旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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最近プリコネ始めたんでプリコネの二次ss書きたいのですけど資料が足りない。

他にも折角規約が変わったんだからキングダムハーツの二次ssとかも書きたいけど資料が。


382話 出張、聖帝軍

「フハハハハ!久しいな、下郎!」

 

「おっすおっす」

 

えー、旅人でぇ↑す。

 

本日はぁ、取引先の一つである聖帝軍にやって参りましたあ。

 

護衛兼秘書は陸奥。

 

それと朝潮と鈴谷も同行。

 

先日の監禁事件から、俺に対する監視の目は三倍(当社比)に増えた。モテる男は辛いぜ。

 

「(その、提督?この人達、何かしら?)」

 

んー?

 

「(PMCみたいな……?拳法集団だよ。ボスのこのサウザー様は陸奥と同じくらい強いと思うよ)」

 

「(へえ……!)」

 

「む……?何をコソコソと話している?その、あれか?なんかこう、恋人とかそう言うやつか?」

 

「あぇ?あー、そうですねはい」

 

「そうか!子供が来たら見せに来るのだぞ!」

 

「え?子供が来たら?」

 

陸奥が聞き返す。

 

「子供はコウノトリが運んで来てくれるのだぞ、知らぬのか?ハーッハッハ!」

 

「(……提督、この人)」

 

「(……この人の親兼師匠の人がそう教えたんだろうなぁ)」

 

 

 

さて、ここは聖帝軍本部。

 

南斗の里近くの、聖帝十字陵の側にある建物だ。

 

この聖帝軍は、南斗の里から直通で就職できる優良企業だ。

 

ワンマン経営の気があるが、基本的にはそんな酷いことをしない取締役の聖帝サウザー様と配下の怪しい拳法家。

 

でもまあ、主に頑張ってるのは聖帝様の隣にいるヒゲの部隊長のおっさんで、聖帝様は特に何もやってない。俺と同じくらい仕事をしていない。

 

たまに遊びに来る拳王軍や北斗神拳伝承者の男と乱闘騒ぎをして死にかけることが多々あるが、それも日常の一ページみたいなものなので誰も気にしない。

 

時は既に世紀末を超え、新たな世紀に突入して久しい。別に、世界は核の炎に包まれたりなんてしていない。

 

だが何故かモヒカンの兵士がそこら辺にいたりするからこの辺は侮れない。火炎放射器とか持ってるけど、この辺りは銃刀法とか緩い地域だからね、うん。

 

さて、それで、俺はもう帰りたいのだが。

 

「おれの体は生まれついての帝王の体!だれもおれを倒すことはできぬのだーーーっ!!」

 

「……!!」

 

「ケーン!!」

 

「ケンシロウ!!」

 

うわー、クソめんどくさいことになってるぅ。

 

しゃあねえな。

 

俺は懐から椅子とテーブル、パラソルを出して、艦娘達にジュースを飲ませる。

 

「あら、どうも」

 

「わあ!ありがとうございます、司令官!」

 

「おっ、サンキュー!」

 

「いやあ、この辺は何故か暑いからね、日焼けとかしないようにしなきゃ駄目だよ」

 

先方である聖帝様に緊急の予定が入ったとなると、立場が下の取引先であるうちは待たせてもらうしかない。

 

「司令官、あの人達は何で戦っているのですか?」

 

「さあ?俺にも分からん。いつものことだし」

 

「いつも戦っているのですか?」

 

「定期的にね。あ、お菓子も食べなよ」

 

異次元ポケットの魔法であらかじめ焼いておいた焼き菓子を出す。

 

「いただきます!……んー!美味しいです!これは何ですか?」

 

「マドレーヌだよ」

 

俺がマドレーヌとフィナンシェの違いについて話しつつ、艦娘といちゃついていると。

 

「あのさ、雰囲気が壊れるんだけど」

 

とクソガキのバットが話しかけてきた。

 

「いやそんなこと言われても……。俺はいつも通りにしてるだけなんだけど」

 

「いや、今さ、ケンとサウザーが北斗と南斗の運命の戦いをしている最中の訳だろ?そんな中、女連れでお菓子食べながらバカンス気分って……、空気読めてなくないか?」

 

「そんなの知らないって。俺は普段通りに過ごしてるだけなのに勝手にシリアスしないでくれる?」

 

「でもさあ、確かになんだかんだ言って毎回決着がつかないけどさ、良い大人なんだから最低限の空気は読むべきだろ」

 

「だから、邪魔にならないように端っこの方でいちゃついてるんだろ」

 

「視界に入ってるんだって」

 

「見なきゃ良いでしょ」

 

「もう帰れよ……」

 

そんなこと言われましても。

 

俺も帰りたいけど取引先がアレだもんよ。

 

「フハハハハ!!!敵は全て下郎!!!」

 

「……!!」

 

おお、聖帝様が飛んでる飛んでる。

 

「はあーっ!極星十字拳!!!」

 

「ぐ……!!!」

 

ケンシロウは手刀で十字に斬り裂かれ、血霞が舞う。

 

「ケーン!!!」

 

リンが叫ぶ。俺はコーヒーを飲む。因みにブラックだ。

 

「お、珍しく聖帝様が押してるじゃん」

 

「いつもは負けてるの?」

 

鈴谷が聞いてくる。

 

「そうね、まあ、基本的にいつもは聖帝様が押され気味なんだけどね、聖帝様も強くなってきてるから」

 

ケンシロウに負けそうになる度に、必死こいて鍛え直すからねあの人。負けず嫌いなんだろうな。

 

「でもまあ、聖帝様が押し始めるとあいつが出るからな」

 

「あいつ?」

 

「ほら、あいつだよ」

 

俺は指を指す。

 

「ターバンのガキだ」

 

ターバンのガキはケンシロウを圧倒する聖帝様の太ももに釘を刺した。

 

久し振りにケンシロウを圧倒していて調子に乗っていた聖帝様はその隙を突かれて倒れ、聖帝十字陵を転がり落ちた。

 

「ぬぅ?!!!うぬおあああああああああぁーーー!!!!」

 

見事な着地狩りだった。格闘ゲームならあれをコンボの始動に体力ゲージを五割は持ってける。

 

「あれ何故かガー不だからな」

 

「ガー不」

 

さて……。

 

俺の出番か。

 

「ケンシロウ!」

 

「……!」

 

「さて、まあ、なんだ、ここはこれで終わりにしようか」

 

「しかし……」

 

「よく考えてみろ、今聖帝様を倒したのはお前じゃない、ターバンのガキだ。お前はとどめだけを掻っ攫おうってか?」

 

「む……」

 

「北斗と南斗の戦いの幕を下ろすのに、弱っている聖帝様のとどめを刺して終わりで良いのか?それで本当に勝ったと言えるのか?」

 

「……!」

 

「ケーン!騙されないで!ここでサウザーにとどめを刺した方が後々楽よ!!」

 

ケンシロウは迷っている。

 

「こんな勝ち方をしてユリアさんが喜ぶと思うか?!!」

 

「ユリア……ッ!!!」

 

「ケーン!駄目よ!進撃の巨人みたいな世界観で一人だけトムとジェリーみたいなノリで生きている人に騙されないで!!」

 

「お前はッ!こんな勝ち方でユリアさんになんて報告するんだッ!!」

 

「ユリア……!!!」

 

「お前の愛はそんなものか!!!」

 

「ケン、駄目ー!!その人見て、三人も女の子を連れ歩いておいて愛を語るなんてどう考えてもおかしいわ!騙されてるのよケン!!」

 

ごちゃごちゃ話している間に、聖帝様は聖帝軍に回収されて治療室へ送られた。

 

 

 

「いやー、惜しかったですね」

 

「フハハハハ!!!まあこんなこともある!!!しかし、確かに後一歩で勝てていたわ!!!」

 

まあ、その場合は多分、ケンシロウが覚醒して逆転負けすると思うけどね。

 

さて、とっとと取引を終わらせて帰ろう。可憐な艦娘達を男臭いこの空間に置いておくのは嫌だからな。

 

「しかし、あのターバンのガキは何者なのだ……?」

 

「あー、多分概念的な存在だと思いますよ、SCPみたいな」

 

「ふむ……、そうか。何故か俺や貴様の太ももを正確に抉ってくるからな……、きっとお化けとかそういうやつだろうな……」

 

そんな話をして。

 

「……はい、確認しました。では俺はこれで」

 

とっとと帰る。

 

そして、聖帝軍本部の階段を下りていると。

 

「……!!!」

 

「アッ、クソ、てめ、あぁぁああああああーーー!!!!」

 

何故か俺もターバンのガキに刺されて階段を転がり落ちた。

 

「提督ーーー!!」

 

「くっ、あの子供は……、いない?!消えた?!」

 

「司令なら、あのくらいの刃物……」

 

「いやあれガー不だから。防御貫通してくる」

 

「防御貫通」

 

「クソが……、陸奥、悪いけど肩貸してくれ」

 

「え、ええ」

 

俺はボロボロになりながらも黒井鎮守府に帰還した。

 

 

 

後日。

 

黒井鎮守府にて。

 

「さて、執務室に行かなきゃな、階段を上って……、ぐお?!クソが!!あぁぁああああああーーー?!!!!」

 

ターバンのガキが黒井鎮守府にも出現するようになったとさ。

 




陸奥
美人で有能。

聖帝様
えらい。

ターバンのガキ
ゲイボルグみたいに因果捻じ曲げて当ててくる。

旅人
「よく考えてみてほしい、俺やケンシロウ、聖帝様は、銃弾くらいなら軽く防げる防御力が普通にある。だが、ターバンのガキの刃物は防げない、刺さる。ありゃSCPとかなんかそういうのだ」

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