旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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おかしい……、筋トレでイチャイチャみたいな展開だったはず……。

どうして……。


435話 はい、サイドチェスト〜!

「筋トレしたい」

 

初雪がなんか言ってる。

 

ふむ。

 

「ダンベル何キロ持てる?」

 

「バレたか……」

 

 

 

「その、すぐにアニメの影響受けるの面白いね」

 

「オタクはそういう生き物だから」

 

さて、筋トレしたいと来たか。

 

艦娘は基本的に、あまり体型が変わらないし、衰えたり太ったりは、余程不摂生をしないとならないんだよな。

 

根本的に人間と違うから、フィジカルを鍛えるトレーニングよりも、技能や知識を蓄える方が有効だ。

 

フィジカル面については十分にあるし、戦っているうちに自然と強くなっているはず。

 

それでも鍛えたいと言うなら……。

 

「長門と武蔵か」

 

「いや……、あの女版街雄鳴造は呼ばなくて良いから……」

 

「いや、でもあの二人、相当詳しいぞ?」

 

毎日めちゃくちゃ筋トレしてるし。

 

最近は飛ぼうとするヘリに鎖を括り付けて引っ張るトレーニングにハマってるらしい。

 

「あの二人はちょっと腹筋割れてるくらいのエセ筋肉娘じゃなくて、ドラゴンズクラウンのアマゾンくらいのガチマッチョでしょ?やだよ私、あそこまで筋肉いらない」

 

そうか……。

 

「じゃあ、神通はどうだ?トレーニングのプロだぞ?」

 

「いや……、神通さんの殺人トレーニングは心身が壊れるから。168時間耐久組手(実弾使用)は死ぬよ……」

 

そうか……。

 

「じゃあ、普通に鹿島呼んでこよう。鹿島は基礎トレーニングを教えるのがめちゃくちゃ上手いからな。鹿島のトレーニングを受ければ、幼稚園児でも一ヶ月で暗殺者になれるぞ」

 

「それも何か違う気がするけど……、まあ、良いかな?」

 

 

 

さて、鹿島を呼んで、トレーニングルームにジャージを着て移動。

 

「はい、鹿島です!初雪ちゃんが筋トレを軽くしたいとのことなので、お手伝いをしますね!」

 

鹿島は、スポーツブラの上に白いノースリーブ。

 

「鹿島」

 

「はい?」

 

「ちょっとバンザイして」

 

「こうですか?」

 

脇。

 

「ありがとう」

 

素晴らしい脇だ。

 

今ここに審査員がいたら、全員が10点満点のプラカードを掲げるだろう。

 

トリプルアクセル級の芸術点あげちゃう。

 

「……あ、そうですか❤︎後で脇でしてあげますね❤︎」

 

ふー。

 

成る程ね……。

 

鹿島はエロ目線で見られるとすぐに反応するからな。

 

敵わんな。

 

「……筋トレのはずなのに淫猥な話を目の前でされた件」

 

あ、初雪が拗ねてる。

 

「ごめんごめん」

 

「お詫びに私とも……」

 

いや……、初雪はロリだから。

 

「サイドチェストでジャージ破るからそれで勘弁して」

 

「いや……、別に見たくないんだけど……」

 

「はい、サイドチェストぉー!!!!」

 

俺は筋肉を膨張させて、着ているジャージを破り捨てる。

 

基本的に、北斗神拳とか南斗聖拳を齧ると、闘気とかそう言うアレで服を破ることが可能だ。

 

あとヤクザも、一瞬で上半身裸になることも可能。

 

「ヒェ〜……」

 

割とマジで引いている初雪。

 

「司令官はあれじゃん……、うどんお兄様みたいな、設定上細マッチョということになっているけどイラストではヒョロガリ、みたいななんちゃってマッチョじゃなくって、仮面のメイドガイレベルのゴリゴリマッチョじゃん……。体重100kg超えてるじゃん……」

 

まあそうだが。

 

「でも、最近ちょっと太って、体脂肪が五パーセントを超えちゃってさー」

 

「何なの?アスリートか何か?何でそこまで絞ってるの????」

 

「いや、俺、あんまり太らないんだよね」

 

「やっぱり人間じゃないじゃん!!!」

 

人間なんだがなあ。

 

 

 

「さて、今回はトレーニングという訳で、ダンベルを用意したんだが」

 

「何キロ?」

 

「キロで言えば……、5000kgだ」

 

「5トンじゃん」

 

うん。

 

「5トンだよ」

 

「……5トンじゃん?!」

 

「何か問題でも?」

 

「い、いや、無理だって、私非力だし」

 

「因みに、身体測定を前にやった結果では、黒井鎮守府で一番非力なのは如月だったぞ」

 

「でも、5トンだよ?行けるの?」

 

「俺は非力な一般通過旅人だから、今は闘気とか気功とかでバフ入れて持ててるけど、バフなしだと持てないんだよなー。かーっ!やっぱ一般人はつれーわ!非力な一般通過旅人だからなー!かーっ!」

 

「突っ込みどころ満載やめて?」

 

え?

 

「まあ良いや、持ってみる……、あっ、重い!けど持てる?!」

 

「では、そのままアームカール行きましょうか!はい、まずは力を抜いて下さいねー」

 

インストラクター鹿島先生が指示を出す。

 

「こ、こう?」

 

「はい、それじゃあ、息をゆっくり吐きながら、ゆっくりと、腕を巻くように持ち上げてくださいねー」

 

「ふぉお……」

 

良いねえ。

 

「あと、何でこの部屋、床抜けたりしないの?」

 

「ああ、このトレーニングルームはバリバリに強化されてるんだよ。例え核ミサイルが降ってきても地形が変わらないぞ」

 

「そこまでやる必要ある……?」

 

俺もトレーニングするか。

 

取り敢えず、100トンくらいのバーベルを持ち上げて、と。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"ァッ!!!!」

 

大変重い!!!

 

が、まあ、これくらいなら割とどうにでもなる。

 

筋トレとなると、闘気と気功以外の魔法的バフはオフにしなきゃならない。

 

さーて、このままスクワット千回くらい行こうか。

 

 

 

「ひゃあ……、く!百一、百二……」

 

俺がトレーニングをしていると……。

 

「提督……」

 

いつのまにか、笑顔の長門が。

 

「水臭いじゃないか!誘ってくれれば付き合うのだがな!」

 

その隣にはこれまた笑顔の武蔵。

 

「その通りだ!全く、トレーニングするならば私達も呼んでくれ!」

 

なんか、隣で、300トンのバーベルでスクワットを始めた。

 

筋トレは伝染する……?

 

 

 

「ごひゃー、く!五百一、五百二ぃ!」

 

「ふっ、ふっ、ふっ……」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

長門、武蔵とトレーニングを続けていると……。

 

ベンチプレス200トンを持ち上げる日向、150トンを持ち上げるあきつ丸、同じく150トンを持ち上げる神通など、訓練愛好家達が集っていた。

 

ちなみに、初雪は端っこの方でドン引きしている。

 

「やべえよ……、やべえよ……」

 

と呟きながら震える初雪。

 

どうしたの?風邪かな?

 

「同じ艦娘のはずなのにこの差は何なの……?おっぱいではなく大胸筋、ふとももではなく大腿筋……」

 

え?

 

そう?

 

「これはこれで美人だし全然ありだと思います」

 

「司令官がそう思うならそうなんだろうね、司令官の中ではね」

 

 

 

そして。

 

「九百九十九、千……!!!っはあ!!!」

 

終わった。

 

「お疲れ様、提督!ほら、汗を拭いてやろう!」

 

長門にタオルで拭かれる。

 

「ほら、水分も補給しておけ」

 

武蔵にスポーツドリンクを飲まされる。

 

「いやー、久々に筋トレしたわ。動くと気持ちいいな!」

 

俺が言うと、訓練愛好家達が喜んだ。

 

「よし!このまま走ってくるか!取り敢えず500kmくらい!」

 

「「「「おー!!!」」」」

 

 

 

「つ、付き合ってらんないよ……、筋トレしたいだなんて言うんじゃなかった!陰キャオタクは素直に引きこもっておくんだった!!!」

 

「ほら、何やってるんだ初雪!行こう!」

 

「お、お助けえええーーー!!!」

 




初雪
このままぶっ倒れるまで走らされる。

旅人
走った。

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