旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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わああああ!!!

時間がない!

思いつき集の方は、暇暇アンド暇だったお盆休み期間中に一日に8話くらいのペースで書いたけど、肝心の本編である旅人提督の方の書き溜めがなくなってしまった!

いつも常に三本くらいはストックしてあるんですけど、今回はストックがなくなってしまった!

時間ない……、時間ない……!!


442話 オクトーバーフェスト

「オクトーバーフェストの時間だあああ!!!!」

 

オクトーバーフェスト。

 

ドイツ、バイエルン州の州都ミュンヘンで行われる九月のお祭りである。

 

「えー、先日、うちは、あまりにあまった予算でテーマパークを建てました。それのね、収益がね、半端ないの」

 

確かに、初期の投資は千億円を超えたが、毎日人がめちゃくちゃくるので、このままのペースを維持したとして、だ。

 

7500円のチケットを、一日十万人以上は来園するので、単純に考えれば一日の収益は75億円!二週間も営業すれば初期投資が戻ってくる計算だ。

 

え?

 

軍人が副業していいのかって?

 

ふむふむ、いい質問だ。

 

では、この、400話を超えた辺りで、今更その辺りについて話そう。

 

まず、俺の所属は日本海軍だ。

 

自衛隊じゃない。

 

つまりどういうことか?

 

この世界の日本には、陸海空の自衛隊と軍隊が両方存在するってことだ。

 

何故か?

 

それは、毎年のように訪れる世界の危機に対して、自衛隊だけではあまりにも無力だからである。

 

例えば、海から現れた巨大怪獣ゴジラ。

 

例えば、異世界から現れた破壊神ン・マ。

 

例えば、世界征服を企む狂人ドクターヘル。

 

まだまだいるぞ、キングギドラは?恐竜帝国は?日本にもヒドラはいるぞ?オルグ、ガイゾック、ボーゾック。そしてグロンギ、ワーム、魔化魍、オルフェノク、ドーパント、イマジン。ガイア教とメシア教、テンプル騎士団、そして深海棲艦。

 

定期的に、滅亡の危機に晒されている日本は、GHQの軍隊の解体を突っぱねて、軍隊を存亡させただけでなく、新たに「戦う救助部隊」である自衛隊も結成したんだ。

 

だから、この世界の日本には軍隊がある。

 

軍隊は戦うことが仕事なので、小難しい規則はあまりない。

 

副業もオーケーだし、自己判断で武装を増やしても、どんな戦闘スタイルでも怒られないことになっている。

 

また、PMCの需要も大きい。

 

とにかく、戦力はいくらあっても構わないというのが国の本音だ。

 

だが……、まあ、上層部は完全に腐敗している。

 

現状、一部の優秀な軍人とPMCのおかげで保ってるみたいなところはある。

 

俺も海軍の大本営から予算もらってないしね。

 

まあ、黒井鎮守府の建物の権利は、川内が攫ってきた大本営の要人を時雨が洗脳して、正式に俺の所有物として譲渡してもらったし、税金もちゃんと払っている。

 

今では巨大資本の塊である黒井鎮守府に対して手出しできないくらいに大本営が弱体化しているから、俺は好き勝手できるな。

 

だから、例え、立派な軍事費であるはずの黒井鎮守府の予算でテーマパークを建てようとも、オクトーバーフェストを開催しようとも、誰も文句は言えないのだ!!!

 

さあ、始めよう、黒井鎮守府オクトーバーフェスト!!!

 

 

 

こんなこともあろうかと、酒造についての免許を取っておいた俺。

 

オクトーバーフェスト用のアルコール高めのビールを作る。

 

黒井鎮守府牧場産の美味しいソーセージなど、たくさんのドイツ料理を山ほど用意して、今日から一週間、黒井鎮守府を一般公開するぞい!

 

もちろん金はとるけど、入場無料で、ビールなんか中ジョッキ一杯で三百円のバカ安い値段で売る!

 

もう俺はね、全人類が酒飲んで美味いもの食ってれば平和になる説あると思うよ。

 

でも「隣の国と酒を一緒に飲めば戦争回避できる」みたいな大学生はNGな!

 

俺が言いたいのは、心にゆとりと、生きることの楽しみを知ることが平和への道の第一歩なんじゃね、って話ね。

 

よーし、じゃあ、早速、明日のオクトーバーフェストに向けて、黒井鎮守府のグラウンドを整備するか!

 

黒井鎮守府の面積を魔法で広げて、巨大なテントや簡単なアトラクションを設置。

 

グラウンドに速乾性コンクリートをばら撒き道路にする。

 

知り合いのサーカス団、仲町サーカスを呼んで公演してもらう。

 

お遊びでリングなども設置。

 

明石の比較的危なくない発明品や、職員のロボットを放ち、ゴミ箱やトイレなども設置。

 

スペシャルアドバイザードイツ艦!

 

「どう?こんなんで良い?」

 

俺が六人のドイツ艦に問いかける。

 

「ええ、まあ、要はお祭りだから、楽しくやれればなんでも良いと思うわ」

 

とビスマルク。

 

「うむ、料理もばっちりだぞ、流石だな」

 

とグラーフ。

 

「流石は私の王子様ですね❤︎」

 

とプリンツ。

 

「あは、僕の騎士様ぁ、今日も素敵だよお❤︎」

 

とレーベ。

 

「旦那様……❤︎」

 

とマックス。

 

「んー!ビールもドイツビールの味です!完璧ですよー!」

 

とろーちゃん。

 

うん!

 

まあ、半分くらいは日本語が通じていないが、いつものことなので特に問題はない。

 

 

 

合格をもらえたので、次の日、黒井鎮守府オクトーバーフェストの開催だ!

 

スケジュールはこうだ。

 

まず初日、俺が開催の挨拶を三分で済ませて、オクトーバーフェストの開催。

 

料理はあらかじめ調理されているものを加熱したりすれば食べられるようになっているので、ロボットに軽く温めさせて売る。

 

ビールはビールサーバーを配置して、三百円入れれば中ジョッキ一杯分のビールが出るようになっている。

 

水は無料。

 

ジュースも用意。

 

ジュースは、黒井鎮守府の裏山で栽培された果物の百パーセントジュースである。無添加!無添加といえば回転むてん丸っていう漫画が凄くシリアスで女キャラが可愛いくて……。

 

いやいや、それはおいといて、とりあえずジュースも用意!

 

そして午後一時からは大テント内で仲町サーカス団のみなさんの公演を四時間。

 

それから、芸能事務所である346プロダクションにもツテがあるんで、アイドルを呼んでコンサートを。

 

那珂ちゃんも歌いたいらしいので送り出す。

 

これでOKだな。

 

準備は万端!

 

さあ、始めよう!

 

 

 

夏が終わり、秋が始まる頃。

 

黒井鎮守府では、オクトーバーフェストが開催された。

 

俺は、開会式において、羽目を外し過ぎないようにしましょうと言って、オクトーバーフェストはつつがなく開催された。

 

一日目から馬鹿みたいに人が集まった。

 

何万、何十万という規模で。

 

やはり、日本トップの芸能事務所、346プロの名前の大きさだろうか?

 

何にせよ、人がいっぱいだ。

 

俺の知り合い、黒井鎮守府のファン、安酒目当てのパリピ、346プロのファン、地元の人々。

 

様々な人々が、酒と美味い飯、そして見世物を目当てに、黒井鎮守府に現れた。

 

内容は、毎年恒例の夏祭りとやっていることは変わらない。

 

もちろん、例年の夏祭りもやった上で、今年からオクトーバーフェストもやるという欲張りセットだ。

 

社会経験を積ませる為に、艦娘は職員としてシフト制で放流してある。

 

アレだよね、文化祭みたいなノリだよね。

 

艦娘も楽しんでくれているみたいで俺は満足だよ。

 

演目は、仲町サーカスのショー、346プロアイドルのライブ、黒井鎮守府謎発明品万博、那珂ちゃんオンステージなどなど。

 

楽しいよ!

 

 

 

さて、俺はビールを片手に、見回りをすることにした。

 

やっぱりほら、人が集まると治安の問題がね。

 

まあ……、警備ロボットが多数巡回しているから、俺がやることはほぼないんだけどさ。

 

とりあえず、知り合いに挨拶しに行くか。

 

「よっ、しぶりん」

 

「あ、真央さん」

 

彼女は、今をきらめくトップアイドルの渋谷凛。

 

「飲んでる?」

 

「未成年アイドルが飲んでたらスキャンダルでしょ……」

 

そりゃそうだ。

 

「どう?今回のライブ。ハコは小さめだけど」

 

「うん、ファンの人達がたくさん来てくれてるみたいだし、今回もいつも通りやるよ」

 

ライブの入場料一万円の割に人がたくさん集まったのは、やはり346プロの人気があってこそなんだろうな。

 

「ライブ後は職員用のタダ券あげるから、色々と食べていくと良いよ」

 

「あ、ありがと」

 

よしよし、しぶりんは良い子だな。

 

「あのさ、艦娘さんも来るの?」

 

んー?

 

あー。

 

「まあ、何人かは行くと思うよ?」

 

「うーん……、艦娘さんって、今ネットで大人気だから、負けちゃいそう」

 

そうなのか?

 

「大丈夫だって、しぶりんも可愛いよ!」

 

「いや……、ちゃんとネット見てる?艦娘さんの人気、マジでヤバいよ?ツイッターとか……、ってか、真央さんのツイッターのリプ欄もヤバいじゃん」

 

ツイッター?

 

「俺、リプ欄はあんまり見ないんだよね、通知も切ってるし」

 

「えっとね、とにかく、今ネットでは、黒井鎮守府の艦娘さんの隠し撮りとかでいっぱいなんだよ」

 

「へえ、そうなんだ!すごいね!」

 

「ユーチューブとかでも、無理矢理艦娘さんにインタビューしようとしてぶっ飛ばされたバカとかいっぱいいるんだから」

 

そうなのか……?

 

「あとは、可愛いから、告白されたり、ナンパされたり」

 

うーん。

 

その辺の対策も考えなきゃ駄目か……?

 

 

 

『『『『お願い!シンデレラ!……』』』』

 

ライブ中。

 

俺は、謎の敏腕プロデューサー的な雰囲気を醸し出しつつ、通路の脇に寄りかかりながら、サングラスをくいっと上げる。

 

「フッ、合格点、だな」

 

なんか適当なことを言ってカッコつけたあと、ライブを最後まで楽しみ、出て行く。

 

良かったな、今回のイベントも無事成功だ。

 




しぶりん
とても可愛い。

旅人
ボーボボの序盤の方のハジケ村編の時のボーボボみたいな敏腕プロデューサー感を出して消えた。

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