旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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因みにこの世界、割とやばいレベルでゲートパワーが大きいです。


447話 黒井モール 裏編

黒井モールの黒い部分、地下の武器屋に行こうか。

 

行きたくねえ……。

 

でも俺、責任者だしな。

 

さあ、黒井モール地下。

 

ここは、武器屋だ。

 

そう、武器屋である。

 

やってしまいましたなあ……。

 

まず、この武器屋に入るには、立体駐車場の屋上に階段で登り、ボイラー室に入り、ボイラー室に隠されたタッチパネルに12桁の暗証番号を入力し、隠しエレベーターで地下に降りなければならない。

 

地下は、入り口前に警備用のアンドロイドが複数体存在するゲートがあり、ここで武器を預けてもらう。

 

銃、刀、杖……、そう言った危険物を持っての入場はお断りだ。

 

火薬とか置いてあるから、万が一誘爆!とかになったら黒井モールは更地になる。核ミサイルや水爆も置いてあるし。

 

それと、初見のお客さんには注意事項の説明も忘れずに。

 

注意事項の内容は、店内での喧嘩の禁止、許可のない魔法発動の禁止、撮影禁止、他のお客さんへの無理な干渉を禁止……。

 

そんな感じかな?

 

でも、一番大きな約束事はこれだ。

 

『ここで買った道具で日本の秩序を大きく乱した場合、買い取った人間のデータはその筋の人間に公開し、黒井鎮守府も全力で殺しにかかる』ということ。

 

まあ、そんなノリで、近未来的な気密ゲートを通過すると、一般的な武器を販売する武器屋と、魔術的な素材や道具を販売する魔法店、そして、大規模な破壊兵器を販売する黒井鎮守府超技術販売店の三つが存在している。

 

まず、一般的な武器屋から見ていこうか。

 

ここの武器屋は、常識の範疇の武器類が販売されている。超技術でできたレーザーライフルでもなく、魔法で作られた魔剣でもない、ぶっちゃけ、買おうと思えば買えるレベルの武器類を売っている。

 

ここの価値は寧ろ、古物やらをやり取りすることだから、割と歴史的に価値のあるものとかが置かれているのが特徴かな?

 

例えば、俺が気まぐれで打った刀剣(免許はあるが認可は取ってない)とか、軍用品の横流しを買い取った海外の銃器とか。

 

ここには、ヤクザやマフィア、一般通過殺し屋などが来る、平穏な武器屋だ。

 

他にも、現行兵器なら大抵は置いてある。

 

ジープ、装甲車、戦車、自走砲、戦闘機、戦艦、ミサイル……。

 

大口の取引先は東城会だな。

 

あそこは質の良い米軍から流れてきたグロックを山程買ってくれた。ありがてえ。

 

まーね、黒星なんざ使ってらんないもんねえ。

 

中華の横流し品なんてほぼサタデーナイトスペシャル、ジャンクガンだよ。

 

ジャンク?!水銀燈ちゃんになんてことを!!(急な発作)

 

……ああ、すまない、正気を失っていた。

 

おれはしょうきにもどった。

 

 

 

次は魔法道具店を見ていこうか。

 

まあ……、その、アレだよね。

 

責任者は巻雲なんだけどね、あの子ったら地下に特大の魔法具品店と、オークション会場を作ってくださいやがりましたのです。

 

どうすんのこれ……?

 

俺は知らない!

 

知らない知らない私は知らない!

 

乱暴だ反則だと抗議してみたが駄目でした。

 

俺は……、無力だッ!!!

 

ペナルティー……、キーック!!!

 

まあ、喧嘩はやめよう、ナオコも言ってるからな。

 

まあ良いよ、なら、好きにやろうよ。

 

ここにもヤタガラスから、ライドウさんが監査に来たけど、ここで買われたもので大規模な霊災が起きた時には、買い取った人間のデータを渡すと言うことで許された。

 

わちきゆるされた!

 

まあ、常識に考えりゃそうだわな。

 

あくまでも研究、自衛に使ってくれってこと。

 

いや、もちろん、大規模に組織同士の抗争に使ってくれても構わないよ?

 

けど、その場合は確実にヤタガラスが、葛葉が動くだろう。

 

そうなった時、俺達は秩序側に味方するよ、ってことね?

 

大規模な殺し合いなら、空間を閉鎖してその筋の人達だけで集まってやるとか、工夫してね。

 

さて、店はこんな感じかな?

 

まずは、魔法が使え、魔法に理解のあるホムンクルスや悪魔の店員をそこらに配置。

 

やり取りはマッカ、日本円、マグネタイトが基本だが、買取もやっているので物々交換も事実上可能。

 

買取窓口もある。

 

買取窓口には、今代のライドウさんが定期的に魔道具を売ってくれるので、その代わりに日本円をごっそり渡してる。

 

ヤタガラスはね、基本的に金がないからね。

 

稼ぎ頭のライドウさんは酷使される運命にあるのだ……。

 

え?金王屋?

 

あのさ、このご時世に違法な魔法的物品を売買できる店舗がその辺にあると思う?

 

今の世の中じゃ、うちみたいに国と繋がりがあって、攻め落とすのがほぼ不可能なくらいに戦力があって、その上で馬鹿みたいな資本力があるグループじゃなきゃ、魔道具のやりとりなんてできないのよね。

 

そりゃ今よりずっと神秘に満ちていた古代や中世、ギリギリでも大正くらいまでならなんとか大丈夫だろうけどさ、令和のこの世の中じゃ、魔道具の密売なんて無理だよ。

 

今までは、魔道具の取引は、もっぱらネットオークションでやってたらしいんだけど、詐欺が横行して、それどころじゃなかったそうだ。

 

それが急に、この黒井モール地下武器魔道具店の登場で、「適正価格で」「詐欺られない」で魔道具が手に入るようになったのだから、その筋の人間は大喜びしてるよ。

 

さて、入口のすぐそこにはマジックスクロールコーナーがある。

 

綺麗に整理されたマジックスクロールは、ノースティリス産から、ゴブリンをスレイする人のいるところなど、色んなところから集めてきたもの、それと黒井鎮守府で作ったものを売っている。

 

魔法的なものの値段はピンキリだが、マジックミサイルくらいなら二、三万円で買えるよ。

 

純魔法属性の槍をそこそこの速さで発射するマジックミサイルのスクロールは、手札の一枚として十分に有効だろう。

 

純魔法属性という事は、百パーセントが『神秘』による概念的なダメージであるからして、深海棲艦相手にも有効だ。

 

二、三万円で軽巡ホ級並のモンスターなら殺せるんだ、そう高い買い物でもないだろう。

 

人体に当たった時の威力は設置型のバリスタ並。もちろん、当たれば人間は殺せる。

 

その他にも廉価なスクロールが多数ある。

 

『鑑定』五万円、『帰還』五万円、『轟音の波動』十万円。

 

高価なものだと、『*素材変化*』一千万円、『援軍』八百万円、『成長』五百万円と、マジックスクロールはピンキリだ。

 

高価なマジックスクロールは受注生産もやってるから、受付で半分前金を払って予約してくれよな!

 

そしてこちらは魔道具コーナー。

 

魔道具がたくさん!

 

魔道具は基本的に馬鹿高いよ。

 

悪魔からぶん取ったりするものだからね。

 

うちの子が訓練気分で魔界に殴り込んで悪魔を虐殺して、たくさん拾ってくるから安く売れるけど。

 

デビルサマナーに大人気だね。

 

例えば、あそこにある鏡。

 

あれは物反鏡と言って、使うと、ほんの一分くらいの間だけ、相手の物理攻撃を反射するバリアを張れるんだよね。

 

いくらすると思う?

 

あれ、一千万円。

 

たった一分のバリアで一千万円だよ。

 

こっちの、使うと死者が生き返る『反魂香』なんて、五億円もする。

 

体力と魔力を回復させる『ソーマ』は五千万円、力を少しだけ強くする『力の香』は二億円。

 

総じて、魔道具は高価だ。

 

だが、これでもバリバリ売れてるから、世の中は分からないな。

 

更にこっちは魔法武器コーナー。

 

魔法武器はね、まあ、その……。

 

売る気がないんじゃないのか、って程に高価なんだよね。

 

えー、例えば、こちらの『デスブリンガー』なんですが……。

 

これ、一度斬りつけると、三〜五回斬りつけた分と同じだけの物理ダメージと神秘ダメージを与える魔剣なんですがね。

 

お値段は……、百億円です。

 

いや、本当に……。

 

百億円とかボり過ぎでは?と思うかもしれないけど、その筋の人間からすれば、喉から手が出るくらいに欲しい武器なんだよね。

 

ピンキリだけど最低数百万円、最高級の魔剣となると、下手すりゃ兆行くんだよ……。

 

それと、銃器と魔弾の類も少々。

 

鎧なんかも売ってるよ。

 

こんな恐ろしい値段設定でも、デビルバスターやらデビルサマナー、魔術師などは平気で買っていく。

 

世も末だなあ(他人事)。

 

それと、最大の目玉は地下オークション。

 

さっき、高い魔剣は兆行くって言ったけど、それは正確じゃない。

 

あまりにも貴重な品はオークションにかけるんだ。

 

もちろん、定期的にオークションは開催しているから、持ち込みも可能。

 

過去の最高額は、三兆円でカオスドラゴンの卵が高名な魔導師に買われたっけな。

 

税金?

 

……ははは。

 

えっと、それで、この地下の大オークションは、二週間に一回のペースで開かれている。

 

オークションの一週間前までに、売り物の申請をしてくれれば、一般人でも参加可能だよ。

 

ただし、価値があまり低い物だと、出品はお断りするみたいだね。

 

このオークションは最高級品のみを取り扱っているから、その辺りは厳しい。

 

逆に、ここのオークションはレベルが高いから、ここで出品を許可されるようなものは品質が良い証拠。

 

まだ三回しかオークションはやってないんだが、口コミで広がった情報を聞きつけた裏世界の人間が山程来ている。

 

まあ……、魔道具店はそんな感じだ。

 

オークションの時にまた来よう。

 

 

 

そして、超技術武器屋。

 

ここは、特におかしなものはない。

 

黒井鎮守府製のレーザーガン、プラズマライフルなどの携行火器から、警備用のロボットまで幅広く販売している。

 

このMr.ハンディと呼ばれるタイプのロボットは、一台三百万円と大変にリーズナブルでございます。今なら三年間の保証付き!

 

あとはまあ……、核ミサイルとか、水爆とか。

 

非核三原則?

 

……ははは。

 

それとモビルスーツ、マッスルトレーサー、アーマードコア、ナイトメア、アームドトルーパー、パーソナルトルーパー、アームスレイブ、メタルギア、バルキリー、レイバーなど、機動兵器も多数用意してあります。

 

俺のオススメはこのグルンガストかな?

 

値段?

 

……八千億円くらいかな。

 

それでも色んな国や組織が買ってくれるので、僕満足!

 

傭兵組織なんかがたくさん買ってくれるんだよね。

 

PMC様様ですわ。

 

 

 

まあ、最終的に分かったことは一つ。

 

「地下の武器屋が地上のモールより百倍以上利益上げちゃってる……」

 

どうすんのよこれ……。

 




旅人
最低限の書類すら大淀に奪われるので、ぶっちゃけた話、黒井鎮守府が裏で何をやっているかあんまり把握してない。

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