旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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へっへへ、関口ィ〜?

スキマで将太の寿司が一ヶ月読み放題だぜぇ!

ビンボーなお前らにこの笹寿司が無料期間を奢ってやるよぉ!ひゃははははー!

笹寿司のような臨機応変さと大胆さが欲しいと思いました。


369話 バンディット・ザ・ガンマン その2

「アカシィー、Meもやりたいんだけど」

 

「あ、どうぞ。これつけてフルダイブと言ってください」

 

「Fulldive!!!」

 

 

 

×××××××××××××××

 

『バンディット・ザ・ガンマン』

 

「おおー」

 

凄いわね、流石は工廠。

 

肌を撫でる風も、草花の匂いも、空の青さも、全部リアル。

 

「ヒヒーン」

 

「あら、貴方が私のお馬さん?」

 

馬をよく見ると、情報ウインドウが宙に出てくる。

 

『アンソニー 雄

ランク1

速度:3

スタミナ:3

体力:3

操作性 普通

乗用馬』

 

ふーん?

 

まあ、最初の馬ならこのくらいかしら?

 

ステータスの最大値は10みたいね。軍用馬なら体力が多く、競走馬なら速度が多く、荷馬車用馬ならスタミナが多い、と注釈が出たわ。

 

腰のリボルバーを抜いて、手に取って見る。

 

コルトSAA、ピースメーカーね。

 

「んー、でも拳銃一丁じゃ格好つかないわね」

 

お金を貯めてライフルでも買おうかしら。

 

「手を上げろ!有り金全部置いて」

 

「死ね」

 

「ァ」

 

早撃ち。

 

《悪名が5上がりました》

 

「はあ?何でよ、正当防衛でしょ?」

 

あ、そうだ、この男の持ち物を奪おう。捨てておいても腐るだけだしね。物資は有効活用しなきゃ。

 

《悪名が5上がりました》

 

「だから何でよ?!」

 

 

 

どうやら、人を殺したり、物を奪ったりすると悪名が上がるみたいね。

 

街で暴れると、指名手配されるみたい。

 

それは面倒ね……。

 

でも、大きく稼いで逃げればそれで良いんじゃないかしら?

 

顔を隠すマスクをして、ウィンチェスターM1873を購入。

 

さて、やりますか。

 

 

 

「銀行強盗よ!全員、手を組んで頭の後ろに!そして膝をつきなさい!!!」

 

一人じゃ効率が悪いわね。

 

でも、艦娘の怪力はここでも使えるわ。

 

「はあっ!」

 

金庫をこじ開ける。

 

中身は……、合計三千ドル!

 

儲かったわ!

 

《悪名が50上がりました》

 

さあ、逃げましょう。

 

銃は撃ってないし、まだ法執行官にバレてないわ。

 

「お前、強盗だな?!」

 

「あら、御機嫌よう保安官さん。そしてさよならよ」

 

「ァグ」

 

保安官の脳天にSAAを撃ち込んで、馬に乗って逃げる。

 

《悪名が5上がりました》

 

うーん、中々に楽しいわね。

 

現実じゃ強盗なんてできないもの。

 

まあ、可能かどうかで言えば可能だけど、そんなことをしたらAdmiralに本気で怒られるだろうし。

 

お金に困っている訳でもないし。

 

さて、このお金で装備を整えた後は……、余ったものは孤児院に寄付しましょうか。

 

《名声が30上がりました》

 

 

 

どうやら、ストーリーらしきものも薄っすらとはあるみたいね。

 

でも、どこかに所属しないと、大きく話は動かないみたい。

 

Meは今、一人のガンマンでしかないもの。

 

特に大きな話はないわ。

 

1日目はこんなものかしら。

 

 

 

それから、一週間のベータ版テストプレイ期間が終了して、本格リリース。

 

取り敢えず、抽選形式で売りに出して、プレイヤーは五万人程度とのこと。

 

転売禁止で、ゲーム機一つに十万円以上なのに、一瞬で売り切れたそうよ。

 

アカシ達は小遣い稼ぎになったって喜んでたわね。

 

そうやって、西部開拓時代のアメリカを体験しながら、他の艦娘とも合流して……。

 

「ギャング団、スクーナーズ、結成!」

 

その辺りで暴れ回った。

 

そんなある日、ストーリーにアドバイスをしていたサラが言った。

 

「この辺りに、タンストールという牧場主がいるの」

 

タンストール……、タンストール?

 

どこかで聞いたことがあるような?

 

「ふふ、まあ、行ってみれば分かるわ」

 

 

 

異様に広い牧場には、一人の若いカウボーイと、何故か提督が。

 

「お、アイオワじゃん」

 

「Admiral……、何をしてるの?」

 

「カウボーイのバイト。こっちは同僚のビリー君」

 

「ビリー……?まさか」

 

ビリー・ザ・キッド?!!

 

《大規模イベント開催告知》

 

《ニューメキシコ州リンカンの町にて、タンストール一派対ローゼンタール一派の大規模戦闘》

 

そう、そういう事ね。

 

近場にいたプレイヤー達は続々と集まり、それぞれがタンストール側、ローゼンタール側についた。

 

殺害数がポイントとなり、NPCよりもプレイヤーを殺した方が得点が高い。

 

アメリカの歴史に詳しいプレイヤーは、喜んでタンストール側についたけど、どうやらローゼンタール側にはNPCが大量に味方するらしい。

 

構図としては変則的なPvEとベイが言っている。

 

 

 

さて、そして三日後。

 

「ちょっと!西部開拓時代にこんなに人いないでしょ?!!」

 

「まあ、その辺はゲームですから」

 

数万人のローゼンタール一派と戦うことに。

 

「……まあ、そうね。的が少ないとつまらない、わよね」

 

《勝利条件:ローゼンタール一派の撃退》

 

《敗北条件:タンストールの死亡》

 

じゃあ、行きましょうか。

 

他のプレイヤー、艦娘ギャング団と協力して銃撃戦を始める。

 

幸いにも、タンストールや商人のプレイヤー達が弾薬や医療品、食料に銃器などの物資を用意してくれていた。

 

弾は問題ない。

 

「撃てー!弾幕を張るのよー!」

 

全体の指揮を執りつつ、防衛ラインを張る。

 

タンストールの館を最終防衛ラインとして、その前に百メートル程の感覚で防衛ラインを。

 

にしても、一般人は駄目ね、ろくに銃も撃てないんだから。

 

「ぐあっ!」

 

「馬鹿っ!塹壕から身体を出さないの!」

 

「で、でも、しっかり狙わないと……」

 

「狙わなくても良いの、弾幕を張ることが大事なのよ」

 

「じゃあ、あ、あんたは何で塹壕の外に?」

 

「私は艦娘、鉄砲の弾くらいじゃ早々死なないわ」

 

「え?艦娘には優遇処置があるんですか?」

 

「違うわよ、このゲームは素の身体能力が反映されるの。つまり、素で撃たれても死なないMeは、ゲームの世界でも死なないのよ」

 

「反則では?」

 

「悔しかったら貴方も銃弾くらい避けれるようになりなさい」

 

っと、前線ではAdmiralがビリーと大暴れしてるわ。

 

「ビリー!」

 

「ああ!」

 

抜群のコンビネーション……、というより、Admiralが誰にでも合わせられるってだけよね。

 

Admiralは全身に小さな投げナイフと、沢山の矢を抱えて戦っている。

 

一度に四本の矢を掴むと、大きな弓を一瞬で引いて、矢を連射。

 

一度に四人は倒す。

 

ビリーも負けてないわね。

 

かなり強い設定らしく、二丁のライトニング41を、艦娘のMeですら視認するのがやっとな程の素早さで早撃ちし、まさに目にも留まらぬ速さでローゼンタール側の雇われ共を撃ち抜いていった。

 

それに……。

 

「ッ!」

 

あれは面白いわね。

 

目にも留まらぬ早撃ちで、自分の銃で相手の銃弾を相殺するように弾いているわ。

 

左を相殺射撃に、右を攻撃に使っているみたいね。

 

身体能力自体は艦娘に及ばないみたいだけれども、反射神経や先読みなんかは勝るとも劣らないってところかしら。

 

文句なしの超人ね。

 

 

 

3時間程防衛したところで、アナウンスが流れた。

 

《ローゼンタール第一陣、撤退》

 

ああ、そう。

 

次があるのね……。

 




アイオワ
ライフル弾程度なら弾く。

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