スキマで将太の寿司が一ヶ月読み放題だぜぇ!
ビンボーなお前らにこの笹寿司が無料期間を奢ってやるよぉ!ひゃははははー!
笹寿司のような臨機応変さと大胆さが欲しいと思いました。
「アカシィー、Meもやりたいんだけど」
「あ、どうぞ。これつけてフルダイブと言ってください」
「Fulldive!!!」
×××××××××××××××
『バンディット・ザ・ガンマン』
「おおー」
凄いわね、流石は工廠。
肌を撫でる風も、草花の匂いも、空の青さも、全部リアル。
「ヒヒーン」
「あら、貴方が私のお馬さん?」
馬をよく見ると、情報ウインドウが宙に出てくる。
『アンソニー 雄
ランク1
速度:3
スタミナ:3
体力:3
操作性 普通
乗用馬』
ふーん?
まあ、最初の馬ならこのくらいかしら?
ステータスの最大値は10みたいね。軍用馬なら体力が多く、競走馬なら速度が多く、荷馬車用馬ならスタミナが多い、と注釈が出たわ。
腰のリボルバーを抜いて、手に取って見る。
コルトSAA、ピースメーカーね。
「んー、でも拳銃一丁じゃ格好つかないわね」
お金を貯めてライフルでも買おうかしら。
「手を上げろ!有り金全部置いて」
「死ね」
「ァ」
早撃ち。
《悪名が5上がりました》
「はあ?何でよ、正当防衛でしょ?」
あ、そうだ、この男の持ち物を奪おう。捨てておいても腐るだけだしね。物資は有効活用しなきゃ。
《悪名が5上がりました》
「だから何でよ?!」
どうやら、人を殺したり、物を奪ったりすると悪名が上がるみたいね。
街で暴れると、指名手配されるみたい。
それは面倒ね……。
でも、大きく稼いで逃げればそれで良いんじゃないかしら?
顔を隠すマスクをして、ウィンチェスターM1873を購入。
さて、やりますか。
「銀行強盗よ!全員、手を組んで頭の後ろに!そして膝をつきなさい!!!」
一人じゃ効率が悪いわね。
でも、艦娘の怪力はここでも使えるわ。
「はあっ!」
金庫をこじ開ける。
中身は……、合計三千ドル!
儲かったわ!
《悪名が50上がりました》
さあ、逃げましょう。
銃は撃ってないし、まだ法執行官にバレてないわ。
「お前、強盗だな?!」
「あら、御機嫌よう保安官さん。そしてさよならよ」
「ァグ」
保安官の脳天にSAAを撃ち込んで、馬に乗って逃げる。
《悪名が5上がりました》
うーん、中々に楽しいわね。
現実じゃ強盗なんてできないもの。
まあ、可能かどうかで言えば可能だけど、そんなことをしたらAdmiralに本気で怒られるだろうし。
お金に困っている訳でもないし。
さて、このお金で装備を整えた後は……、余ったものは孤児院に寄付しましょうか。
《名声が30上がりました》
どうやら、ストーリーらしきものも薄っすらとはあるみたいね。
でも、どこかに所属しないと、大きく話は動かないみたい。
Meは今、一人のガンマンでしかないもの。
特に大きな話はないわ。
1日目はこんなものかしら。
それから、一週間のベータ版テストプレイ期間が終了して、本格リリース。
取り敢えず、抽選形式で売りに出して、プレイヤーは五万人程度とのこと。
転売禁止で、ゲーム機一つに十万円以上なのに、一瞬で売り切れたそうよ。
アカシ達は小遣い稼ぎになったって喜んでたわね。
そうやって、西部開拓時代のアメリカを体験しながら、他の艦娘とも合流して……。
「ギャング団、スクーナーズ、結成!」
その辺りで暴れ回った。
そんなある日、ストーリーにアドバイスをしていたサラが言った。
「この辺りに、タンストールという牧場主がいるの」
タンストール……、タンストール?
どこかで聞いたことがあるような?
「ふふ、まあ、行ってみれば分かるわ」
異様に広い牧場には、一人の若いカウボーイと、何故か提督が。
「お、アイオワじゃん」
「Admiral……、何をしてるの?」
「カウボーイのバイト。こっちは同僚のビリー君」
「ビリー……?まさか」
ビリー・ザ・キッド?!!
《大規模イベント開催告知》
《ニューメキシコ州リンカンの町にて、タンストール一派対ローゼンタール一派の大規模戦闘》
そう、そういう事ね。
近場にいたプレイヤー達は続々と集まり、それぞれがタンストール側、ローゼンタール側についた。
殺害数がポイントとなり、NPCよりもプレイヤーを殺した方が得点が高い。
アメリカの歴史に詳しいプレイヤーは、喜んでタンストール側についたけど、どうやらローゼンタール側にはNPCが大量に味方するらしい。
構図としては変則的なPvEとベイが言っている。
さて、そして三日後。
「ちょっと!西部開拓時代にこんなに人いないでしょ?!!」
「まあ、その辺はゲームですから」
数万人のローゼンタール一派と戦うことに。
「……まあ、そうね。的が少ないとつまらない、わよね」
《勝利条件:ローゼンタール一派の撃退》
《敗北条件:タンストールの死亡》
じゃあ、行きましょうか。
他のプレイヤー、艦娘ギャング団と協力して銃撃戦を始める。
幸いにも、タンストールや商人のプレイヤー達が弾薬や医療品、食料に銃器などの物資を用意してくれていた。
弾は問題ない。
「撃てー!弾幕を張るのよー!」
全体の指揮を執りつつ、防衛ラインを張る。
タンストールの館を最終防衛ラインとして、その前に百メートル程の感覚で防衛ラインを。
にしても、一般人は駄目ね、ろくに銃も撃てないんだから。
「ぐあっ!」
「馬鹿っ!塹壕から身体を出さないの!」
「で、でも、しっかり狙わないと……」
「狙わなくても良いの、弾幕を張ることが大事なのよ」
「じゃあ、あ、あんたは何で塹壕の外に?」
「私は艦娘、鉄砲の弾くらいじゃ早々死なないわ」
「え?艦娘には優遇処置があるんですか?」
「違うわよ、このゲームは素の身体能力が反映されるの。つまり、素で撃たれても死なないMeは、ゲームの世界でも死なないのよ」
「反則では?」
「悔しかったら貴方も銃弾くらい避けれるようになりなさい」
っと、前線ではAdmiralがビリーと大暴れしてるわ。
「ビリー!」
「ああ!」
抜群のコンビネーション……、というより、Admiralが誰にでも合わせられるってだけよね。
Admiralは全身に小さな投げナイフと、沢山の矢を抱えて戦っている。
一度に四本の矢を掴むと、大きな弓を一瞬で引いて、矢を連射。
一度に四人は倒す。
ビリーも負けてないわね。
かなり強い設定らしく、二丁のライトニング41を、艦娘のMeですら視認するのがやっとな程の素早さで早撃ちし、まさに目にも留まらぬ速さでローゼンタール側の雇われ共を撃ち抜いていった。
それに……。
「ッ!」
あれは面白いわね。
目にも留まらぬ早撃ちで、自分の銃で相手の銃弾を相殺するように弾いているわ。
左を相殺射撃に、右を攻撃に使っているみたいね。
身体能力自体は艦娘に及ばないみたいだけれども、反射神経や先読みなんかは勝るとも劣らないってところかしら。
文句なしの超人ね。
3時間程防衛したところで、アナウンスが流れた。
《ローゼンタール第一陣、撤退》
ああ、そう。
次があるのね……。
アイオワ
ライフル弾程度なら弾く。