旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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最近ホカ弁にハマってます。すき焼きうめー。

寒さがヤバいので明日はうどんと鍋の材料を買い溜めしておきまっする。




463話 艦娘参観 その5

ケース5:摩耶

 

依頼内容:悪魔の抹殺

 

目標

・福岡県飯塚市の異界から溢れた悪魔の滅殺

 

依頼主:ヤタガラス

 

 

 

さあ、やってまいりました、またもや修羅要素入ったこの依頼!

 

ヤタガラスさんよう……、最近予算もらえてるからって調子乗ってませんかねえ?

 

超国家機関ヤタガラス……、大正の世では軍部にさえ食い込んだ巨大な国防組織だったのも今は昔の話。

 

かつての大戦による大打撃で人員も権力も失い、数年前の政権交代の折の事業仕分け(笑)にて予算全カット、完全にトドメを刺され、死に体だった組織である。

 

が、しかし、有能有能アンド有能の現剣桃太郎総理大臣の指示により、死にかけの組織だったヤタガラスは不死鳥のように華麗な復活を遂げた。

 

今は、内調や公安と並んで、シークレットかつ多忙ながらも、かなりの戦力と諜報力を誇る国営の裏組織になっている。

 

そんな裏の国防組織ヤタガラスだが、依然として人員は不足気味。

 

霊的世界の必殺国防兵器である葛葉一族が味方ではあるが、それでも全体的に人数は足りないのだ。

 

よって、悪魔退治などの依頼を外部に外注することが多々ある。

 

俺もそれで小遣い稼ぎをしていた経験があるな。

 

まあ、依頼と言っても様々で、異界のアイテムを持ってこいとか、悪魔を持ってこいとか、悪魔を倒せだとか……、その手の仕事だな。

 

報酬額はやはり、強い悪魔を倒したり調伏したりする仕事ほど、膨大な賃金を約束される。

 

ヤタガラスも、政権交代後のあの惨事の頃と比べると、いくらかは復活してきているようだが、全盛期と比べるとその力は十分の一にも満たない。

 

全盛期まで程とは言わないが、しっかりと日本を守れるくらいまでには強くなってもらわねば困るとのことで、総理大臣の桃さんが予算の大増額を議会に通して、今のヤタガラスはそれなりに懐が温かい。

 

だからこそヤタガラスは、外注依頼をたくさん出して、日本の守護をしようとしているそうだ。

 

基本的に、一般的なデビルサマナーではどうしようもできないような大事件などでは、必殺の国防兵器こと葛葉一族がすっ飛んでぶっ殺す。

 

しかし、今回のような、鬼札の葛葉を出すまでもないが、一般通過デビルサマナーにはキツい仕事は、大体うちに回されるのだ。

 

大抵この、悪魔退治の依頼を引き受けるのは、白露型、夕雲型、高雄型、たまにアークロイヤルとなっている。

 

何故か?

 

彼女達は物理攻撃と魔法攻撃両方を使いこなすからだ。

 

悪魔というものは、物理攻撃が全く通用しない存在がいる。また、特定の属性の魔法に弱い存在も多い。

 

例えば、堕天使:ネビロスなどは物理攻撃を無効化するが大抵の属性攻撃に弱いとかがある。

 

多方面の戦闘方法に対応できる者こそ、デビルサマナー業界では重宝される。足りない部分は何かに特化した悪魔で補うのがデビルサマナーのやり方だ。

 

今回、依頼を受けた摩耶ならば、達人レベルの剣技と銃技、火炎、氷結、電撃、衝撃、呪殺、破魔、精神の魔法と、回復魔法を自在に操るという、破格の器用さを持つ。器用万能ってやつだ。

 

これならば、大抵の悪魔に対応できる。

 

対悪魔戦闘で最も重要なのは、敵の弱点を突くことだからな。

 

手札は多い方が良い。

 

 

 

さて、そんな今回のお相手は……、邪龍:ティアマトだ。

 

そりゃそうだな、このレベルだと一般通過デビルサマナーでは勝てない。俺も無理だ。

 

「ギ、ギギ……」

 

「へっ、悪魔ってのはいつ見てもキモいな」

 

摩耶が前に出る。

 

確かにこのティアマトは、醜い顔に縮れた髪のある女の姿で、全身に鱗があり、乳房が六つ、身体中から蛇が生えている化け物の姿だ。

 

「何ですって……?」

 

「気持ち悪いって言ったんだよおばさん!早く死にな!」

 

「……殺すわ、小娘!!!」

 

バトル開始である。

 

摩耶は、騎乗用のカオスドラゴン以外にペットはいないし、そもそもデビルサマナーではないからして、手元に悪魔なんていない。

 

つまりはタイマンだ。

 

摩耶は長剣の★『ディアボロス』を誇らしげに構えた。

 

そして踏み込んで、ティアマトの首を斬りつけようとする。

 

「ム……!」

 

しかし、ティアマトも馬鹿じゃない、普通に防ぐ。

 

そして。

 

「凍えよっ!!!」

 

アイスブレスを吐く。それはそれは、冷たい、全てを凍らせるような地獄の吐息で、この異界の周辺のものが氷漬けにされてくだける。

 

それを見た摩耶は素早く飛び退き、中空でファイアボルトの魔法を唱える。

 

さすがだぞ!属性の相性をばっちり理解しているんだな!

 

「ギヒ、ヒヒヒヒヒ!!!!」

 

まあ、ティアマトはアイスブレスを吐くけど、火炎無効なんだがね。

 

「んなっ?!何でだよ!これならどうだ、『アイスボルト』!!!」

 

「効かないわ!!!」

 

全身の蛇で噛み付いてくるティアマト。

 

「チィっ!!!」

 

それを全て斬り落とす摩耶。

 

一進一退ってところか?

 

だが……。

 

「これならどうだ?『ライトニングボルト』!!!」

 

「ギィっ!!!グギィヤアアアア!!!!」

 

そうだね、ティアマトは電撃が弱点だ。

 

「なるほどな……、悪魔ってのはノースティリスのモンスターと違って、脆くはないけど弱点を突くと恐ろしく弱いんだよなァ……」

 

「ヒイッ!や、やめ……!!!」

 

「『ライトニングボルト』!『ライトニングボルト』!!『ライトニングボルト』ォ!!!」

 

「グギィヤアアアア!!!!!」

 

おっ、倒したみたいだ。

 

「ふん、口ほどにもねえな。やっぱ、分霊じゃ駄目だ、魔界にいる本体とか、高位の分霊じゃなきゃ相手にならねえな」

 

 

 

リザルト

・福岡県飯塚市の異界から溢れた悪魔の滅殺◯

 

評価:A

 

報酬:1500万円

−黒井鎮守府の中抜き:300万円

=摩耶の今日の手取り:1200万円

 

摩耶の預金口座:245000万円+1200万円

 




摩耶
黒井鎮守府が誇る魔法剣士。

旅人
「この世界はデビルサマナー次元です」

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