旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ガストのハンバーグが美味い。


478話 バレンタインデーキス

「やめよう????ねっ、やめよう????」

 

「やります」

 

「チョコなら俺がいくらでも作ってあげるから、ねっ!ねっ?!」

 

「やります」

 

「いやー、やめとこう?!ねっ?!やっぱり今年はナシで!はい、ナシ〜!」

 

「やります」

 

「やっぱりやめようよ!」

 

やめよう、やめてくれ!

 

 

 

「バレンタインは中止だ!!!」

 

「やります(蒼き鋼の意思)」

 

 

 

「はいレギュレーション規定!一、一人100gまで!二、異物混入無し!三、せめてチョコレートの範囲内のものを送ってね!!!頼むよ!!!マジで!!!」

 

「ですが、問題があります」

 

と、澄まし顔の大淀。

 

なんか俺、おかしいこと言ったかな……。

 

「一人100gでは、チョコレート細工などが作れません」

 

「そんなに凝らなくて良いんだよ」

 

「どうでしょう、今回はチョコレートコンテストという事にして、芸術点の評価も」

 

「えー……、まあ、良いよ」

 

確かに、お菓子は見た目も拘りたいのは気持ちが分かる。

 

「異物混入ですが、どの範囲までが異物なのでしょうか?」

 

「逆に聞きたいんだけど、それって聞かなきゃ分からないことなの????」

 

倫理観ボンドルドかなー????

 

もうマジで勘弁して?

 

「血液は良いですよね?」

 

「良くないね」

 

「体毛は?」

 

「良くないね」

 

「媚薬は?」

 

「良くないね」

 

一ミリも良くないね。

 

可愛いからって何しても許されると思うなよー?

 

「ですが、調理過程に誤って混入してしまう場合も……」

 

「あーもう、分かったよ!!!好きなもの入れて良いよ!!!」

 

畜生。

 

「それと、チョコレートの範囲内とは?」

 

「チョコレートなら、フレーバーはなんでも良いし、ケーキでも良いなあ。塩とか混ぜてみたり、ボンボンショコラにしても良いかもね」

 

「成る程」

 

「まあ……、食べ物ならなんでも良いよ。せめて食べれる物にしてね」

 

「はい」

 

 

そういう訳で……。

 

「はい、始まりました、黒井鎮守府バレンタインコンテスト〜……」

 

うう……、始まるよ……。

 

はい、まずは吹雪から。

 

「はい、どうぞ!」

 

「はい、ありがとね」

 

中身はー、おっ!良かった、普通のハート型のチョコレートだ!

 

ストロベリー味かな、いちごの匂いがするぅ待って血の匂いする。

 

「あの、血……」

 

「どうぞ!」

 

「あの……」

 

「どうぞ!」

 

「分かりましたぁ……」

 

うん、まあ……、艦娘の血液の味が仄かにする程度で、味は普通のストロベリーチョコだ。

 

「あっ❤︎司令官が私をっ❤︎」

 

なんか知らんけど吹雪がビクンビクンしてる。

 

吹雪は可愛いですね。

 

次。

 

「はい、どうぞ」

 

「はい、ありがとう」

 

陸奥。

 

陸奥かぁ〜……。

 

中身は……、お、ホワイトチョコのボンボンショコラだ。

 

中身は……。

 

クリームだ。

 

良かった、クリーム……、これ……。

 

これ……、陸奥の母乳入ってる。

 

母乳入ってる。

 

これ、これ……、母乳入ってる。

 

「あ、あの、陸奥……」

 

「あら、どうかしたのかしら?」

 

「いえ、なんでもありませぇん……」

 

まあ、母乳ならセーフ寄りだな……。

 

次。

 

「はい、どうぞ、提督さん!」

 

「はい、どうも」

 

ゆっりゆっらら。

 

由良。

 

大きなハート形の細工チョコー。

 

お味はどうかなー?

 

ざりっ。

 

………………ざりっ?

 

え?

 

これは……。

 

「髪の毛……?」

 

「お味はどうですか?」

 

「あ、うん、味は美味しいけどこれ髪の毛……」

 

「うふふ、良かったです❤︎」

 

んー……。

 

セーフ!

 

次。

 

「はい、どうぞ」

 

海風か……。

 

去年の前科からして恐ろしいのだが……。

 

「潮チョコレートですよ」

 

「へえ、塩チョコレートか」

 

正方形の板状の一口チョコレートが並ぶ。

 

一口ぱくり。

 

………………。

 

「君さあ」

 

「ですから、潮チョコレートですよ」

 

「下ネタかよ!!!!」

 

どこの潮入れてんだよ!!!!

 

はぁ、まあ良い。

 

次。

 

レーベ。

 

「はい、どうぞっ!」

 

「はい、どうも」

 

赤っ。

 

ちょっと待ってこれ何????

 

チョコレートってか凝固した血液なのですが????

 

え、待って、これはいけない。

 

食べ物じゃないよこれ。

 

「どうぞ!」

 

行けってか!愛とは躊躇わないことなのか!助けてくれギャバン!

 

ええい、あばよ涙!

 

「じゃり」

 

血液ィーッ!!!

 

砂糖を添加した血液!

 

凄いな、これをチョコレートと言い張る勇気。讃えられて然るべきだ。勇者王かよ。

 

ベッドの上でファイナルフュージョンしてるからな……。

 

俺のディバイディングドライバーは今晩酷使される運命にあるから辛い。

 

助けてくれ凱にいちゃん。

 

次ぃ!!!

 

「はい、どうぞ」

 

………………。

 

「あの、時雨さん」

 

「何かな?」

 

「君、右腕の肘から先どこにやったの……?」

 

「まあ、こんなものは輸血すれば治るさ。それよりも、さあ、僕のチョコレートを食べてもらえるかな?」

 

「……この、丁度、君の右腕の肘から指先までくらいの長さと太さの物体がチョコレートだと?」

 

「そうとも」

 

んー。

 

んーーー?

 

んー。

 

「さあ、君、食べたまえよ」

 

んーーーーーーーーーー。

 

「ばりっ、みしっ、ぐちゃ……」

 

んーーーーーーーーーー。

 

ダレカタスケテ。

 

 

 

ふう。

 

チョコレートと思い思いの重い思いでお腹が重いと思う。

 

もう嫌だ、誰か助けてくれ。

 

俺は何にも悪いことしてないのになんでこんな酷いことを……?

 

「それじゃあ、一月早めのホワイトデーをいただきますね!」

 

「吹雪ちゃんー。ちょっと待とうか」

 

「司令官は私の中にホワイトチョコを出してくれれば良いんですよ、寝ててください」

 

んーーーーーーーーー。

 

もう良いや、抱こう。

 

「吹雪ー」

 

「あんっ❤︎」

 

抗うことを諦めた。

 

バレンタインだからね、みんなに甘くして良いんじゃないの?

 




旅人
搾られる。

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