目だ、話を聞く気がない!!……そもそも、あの船、中身が完全に客船だぞ?!あれで戦闘領域に突入など、正気の沙汰か?!!」

 

「装甲は硬いもん」

 

「如何に装甲が厚かろうと、反撃する兵器を搭載せねば……!」

 

「いやさ、反撃なんて事はさ、君らがやってくれる訳じゃん?俺だって一人で出撃したりはしないんだぞ?あんまり」

 

「……あんまり?」

 

まあ、暇な時釣りや素潜りのついでに深海棲艦を辱めたりするけど。

 

……そもそも、出撃自体はたまにだがしているんだよね。その時は一人だったり、何人か連れて行ったり、適当だけど。ま、なんだかんだ言って深海棲艦の子達もかわいいし、悪者だから無限にセクハラできるし、大変助かる。

 

 

 

そう、この前なんて……、ん?

 

「なっ、深海棲艦?!この私がまるで気づかなかっただと?!!……いや、今は戦う事が先決!!」

 

「あっ、ごめんちょっと待って」

 

走り出そうとする那智さんの肩を抑える。

 

「なっ?!何だ司令官!!ふざけてる場合じゃ!!」

 

「いや、敵じゃない」

 

「………………は?」

 

 

 

「アハ❤︎コンニチハ、提督❤︎……提督ガイナイ間、ワタシ、マタ悪イ事シチャッタワ❤︎……オシオキ、シテ❤︎」

 

「もー、しょうがないなー!」

 

「アッ……❤︎」

 

……この美人さんな深海棲艦、タ級のたっちゃんは、前回の作戦の折に出会った子で、お尻ペンペンにどハマりしたらしく、度々お仕置きを受けに来るのだ。……行動力のあるマゾって凄えよな。

 

「オラオラ、今日なんて着せ替えしちゃうもんね!ほーら、ミニスカエロメイドだオラオラァ!!」

 

「アン❤︎コンナ格好……❤︎」

 

「たっちゃんめ、今回は何をしでかしたんだ?!言え!」

 

「ンッ❤︎……今回ハ、深海棲艦ノ溜マリ場ニ近付イタ漁船ヲ脅カシテ帰ラセタワ……❤︎」

 

「良い事してんじゃねーか!!ご褒美だ!オラオラー!!」

 

「アッ……❤︎撫デラレルノ、気持チイイ……❤︎」

 

おおう、抱きついて来た。お腹の上辺りに当たる柔らかな双丘……!!実に良い!!よーし、折角抱きつかれた訳だし、このままお尻を触って……?

 

 

 

……ん?あれ?腕が重いな?

 

 

 

「……何を、しているのかしら…………?」

 

オアアアアアアア!!!そうだった!!皆んなと作戦中だったアアアアアアア!!!

 

大井ちゃん、デーモンみたいな怖い顔。や、やめよう?短気は損気だよ?あと、腕離して?パワーやばい!

 

「いやこのそれはこのそれはアレですよアレ」

 

「モー、提督❤︎艦娘ナンテホットイテ、ワタシヲカワイガッテ?」

 

「あ"ぁ"?!!」

 

ひゃー!!大井ちゃんがポプテピピックみたいなキレ方してるー!!!

 

「……提督、こいつ、深海棲艦でしょ?ぶっ殺して良い?良いわね?よし、殺す!!」

 

「待って!待って!!大井ちゃんストップ!!!」

 

「何よ!!貴方は北上さんと私と、皆んなと一緒にいてくれるんでしょう?!!深海棲艦なんて要らないじゃない!!」

 

「ほ、ほら、深海棲艦にも良い深海棲艦が」

 

「少なくとも!!貴方に馴れ馴れしくくっ付く此奴は!!悪い深海棲艦よ!!!……アンタ!私達の提督から早く離れろ!!」

 

「イーヤ❤︎」

 

「きいいいいいい!!!!」

 

やっべ、魚雷構えてる、止めなきゃ。

 

「はい、ストーップ」

 

魚雷を取り上げて、抱き上げる。

 

「な、なぁ?!何をするんですか!!」

 

「大井ちゃん軽いねぇ、ちゃんとご飯食べてるかい?……もしかして、美味しくなかった?」

 

「あ、いや、だからその、いえ、ご飯は美味しいですけど!!そうじゃなくっ」

 

「そっか!じゃあ、今晩はピザを焼こうと思ってるんだよ!あとはフライドチキン、オニオンリングとブロッコリーのサラダ、コーンスープ、デザートはカットフルーツとアイスクリームね!今回のピザは窯から作ったから、良い出来だと思うよ!」

 

「だ、だから」

 

「お昼はハンバーガー、フライドポテト、スティック野菜とピクルス、トマトスープ、チョコレートだよ!洋食ばっかりで悪いけど、味には自信があるんだ!」

 

「わ、分かりました!分かりましたから!!そ、その、顔が!顔が近くて……!!」

 

顔を赤くして小さくなる大井ちゃん。……大井ちゃんはこっちから攻めると恥ずかしがって反論しなくなるからなー。ちょろいぜ!

 

「じゃあ俺、飯作るから。サラダバ-!!」

 

「あ、はい……。…………?!い、いや、誤魔化されませんよ!!」

 

チッ、良い加減慣れて来たか……。

 

「良いですか?!深海棲艦は敵なんですよ!!敵と仲良くしてどうするんですか?!!」

 

んもー、頭が固いんだからー。世の中を敵か味方か、みたいな見方をしちゃつまらないダルルォ?

 

……大体、この深海棲艦というのは、今は多くが海で散った者達の怨念や、敵への怒りそのものみたいな、正真正銘の化け物ばかりになっちまったが、恐らく、本来の存在意義は『母なる海からの警告』だ。

 

……たっちゃんが言うには、声が聞こえてくるそうだ。母なる海から、『人類に警告せよ』と。『海を血で汚すな、海に血を流させるな』と。

 

だが人類は、その警告に対して、海の環境や生態系の破壊、挙げ句の果てには艦娘の大量投入と言う、最悪の答えを返した。

 

……きっと、それを受けて、海は怒った。だからこそ、強力な鬼クラスの深海棲艦を創造し、深海棲艦そのものを強化し……、

 

「……提督!深海棲艦ですわ!……いつもの、化け物タイプ!理性はありませんことよ!!」

 

……そして今は、量産型の、理性のない、怨恨のままに暴れ回る化け物を創り出した。

 

「たっちゃん!俺の後ろに!!」

 

「ウ、ウン!」

 

たっちゃんは、初期の頃の深海棲艦で、しっかりとした理性を持っている。そりゃそうだ、たっちゃんの本来のお仕事は、間抜けな人類に説教(物理)することだからな。だが、今の深海棲艦の殆どは違う、『海の怨恨そのもの』だ。先程言った通りの、辛うじて人の形をしているだけの化け物だ。最近、急激に増えてる。

 

まあ、原材料の『怨恨』には事欠かないだろうよ……。あんだけ、艦娘達を沈めてるんだからな。馬鹿ばっかりだ、全くよ。

 

『『『『ガァァァァァ!!!』』』』

 

「重巡リ級!エリート!!十体!!」

 

現れた重巡リ級は、砲撃をしながらこちらに向かって全速力で襲い掛かる。

 

「ちっ!早いな!!もう雷撃の距離か!!」

 

こちらの攻撃で数を減らしながらも、仲間の轟沈を気にせずこちらに進んで来る。

 

「ひえー!た、弾に当たるのも気にせず、こっちに突っ込んで来ます!!提督、逃げて下さい!!」

 

最後の二体、傷だらけのリ級が俺達の目の前に現れ、怨嗟の声を上げながら、水死体のように膨れた片腕を振り上げる。

 

……でもまあ、化け物の方がかえって良いかもしれないな。だってよ……?

 

「気兼ねなくぶっ飛ばせるもんなぁ?!!ハッハー!そんな技術もクソもない一撃、俺が喰らうわけないよねぇ?!!」

 

ライトクロスカウンター……!人とは到底思えない、悍ましい顔面を潰す。だが、この程度では、この化け物は止まらない。故に、こちらも止まらない!ローリングソバット、旋風脚、縮地からの八極拳……冲捶、寸勁、頂肘、鉄山靠。全身がグチャグチャになったリ級が紙切れみたいに吹っ飛ぶ。隣のリ級に震脚からの崩拳、回し蹴り、猿臂、裏拳、鉄槌、貫手……。胸を貫かれたもう一体のリ級は、一度大きく痙攣すると、動かなくなった。

 

……この手の敵は、砲撃、雷撃、爆撃で全身を吹っ飛ばすか、手足を切り落とす、全身の肉と骨を破壊するなどして、動かなくなるまで攻撃せにゃならん。たっちゃんみたいな、理性のある深海棲艦は、痛みも感じるし、ピンチには退却だってする。だがこいつらは、まるでゾンビみたいに、手足を千切られようが何しようが止まらない。こちらを殺すことしか考えていない。

 

ゾンビ……?洋館……、ラクーンシティ……、うっ、頭が……。

 

ま、まあいい、取り敢えず、リ級の死体を投げ捨て、進撃を指示した。

 

「よーし、進むぞ!」

 

 

 

「……馬鹿な、これ程の強さを?」

 

「……こ、こんなデータ、ありませんよ?!」

 

「へっ、だから言ったろ?提督は強いんだ。……ほら、呆けてないで、早く進むぞ、那智、霧島」

 

 

 

その後も、例によって、俺達は快進撃を続けた。当たり前だ、妖精さんが羅針盤を(賄賂のおかげで)弄ってくれるし、こちらの人数も多く、皆んなの整備や補給をしながら進めるんだ、負ける要素がない。

 

それに加えて、皆んなの練度だってかなりのものだ。

 

 

 

「北上さん、あれを使うわ!」

 

「うん、良いよ、大井っち!」

 

「「雷巡!キーーーック!!」」

 

完全に息ピッタリの北上ちゃん、大井ちゃん。同時に大きくジャンプ、背中を合わせ、飛び蹴りを放つ。その直後、太ももの魚雷発射管から魚雷を放ち、飛び蹴りによって吹っ飛ばされた深海棲艦を爆破する。

 

 

 

「熊野、ついてこれる?」

 

「私の方が、着任は先でしてよ?」

 

「言ったな?見てなよ!」

 

瑞雲を複数展開、爆撃しながらも砲撃する鈴谷ちゃん。

 

「えへへっ!どうよ!」

 

鈴谷が撃ち漏らした深海棲艦の排除を中心に、鈴谷のフォローに回る熊野ちゃん。

 

「背中がガラ空きですわよ、鈴谷?」

 

そして、最後に残った深海棲艦一体を挟むように立ち、

 

「背中は熊野に任せてるからね!」

 

「もう、調子のいい子ですこと!」

 

同時に砲撃。……一歩間違えれば、お互いの砲弾がお互いに当たりかねない、危険なものだが、抜群のコンビネーションがこれを可能にした。前後から同時に砲撃を受けた深海棲艦は、影すら残さず消し飛んだ。

 

「まあまあ、相変わらずと言うことで!」

 

友情を確かめ合うかのように握手する鈴熊シスターズ。絵になるなぁ。

 

 

 

「「行けっ!艦載機!!」」

 

最近、物理法則を超越し始めた艦載機を操る蒼龍ちゃん、飛龍ちゃん。

 

「「オールレンジ攻撃!!!」」

 

数多の艦載機が深海棲艦達を包囲、360度から集中砲火。あいてはしぬ。

 

 

 

 

 

「テ、提督?……ワタシ、モウ悪イ事シナイワ、本当ニ……」

 

ガタガタ震えるたっちゃんを横目に、羅針盤の示す道を行く艦娘達。……いやあ、最近は俺が守らずとも自衛できるくらいには強くなったみたいだな。喜ばしい事だよ。

 

さあ、そろそろお昼にしようか……。

 




出撃組
練度は上々。

那智、霧島
大暴れする旅人を見て、どうでも良くなった。

摩耶
挑戦を続けているが、未だに旅人に触れることすら叶わない。

スーパーズ
腕組みが癖になった。

鈴熊シスターズ
超時空でも要塞でもない。

ダブルドラゴン
艦載機がファンネルみたいな動きをする。

たっちゃん
マゾだけど怖いものは怖い。趣味は旅人にセクハラされることとコスプレ。露出癖もある。

旅人
例によってハイスペックなクズ。退治した理性のある深海棲艦には大体惚れられている。

深海棲艦
元々は海の警告として創造された神霊。しかし、今の深海棲艦の殆どは海の怨念から創造された妖魔。妖魔の方は理性のない真性の化け物なので、旅人も気兼ねなく殺せる。


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