旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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シャバドゥビ!

今年のハロウィンは問題起きなかったのかな?よかった、ひっくり返されるトラック君はいなかったんだね。


455話 プライドを捨てろ

黒井鎮守府がリフォームされ、建物が頑丈になった。

 

これで、バリアがない時に突然核ミサイルを撃ち込まれてもビクともしないガチガチの建物になった。安心安全である。

 

……まあ、うちの子達は核ミサイルより強いので何の問題もない。

 

因みに、長門、酒匂、サラトガは核熱属性に弱い。その辺は仕方ないよな、艦娘としての決まり事みたいなもんだ。

 

クロスロード作戦だな。

 

艦娘は戦艦の神霊であるからして、戦艦だった頃の謂れに引っ張られる訳だね。

 

例えば、爆発で沈んだ陸奥は、爆発に弱い。

 

例えば、限界を超えて巡航し自壊した島風は、オーバーヒートの恐れがある。

 

そして、クロスロード作戦による核実験の標的艦となった長門らは、核熱に弱い。

 

これはどうしようもないことなんだよね。

 

例えば、ジークフリートの、竜の血を浴びられなかった背中の葉っぱ一枚分の面積。

 

例えば、クーフーリンのゲッシュ。

 

例えば、アキレスのアキレス腱。

 

つまりは、避けられない弱点な訳だね。

 

……とは言え、そこを突けるほど甘くはないんだがな。

 

陸奥は、衝撃と火を無効にする機構を艤装に組み込んである。

 

島風は、緊急冷却装置を艤装に組み込んである。

 

長門は、そもそも弱点を突いて大ダメージを与えたところで死なない。

 

弱点は塞いであるのだ。

 

それに……、艦娘は全員、変質している。

 

アレだよね、なんとかオルタとか……。

 

最初は神霊だったんだけど、気がついたら、破壊神、地母神、死神、邪神、女神、魔人辺りに霊基が変わっちゃってるんだよねえ……。

 

だからあんまり弱点らしい弱点はないのよ。

 

俺?俺は弱点とか可変だから。

 

……誰がアルバトリオンじゃい!!!

 

 

 

さて、そんな感じで、黒井鎮守府はリフォームされ、ハロウィーンの時期だ。

 

今年も渋谷で軽トラがひっくり返されるのかな?

 

まあ、とにかく、これから駆逐艦の子がお菓子をもらいに来る筈だ。毎年やってるし。

 

駆逐艦以外も、いたずらがどうこうとか言いつつ、俺に逆セクハラしに来る筈だ。毎年されてるし。

 

ARにより、ハロウィン的な飾り付けがされた黒井鎮守府で、コスプレした艦娘が迫る!

 

 

 

『pOい……』

 

「んんーん?」

 

真の姿の夕立が来た。

 

「あの、それ、コスプレってか……。そもそも君、オチ担当じゃん……?俺が可愛い駆逐艦と戯れて、最後に白露型に誘拐される感じのオチじゃん?」

 

いきなり切り札は良くないよ。

 

一ターン目からエグゾディア揃ってるようなもんじゃん。

 

『まあまa、提督さN!yUDaち、だよー!trick-or-treat!!』

 

真の姿の夕立は、4m程のケンタウロス型実体。大きさは可変。

 

鋭角ながらも有機的な黒い鎧のような姿で、顔はなく、口と思われる部分に牙のあるひび割れがある。そして、青白い光を発するラインが全身に浮かんでいる。それは、近未来的なパワードスーツのエネルギーラインというより、もっと有機的な、血管のようなものだ。

 

後頭部から伸びる金髪が、辛うじて、人間の形をしている時の名残だろうか?

 

あまりの魔力量に、鎧のような身体の各所から、青い炎のような魔力が陽炎のように揺らめいている。

 

これこそが、白露型の真の姿である。

 

そう、白露型はボスなので、第二形態があるのだ。

 

第二形態の白露型は、器用さが減る代わりに、殲滅力、攻撃力が増加する感じになっている。

 

そもそも、白露型は基本的に、対怪異のエキスパートであり、無数の敵を殲滅するのは不得手だった。

 

だからこそ、殲滅力を上げた第二形態を作り出すために、自己の改変を繰り返した訳だね。

 

しかし……、俺としては狼の被り物とかで可愛い感じにして欲しかったのだが。

 

仮装って言ってんのに化け物の姿になってくるのはマジでおかしい。

 

それはさておき、この夕立にトリックされたら俺は存在ごとデリートされるかもしれない。

 

大人しくお菓子を渡そう。

 

「はい、クッキー」

 

『わーi!あrIGaとー、提督さん!』

 

 

 

さて、もうオチは終わった。

 

これで問題ないだろう。

 

「とりっくおあとりーと、じゃぞ!」

 

「オッ、利根ェー!」

 

利根が来た。

 

のじゃロリだぞ!

 

「お菓子あげるねー、どれが良い?」

 

俺が四次元ポケットに手を突っ込んで色々なお菓子を見せる。

 

「いたずらして欲しいのじゃ」

 

おおーん?

 

おうん?

 

おーん?

 

「お、俺がいたずらするの?」

 

「うむ!」

 

んおー?

 

「えっ、えっと、じゃあ、落書きとかしちゃおうかな!」

 

「うむ!ならば内股のここに『肉便器』と……」

 

「びゃーっ!なんで履いてないの?!!」

 

利根と筑摩の謎前掛けは、艤装なのでしょうがない。

 

利根と筑摩は、そもそも、あの謎前掛けの下に、レオタードとかスク水とかそういう感じのパンツを履いている。いわゆる見せパンを。

 

でも、パンツを履かずにあのスケベ前掛けをひらひらさせてたら、どう見ても変態じゃないか!

 

まともなのは僕だけか!

 

「ん〜?ほれほれ、早う『イタズラ』せんか❤︎」

 

前掛けをひらひらさせる利根。

 

その度に、少量の毛が生えているのがチラチラ見える。

 

「ふ、ふ……、ふゥゥゥ……ン?利根、そんな程度で俺を誘惑できると思ったら大間違いだぞ……?」

 

「……むう。最近構ってもらえなかったから、抱いて欲しかったのじゃが」

 

しゅん、と寂しそうにする利根。

 

「……あー、そう言われると弱いな」

 

「じゃろ?ほんの一時間、いや二時間で済ませるから、良いじゃろ?」

 

「うん、分かった」

 

 

 

利根と楽しんだ。

 

いや……、俺が百パーセント悪かったからね。

 

利根はあんなに良い子なのに、最近はあまり顔を合わせなかった。

 

そもそも数百人いる艦娘全員と毎日顔を合わせるとか無理よね。

 

なるべく平等に構いたいのだが、お互いに都合があったりなんだりでなあ……。

 

「そう思わないか天龍」

 

「え?あ、お、おう?」

 

俺は流れるような動きで天龍の胸に顔を埋めた。

 

「はっ?!」

 

な、何故だ?!おっぱいに吸い寄せられた!

 

俺の中にシンオビートが?シャッガイからの昆虫か?

 

何かに操られているのか?

 

畜生!俺は負けないぞ!

 

「え、と、提督?」

 

「うおおおお!」

 

「な、何か辛いことでもあったのか……?」

 

あー、天龍は海の匂いがするなー。

 

おっぱいめっちゃ柔らけー。

 

改二になって更に大きくなって偉いぞ天龍。

 

「えっと、おっぱい飲むか?」

 

「………………はい?」

 

天龍ちゃん????

 

「えい」

 

プシュっとアンプルを首に刺した天龍。なにその薬?ヤバイやつ?

 

「明石から、妊娠しなくても母乳が出るようになる薬をもらっといたんだ」

 

「何それは……(困惑)」

 

何でそんなもんが流通してるの?

 

「あ、おっぱいが張ってきたな。ほら、提督」

 

「ほら、じゃないが?」

 

え?何この展開?

 

「吸いたいんじゃねえのか?」

 

「いや別に……」

 

「あ……、俺のおっぱい、嫌いなのか……?」

 

しゅんとする天龍。

 

「あっ、あ、いや、その……、ええと、天龍のおっぱいは凄く素敵だと思うよ?けど、吸ったりは……」

 

「じゃあ吸えるよな!」

 

ふむ。

 

ふーーーっ。

 

さて。

 

「吸いますぅ……」

 

 

 

今回のハロウィンでは、お菓子を失う代わりにプライドを失った。

 




白露型
それぞれが艦娘の姿をしていて一対一での戦闘能力を持つ『艦娘態』と、巨大な化け物になり広範囲を殲滅する『邪神態』を持つ。

利根
割とスケベ。半分おふざけ気分で誘惑してくる。

天龍
おっぱい。

旅人
艦娘の笑顔のためならプライドを捨てられる。

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