黒井鎮守府のリアルニンジャ、川内からお話があった。
「オッ、シノビやーん!体幹削ってきそう」
「弦一郎殿」
「誰が弦一郎殿じゃい」
「じゃあ主?」
「まあ、上司ではあるけど」
「また今度、前みたいに美少年になってよ、提督」
「謎の隻狼推し」
「いやあ、あれは名作だよ……、凄くハマってる。忍者協会も納得の出来だよ」
「忍者協会?」
「うん、忍者の地位向上を目指した忍者による忍者のための忍者の協会だよ」
なにそれこわい。
「今回は忍者協会の粋な計らいで忍者屋敷でのアトラクションに招待するね!」
おや、忍者屋敷。
「明石に頼んで異次元一つ借りて、忍者屋敷を作ったんだよね。遊びに来てよ」
ほうほう。
まあ俺も私立忍者学園で忍術を学んだことがある。
ニンジャっぽいことも不可能ではない。
『忍者屋敷川内城!今日一日で天守閣の忍者姫川内ちゃんからミニしゃちほこ飴を奪い取って食べること!』
「忍者姫とは(哲学)」
『もしも明日の正午までにミニしゃちほこ飴を食べられなかったら、罰ゲーム!提督には忍者姫川内ちゃんの一日従者の刑です!』
「それは構わんけども」
『逆に提督が勝てば、忍者姫川内ちゃんが一日お嫁さんになってくれます!』
「それは構わんけども」
『では、風雲川内城、開幕ー!!!』
お、おう。
まず庭があって、デカい門、城下、本城、天守閣の順に回るべきだな。
恐らく、ピッキングじゃ鍵が開かないとかなんかそんなギミックがあるんだろう。順繰り巡って正攻法で攻略するべきだと思うよ。
俺は頬に『旅』『人』と書かれたメンポと赤の装束を身に纏い、城へと向かった。
さて、行こうか。
現在地は庭。
光学迷彩で姿を消しているが……。
お、警備のクローン浪人。
盗み聞きしとこ。
『正門の漁火門はガンビア守兼定様がお守りになっている。ただの忍びには突破できまい』
『然り、まさにその通りよ』
……ガンビア守兼定様????
えっ、何それは。
『ガンビア守様ならば漁火門を守り抜いて下さるだろう。漁火門は開かずの門じゃて』
『そうとも、ガンビア守様万歳!』
んんー?
ガンビア守様……、一体何ビアベイなんだ……?
取り敢えずその辺を捜索して、ガンビア守兼定に効くアイテムを探すか。
おっ、あっちに泣き腫らしているクローン浪人の群れだ。
『なんて事だ……、呪毒でおらのお袋が倒れちまった!』
呪毒?
『おい、聞いたか?中ボスとして出現する予定だった望月守時継様も漣守鳳仙様も、呪毒によって倒れられたらしい』
何それ怖い。
そんな危ないもん使って大丈夫なのだろうか?
『呪毒は蔵に厳重に仕舞ってある、被害者は増えん』
そうなんだ。
「イヤーッ!!」
「「グワーッ!!」」
即座にクローン浪人を倒して……、あ、これクローンじゃなくってロボットだ、壊しても良いかな?
呪毒を手に入れた。
呪毒……。
再生ボタンポチっと。
………………。
……あー、これは呪毒ですわ。
そりゃ望月も漣も寝込むわ。
兎に角、これがあればガンビア守兼定にも勝てるな。
行くぞ!
「わ、わあ〜っ!わ、我はガンビア守兼定なり〜!!」
漁火門に近付いたら、バイオ馬に乗ったガンビアベイが現れた。
ちゃんと鎧姿の気合が入ったコスプレだ。
可愛い。
「こ、ここは通しません!!」
ほう。
「ベイ、これ見てみ?」
呪毒を見せる。
「えっと?はい?」
《けものフレンズ2最終話》
「うわあああああああああ!!!!ああああああーーー!!!!」
ガンビアベイは叫び声を上げながら馬から転げ落ちた。
「呪毒はーーー!!!呪毒がーーー!!!Noooooooo!!!!」
ガンビアベイは倒れた。
良し、やったぜ。
城下に潜入。
またもやクローン浪人から情報収集。
『おお、これはええテーブルビートじゃ。これなら美味いボルシチが作れるじゃろう』
テーブルビートて。
ボルシチて。
時代背景と場所どうなってんだ。ここはどこなんだよ、どこを想定して作られたんだよ。
『あのくノ一もボルシチが大好物じゃからな。美味いボルシチを食わせれば満足して帰るじゃろうて』
ほーん。
よし。
「ドーモ、クローン浪人=サン。タビビトです。イヤーッ!!!」
「「アバーッ?!!」」
テーブルビートを奪う。
そして。
「くノ一、不死鳥のお響だよ」
「響じゃん」
「お響だよ(強調)」
「アッハイ」
「私はくノ一だから、侵入者を倒さなきゃならないんだ」
「はい」
「でも、ここにある調理セットで美味しいボルシチを作ってあーんして食べさせてくれるなら、私はお腹いっぱいになって戦えなくなるよ」
「はい」
「……分かるね?」
まあ、はい。
そうですね。
大人しく特製ボルシチをパンプーシュカと共に提供して、膝の上に座る響にあーんして食べさせた。
「はい、あーん」
「あーん……、おいひい」
「そうか、よしよし、たくさん食べろよー」
さて、次だ!
城の中に侵入した。
城内を徘徊するクローン侍から情報収集。
『爆薬はちゃんと仕舞ってあるか?』
『もちろんで御座る、火薬庫にありますれば』
『あのアパ◯ン的な缶に穴を開けて火をつければ、明石刑部頼勝様もひとたまりもあるまい』
『しっ!誰に聞かれているのか分かりませぬぞ!』
成る程。
火薬庫からアパ◯ン的な缶を全部拝借する。
そして城を進む。
すると。
「やあやあ、我こそは明石刑部頼勝である!」
「そういうのは戦場でやるもので、侵入者に対してはやらないんじゃない?」
「あー、そうですね。でもやりたかったんですから、良いじゃないですか!」
明石が現れた。
いつものギリギリスケベスリットスカートではなく、裃を着用している。
男装な訳で、華奢で女の子っぽい明石には正直似合ってない。明石はもっとこう、女の子っぽい服が似合うと思うよ。
俺はアパ◯ン的な缶に穴を開けて、ライターで火をつける。
「ああっ!それは!」
爆発して、城の一室が吹き飛ぶ。
んんんんんー?
スプレー缶数本の威力じゃないぞー?
この缶に何入れてたんだよ一体。
「あ、ああ、開発中の燃料スプレーが!徹夜で作ったから設計図ないんですよぉ!貴重なサンプルがぁ〜!!」
「えっと、その、ごめんね?」
「ううー、あとでデートしてくれなきゃ許しません!」
「もちろん、喜んでするよ」
「じゃあ許します!」
最後、天守閣。
「うわ、割と早いなー、流石提督」
忍者姫川内だ。
ミニ着物プラス忍者装束みたいなコスプレ衣装。かわええ。
「あれ、川内の攻略法は?」
「そんなもの、ウチにはないよ……」
「どうやって倒すのよ」
「パンチ!キック!チョップ!でどうにかしてね!」
「パラッパラッパーかよ」
うーん?
それは酷くない?
俺、真正面から戦うとなると、殆どの艦娘に勝てないよ?
「でもほら、提督は私の身体をまさぐって飴を探せば良いんだし、勝たなくても良いんだよ」
「でも大人しくまさぐらせてはくれないんでしょ?」
「それはまあ、ちょっとは抵抗するよ?でも抵抗する私を押さえつけた提督が無理矢理身体をまさぐってくる、って言うのも燃えるかなーって」
「アッハイ」
あ、そっかあ。
「ほら、じゃあ、行くよ!」
手裏剣を投げてくる川内。手裏剣を掴み取ると、次は苦無でゆっくりと斬りかかってきた。
ははあ、成る程。
手加減はしてるっぽいな。
川内が本気なら、そもそも視界に一秒も入っていてくれない。爆速で視界からかっ消える。
それがまあ、テレビゲームのスピードキャラくらいの速さで動いてくれてるんだから、ハンデ舐めプ通り越してやられたがってると思って良いだろう。
となると。
「ほら」
「よっ」
「えい」
「たあ」
「やあ」
「ふっ」
軽く体操じみた組手をして、最後に川内を投げ飛ばす。
「あんっ❤︎」
さあて、どうしてくれようか。
「ここかな?」
着物の裾をめくる。
「外れだよー」
「じゃあここかな?」
胸元をはだけさせる。
あ、あった。
「正解!」
やったぜ。
「でもでも〜?提督は私の汗にまみれたこの飴を舐められるのかなぁ?」
「別に気にならないけど」
ぱくり。
まあ、男なら嫌だけど川内の胸元にあったものだし。
「うわ、本当に食べた。提督って割と変態?」
「君がやらせたんだろうに」
「いやあ、流石に気持ち悪がられるかなーって」
「何言ってるんだよ。俺なんて一体どれだけ艦娘の体液が混入した食品を食わされたと思ってるのよ。汗くらい平気だわ」
「それはそれでヤバイよね。断れば良いのに」
「美人からの好意を無駄にはできないんだ……」
「まあ、兎に角!提督にはこの川内を一日お嫁さんにする権利と義務を得ました!」
「義務かー、ならしょうがないなー」
「じゃあ早速デートしちゃう?」
「しちゃおっかー!」
……「あんっ❤︎そこは舐めちゃ駄目ぇ❤︎」
デート先でなんか色々ありました、と。
詳しくはね、言わないけどね。
まあ、色々あったよ。
川内
黒井鎮守府のニンジャマスター。リアルニンジャなので、ニンジャが実在すると信じている外国人の前でニンジャっぽいことをして歓声を浴びる趣味がある。
旅人
リアルニンジャ。口寄せで旧支配者を招ぶ。