ポケモンは割とシコれるキャラ多くて助かりますよねー。
ケース2:翔鶴
依頼内容:営業回り
目標
・黒井鎮守府と友好的な組織に出向し、友好関係を深める
依頼主:黒井鎮守府
さて……、翔鶴の仕事ぶりはどんなもんかな?
ちゃんとやれてるかな?
翔鶴は、うちの営業部だ。
営業部の条件として
・外面がそれなりにまとも(狂気を抑え込める)
・舐められない程度の大人の外見
・外国にも行くので英語他数ヶ国語が話せる
・交渉などができる賢さ
の四つの観点から艦娘を見る必要がある。
例えば、我らが天使、電だと、外見が幼過ぎてアウトだ。ともすればヤクザの会合にも顔を出す黒井鎮守府の交渉役としては不適格。
例えば、雲龍だと、日本語は通じるが会話が不可能なのでアウト。
例えば、長門だと、交渉能力、駆け引きというものがまるでできない真っ直ぐな人格ゆえにアウト。
そんな感じで、営業ができる艦娘は少ない。
基本的に、営業ができて、やったことのある艦娘は、翔鶴、陸奥を中心に霧島、香取、鹿島、大淀、金剛、伊勢、筑摩、龍田、イタリア、ローマ、ガングート、リシュリュー、テスト、妙高、高雄、ザラ、加賀、グラーフ、アクィラ、飛鷹、千歳、祥鳳……、こんなもんかな?
もちろん、全員が常に営業をしている訳ではないし、他のこともできるしやっているが、主に黒井鎮守府と取引する為に呼び出すと、エージェントは彼女達になるってことね。
え?まともそうな艦娘は他にももっといる?
大和は?
彼女は嫉妬深く、四六時中俺を監視している。
サラトガは?
食人癖を拗らせているから、機嫌を損ねると物理的に食われるぞ?
鳳翔は?
残念ながら鳳翔は電車とかにちゃんと乗れないし、スマホもろくに使えない。
それでも結構多いって?とんでもない!黒井鎮守府は世界の海運業を支配するメガコングロマリットだが、本当に信頼できる面子である艦娘はたった二百人ほど、そのエージェントもたったの二十人ほどなのだ。
……少なくない?
オーバーワークとかしてないよね?
旅人くんには「残業を強要する奴」をゆるさないという伝説めいた定評があるんだよ?
それでは、早速翔鶴の仕事ぶりを見ていこうか。
「で、翔鶴、今日のスケジュールは?」
「はい、今日はアメリカの定例会議に出席します」
へー、定例会議ねえ。
「どこのグループの会議?」
政府高官とかかな?
翔鶴はそういう高貴なパーティーとかに出席してそう。
「はい、イルミナティです」
「ファッ?!うーん」
イルミナティだと?!
イルミナティ……。
言ってしまえば、各分野の最高レベルの人材が集まり、世界の行く末を操作しようとする議会だ。
海洋の支配者にしてアンチヒーロー的思想の持ち主、ネイモア・ザ・サブマリナー。
人間代表、アイアンマンことトニー・スターク。
科学側代表、ミスター・ファンタスティックことリード・リチャーズ。
魔法側代表、ドクター・ストレンジこと、スティーヴン・ストレンジ。
インヒューマンズ代表、ブラックボルト。
ミュータント代表、プロフェッサーXことチャールズ・フランシス・エグゼビア。
つまりは、超ド級の権力者達だ。
なんでそんな連中と関わり合いにならなきゃならないんですか?
厄ネタゴロゴロの美味しいシチューみたいな世界だけど、イルミナティは特にめんどくさい部類だ。
積極的に関わりたくはないんだが????
えっ、ていうか、黒井鎮守府ってそんなデカい組織になってたの?
あのイルミナティと会談するレベルの組織に?
……よし!考えないでおこう!
『ドーモ、旅人です』
俺は英語でアイサツする。
アイサツは大事だ、古事記にもそう書いてある。
なお、ブラックボルトさんにアイサツされたら吹っ飛ぶ模様。
あー、えっとね、ブラックボルトさんは、口から超音波出るから、話すと音で色々と吹っ飛ぶのよね。
……ん?話せないなら何でここにいるのか?
プロフェッサーXは最高のサイコメトリーだから意思疎通に問題はないよ?
じゃあまあ、会議しますか。
『あっ、俺は今回、翔鶴の付き添いなんで。置物だと思っててください。あ、それことれ、今回のお茶受けのクッキーです。こちら、黒井鎮守府産の茶葉の紅茶もどうぞー』
「旅人さん」
「はい」
「旅人さんは、私達のボスです。舐められないように、座っていてもらえますか?」
翔鶴に怒られる。
「ウス……」
俺はスッと部屋の片隅に正座する。
すいませんでした、ついいつものノリで……。
『……あー、では、早速本日の議題に移りたいのだが?』
ドクターストレンジが言った。
『あ、すいませんでした』
翔鶴が一言謝ると……。
『ではまず、各国の状況の説明から。まず、私から、魔法関係の世界の近況について説明しよう。魔術協会の動きは特になし、要注意団体である「マナによる慈善財団」がマジックアイテムを誤って暴走させて三人が身体欠損の大怪我をする事件があったが、シャザムがマジックアイテムを破壊して、事態は収束した』
そして、一息置いてから、ドクターストレンジが続ける。
『それと……、星の智慧派が動いた』
その言葉を聞いたイルミナティ達は、真剣な顔になる。
そりゃそうだ、星の智慧派はマズい。
連中はニャルラトホテプの手下だ。
プロフェッサーXが挙手する。
『被害は?』
ドクターストレンジが返答する。
『ゼロだ』
それを聞いたプロフェッサーXは眉間にシワが寄る。
『おいおい、あり得ないだろう、それは!奴らが動いたら街の一つは消し飛ぶ筈だ!』
アイアンマンが言った。
『それについては、黒井鎮守府から話してもらった方が早いだろう。ミス翔鶴!』
翔鶴が口を開く。
『はい、星の智慧派の暴走鎮圧については、うちの白露型が関わっています』
またか……、と言わんばかりの顔をするイルミナティの皆さん。
『『『『またか……』』』』
しまいにゃ言ったぞ。
『いえ……、今回は本当にたまたまだったそうです。うちの村雨が休暇でサウスカロライナに訪れていた時に、たまたま不審な人物を発見して、後をつけたところ、偶然にもニャルラトホテプ召喚の儀式を行おうとしている星の智慧派の構成員を発見したそうで……』
『それが通ると思うのか?』
ネイモアが厳しい目を向ける。
『ふふ、ですから偶然、たまたまですよ。それに……、誰かがそれで困りましたか?ネイモアさんは、ニャルラトホテプが世に放たれて、数万人単位の死者と廃人を作るべきだったと?』
『……黒井鎮守府の謎の観測手段は何なんだ?!』
『社外秘です』
『貴様……!』
えっえっ、怖い、何この展開。
『まあまあ、そこまでにしたまえ、ネイモア』
プロフェッサーXが声をかける。
『プロフェッサーX!しかし!』
『黒井鎮守府は我々と違って営利組織の側面が強い。イルミナティへの加入も、中立的な立場から意見すると最初に表明した筈だ』
『それは……、そうだが』
『ふむ……、しかし、それでは不安だな。では、質問を一つだけさせてくれたまえ、ミス翔鶴』
『はい、何なりと』
質問を受ける翔鶴。
『仮に、君達が世界の多くの出来事を知れる観測手段があったとして……、悪用するかね?』
『悪用はしませんとも。黒井鎮守府はあくまで営利組織です。長期的に見て社の利益になるならば何でもやりますが』
『ふむ……、長期的に見て、とは?』
『例えば、貴方方の戦力を知れたとして、それをヒドラに高値で売りつける……、ような真似はしないということです。貴方方が万一、ヒドラやショッカーなどの組織に敗れた場合、その皺寄せは我々黒井鎮守府にも来てしまいます。それは、我々の望まないことです』
翔鶴は一息ついて、周りのイルミナティメンバーを見回す。
『つまりは、貴方方の不利になるような行動をすれば、巡り巡って我々が不利益を被ってしまうのです』
『しかし、最近は武器商人の真似事を始めたと聞くが?』
ミスターファンタスティックが言った。
『ええ、それが何か?確かに、様々な武装勢力に武器類を販売していますが、何か問題でも?』
『テロリストに力を付けさせているのでは?』
『いえいえ、売る相手は選んでいます。日本のヤクザ程度には、一般的な銃器や刃物程度しか売りませんよ』
『つまり、一般的ではない者には、より強い兵器を売ると?』
『ええ、心を読むくらいはできますから、悪意のなく、戦力を欲する、お金持ちさんには、積極的に兵器を売りますよ。もちろん、ここにいるイルミナティの皆さんにも、割引価格で売りたいくらいです。入り用でしたら私が一筆書くので、どうでしょうか?』
セールストークを始める翔鶴……。
リザルト
・黒井鎮守府と友好的な組織に出向し、友好関係を深める◯
評価:A
報酬:0万円
+黒井鎮守府からの給料:200万円
=翔鶴の今日の手取り:200万円
翔鶴の預金口座:20000万円+200万円
翔鶴
黒井鎮守府の営業部の一員。
旅人
営業部の部長扱い。