感電死した。
「精神耐性訓練ンー?」
「ああ」
暖かくなってきた最近。
朝食を作り終えて暇している俺の元へ、時雨が現れ、発案。
「何やんの?」
「艦娘に催眠術をかけて、精神攻撃への耐性を高めるのが目標だよ」
なるほど?
確かに、どこからともなく現れた種付けおじさんが謎の催眠アプリで艦娘を催眠してNTR展開とかあり得るかもしれないじゃん?
長門とか弱そうじゃん、対魔忍みたいな格好してるし。
決戦アリーナも終わったし、そういう訓練はここらでやっておくべきだよなあ。
そんな展開になったらやばいもんな、レーティングが。
「んじゃやりますかぁ」
皆んなを集めて、一人一人に軽く魔法をかけていく。
『支配』
まず金剛だ。
「くっ、う」
お、耐えられんのか。
もうちょっと出力上げるか。
「うあっ、ああっ!」
耐えてるな、凄いな!
かなり強度の精神耐性があるようだ。
「よし、もういいよ」
「ふぅ、因みに、催眠に成功したとして、何をさせる気デスカー?」
「抱きしめてキスでもしてもらおうと思っていたけど」
「……あー!催眠ガー!」
抱きついてくる金剛。
「いや、もう催眠かけてないけど」
「催眠がちょっと残ってマース!催眠だから仕方ないデース!!!」
「いやそんな酒じゃないんだから」
そう言って金剛は俺にディープなキスをして満足そうに帰って行った。
お、おう。
紅茶の味がしました。
次、如月。
『支配!』
「あんっ❤︎」
ん?
「何でも命令してぇ❤︎」
あっ、こ、こいつ、最初から逆らう気ゼロだ。
「部屋に帰ってお勉強しなさい」
教えてあげるから勉強するの。
「ぐっ、くうっ……!!!もっと素敵なお願いがあるんじゃないかしら?エッチなのとか❤︎」
さ、逆らった?!
「えー?じゃあパンツ見せて」
そしたら何と、目の前でパンツを脱ぎ、クロッチの部分を見せつけるようにした。
シミひとつないが、リアルにしっとりしている布地が目の前でかぐわしい匂いを放つ。
……描写がエロいな、詳しくは言わないでおこう。
「如月、やめなさい、全くもう」
加減しろ莫迦!!!
「パンツはお気に召さないかしら?それじゃあ、これはどう?」
スカートをめくって見せる。ノーパンなので丸見え。
「はぁ、はぁ……、見てぇ、もっと見てぇ❤︎私のここからエッチなお汁が垂れてるの分かるでしょ……?ねえ、早く、早くエッチなお願いしてぇ❤︎」
全くもう。
「そう言われると手を出さざるを得ない!!!」
「あーん❤︎」
それじゃあ次はレーベ。
『支配!』
「あんっ❤︎」
お、どうだ?
「僕の騎士様はいけない人だよぉ❤︎僕の心を無理矢理奪っちゃうなんて❤︎」
うん?
「きっと、酷いことされちゃうんだよね……❤︎裸で犬の真似をさせられちゃったり、鞭で叩かれちゃったりするんだ❤︎」
「いやしませんよそんなこと(冷静)」
「仕方ないよね、それも騎士様の愛の形だもん❤︎むしろ、その方が、もっとえっちで……、ふふ、僕、おかしくなっちゃいそう❤︎」
あー、そっか!
「元から正気じゃないから、催眠が効かないのか!」
「提督、僕だけの騎士様❤︎ずっと、ずっと、ずーっと、幸せに生きていこうね❤︎」
「レーベ、正気に戻ってくれ」
「分かってるよ、僕も提督が大好き❤︎」
うーん。
日本語が通じねえなー。
「レーベ、ごめんね、もうやらないよ」
「良いんだよ、提督❤︎僕、提督の為なら何でもするよ、提督になら殺されたって良い❤︎」
うーん、病んでるなあ。
恋愛は適度に楽しまないといかんよ。
次は電にでも。
『支配』
「ひゃわあ!」
効いたか?
「ぞくぞくするのです……!」
「どう?効いてる?」
「司令官さんにえっちなことしてもらってるみたい……❤︎気持ちいいよぉ❤︎」
んー?
いや、催眠って脳を揺さぶられたみたいな感覚になって気持ち悪いぞ。
不快感があると思うんだが。
「電、催眠に抵抗しなさい」
「司令官さんに催眠されるの気持ち良い……❤︎」
うーん。
電はそもそも俺の命令ならなんでも聞くからなあ……。
次、叢雲。
個人的に催眠に弱そう(偏見)。
なんかこう、「はぁ?催眠?馬鹿じゃないの、そんなのにかかるわけないじゃない!私は自分の意思でご主人様に全裸屈服土下座してるだけよ!」みたいなこと言いつつエロい命令とか常識改変系の催眠にかかりそうな感じ(偏見)。
『オリーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!全裸になれ!』
「んっく?!はぁ?!馬鹿じゃないのあんた!!」
良し!耐えてる!偉い!
「でもあんたがどうしてもっていうなら仕方ないわね……、どうしてもっていうなら!!!」
「あっ、いや、今回は訓練だし」
「しょうがないから脱いであげるわよ!!」
んん?
あれこれ催眠効いてる?
それとも自主的に脱ごうとしてる?
どっち?
「ほら、お望み通り全裸になってあげるから早くあんたの部屋に行くわよ!」
「いや、催眠にかかってる?」
「かかってないわよ!」
どっち?!
次、あきつ丸。
『アクスィー』
「んぉお」
お、効いてないな。
あきつ丸はメンタル強い方だからなあ。
催眠とか暗示とかの類に強いんだよね。
あきつ丸なら、最悪五感の一つが封じられても、気を読んだりして対応できるから、そういう点では強いと思う。
多分東仙要にも勝てる。
「いやあ、流石は提督殿。自分もまだまだ修行が足りないでありますな」
「いやあ、あきつ丸相手の催眠術なら、隙を作れて精々三秒。三秒じゃあきつ丸を倒せるくらいのダメージは与えられないよ」
「確かにそうでありますが……、自分を三秒止められるだけでもかなりのものでありますよ」
次は白露……。
『支配』
「んー、『支配』」
アァッ、催眠を返してきた!
ぐおおおお、俺の頭を弄ってきたぞ?!
カウンター!
ふむふむ。
まあ、大丈夫そうだな。
突然、催眠アプリを手にした種付けおじさんが現れても対処できるだろう。
艦娘NTR展開はないな。
突然黒井鎮守府にマッチョな留学生が来ても対処できる。
もう何も怖くない。
×××××××××××××××
ぶひひひひ……。
俺は区頭田豚太郎!
モテないキモデブの童貞だ。
だがそれも今日で終わりだ!
先日ついに手に入れたこの催眠アプリ!
これがあれば女に好き放題できる!
街に出て……、そうだな。
まずはあそこにいる白髪野郎の女を奪ってやる!
ち、畜生、イケメンだからって調子に乗りやがって!
ちょっとマッチョで背が高くてイケメンでハーフっぽいからってよお!
吠え面かかせてやる!!!
「提督ー❤︎」「司令官はウチのことが好きなんや❤︎」「提督大好きです❤︎」
ぶひひひひ!催眠アプリ、起動!
「「「あ」」」
ふひ、ふひひひひひ!!!
効いたぞ、催眠が効いた!
さあ、女共!俺の側に来い!
………………ん?
「ウジ虫風情がァ………、偉大なる提督の従僕たる私に、私を、惑わそうと……?許せるものじゃない!!!」
「なんやァ……?豚が鳴いとるわ……。豚は死ねや!!!」
「ゴミめ……、失せなさい」
あ……。
死ん……!!!
………………
…………
……
「あーっ!!!また殺したー!!!何やってんのもー!!!って言うか催眠に逆らえるならこの前の訓練の時逆らおうよ!!!」
エロ同人誌の竿役みたいな人
ちょくちょくこの類の奴が現れるが、黒井鎮守府においては殺されている。
旅人
催眠の類はそこまで得意ではない。