『なんかツイッターで性転換した男の子が色々やるソシャゲ流行ってるじゃないですか。やりましょうよ。(明石)』
朝、枕元にそんなことを書かれた紙が置いてあった。
そして俺は性転換していた。
笑える。
脈絡ゼロで朝起きたら性転換してるとか。まあ、黒井鎮守府なら日常茶飯事ってやつよ。
まさにチャメシインシデント。
「前もやらなかった?」
冷静にツッコミを入れる俺。
まあいいや、少なくとも、女の身体ならエロいことにはならんだろ。
この時の私は……、まさかあんなことになるとは、思ってもみなかったのです……。
「あー、女の身体だとオッパイが邪魔だな」
女体化旅人は……、アイオワやビスマルクにそっくりだぞ!
スタイル抜群高身長、綺麗系美女だ。おっぱいもばるんばるんだ!
姿見を見てポーズを決める。
「oh yeah……。こんな女がいたらほっとかねえんだけどなあ、残念ながら自分なんだわ」
いやー、残念残念。
なんて思っているとノックが三回。
朝、起こしにくるのは……。
大淀だな。
「おはよう、おお、よ、ど?!!!」
おはようの一言とともに大淀を迎え入れ……、その姿を見た瞬間、俺はバグった。
「おはようございます、提督(cv:神谷◯史)」
んあっぁ?!?!!?!!!
んんんんん?!
んんんー?!!?!!!
黒髪を長め切り揃え、眼鏡をかけた、「パイロットスーツ」の美形の「青年」。あれ?イノベイトの方ですか?
「だ、誰だテメェ!!!!」
「大淀です」
「嘘だあああああ!!!!」
大淀のcvは川澄◯子だろうが!!!!
なんだこのイケボのイケメン!!!!
「あれ?手紙、読みませんでしたか?本日は明石さんの放った怪電波のせいで艦娘は全員男になってますよ」
「♪+|>°$○々〆^〜〒|○*%%#ーーー???!?!!!」
「そ、そんなに嫌ですか?」
「嫌です」
俺は男と責任って言葉が大嫌いなんだよぉォォォ!!!!
だ、だが、しかし、男になろうと俺の愛する大淀……、だが男……、でも……。
「では、おはようのキスです」
キスされる。
「ぐはっ」
「な、何故吐血を?」
「違うんだよ……、大淀のことは好きだよ?けど男じゃん……、男にキスされても嬉しくない……、むしろ死ぬ……」
ってか、声も艤装も違うのかよ。
まあ、男体化しておいてスカートのまんまの方がヤベェよな。
朝、食堂に出向く。
「ああ、おはようございます、提督(cv:速◯奨)」
「……誰?」
「鳳翔です」
「んうぅー、鳳翔がー、鳳翔がイケメンに〜!!!」
黒髪に「白色」の着物の、色気たっぷりの「色男」。そして「眼鏡」。今にも「私が天に立つ」とか言って眼鏡を握りつぶしそうだ。作画も心なしかオサレになっている。
「全く……、今朝起きたらこうなっていたからね、驚いたよ。ああ、すまない、喋り方も意識しないとどうにも男性らしくなってしまっているようでね」
やめてえ、イケボやめてェ……。
「さあ、提督。今朝のメニューは決まっている。調理に取り掛かろう」
「ウス」
「……?元気がないようだが、大丈夫かい?」
「アッハイ」
「ふむ……、熱でもあるのかな?」
その瞬間、イケメンの顔がどアップに。
女の子なら大喜びな展開、しかし、俺は男だよぉー!!
鳳翔は額をくっつけて、俺の熱を計った。
「……?特に熱はないようだけど?」
「あー、いやー、男にくっつかれるのがね、嫌なの」
「そうか……、君がそう言うなら近づかないでおくよ」
少しショックを受けたような顔をした鳳翔は、身を引いて、エプロンをつけ始めた。
午前。
「クソだな……、本当にクソ。たまにはこっ酷く叱った方が良いのかな……」
たまには本気で明石のことを叱った方が良いのかもしれない……、そんなことを考えながら、陽の光が差し込む鎮守府の廊下を歩く俺。
明石はなあ、本当になあ、もう、なあ。
今回はね、もうね。
うーん、怒った方が良いのかな……。
ふと、廊下の窓から外を見る。
「ほあああああああ!!!!(cv:玄田◯章)」
「おおおおおおおお!!!!(cv:大塚◯夫)」
あー……。
長門と武蔵だな、あれは。
「二メートルを超える」筋骨隆々のグラップラー。
長門は……、牡牛座の黄金聖闘士みたいな見た目で、武蔵は地上最強の生物みたいな見た目だ。
怖……。
女同士の殴り合いでもただでさえ怖いのに男だと怖さが三倍くらいだわ。
ただでさえ、一撃で俺の肉体が消し飛ぶレベルのパンチが更に強くなっている気がする。
怖……。
「おや(cv:置鮎◯太郎)」
茶髪を「オールバック」にした「ロココ調の貴族服」の色っぽい「成人男性」に出会う。
「誰?」
「私は陸奥だよ」
「ほえぁ」
トレーズ閣下じゃねえかよう。
閣下じゃねえかよう!!
「ふむ……、お嬢様、こちらへ」
「はいぃ?」
「何……、普段は君が私をエスコートしてくれるじゃないか。となると、今回、男になったのであれば、私が君をエスコートしようと思ってね」
「あ、そうですか」
「付き合ってくれるかな、マドモワゼル」
「ウス」
そのまま陸奥にホールに連れられて、一曲ダンスを踊ると、陸奥は満足そうな顔をして去っていった。なんなん?
「もうやだ……、男臭いよう……」
悲しみに満ちた俺。
ふらふらと道を歩く。
「ドーモ、テイトク=サン。シンカイセイカンスレイヤーです(cv:森川◯之)」
「え?川内?」
「ハイ」
「……え?」
「赤いニンジャ装束」と『艦』『殺』の「メンポ」。あからさまにニンジャなのだ。おお、ゴウランガ!
「これからジンツウのインストラクションを受けに行く予定だ。テイトク=サンは?」
「あ、はい、俺は普通に遊んでるけど」
「成る程な。では、オタッシャデー」
一瞬で消えた川内(?)。
怖……。
「おや、どうしたのかな、シニョーラ?浮かない顔をしているね(cv:関◯一)」
「白いフード付きアサシンコート」に「唇に傷」の「短髪」、「色男」。腰に剣、腕には手甲とアサシンブレード。
「……誰?」
「酷いな、この姿じゃ誰かわからないのかい?」
「いや……、本当に誰?」
「君の永遠のしもべ、那智だよ」
那智……?
那智?
「ウッソだろお前」
「君に嘘はつかないさ」
え?
嘘?
「なん……、え?なんかそんな感じなの?」
「ああ、おかしいかな?」
「いや……、テンション高くない?」
「そうかな?普通だと思うんだが」
あ、そうですか。
「もうやだ……、もうやだ……」
昼飯を作って出した。
「今日の飯は、と……。お、野菜炒めか!良いじゃねえかよ(cv:諏訪部◯一)」
「はしゃぎ過ぎるな、天龍(cv:浪川◯輔)」
紫髪の「色男」が二人。
え……?
天龍と龍田?
あのエスパーダにしか見えない二人が?どっからどう見ても第六と第四だよ?
何これ、この鎮守府そんな感じなの?
「む……、今日は中華か……。ならば春巻きを……(cv:鈴置◯孝)」
「え?誰?」
「神通だ」
牙突の人じゃん。
「今日は中華かー。辛くないのある?(cv:山口◯平)」
「あー……、春巻き、辛くなくて美味しいよ。それとシュウマイも美味しいよ」
「じゃあそれで!」
「ところで誰?」
「半ズボン」の「ショタ」だ。どう見てもジャイアントロボを保有しているあの子にしか見えない。
「僕?暁だけど」
マジで?
「マジで……、マジで無理」
夜。
「もうやだ……、勘弁して……」
俺は居酒屋鳳翔で呑んだくれていた。
もう何もやる気がしない。
明日の朝までこのまんまらしいし……、大人しく今日は寝よう……。
「……で、何?」
「いや……、思ったんだが(cv:中田◯治)」
「女の子の提督とあれこれできるのは男の身体の今だけなんじゃないかと思ってね(cv:櫻井◯宏)」
「まあ、そう言う訳でさ、司令官(cv:塩◯翼)」
……え?
「いや……、いやいやいや!無理!無理だって!!!無理!やだ!絶対やだ!やめて!!!考え直そう?!レイプとか良くないよ!!!」
「合意があるだろう(cv:黒田◯矢)」
「ないじゃん!!!俺嫌がってるよね?!!ねえ!!!あっやめて!!!本当に勘弁して!!!処女だけは!!!処女だけはーーー!!!!」
ああああああああああああああ!!!!!!
旅人(♀)
処女膜を守りきった。