旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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FF14始めました。

槍マンです。


430話 東北バイオハザード その1

「もふ」

 

「すーっ」

 

「がぶ」

 

「あああーっ!!!」

 

猫を吸う猫愛好家に倣って、首輪付きを吸ってみた。

 

草花の匂いがした。

 

その後、鼻を噛まれた。

 

「噛むなよ!」

 

「もふもふ」

 

何?メスに嗅がれるならまあいいけど、男にやられるとただただ不快?

 

まあ、道理である。

 

「なあ、首輪付き」

 

「もふ?」

 

「夏だなぁ」

 

「もふ」

 

ミーンミンミン、ってか、ジージーっと鳴くセミ。熱されたアスファルトからの放射熱、海の生暖かいじめっとした風。

 

まさに「茹だるような」夏の日である。

 

まあ、俺はこのくらいの暑さなら涼しいの範囲内なんだけども。

 

そう言えば、アークレイの山中の洋館に逃げ込んだ時も、こんな感じだったっけ。

 

七月ごろ、アメリカの山にある洋館に逃げ込み、しばらく生活していたところ、スターズの面々と出会ったんだよな。

 

今何やってんのかな、クリスは。

 

この前は一緒に中国に行ったが。

 

ん?

 

「おー、見ろよ首輪付き。ミサイルだ」

 

「もふもふ?」

 

「ん?どこからのミサイルかって?んー、北朝鮮とかじゃない?コンギョでも流すか!」

 

『コーンギョーコンギョーコンギョーザップロー』

 

「もふもふ?」

 

「そりゃ余裕だよ、あの軌道だと、本土には落ちないからな」

 

「も、もふ!」

 

「あ、あれ?!空中で爆発……、ってあれは!」

 

ウイルスらしきものをばら撒いた?!

 

「もふもふ」

 

「ありゃ多分、Tウイルスだな」

 

「もふ?」

 

「ああ、人をゾンビに変えるウイルスだ。こうなったら、動きは早い方が良い」

 

俺は、マイクを取り出して、黒井鎮守府に放送をする。

 

『緊急放送、緊急放送!日本国内でゾンビウイルスの拡散を確認!艦娘は地元住民を黒井鎮守府内に避難させること!また、工廠組は物質生成装置をフル稼働で、仮設住宅を用意すること!白露型は急ピッチでTウイルスのワクチンの生産を開始しろ!以上、解散!』

 

艦娘に指示を出した後は、俺も個人的に動く。

 

まずは、この国のトップ、総理大臣の桃さんに電話をする。

 

「桃さん、緊急事態だ」

 

『新台か?確かに、北朝鮮のミサイルが本土の上、東北で爆発したが?』

 

「あれは、細菌兵器だ。中には人をゾンビに変えるウイルスが詰まっている」

 

『……何だと?』

 

「ゾンビに噛まれたものはゾンビになる、弱点は頭、恐ろしいウイルスです。いつか話した、ラクーンシティのアレです」

 

『分かった、即座に指示を出す。まずは国民の保護を優先する』

 

「今、うちも民間人の避難とワクチンの生産をやってるんで、ワクチンはできたらどちらに持ってきますか?」

 

『では、順天堂医院に持って行ってくれ』

 

「それと、この手のバイオハザード事件のプロフェッショナルである、BSAAを俺の伝手で呼びます。その分の金と、羽田空港への着陸許可をお願いできますか?」

 

『対バイオテロ組織のBSAAだな、分かった、即座に許可を出す。では、動くぞ』

 

「はい、では」

 

次、BSAAに電話。

 

「もしもし、クリスか?」

 

『ん?どうした、マオ?』

 

「日本でバイオテロだ。日本の東側に、Tウイルスがばら撒かれた」

 

『何だと?!』

 

「日本のゾンビの制圧と、その後の、恐らくは朝鮮に存在するであろうアンブレラ系の企業の研究所の破壊を依頼したい。無論、俺も手伝う」

 

『分かった、今すぐに行く』

 

「羽田空港への着陸許可が直ぐに降りると思うから、武器と弾薬、機材を持ってこい。車両はうちから出す。何がほしい?」

 

『ストライカーICVを三十台、機銃もつけてくれ』

 

「OK、直ぐに持っていく。十時間後にテレビ電話でミーティングをするぞ」

 

『了解した、では』

 

「ああ」

 

さて、動かなきゃな。

 

まずは、東北の知り合いに声をかけて移動させる。

 

「ジャギ、直ぐにうちに逃げてこい、死ぬぞ。他の修羅達にも伝えろ」

 

「ウィード、久し振りだな。みんなを集めてくれ、大事な話だ。よし、聞いてくれ!東北には今、恐ろしい病気が蔓延し始めた!それは、狂犬病のようなものだ!噛まれたものは気が狂うんだ!二子峠は危険だから、うちにしばらくは避難していてくれ!もちろん、病気にかかった生き物を人間達が処分すれば、ここに戻ってこれる。安心してくれ」

 

「仗助君、杜王町で災害が起きるんだ。危険だからみんなと逃げてほしい。明日にはアメリカの特殊部隊が制圧しに来るから大丈夫だ。さあ、みんなに連絡を」

 

黒井鎮守府の空間制御装置を弄って、空間を広げ、受け入れ人数を増やす。

 

仮設住宅の設営と炊き出しの後に、偵察へ。

 

「おーおーおー、いるわいるわ。東北はゾンビだらけだな。福島の北のほうから先はゾンビがいる、北海道は無事、と」

 

そして、テレビ電話でミーティング。

 

参加者は、俺、桃さん、クリスと……、レオン?

 

「あれ?何でお前いるの?」

 

『大統領、マイケル・ウィルソン氏からの直々の依頼だったからな。俺は朝鮮に潜入し、アンブレラの情報を集めておく』

 

「OK、こちらも終わり次第行くから先走るなよ」

 

『当たり前だろ、ロス・イルミナドスの時のような無茶はするつもりはない』

 

『それで、どうなっている?』

 

桃さんが問いかけてくる。

 

「東北全体にゾンビが湧いてます。ゾンビを中心にケルベロス、リッカー、ハンター、ヨーン、キメラ……、完全に人為的な事件ですね、これは」

 

『となると、日本国内にもBOWを開発している支部があったのだろうな』

 

クリスが言った。

 

「実際、秋田県に三つほど研究所があるのを発見したよ。多分、今頃はもぬけの殻だと思うが、研究員の追撃よりも人命救助を優先した」

 

『詳しい場所の情報は確認した。順次破壊する。具体的な作戦だが……』

 

「日本は狭い国だ。ラクーンシティのように吹っ飛ばして終わり、という訳にはいかない」

 

『では、ゾンビを個別対処するのか?あまりにも非効率的だぞ』

 

「大丈夫だ、こんな事もあろうかと、ウイルス探知機を用意しておいた。自衛隊と協力してゾンビを減らした後は、オスプレイでワクチンをばら撒くぞ」

 

『了解。だが、恐らく、それでも一月はかかると思う』

 

「うちの艦娘の三割ほども独自に動いてもらう。艦娘はあらゆるウイルスに抵抗があり、その上でタイラントなんて目じゃないくらいに強くて賢い。割と早く終わると思っている」

 

『三割と言うと、大体六十人程か?』

 

「悪いが、それが限界だ。艦娘の三割は国内のBOWに独自に対処、三割は避難民の面倒を見る、三割は深海棲艦の対処、一割は事務仕事。手が空いてない』

 

『まあ、分かった。そろそろ到着するぞ』

 

「じゃあ、俺は空港で待っている」

 

 

 

とっとと動かなきゃまずいな、これは。

 




BSAA
対バイオテロ組織。何かと旅人と縁がある。

旅人
何故か外を出歩くたびに大事件が起きる。

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