旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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最近は筆が乗らない……。


422話 SCP-XXXX 旅人

アイテム番号:SCP-XXXX

 

オブジェクトクラス:Keter

 

特別収容プロトコル:SCP-XXXXは小型追跡装置を埋め込まれ、現在はサイト-17に収容されています。可能であれば、未婚かつ十代後半から三十代前半の女性職員にSCP-XXXXに対して指示をさせて下さい。しかし、その女性職員がSCP-XXXXに対して親愛の念を抱くようになった場合、即座に職員を交代させます。---×

 

SCP-XXXXは現在、収容できていません。しかし、グリニッジ標準時における2013年4月23日のXX時XX分XX秒に世界規模で発生したKクラス世界終焉シナリオ『深海棲艦』(SCP-XXXYの大量発生)に対抗する存在として、SCP-XXXZ(艦娘)を最も有効に運営できる者として、日本のK県◯◯市『黒井鎮守府』にて活動しています。

 

Kクラス世界終焉シナリオ『深海棲艦』の終了と共に、SCP-XXXZと共に収容を再開する予定です。

 

また、その際に、財団や他の要注意団体などから、SCP-XXXXが持ち出した複数のオブジェクトも再収容する予定です。

 

説明:SCP-XXXXは、人種不明の二十代後半の男性の見た目をしています。1.95m、105.0kg、白髪で筋肉質、瞳は黒色です。遺伝子検査の結果、ヒトゲノムとの類似性は52パーセントで、そのうち15パーセントは地球上のどの生命体とも一致しない未知の遺伝子が含まれています。しかし、SCP-XXXXはそれを理解しつつも、自分は人間であると頑なに主張します。

 

SCP-XXXXは中程度の現実改変者です。また、非常に強力な不死性を有し、例え対象を終了させたとしても不明の手段で復活します。財団は過去に████回、SCP-XXXXを終了させる試みを実行しましたが、いずれも失敗しています。

 

SCP-XXXXは極めて高い精神汚染耐性があり、殆どの認識災害、ミームに対して異常性を受けない、若しくは異常性を受けたとしても生命活動の維持を続けます。

 

SCP-XXXXは、一般的に美しいと評価される女性、若しくは女性の形をした意思のある生命体に対しては非常に紳士的で奉仕的な傾向が見られます。財団は、女性職員を利用して、SCP-XXXXに実験への協力を得て、いくつかの実験を行ったところ、以下の能力があることが分かっています:

 

・一流の格闘技術、弓、投擲術

・日本語、英語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、中国語、ロシア語、韓国語など、世界各国の言語を操る

・料理、建築、芸術、マナー、文化、学問、音楽、サブカルチャーへの深い知識

・あらゆる機械の操縦

・人類の枠を超えた素早さ、器用さ、それを使った窃盗技術

・高い知能

・人類の枠を超えた頑丈さ

・魔法の行使

・忍術の行使

・不明の手段による空間転移

・火を吹く

・変態する

・殆どの薬品への耐性

・殆どのミーム、認識災害への耐性

・読心

・透視

・限定的な未来予知

・鋭い五感

・驚異的に身体能力を向上させる不明の呪文

 

しかし、これらの能力は常時発動している訳ではなく、特に読心、透視能力などは、相手に対して礼を欠く行為だと考え、SCP-XXXXはそれを多用しません。

 

また、SCP-XXXXの実験の結果、以下のことが分かっています:

 

実験1001-1

9x19mmパラベラム弾の斉射

 

結果1001-1

SCP-XXXXは弾丸を回避した

 

実験1001-2

9x19mmパラベラム弾の斉射。回避しないように命じた

 

結果1001-2

SCP-XXXXは弾丸を掴み取って無力化した

 

実験1001-3

12.7x99mm弾の斉射。回避しないように命じた

 

結果1001-3

SCP-XXXXは魔法的な白く光るシールドで弾丸を防いだ

 

実験1001-4

12.7x99mm弾の斉射。回避も防御もしないように命じた

 

結果1001-4

SCP-XXXXは難色を示したが、実験を決行した。結果、SCP-XXXXの全身が[削除済]になったが、その後に肉片が蠢き増殖し、32時間後に完全に再生した

 

補遺1:SCP-XXXXは、20XX年X月のサイト-██の大規模収容違反の際、どこからともなく現れ、多くのオブジェクトの足止め、襲われている人々の救助の協力をして、その際に数多くの異常性を発露しました。その大規模収容違反の封じ込め終了後に確保されました。

 

補遺2:インタビューログXXXX-07-5041より抜粋、日付2009/██/██

 

<記録開始>

 

████博士:誕生日と出生地、名前を手短に紹介してください。

 

SCP-XXXX:俺の話なんてどうでも良いさ、それより君の話を聞かせてくれないかな?好きな男性のタイプとか。

 

████博士:質問に答えて下さい。

 

SCP-XXXX:ああ、そうか、お仕事だもんな、頑張ってて偉いね、博士。でも、名前くらいは教えてくれても良いだろ?今後の二人の関係において重要だと思わない?

 

████博士:……████です。貴方の誕生日、出生地、名前は?

 

SCP-XXXX:良いね、素敵な名前だ。知的な君にぴったり。さて、俺のことを聞くのが仕事なんだね?じゃあ、少し協力するよ。誕生日は19XX年の7/21、日本では自然公園の日さ。生まれた場所はこう見えても日本、東北の方。名前は新台真央。でも、名前で呼ばれるのはあまり好きじゃないから、旅人と呼んでくれないかな。

 

████博士:貴方の数多くの異常性はいつ、どこで発現しましたか?

 

SCP-XXXX:物によるよね。武術なら子供の頃、近所の怪しげな格闘技道場で鍛えて、魔法なら人に習ったり本を読んだりして覚えたよ。でも、殺し合いは好きじゃないから、武器の取り扱いは苦手だよ。

 

████博士:家族は?

 

SCP-XXXX:妹が一人。親は物心ついた頃にはいなかった。うちの家庭は、家庭を顧みないクズばっかりだからね、仕方ないね。

 

████博士:貴方が時折、サイト-17から姿を消すのはどうしてかしら?

 

SCP-XXXX:それは俺が旅人だからだよ。旅をしなくちゃ。ここは、食事がただで食べられるし、職員が遊んでくれたりするし、美人も割と多いから嬉しいね。

 

████博士:それは……、あー……、貴方は、サイト-17をただで泊まれる宿くらいに思っているということかしら?

 

SCP-XXXX:え?だって、ここにいろって言われたからいるだけで……。嫌なら今すぐ出て行くけど。

 

████博士:いえ……、それはとても困るわ。出来るだけサイト-17に用意された貴方の部屋にいて頂戴。

 

SCP-XXXX:まあ、良いけどね。ここにも可愛い子いっぱいいるし。でも俺、アウトドア派だから、暇な時は遊びに行くよ。

 

████博士:だから、それは困るの、SCP-XXXX。貴方は出来るだけ自分の部屋にいて。せめて、サイト-17の中にいて頂戴。

 

SCP-XXXX:努力はするよ。

 

████博士:次に、女性型のオブジェクトの収容違反を繰り返した理由は何故ですか?

 

SCP-XXXX:こんなところに可愛い女の子を押し込めておくのは可哀想でしょ?ちょっと外に出るくらい許してよ。

 

████博士:……かつて、世界で起きた数多くのKクラスシナリオの殆どに貴方が関わっています。何故ですか?

 

SCP-XXXX:いや、旅人の俺が旅先なくなったら困るから出来る範囲で秩序を守ってるだけだよ。

 

████博士:しかし、貴方は、女性型のオブジェクトを逃がしたり、その他の一部オブジェクトを勝手に使用したり、要注意団体に雇われたりなどしています。秩序を守るという言葉と矛盾していないかしら?

 

SCP-XXXX:そうかな?俺、他人に迷惑はたくさんかけるけど、基本的に殺したりはしてないよ。本当によく調べた?俺、本当にどうしようもない奴以外は殺してないよ?

 

████博士:確かに、確認された限りでは、死者はいないわ。でも、社会の混乱が……。

 

SCP-XXXX:でも、君達にそれを取り締まる権利はないでしょ?そもそも、何を以って正常な社会とするのさ?

 

<記録終了>

 

 

 




旅人
keterクラスオブジェクト。

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