旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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旅人提督の世界観について。

GPゴリゴリに高い、そこら中に異界がある。

世界の神秘は神代並とまでは言わないが、神が気軽に分霊を送り込めるくらいには神秘に溢れている。

そもそも人間もクソ強いので、レベル50くらいの下位分霊の魔王なら殴り殺せる奴が割といる。裏社会の人間の平均レベルが高い。

ヤタガラスやジプスが国防組織としてまともに機能している。葛葉ライドウ、ゲイリン、キョウジ健在。




448話 デビルサマナー旅人 前編

うーん?

 

んー?

 

「最近は治安が悪くなってきたな……」

 

「えー?どの辺が?」

 

休憩室のテレビで、ガス爆発によりビルが吹き飛んだというニュースを見ながら、俺は呟いた。

 

そこに、ニンテンドーSwitchでファイアーエムブレムをやっている望月が、俺の独り言に反応した。

 

「ん、ああ……。これ、ガス爆発にしてはここんところの燃え方がおかしいだろ?」

 

「んー……、そうだね。じゃあ、これはなんなの?」

 

「これ、魔法で焼かれた跡だ」

 

「あー……、そっち関係?」

 

そうだ。

 

世の中には、表の社会の人々が知らないだけで、魔術師がいて、デビルサマナーがいて、ヤクザがいて、悪の組織がいて、狂った神の狂信者がいる。

 

今回は……、多分、デビルサマナー関係だろう。

 

「今回は、悪魔召喚者の起こした事件だと思うよ」

 

「何で?どの辺で分かるものなの?」

 

「警察の動き」

 

「警察?」

 

「警察も、世界の裏側を知ってはいるからね。ほら、あの車のマーク」

 

「……三本足の鳥?」

 

「あれは、ヤタガラスだ」

 

ヤタガラス……。

 

有史以前から日本を霊的災害から守る国防組織……。

 

現在はなんか知らんけどガイア教とかメシア教とかとバチバチやってるらしいよ?知らんけど。

 

「ヤタガラス?」

 

「まあ、こいつらは……、悪魔関係の事件を担当する公務員だな」

 

「へー、悪魔かー」

 

「因みに、天使も悪魔だからな」

 

「は?」

 

「悪魔は人ならざるものの総称ってこと。神も天使も幽霊も悪魔」

 

「ああ、はい、成る程ね。……ん?」

 

「どうしたの?」

 

「その……、もしかして、私達艦娘も悪魔って事にならない?」

 

「………………」

 

俺は、無言で悪魔召喚プログラムを起動し、召喚可能な悪魔の欄を見る。

 

『Lv500:破壊神:長門

Lv490:邪神:陸奥

Lv490:鬼神:伊勢

Lv490:鬼神:日向

Lv440:妖精:雪風

Lv470:地母神:赤城

 

………………

 

…………

 

……』

 

「いや……、なんか……、君らも悪魔にカウントされるっぽい……」

 

「えぇ……(困惑)」

 

すうっと、画面を下にスクロール。

 

『Lv450:魔人:望月』

 

「ほら」

 

「何これ」

 

「悪魔召喚プログラム」

 

「何それ」

 

「コンピュータ上で悪魔を召喚する儀式を自動で行なって、悪魔を召喚、管理できるプログラム」

 

「それに私の名前があるの?」

 

「うん」

 

「うわ……」

 

「因みに俺のステータスこんな感じ」

 

『Lv150:魔人:新台真央

HP:870

MP:554

耐性:全般的に強い

力:136

技:136

魔:100

体:140

速:140

運:80

マハラギオン

マハジオンガ

マハブフーラ

タルカジャ

ラクカジャ

ディアラマ

地獄突き

食いしばり』

 

「……悪魔召喚プログラムに名前が表示されるってことは、司令官も悪魔にカウントされてるんじゃ?」

 

「ちょっと何言ってるか分かんないですね」

 

「あれ?って言うか、司令官はもっと多芸だよね」

 

「あー、悪魔召喚プログラムに表示されるステータスは、悪魔召喚プログラムで決められたものしか表示されないんだよ」

 

「と言うと?」

 

「例えば、いろんな魔法が使えても、悪魔召喚プログラムの都合上、悪魔召喚プログラムのデータバンクにある魔法に変更して表示される、みたいな」

 

「へー」

 

コンパイルされちゃう訳だね。

 

のーみそこねこねコンパイルってか。

 

 

 

さて。

 

俺が何を言いたいのか。

 

何でわざわざ悪魔の話をしたか。

 

理由はもちろん、お分かりですね?

 

裏世界がこんな裏ワザ(大天使メタトロン召喚の儀と、それを利用し連鎖的に魔王ベルゼブブの召喚を狙う裏組織の動き)でみんなを生贄にし、この世界を破壊しようとしたからです!

 

覚悟の準備をしておいてください!

 

近いうちに潰しに行きます!

 

あの世にも問答無用で来てもらいます!

 

貴方達(メシア教ガイア教)は犯罪者です!

 

黒井鎮守府の白露型拷問ルームにぶち込まれる楽しみにしておいてください!

 

良いですね!

 

……つまり、また世界の裏側で悪党共が蠢いている。

 

メタトロン、ベルゼブブ、どちらが出てきても大変なことになるんだよなぁ。

 

少なくとも、このレベルの生贄を集めて召喚したら、分霊とはいえども、レベルは300を超えるだろう。そうなると、街がまとめて何個か吹っ飛ぶ。最悪なら、国一つが消える。

 

そんなことしたら経済損失とかとても怖い。

 

俺もデビルサマナーの端くれとして、ちょっとくらい動かなきゃな!

 

 

 

艦娘達は今、黒井モールの運営で大忙しだ。

 

貴重なウィザードタイプの艦娘は全員、地下の魔道具店の運営に回っている。

 

今週末にはまたオークションをやる予定だから、それまでにはこの事件を終わらせないとな。

 

さて……、今回呼び出されそうなのは、メタトロンとベルゼブブの分霊だ。

 

分霊、つまり、魔界の本体の端末。

 

だが、これでもかと神秘に溢れているこの日本においては、大体レベル300程で顕現する、と思う。

 

レベルは、1で一般人、30でセミプロ、60で一流、100で組織のボス並。

 

えっ?ひょっとして、俺って強い?!

 

そんなことはない。

 

このデビルアナライザで測定されるレベルは、正確には、強さではなく含有されるマグネタイトの量を目安にしている。

 

あー、つまり、レベルが高いほど「存在力」が大きいって感じかな?

 

レベル低くても強い奴は強いしねえ。

 

デビルアナライザのレベルは、あくまでも、どれほどの神秘を持つ存在かを示しているだけだね。

 

神秘の密度みたいなものだね。当然、高い方が強いが、ただ高ければ勝てるほど戦いってものは単純じゃない。

 

俺の150レベルは大体……、名前を持つ妖鬼の弱い奴の本体並かな?

 

えーとね、魔界や幻想郷、天界、地獄などにいる悪魔が本体、こっちの現実世界には分霊という劣化版のコピー品端末が呼び出せるのよ。

 

俺のレベルは、そうだな、ラクシャーサの本体と同じくらいだな。

 

因みに、艦娘のレベル500ってのは、神話の主神の本体レベル。

 

つまり、うちの長門や時雨、木曾、古鷹辺りは、魔界にいるオーディンやシヴァと「真っ向から殴り合える」存在な訳ね。

 

……んー?何で君達そんな強くなっちゃってるの?

 

話を戻そうか。

 

レベル300程の大天使と魔王の分霊が現代日本に降臨!

 

これが意味するところは……、そうだな、特撮ヒーロー戦隊のラスボスが二体現れて日本で戦い始める、って感じかな!

 

A:日本沈没

 

つまり、みんな死ぬ。

 

え?もしも、レベル500の本体が降臨したら?

 

地球が消し飛んでもおかしくないね。

 

まあ、そう。

 

あれだよね。

 

いよいよもってヤバい。

 

俺はスマホをつけて、電話をかける。

 

「もしもし、ライドウさん?実はですね……」

 




旅人
次回は艦娘が出ないから艦これssを名乗っていいのか不安になっている。

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