旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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今、ローファンタジー魔法使い学園モノ書いてるんですけど、とても楽しい。


424話 SCP-XXXZ 艦娘

アイテム番号:SCP-XXXZ

 

オブジェクトクラス:keter

 

特別収容プロトコル:SCP-XXXZは現在収容が不可能です。

 

2019年現在、インシデント「深海棲艦」により、世界中の海上や島に現れた、SCP-XXXY(深海棲艦)によるKクラスシナリオを食い止める手段として、主に日本のK県◯◯市、黒井鎮守府で運用されています。

 

説明:SCP-XXXZは、外見の年齢9歳から25歳程、人種様々、身長体重様々な複数人の女性型実体の総称です。

 

SCP-XXXZはそれぞれ、第二次世界大戦頃の軍事的に運用された船舶の名前を名乗り、それぞれの記憶を持ちます。

 

SCP-XXXZは自らを艦娘と主張し、深海棲艦に対抗するために呼ばれたと主張します。

 

SCP-XXXZには、中〜高度の現実改変能力を所有し、攻撃行動や防御、回避行動において、ヒューム値の変化が発生しました。

 

SCP-XXXZは、自らの行動によってヒューム値の変化が発生することを理解しており、そのことを「神秘」と表しました。

 

神秘を宿らせることにより、SCP-XXXZは以下のことが可能です。

 

・外見と不一致な強力な膂力

・超越的な五感

・戦車砲の直撃に耐え得る防御力

・極めて高い知能

・第六感の発達

・液体の上を歩く

・海中を息継ぎなしに異常な速さで泳ぐ(潜水艦)

 

また、この他に、SCP-XXXZは、自らの保有する火器兵装を艤装と呼称し、神秘を宿らせ、その火器兵装の威力を向上させることも可能です。

 

艤装は、一度所有すると、観測不可能な異次元領域に劣化することなく保存することが可能です。

 

更に、SCP-XXXZに艤装として認識された火器兵装は、SCP-XXXZの肉体の一部とされ、人間の怪我が治るかのような自己修復機能を獲得します。

 

また、SCP-XXXZの超常的な能力は、艦種、型番により大きく異なります。

 

概ね、大型の艦種程年齢が高く、膂力や耐久性が高いです。また、小型の艦種程幼く、速力が高いです。

 

日本国籍の艦娘は日本人らしく、アメリカ国籍の艦娘はアメリカ人らしく、と言ったように、人種の違いも存在します。

 

以下に、SCP-XXXZの個体それぞれが持つ特記事項の例を列挙します。

 

SCP-XXXZ-1:圧倒的な膂力。あらゆる測定器を単純な膂力のみで破壊しました。予想される膂力は300tを超える見込みです。

 

SCP-XXXZ-10:圧倒的な速力。50mを0.05秒で走破する。また、独自の脳機能により、思考を加速させることが可能。

 

SCP-XXXZ-47:圧倒的な剣技。10m×10m×10mの鉄塊を居合い斬りにて切断しました。

 

SCP-XXXZ-58:圧倒的な隠密能力。機動部隊三隊が警備するサイト-██より機密文書を奪取。その際、監視カメラ、光学センサー、赤外線カメラ、ありとあらゆるセンサーに映らずにサイト-██に侵入しました。

 

SCP-XXXZ-68:反物質の生成。

 

SCP-XXXZ-80:不明の手段による未来予知、読心、精神破壊、不明の呪文の行使。

 

 

 

補遺1:インタビューログXXXX-01-7841より抜粋、日付20██/██/██

 

<記録開始>

 

████博士:誕生日と出生地、名前を手短に紹介してください。

 

SCP-XXXZ-1:進水日は1919年11月9日、呉海軍工廠、長門だ。

 

████博士:……では、おおよそ百歳という事になりますが?

 

SCP-XXXZ-1:私の戦艦としての意識は1946年7月29日に途切れている。

 

████博士:その日は、戦艦長門が沈没した日ですね?

 

SCP-XXXZ-1:そうだ。痛かったぞ。

 

████博士:はあ……。再び艦娘として生まれたのはいつですか?

 

SCP-XXXZ-1:2013年の夏頃だったと思う。正確な日時は分からん。

 

████博士:艦娘とは何者ですか?

 

SCP-XXXZ-1:私に聞かれても分からんよ。

 

████博士:貴女が戦艦長門だったとして、何故ここにいるのですか?

 

SCP-XXXZ-1:呼ばれたからだ。

 

████博士:誰にですか?

 

SCP-XXXZ-1:あの[罵倒]な……、前の提督にだ。

 

████博士:呼び出されるまで貴女はどこにいましたか?

 

SCP-XXXZ-1:[14秒の沈黙]暗い……、冷たいところにいた。私は……、曖昧な状態にあった。恐らく、海の底のような……、死後の世界のようなところに。

 

████博士:何故、女性の姿に?

 

SCP-XXXZ-1:元から女だぞ私は。

 

████博士:船に性別があったのですか?

 

SCP-XXXZ-1:船は女だ。

 

████博士:……分かりました。艦娘とは、深海棲艦と戦うために生まれたのですか?

 

SCP-XXXZ-1:そうらしいな。だが、私達はあまりその辺りを気にしてはいない。

 

████博士:何故ですか?

 

SCP-XXXZ-1:人類には愛想が尽きた。一応、それで稼いでいる以上、仕事としては戦うが、貴様らの命を守る為に戦うのはごめんだ。

 

████博士:何故、人類には愛想が尽きたのですか?

 

SCP-XXXZ-1:貴様らは……、我々艦娘が命をかけて戦えども、人にあらずと軽んじ、罵声を浴びせた。私達は確かに道具だが、道具なればこそ、最も大切に、最も上手く扱ってくれる男のものでありたい。

 

<記録終了>

 

 

 

補遺2:インタビューログXXXX-01-7874より抜粋、日付20██/██/██

 

備考:SCP-XXXZ-80は、ミーム的な精神攻撃、読心能力を所持。████博士は、厚さ5cmの防弾ガラス越しに、SCP-XXXZ-80にマイクを使ってインタビューしました。また、部屋にはチェーンガンタレットが六門設置されており、SCP-XXXZ-80が攻撃的な意思を見せれば、制圧射撃が可能です。

 

<記録開始>

 

████博士:誕生日と出生地、名前を手短に紹介してください。

 

SCP-XXXZ-80:進水日は1935年5月18日。建造所は浦賀船渠。名前は時雨。

 

████博士:貴女は、大日本帝国海軍所属の白露型駆逐艦二番艦、時雨で間違い無いですね?

 

SCP-XXXZ-80:間違いないとも。僕が佐世保の時雨さ。

 

████博士:貴女は、艦娘の中でも最も賢いと聞きました。艦娘とは何者ですか?

 

SCP-XXXZ-80:僕達の研究では……、深海棲艦は星の意志による防衛機構の暴走に対して、艦娘は、人類の集合意識による、人類側の防衛機構により生まれたものと判明しているよ。

 

████博士:……大変興味深いお話です。では、艦娘は、人類の集合意識が生み出した……、霊体の様なものですか?

 

SCP-XXXZ-80:最初はそうだった。でも、今は、集合意識から切り離されて、肉体と魂……、「個」を持ち、独立した生命になったよ。

 

████博士:それは、一体どの様な手段を用いて、貴女達は肉体を得たのですか?

 

SCP-XXXZ-80:[削除済]だね。ロック装置による魂の移行。[以下、3分間に渡って、魂の操作についての概要を語る]

 

████博士:……分かりました。では、貴女は、魂の操作などの知識をどこで身につけましたか?

 

SCP-XXXZ-80:[17秒の沈黙]知らない方が良いと思うよ。

 

████博士:その知識は、ミーム災害的なものですか?

 

SCP-XXXZ-80:そうだね……、人間ごときには過ぎた知識だ。

 

████博士:……分かりました。では次に、貴女達は何故、格闘武器や魔術を使うのですか?貴女達SCP-XXXZが戦艦の名を名乗るのであれば、戦艦の戦い方に準じるのでは?

 

SCP-XXXZ-80:[短い笑い声]僕達はもう船じゃない。

 

████博士:戦艦ではない?それはどういうことですか?

 

SCP-XXXZ-80:存在の根幹が変質した。元は神霊に近かったけど、今は他の存在に変質した。

 

████博士:では、貴女達は結局、何者なのですか?

 

SCP-XXXZ-80:……[削除済]

 

[████博士が倒れる音]

 

[チェーンガンタレットの射撃音]

 

<記録終了>

 

以降、O5-██により、SCP-XXXZに対する直接的なインタビューを禁止されました。

 




時雨
けてるけてるけてる。

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