旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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やる夫スレばっかり見てます、まとめで。

最近追ってるのはディエゴのグランドオーダーとシンのギアス、エージェントやる夫のマーベル世界。


420話 邪魔だゴッ太郎

「くっ……!邪魔よ!!!」

 

 

「もふ」

 

「自由を奪った状態で殴るなんて……!」

 

「いや別に自由を奪ってるとかないけど」

 

「やめろよ!卑怯者!」

 

「???!!!」

 

「じゃ、首輪付きとの模擬戦も終わったことだし、軽くシャワーを浴びてこようか」

 

「えっ?あっ、うん……。え?今の何?」

 

 

 

「暁ー」

 

「なあに、司令官?」

 

「今日は第六駆逐艦のみんなと、正しい『牛乳のひみつ』を学ぼうか!」

 

「うん!」

 

「首輪付き先生が何でも教えてくれるぞー!」

 

「「「「わーい!」」」」

 

「もふもふ、もふもふもふ、もふもふ」

 

「だ、そうだ」

 

「「「「????」」」」

 

「えー、通訳すると、ようこそ、黒井鎮守府牧場へ。ここは通常のホルスタイン以外にも肉牛や水牛など、多種多様な牛や羊、ヤギ、豚などを飼っているよ、とのことだ」

 

「「「「あ、はい」」」」

 

「あれがホルスタイン。世界で最も多く飼われている乳牛だな。因みに殴ったり硬い床の上にいさせたり動けないくらいに繋ぎっぱなしにしたりしてると普通に乳が出なくなるからそんなことはやらないぞ」

 

「何言ってるのよ司令官、常識的に考えれば家畜に暴力を振るう人なんている訳ないじゃない!」

 

「そもそも、人間程度が牛さんを殴っても倒せないと思うのです……」

 

「うんうん!そうだね!牛の体重は600kgはあるからね!パンチ一発で牛を倒せるのは艦娘かスーパーヒーローくらいだね!」

 

「もふもふ、ふもっふ」

 

「……だそうだ」

 

「「「「????」」」」

 

まあ、ああいう連中は真性の気狂いか、どっかから金をもらってやっているかのどちらかだよ、とのこと。

 

「まあ、それは良いとして、牛に触ってみる?」

 

「え?良いの?」

 

「殺さないでね」

 

「もう!急に殺したりなんてしないわよ!私、そんなに乱暴じゃないわ!」

 

「え?ほら、邪魔だ!ゴ!とか」

 

「やらないってばー!」

 

そうかそうか。

 

「じゃあほら、触ってごらん」

 

「わー!」

 

「おっきい!」

 

「あったかいのです!」

 

「ハラショー」

 

「じゃあ俺は首輪付きを撫で……、痛い痛い痛い噛むな!」

 

「がぶっ」

 

「にしても、本当におっきいわね!私より背が高いわ!」

 

「そうだね、牛の体高は150cmはあるから、君達よりは大きいね」

 

「ふもふもふ」

 

「だってさ」

 

「「「「????」」」」

 

あー。

 

首輪付きの言葉が通じないのは辛いな。

 

「これが搾乳機だよ。これで乳を搾るんだよ」

 

「手でぎゅーってするんじゃないの?」

 

「手でやるの効率が悪いんだよね。黒井鎮守府では明石開発の全自動搾乳機があるから、これを使ってるよ」

 

「ふーん……。愛宕さんとの搾乳プレイ(小声)」

 

んんっん。

 

「な、な、な、何のことかな響ー?何のことかなー!!!!」

 

「楽しかった?」

 

「何のことだか分からないなー!!!!」

 

 

 

「牛さんって何食べてるの?草?」

 

「もふもふもふも、ふもふも」

 

「「「「????」」」」

 

えーとだな。

 

「草、牧草ね、もちろん食べてるよ。けど、その他に、とうもろこしや大豆かすなんかも食べさせなきゃならないんだよね。それも、一日5、60kgも」

 

「ええ、そんなに!」

 

「赤城さんみたいなのです!」

 

赤城への認識……。

 

「赤城さんはどちらかと言えば豚さんじゃない?」

 

赤城への認識ィ……!

 

「豚は割と筋肉があるらしいから違うんじゃない?」

 

「赤城さんも割と力持ちよね?」

 

赤城……。

 

「ところで、何でここには三、四頭しかいないの?少なくないかしら?」

 

と雷。

 

「ああ、それは、放牧してるからだよ。ここにいる牛は妊娠してるのよね」

 

「放牧?」

 

「そうだよ。五月くらいから十月くらいまで毎日、相当天気が悪いとかでもない限り、牛はしっかりと外に出してあげるんだ」

 

「へー!じゃあ、小屋で繋ぎっぱなしとかじゃないのね!」

 

「当たり前だよ!」

 

「あ!見て見て!日陰で休んでる!」

 

「うーん、一頭が動くと皆んな動くのね」

 

「もふ」

 

「「「「?」」」」

 

「そりゃ群で生活する生き物だから、だって」

 

「ふーん、私知ってるわよ、そういうのキョロ充って言うんでしょ?」

 

「やめてくれ暁、その術は一部の人に効く」

 

 

 

「さて、そろそろ牛を呼び戻さなきゃな。ほら、皆んなで笛を吹いてごらん」

 

「笛?うん、分かった!」

 

『Piiiiiii!!!』

 

「「「「モー」」」」

 

「わあ!牛さんが集まってきたのです!」

 

「牛は賢いから、牛舎に戻る時間の頃に呼べば戻ってくるんだ」

 

「凄ーい!」

 

「因みにサイレージ……、牧草のことだけど、明石の作ったマシンで、夏の間に育った牧草を収穫するようになってるよ」

 

「もふもふもふ」

 

「「「「?」」」」

 

「黒井鎮守府牧場はほぼオートメーション化されてるから、僕のやることは全体へ指示を出すことだけだね、って言ってる」

 

「成る程ー!」

 

「あ、あと、牛の角って一度切ると二度と生えてこないから切るようにしてるぞ」

 

「何で?」

 

「いや、角が生えたままだと危ないんだよね、喧嘩したりしたら傷ついちゃう」

 

「成る程、それも牛さん達の為になることなのね」

 

因みに、うちは放牧してるけど、つなぎ飼いとかフリーストール、フリーバーンとか飼い方は色々あるよ。

 

「あ、因みに、牛の排泄物はロボットがその辺から集めてきて、黒井鎮守府農園の堆肥になってます」

 

「あ、そう言えば、この辺って牧場なのに臭くないわね」

 

「それは、超高性能な消臭剤撒いてます」

 

「へー」

 

 

 

「でも、搾りたての牛乳はそのままじゃ飲めないのよね?」

 

「そうだよ(肯定)」

 

生乳はやめとけ。

 

まあ、艦娘と俺は平気なんだけど。

 

「どうやって牛乳に加工してるのかしら?」

 

「それはね、それはね」

 

「わくわく」

 

 

 

「錬金術だ」

 

 

 

「「「「???!!!!」」」」

 

「どしたの?」

 

「い、いや、なんか……、今まで普通だったのに、急に錬金術?とか言われたから……」

 

「いや、だって、マジで錬金術使ってるんだもの。見てみ?」

 

「あ、ほんとだ!牛乳のタンクに魔法陣と怪しげな光が!」

 

「錬金術でホモジナイズと殺菌してるんだよね」

 

「動力とかって……」

 

「黒井鎮守府のメインコアリアクターからだね」

 

「メインコアリアクター……?」

 

「メインコアリアクターは、黒井鎮守府の全エネルギーを出力する回路だよ。主に核融合と大型魔力炉心、グラビトンリアクター、縮退炉などでできてるんだ」

 

「そ、そうなんだ」

 

「まあ、そんなこんなで、ここで加工された乳製品が、黒井鎮守府で消費されたり、外部に売り捌いたりしてる訳さ」

 

「成る程ー!」

 

 

 

「さて、みんな!牛乳のひみつについて分かったかな?」

 

「「「「はーい!」」」」

 

「よろしい!」

 

でもね?

 

「まあ、だからと言って、酪農関係者にでもならない限り無駄な知識なんだけどね」

 

「「「「えぇ……」」」」

 

「でも知識ってどこで役に立つか分からないよ?口説いた女の子が酪農関係者だった、とか、怪しい組織に攫われた先で酪農知識が役に立ったとか、ニャルに攫われて酪農知識を使う羽目になったとか、十分あり得るから」

 

「「「「えぇ……」」」」

 

「知識でダイスロールする場面は実際多い」

 

「「「「はい……」」」」

 

「じゃ、黒井鎮守府牧場のソフトクリーム食べて帰ろうか!」

 

「「「「わーい!」」」」

 

 

 

「結局、黙れ!ゴ!って何なの?」

 

「黒井鎮守府は人間より動物に優しくしてるよ!動物愛誤団体も納得!」

 

「そ、そうなの」

 




邪魔だゴッ太郎


黙れドン太郎
ドン

旅人
ティロリーン

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