確かに、地元のお年寄りは死ぬほど訛ってるんですが、方言に特徴はないんですよね。
鹿児島弁とか素敵なんだけどなー。
方言女子もポイント高いしー。
黒井モール。
まあ、アレだよね、一階は平和平和。
フランス艦監修のレストランとか、鳳翔監修の定食屋、間宮監修の甘味屋など多数。
ここだけでも、東京メトロ激戦区の飲食店の老舗のような、ハイレベルな味が楽しめると大評判である。
一階はいつも満員御礼でございますよ、と。
さあ、二階を見ていこう。
と言っても……、特筆すべきこと特になしなんだけどね。
二階は衣服とアクセサリーのお店だよ。
子供服からマタニティドレスまでなんでも、レディースを中心にメンズも少々ってところかな。
え?
子供服?
いや……、俺も分からないけど、艦娘達がいずれ必要になるとか言ってて……。
いや、マジで分からん。
子供とかいらないんだけど?やめて?
それと、黒井鎮守府ブランドの服。
大衆向け、高級品、最高級品の割合は3:5:2くらいで、どちらかと言えばハイブランドを中心に売ってるみたいだ。
スーツからコスプレ用品まで、幅広い品揃えが自慢で、ウエディングドレスすら売ってる。
ウエディングドレス……?
なんか知らんけど、うちの子がみんなウエディングドレスやら白無垢を作ってるの。
何でだろうね!怖いね!
いつ着るの?と尋ねたら、深海棲艦がいなくなればすぐにとか言ってた。
頼むから全滅しないでくれ、深海棲艦。
今は九月なのでアレだが、水着も売ってるし、カバンやポーチなどと言った小物類も多数用意されている。
もちろん、服や小物は、流通させても問題ないレベルのマジックアイテムもある。
特に、火の無い灰から仕入れた銀猫の指輪なんかは可愛いと女子高生に売れている。
それと、ここには鹿島が勤務しているんだが、鹿島目当てにエロガキやエロ親父が現れることが多い。
明らかにアクセサリーなんかとは縁のないようなキモいデブがニヤニヤしながらカメラで無断で撮影してきている。
すると、鹿島が笑顔で近寄り……。
「あの、撮影はお控えください」
「ぶ、ぶひっ!ぼ、僕は」
「ええと……、勘違いなさるお客様が多いので、これは何度も言っている事なのですが……、私は、大好きな提督になら、どんなプレイもやりますけど、貴方のような祖チンの包茎野郎のゴミクズみたいなチンポでは、私をイかせることなんて百年かかっても無理なんですよ?」
「ひ、ひっ」
「私の愛するフィアンセである提督以外の男なんて、虫けら以下のゴミカスですし……。気持ち悪いので、お引き取りください」
「ひいいー!!」
と、ボロクソに言って追い出している。
三階は雑貨と家電だね。
まあ、普通にちょっとした雑貨と家電を売ってるだけだ。
違法性は一切ない。良いね?
雑貨は、まあ、黒井鎮守府は女所帯であるからして、化粧品や生理用品なんかも置いてある。
黒井鎮守府特製の化粧品は、かなりラグジュアリーな出来で、若い子向けの化粧品が多い。
何せ、艦娘の外見年齢は、小学生から大体25歳くらいの年齢層ばかりだ。
おばさん向けの化粧品は作っていなかったので、急遽ある程度は作ったらしいが、それでもやはり、メインターゲットは若者になる。
監修は、二階の服飾関係と同じく、鈴谷、熊野、陸奥辺りがやってくれている。
絵の具、保存食、家具……。
まあ、強化されたロフトや無印だと思ってもらえれば大丈夫かな。
家具は俺とゴトランドが北欧系の家具を中心に、黒井鎮守府で採れた原木から作ってある。
本革を使った高級なソファなど、本場スウェーデンのブランド物家具にも負けない出来だ。
家電屋は……。
明石がね……。
これも明石って奴の仕業なんだ!
俺は悪くねえ!ハメられたんだ!二つの意味で!
明石と夕張の家電屋は、引くほど安く、バリバリの高性能で、テストはほぼやってないという危険物。
工廠組が言うには、「私達は新発明のアイデアが洪水のように溢れてくるんです!いちいち動物実験や臨場実験してる暇はありませぇえええん!!!」とのこと。
頼むから勘弁してくれ。
量子コンピュータ、核融合バッテリー、コンピュータウィルス……。
ヤベーもんを平気で販売している。
購入時にどうなっても知らないですよ?という念書を書かされるそうだ。
いや、だからさ、どうなるか分からないものを人に売らないで????
その辺りをやんわりと注意したら、「三時間おきに射精しないと金玉に激痛が走る謎の奇病を引き起こすウイルス」を注入されそうになったので、俺は怖くなり、引き下がった。
俺は……、無力だッ……!!
まあ、ぶっちゃけ、どうなっても知らないよ、という念書を書いた上で、不安定な発明品を買うのなら、それは買う人の自由だと思う。
俺は今までの旅で、品質的に怪しいものを色々と入手してきたが、最終的に、「嫌なら買うな」の一言で大抵のことは片付くんだよね。
まあ、生活必需品を専売にして値段を釣り上げる、とかじゃなければいいんじゃないかな。
それに、結構売れてるみたいだし。
各国の研究者やスパイが、大枚を叩いて、黒井鎮守府特製の超技術発明品を買っていく。
自国で解析するつもりなんだろうな。
まあ、黒井鎮守府の技術力は軽く数千年先を行っているから、解析できれば凄いんじゃないかな。
できれば、ね。
その他にも、黒井鎮守府の製品として有名な、フルダイブ式のVRゲーム機と、そのゲームソフトがたくさん売ってある。
これが売れに売れているのだ。
いつぞやの、仮想空間で夫婦間の遺伝子を解析して子供をシミュレートするソフトや、ファンタジーVRMMO、FPSガンシューティングなど、様々なソフトを売りさばいている。
値段はかなりの強気設定だが、ここでしか手に入らないので、毎日馬鹿売れで、人波に流された明石が「物売るってレベルじゃないですね!」と叫んでいたのが、ネットミームとしてツイッターに投稿されている。
因みにこのVRゲーム機は、フライトシミュレーター、軍事教練、格闘訓練、手術訓練など、幅広い分野で使えるスーパーマシンなので、ゲームに興味がない人達も買いに来ている。
あと、知り合いの総理大臣の桃さんが、軍事教練に使うから卸してくれとのことだったので、国にもいくらか卸しておく。
因みに、VRゲームは、身体能力の高さが反映されるので、デブやガリのヒキニートなどは逆に活躍できない。
なので、最近は、ニートがVRゲームの為に鍛え始めているとのこと。
いや、働けよ。
え?俺?俺はいいの、職業旅人だからね!
旅人
危うく、性格最悪の人格破綻者しかいない鎮守府で搾精されるところだった。搾精鎮守府……?