その謎を解明するため、我々はアマゾンの秘境へ向かった!
副題は「大鯨が惚れるまで」です。
この話ではまだ惚れてないので、旅人が好感度を下げようとジタバタしつつも、大鯨ちゃんの好感度がガンガン上がっていく様を見て嘲笑ってくださいね。
はあーっ。
まあ、とりあえず、最初の頃はある程度面倒みるけど、段々干渉は控えるようにすれば、惚れた腫れたの話にはならないでしょ。
俺の知り合いの言葉だが、事故る奴は不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった奴なんだそうだ。
俺もそう思う。
だけど、俺は昨日、とってもラッキーマンを全巻読破したから、幸運と言っても差し支えないはずだ。
試しに手持ちのM500でロシアンルーレットしてみよう!確率は五分の一!
「んぎょ」
………………ヨシ!
頭が吹き飛んだな!五分の一の確率を引けるだなんて、今日の俺はめちゃくちゃにツイてるぜ!
学園都市に配備されてそうな円柱型お掃除ロボットが、飛び散った俺の脳漿を掃除する中、脳が破壊され平衡感覚が狂った俺は、背中から触手を生やして天井を這った。
一時間もしないうちに脳が再生したので、触手を仕舞って、二足歩行になり、大鯨の元を訪ねる。
「おはよう、朝だよ、起きてー!(コラショめざまし)」
優しくノック。
もしも出なければ、「開けろ!デトロイト市警だ!」なんてことに?ならないよ。
「はーい、おはようございます、提督!」
さあ、俺の神対応で、大鯨が理想の部下になるところを見ておけよ……!
×××××××××××××××
「そう言えば、さっき銃声が……」
「気のせいじゃないか?」
そうなのかしら……?
私、大鯨は、自称「旅人」の提督さんに、朝に起こされた。
白い髪、白い肌、黒い瞳とさらに白い佐官の上着。
美丈夫という言葉が最も似合う形容詞だろうか?
美形と言うには男らしく、益荒男と言うには涼しげですね。
でも、コロコロと表情と雰囲気が変わるところは、とても表現力が豊かな人なんだなと感じさせられます。
本人が言うには、作画?が可変だとか?
普段は大体ブリーチ的なオサレ顔?だけど、たまに北斗の拳になる?とか?よくわからないです。
まあ、それは良いとして……、今のところ、この黒井鎮守府も、提督にも、思うところはありません。
潜水艦の子達も穏やかに過ごしているみたいで……。
この鎮守府の平穏さには、この提督の人柄が表れているんだなと思わせられますね。
もしかしたら、女の子になった私が、本能的に、ハンサムさんである提督を嫌えないというところがあるのかもしれませんが……、私の意識としては、提督の人柄が好ましいと思っています。
確かに、まだ会って一日ですが、私なんかのためにわざわざ歓迎会を開いてくれたり、まだ鎮守府の生活に慣れないだろうからと、朝からこうして起こしてくれたり……。
とにかく、他人を気遣える優しい人なんだなと思いました。
さて、それでは……。
『おはよー!』
『『『『おはようございます!』』』』
私と同時期に召喚された海外艦の子達を起こして、軽く世間話をしながら、食堂まで案内してもらいます。
本当は、黒井鎮守府の艦娘の寮には、それぞれに転移装置?が付いていて、部屋から部屋にワープできるそうなのですけれど、当分は、この広い鎮守府の道を覚えるために、ワープせずに移動することになっています。
ワープ……。
「突っ込んだら負けだよ?」
「は、はあ……」
深く考えないようにしよう……。
さて、そんな感じで、提督は、私達、新入りと世間話をしながら食堂へ向かう。
「いやー!仕事してねーからなー!俺仕事してねーからなー!」
と、謎のアピールをしてくる提督……。
「え?でも、提督って、黒井鎮守府の食事を三食作っているんですよね?」
「そうだけど?」
「それだけでも立派なお仕事ですよ!何百人もの艦娘の食事を、鳳翔さんと、間宮さん伊良湖さん速吸さんの五人で、一日三回だなんて!仕事をしてないだとか、そんなことないですよ!」
「い、いや、本当に仕事してないんだよ俺は!前々回見て!ねっ?!」
「ぜ、前々回?」
「いつも頑張っている艦娘に俺がしてあげられることなんて、料理くらいのものなんだよ……」
「は、はあ……」
「本当にね、俺、無能だからね?提督としての能力が高い訳じゃないから!」
無能……?
「イタリア語と英語を完全に話せて、あんなに美味しい料理を作れるのに、無能、ですか……?」
「あー、ほら、その辺はさ、その……、才能がないんだよ!努力してできることは大抵どうにかなるけどさ!」
「ひたむきに努力できるのも才能の一つですよ……?」
「ファッ?うーん」
そして、食堂では、美味しい食事を楽しみます。
朝から中々に手の込んだ料理が、沢山の品目、選んで食べられます。
こんなに豪華でいいんでしょうか……?
「ええと……、メニューが沢山あって迷ってしまいますね」
「うん?それなら雑炊がおすすめかな」
「雑炊ですか?」
「うん。今朝、寒くなってきたから、艦娘のみんなが身体を冷やさないように何か温かいものを食べてもらおうって鳳翔と相談してさ。女の子が身体を冷やしちゃいけないだろ?」
「……えーっと、私は艦娘で、兵器ですよ?」
「とんでもない!ユーアヒューマンだよ」
人間……?
私が……?
「俺は、俺と握手してくれる人は、例えどんな存在であれ人間だと認めるよ」
「は、はあ……」
良いのかなあ……?
「そうそう、人間扱いするから、悪いことをしたら怒るからね!俺、怒ったら怖いよ?凄く怖いよ?」
「ふふ、それじゃあ、怒られないように良い子にしないと、ですね!」
「そうそう!恐怖による抑圧だよ!」
ふふ、わざわざ自分から、恐怖に抑圧が……、ですか。
面白い人ですね、提督って。
「んん!おいひい!」
大根の雑炊ですね。
千切りの大根と大根の葉っぱが入った、ゆるめの雑炊。
「この野菜、鎮守府で作ってるんだよ」
「へえ、そうなんですか!」
凄く美味しいですね……。
素材の味もさることながら、絶妙な煮込み加減で、青臭い香りも全然しない。
それと卵焼き……、うん!出汁が効いていて美味しい!ネギも入っていてバランスも良い。
更に、かぼちゃと鶏肉の入ったさつま汁という味噌汁!甘くて美味しい!
お漬物も凄く美味しい……、私も多分、艦の記憶から料理はできると思うけど、こんなに美味しい料理は作れないだろうなあ……。
……この料理を食べれば嫌でも分かる。
この提督、本気で私達艦娘を好いてくれているんだな、と。
こんな心のこもった美味しい料理、嫌いな人には出せないもの。
私は正直、艦娘としてこの世に生まれて、昨日一晩考えたけれど……、私達、艦娘って、気持ち悪い存在だと思う。
普通に考えて、実体のあるお化けだし、人なんて簡単に殺せる化け物だもの。
そんな私達艦娘に、こんなにあたたかい料理を作ってくれるだなんて、提督って……。
凄く、素敵な人だと思います。
できたら、提督とは、仲良くやっていきたいな……。
大鯨
好感度:50/100
旅人
好感度:さばみそ