旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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最近、出前にハマってます。


431話 東北バイオハザード その2

「新台さんが逃げろって言うからよォ〜、呼べるだけ人を呼んで逃げてきたんだけどよォ、結局、何が起きてんスか〜?」

 

仗助君が聞いてくる。

 

「ん、ああ、バイオテロ」

 

「テロ〜?」

 

「そうそう、人間をゾンビにする細菌兵器が、朝鮮の方から飛んできたミサイルからばら撒かれたんだよ」

 

「それ、やべーんじゃないんスか?!」

 

「ああ、やばいね。既に十万人単位のゾンビと、国内に放たれたクリーチャーが暴れ回っているよ」

 

「……俺も戦いに」

 

「やめとけやめとけ!噛まれたらゾンビの仲間入りだぞ!その道のプロの兵士と自衛隊がなんとかする予定だ!」

 

「で、でもよォ〜!俺のクレイジーダイヤモンドなら、治療する事だって……」

 

「ゾンビは、ゾンビになった時点で、生命としては終わっているんだ。だから、君のスタンドでも治せない。噛まれたばかりの人なら、うちで生産したワクチンで救える。今回ばかりは大人しくしていてくれ」

 

「……分かったっス」

 

「だがまあ、今、この黒井鎮守府には、馬鹿みたいに人が集まってる。だから、喧嘩を止めたり、怪我人を治したりとか、そう言うことをしてくれないかな?」

 

「……はい!」

 

避難してきた人々をまとめて、仮設住宅に住ませる。

 

今は真夏だ、クーラーがなきゃ死ぬ。

 

厨房組がフル稼働して、避難民の中でも料理ができる人々の手を借りつつ、炊き出しをする。

 

「本日のメニューは、麦ご飯、ニラもやし炒め、冷奴、きゅうりの浅漬けです!」

 

流石に、数百万人の人々を受け入れているとなると、炊き出しのメニューも少なくなる。

 

しかし、炊き出し場の場所ごとにメニューを変えるようにしてあるので、あまり問題はないとは思う。

 

炊き出しの他にも、無料でアイスクリームやかき氷を配るなどしている。

 

明石と夕張が全力で働き、黒井鎮守府のリソースの八割を居住区作成に回したおかげで、一時間程でちょっとした街が完成していた。

 

まあ、黒井鎮守府には、ドラゴンボールが如く、リアルカプセルハウスが開発されてあるからな。

 

ここで、避難民には休んでもらう。

 

 

 

問題は、二子峠の犬達だ。

 

野犬がその辺りを彷徨くのはまずい。

 

『ねえ、旅人。ここはとても暑いよ』

 

「だろうな、ここは海の近くで、人間の街だ。涼しい川や山の木々のような自然はない」

 

総大将から相談された。

 

だが、狭いケージの中に、事件が終わる一ヶ月もの間、ずっと閉じ込めておくのはあまりにもかわいそうだ。

 

かといって、うちの裏山に放流する訳にもいかない。

 

裏山には裏山の独自の生態系がある。そこに、精強な野犬を数百単位でぶち込んだら、何が起きるか分からないからな。

 

「ちょっと待ってろ」

 

俺は、四角い世界で鍛えた高速建築術で、木造の巨大犬舎を建てた。

 

ダイアモンドのスコップで高速で穴を掘り、無限水源を設置して、川と湖を作る。

 

クーラーと扇風機も設置して、犬達を中に入れる。

 

『ありがとう、助かるよ』

 

「いいか、外に出ても良いが、人を襲うなよ」

 

『うん、みんな、人を襲ったりはしないよ』

 

そして、豚肉と夏野菜を刻んで加熱した後に冷ましたものをドッグフードにかけて食わせる。

 

犬は雑食だからな、色々なものを食わせた方が良いんだよ。

 

餌やりは摩耶と鳥海に任せた。

 

横に長い餌皿に何十キロも餌を入れて一斉に食わせる。

 

おやつに豆乳アイスをくれてやると喜んでいた。

 

餌やおやつの調達やら調理は、摩耶と鳥海がやる。

 

まあ、こんな事もあろうかと、黒井鎮守府には数千万人に毎日食事をさせられるくらいの生産能力のあるプラントと備蓄がある。

 

よし、これでなんの問題もない。

 

 

 

黒井鎮守府避難キャンプが落ち着いたら、俺は装甲車を三十台懐に入れて空港へ向かった。

 

輸送機が何機も降りてきて、そこから、BSAAのプロフェッショナル達が現れた。

 

「クリス!」

 

『旅人、久し振りだな』

 

知り合いと握手をして、早速、会議の通りに行動を開始する。

 

まず、集団を転移させる魔法を使って、機材ごと福島県の県北に転移。

 

もちろん、俺は魔力切れで吐血するが、即座にマジックポーションを飲み補給。

 

福島県の県北の市街地に、四角い世界の建築術をフル活用して、前線基地を作成。

 

以降、戦線を北に押し上げるように戦う。

 

『エンゲージ!』

 

『カバー!』

 

『ゴーゴーゴー!』

 

市街地のゾンビを吹っ飛ばしながら、生き残りを救助する。

 

俺は救助担当だが、できることはなんでもやる。

 

「だ、誰か助けて!」

 

「大丈夫ですか?!」

 

「奴らに噛まれて……」

 

「ワクチンを投与します!」

 

そうして、黒井鎮守府に転移して避難させる。

 

何万人も救助したので、魔力の使い過ぎで脳が破壊されて鼻血が噴き出るが、ハンカチで拭い、マジックポーションをがぶ飲みして魔力の消費を埋める。

 

一日目はそれで終わった。

 

日が落ちてからは、BSAAの前線基地に帰還し、BSAAや自衛隊に向けて炊き出しを手伝う。

 

俺の食事は、ほんの数十グラム口にするだけで圧倒的な栄養とカロリーを摂取できる特殊なハーブ、ストマフィリアで済ませる。

 

そのあと、転移で黒井鎮守府に帰還し、事務仕事と白露型のワクチン量産の手伝いをして、黒井鎮守府避難キャンプの炊き出しの仕込みを夜通しやって、気がついたら早朝。

 

朝から黒井鎮守府の炊き出しを手伝った後に、BSAAの前線基地に戻って、兵士達の分の炊き出しを主導して終わらせる。

 

午前中の進軍に合わせて、俺は、愛用の弓であるジャナフアルカウスⅢをゾンビに撃って、頭を吹っ飛ばす。

 

時折現れる大型のBOWや変異型のゾンビにやられそうになった兵士達の盾になりつつ、前線を押し上げる。

 

この時には大体、弓の撃ち過ぎで指が動かなくなり、ダメージも受けまくってぐちゃぐちゃになっているので、魔法で超速再生。

 

兵士にバフをかけたり回復魔法をかけたりで、魔力が切れてリンカーコアが破裂し三回ほど吐血するが、ポーションを飲んで回復。

 

そのようにして、日が落ちてきたらまた撤退、前線基地まで魔法で転移させ、魔力切れで内臓破裂。

 

即座にポーションで回復し、戦場から帰還した兵士達に炊き出しして、夜の仕事へ……。

 

そんな感じの毎日。

 

いやー、大変だ大変だ。

 




仗助君
スタンド使い。

総大将
奥羽山脈二子峠の総大将。

旅人
どうせ死なないのでフル稼働する。

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