異世界転生したい。
ふーむ。
なんか、あれだな。
うちね、まあ、一度も使ったことないんだけど、ちゃんとAEDを設置してあるのよ。
そういうのは使わないに越したことはないけどさ。
緊急時の対応とか、教えた方がいいんじゃないかな?まあ一般論でね?
「特に、守子ちゃんはそう言うのちゃんと覚えようか」
一応軍人だしね。
「はいっ!」
よーし、良い返事。
そして艦娘の諸君。
「もちろん君らはアレだよね、職業柄緊急時の対応とか救命とか、できるよね?」
「「「「………………」」」」
「黙らないで?」
まあ、いいか。
よし、やろうか。
「じゃあ、漣!」
「はーい」
「心臓マッサージ、やろう!」
「アッハイ」
「まずー、俺がー、心臓を止めます!」
はい、今止まりました、心臓止まりました。
「心臓マッサージをして下さい、どうぞ!」
「えーと……」
いきなり胸を押そうとした漣。
「まずは意識があるか声をかけること!」
「え、意識あるじゃん」
「あるけど!!!」
無い感じでやってるの!
「確か、えーと、ドラえもんの歌のテンポで、胸を押すとか?」
「そう、そんな感じ」
「よーし、分かった。……やーやーやーやーやー!!!でいあふたーでいゆあ」
「待て待て待て待て」
「え?何?」
「ドラえもんの歌って言ったよね?」
「ドラえもんの歌じゃん」
「それはALL I WANTだね」
「あ、じゃあこっちか。……こっころのなか、いっつもいつも」
「違うって!もっと昔の!!」
「ふくれっつらしかめっつら」
「違う違う、最初のだよ!!!」
「ひゃあー、ぼくっのドラえもんっが」
「旧ドラえもんじゃなくってぇ!!!」
わざとでしょ?わざとなんでしょ?怒らないから言ってごらん?
次、武蔵!
「ふんっ」
「ぁア"ーーーッ?!!胸陥没したーーー!!!」
「ふんっ」
両肺が潰れる。
「む?提督?平たいな、どうかしたのか?」
あー。
「がっは、ぐ、ぐはっ。……武蔵、君は人が倒れてても触っちゃ駄目だぞ」
「む、了解した」
次、雪風!
「えーと、えい!」
胸に飛び込んできた。
「えへへぇ❤︎」
「うーん、可愛い!許す!」
おっけい。
次、白露!
「えい」
「んあ」
なんか注射された。
「あっ、あっ、なんだこれなんだ?心臓が動き始めた、ってか、強制的に動かされてる?」
「白露ちゃん謹製の、液状の寄生生物だよ!心臓を覆って無理矢理動かすの!」
「えっ、なにそれこわい。変なもの注射せんといて?」
「今回のは3分で自壊するから大丈夫だよ」
何が?
「こっちはどう?」
「アッ」
心臓に直接電極が。
「えい」
電気が流れる。
「電気流すなら普通にAED使って下さる?」
「えー、次は人工呼吸……」
すっ、と綺麗に並ぶ艦娘達。
「……はやりません。概要だけ教えます」
「いえ、やりましょう」
「やらないよ、キスしたいだけでしょ君ら」
「いえ、やりましょう」
「駄目です!今日は守子ちゃんのために真面目にやるの」
一斉に守子ちゃんを見る艦娘。
「ヒィッ!た、旅人さん、私のことはお構いなく!」
「いや、真面目にやらにゃならんでしょ、こういうのは」
「えっと、ほ、ほら、今回はちゃんとやってくれますよ、ね?」
「「「「やります」」」」
はあ。
「えー?じゃあやる?」
はいじゃー、まず、呼吸を止めます!はい止めた!
「では長門にやってもらおうかな」
「うむ」
さて……。
「ふん!!!」
「ごパ」
一瞬にして考えられないほどの空気を肺に送り込まれたことにより、俺の肺はケツに爆竹を突っ込まれた蛙のように破裂。爆発四散。
「かヒュー、こヒュー……」
息できなァい!!!
テレパスで呼びかける。
『ほんっとにさあ、あのさあ』
「す、済まない、力加減を間違えた」
『長門、君はアレだよ、倒れてる人見てもなんもやらないようにね』
「わ、分かった」
再生。
次、鹿島。
「ふーっ」
『おっ、上手い上手い、そんな感じだ』
「ここで、心臓マッサージを……」
『おー、できてるできてる!』
「ふふふ、一人くらいはまともにできないと困っちゃいますもんね」
天使かよ。
「あ、そう言えば新しい鞭を買ったんですよ!後で思い切りぶって下さいね!」
これでドMじゃなけりゃあなあ……!!!
次、ガンビア・ベイ。
「んー!」
『違う違う、吸ってどうすんのよ?』
「ん?んー!んーーー!」
『いやそれキスしながら口呼吸してるだけになってる!』
「んーーー!わ、分からないですーーー!」
分からないかー。
『良いかい、ベイ?落ち着いて?ゆっくりと息を吹き込むんだ』
「ふ、ふぅー」
『そう、上手い上手い』
ベイはビビリですぐにテンパるけど、教えればちゃんとできるし、真面目だし、良い子だ。
普通のナード。
俺の下着の匂いを嗅いで自慰してるくらいだから(バレてないと思っているらしい)、黒井鎮守府基準ではまとも。
対馬。
「対馬は駄目」
「え……、なんで、ですか?」
「絵面が犯罪的過ぎる」
「う、うぇえん」
「あーはいはい!良いよー!対馬ちゃんに人工呼吸されたいなーーー!!!!」
「はい」
やけくそである。
「ちゅ……❤︎」
ああ、クソ、ごめんなさい!何かに謝る!
『息を吹き込んでねー!』
「あ……、ごめんなさい、司令。あの……、司令とキスできて……、幸せで……」
クソが!
俺はこんな可愛い幼女を誑かしてしまった!
何に謝ろう?神?神は嫌いだ、知り合いのロリコン探偵大十字さんに謝ろう。
すまぬ……、すまぬ……。
如月。
「ちゅう❤︎」
『おいコラ、舌入れるんじゃないよもう!唾液を吸うな!』
「んっ❤︎」
『もう良いから離れて……、離れなさいこら!こら!君はもう、こら!!』
「えー、次はAED使います」
例によって、俺が心臓を止める。
「こういうのはね、アホでも使えるように親切設計になってるから。ほい、指示に従ってやってみよう」
「「「「はい」」」」
「ちゃんと心肺蘇生できた場合は、桃鉄のそのターンの操作しているプレイヤー以外が2コンを弄った時に出る謎のSEが流れるから」
俺の身体から。
じゃ、頑張ってね。
まず明石。
「こんなんじゃ駄目ですね、もっと大きな電圧を流せなきゃ面白くないです」
そう言って、AEDを一瞬で改造して、俺に貼り付けて、スイッチを入れる。
「ア"ぁーーー」
「もっといけます、もっと!」
「ァァァあ"ーーー」
「いっそ、黒井鎮守府のジェネレータと直結して……」
「ァ」
爆発四散。
テレパスで話しかける。
『あのさぁ……』
「どうでした?!」
『何で電圧上げたの?』
「高出力はロマンだからです!!」
困った、答えになってねーぞ。
『まあ、良いよ。ほら、俺の身体をバラバラに引き裂いたんだから、罰として吹っ飛んだパーツ拾ってきて』
「はーい」
再生、次。
金剛。
「こうデスネー?」
「おっ、できてるじゃーん、賢い!」
金剛は比較的に機械に強い方だ。
艦娘の中にはスマホを使いこなせない子すらいるというのに。
次、神風。
「???」
あー。
「えっと、こう?」
「違うねー、こうだよ?」
「???」
神風は機械がまるで駄目だ。
何とか電話の仕方とライン的なものの使い方は教えたが、他はてんで駄目だ。
でもラインを送るとたどたどしいひらがなで返ってくるのが可愛いと俺の中で評判。
まあ、こんなもんかなー。
「君らはねー、本当にねー」
まあ、二割くらいかな?
まともに緊急救命が出来た子は。
うんまあ、良いよもう。
それで良いよ。
「えー、お仲間が死にかけた時は、最低限、死体でもいいから持って帰ること。余計なことはしなくて良し」
蘇生魔法使えるからな。
「「「「はい!」」」」
「守子ちゃんは覚えられたかな?」
「はい、大丈夫です」
そうかい、そりゃ良かった。
「それじゃあ、今日は解散!」
まあ、守子ちゃんが緊急救命を覚えられたなら、良いかな。
海原守子
ドン引きしつつも救命について覚えられた。
旅人
死にかけた。