旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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はあーあ。


479話 暗殺者現る!

「今日は涼しいな」

 

冬の終わりも近い二月のある日。

 

「こんな日は、早く帰って熱燗で一杯やりたいよな。そう思わないか、お嬢さん?」

 

「貴様……、新台真央だな?」

 

「イエスアイアム!」

 

黒いフードを目深に被り、茶髪のお下げを揺らす、刀を持った女が現れる。

 

街中だと言うのに人は一人もいない。

 

これは……、人払いの術式だ。

 

陰陽術だな。

 

「ならば……、死ね」

 

踏み込み……、速い!

 

「ヒュウっ!」

 

頬を浅く斬られる。少しズレてりゃ首が飛んでたな。殺意凛々だ。

 

「ちょっと待ちなよ!いきなり何さ、剣を振る前に話を」

 

「死ね」

 

「ぐぁっ!」

 

首を庇った左腕が斬り飛ばされる。

 

再生……、無理だ、間に合わない!

 

触手を伸ばして場繋ぎを!

 

「疾ッ」

 

突き!速い!

 

バフ盛ってない俺の倍は速い!時雨並だ!

 

こんなのに狙われる心当たりは……、あるけどまあ、ないってことにしておきたい!

 

ってか可愛いしいい匂いするし、美女に追われるのであれば何の問題もないのでは?何の問題ですか?

 

さて、迫る切っ先。

 

俺は。

 

「ライフで受ける!」

 

「なっ……!」

 

あえて刺さりにいく。

 

そして。

 

「捕まえたぞお嬢さんよぉ!」

 

「くっ……!」

 

フードのお嬢さんの刀を、柄を握るお嬢さんの手ごと掴む。

 

「『ブフーラ』ッ!!」

 

「ぐおっ、氷結?!」

 

魔法も使えるのか?!

 

くっ、身体が固まって動かない!

 

「出し惜しみはしない!来い、『アスラおう』、『サンダルフォン』!!!」

 

「何っ?!」

 

管による二重召喚だと?!

 

それにアスラおうとサンダルフォン!

 

このお嬢さん、極めてレベルの高いデビルサマナーか!!!

 

「『マハラギダイン』!!!」

 

「『メギドラオン』!!!」

 

「うっひゃおう?!!死ぬ死ぬ!!!」

 

馬鹿みたいな魔法バカスカ撃ちやがって!!

 

「チェストー!!!!」

 

「ぐああああああっ?!!!」

 

斬られた、深い!内臓がこぼれ落ちる。

 

慌てるな、致命傷だ。

 

「その首、頂戴仕る!」

 

「はいどーぞ!」

 

首をねじ切り、投げ渡す。

 

「なっ?!!!」

 

流石に首斬りはビビったか?

 

「ゆっくりしていってね!!!」

 

「ま、まんじゅう?!!!」

 

俺は最近、コンプアイランス的なアレコレに気を遣って、首だけになるとゆっくりになるように術式を組んでおいた。

 

グロは一切無い。

 

「ゆっくりびーむ!!!」

 

「うわあ?!!光った?!!」

 

俺は口からビームを出し……。

 

「なっ、何っ?!!」

 

「ふははははー!このびーむはおれがぜんりょくでつくった、きているふくのみをはかいするまほうのこうせんなのだー!」

 

黒フードおさげちゃんの服を破壊する!!!

 

「ふぅーはははー!これでかえれなくなっちゃったねえ!どうする、あいふるー!!!」

 

「舐めるなクズめっ!!!」

 

真っ二つにされた。

 

「ゆんやー!!!」

 

ヤバいな、ピンチだ!

 

と、そこに!

 

「提督殿!!」

 

「あきつまるー!」

 

「提督殿が饅頭に?!!」

 

あきつ丸が助けに来てくれた!!!

 

「ま、さか、貴様は……、神州丸?」

 

「あきつ丸……、この裏切り者め!」

 

あきつ丸と黒フードおさげこと、神州丸が刀で打ち合う。

 

「神州丸っ!聞くであります!自分の裏切りには訳が!」

 

「聞く耳持たん!!!はああああっ!!!!」

 

おーおー、スゲーバトルだ。

 

今のうちに再生しとこう。

 

「パイルダーオン!!!」

 

首をくっつけた俺。

 

「いや、どっちかって言うとビルドアップ!バンバンバンバンって感じだよね、頭取れてたし。神州丸ちゃんはどう思う?」

 

「知らんわ!!!」

 

なんでや、ビッグシューター風より速いんやぞ?

 

「じゃあターンXか?!」

 

「うるさい!黙れ!」

 

そんな、ひどい……。

 

冗談が通じないとは、心に余裕がない証拠だ。

 

死ぬ一歩手前でもジョークくらい言えなきゃ駄目だよ。

 

いつも心にチャップリンを一人二人配置しておくのが、人生を楽しく生きるコツだ。

 

モンティパイソンでも良いかもしれない。

 

哲学者サッカーは名作。

 

お笑いとはそもそも馬鹿には理解できないものなんだと分からせてくれるよな。

 

規範が、常識が、教養があってこそ、それと反することをあえてやり、他者を笑わせる。それがお笑いというものだろう。

 

決して、この俺のようなヤンデレエログロギャグハーレムのようなものは高尚な笑いではない。

 

あー、俺もメンサ向けギャグを繰り出したいなー!

 

でも俺、ハジケリストだからな……。

 

「と言う訳で聞いてくれ、これは俺がパン屋で働いていた時の話だ」

 

「はぁ?!」

 

 

 

×××××××××××××××

 

「いらっしゃいませー、いらっしゃいませー」

 

冬の午前のある日の話だ。

 

「焼きパンティ要りませんかー」

 

俺はパン屋でパンティーを売っていた。

 

ああ、安心してくれ、未使用品だ。

 

しかし……。

 

「畜生!売れやしねえ!」

 

俺は壁にぶつかっていた。物理的に。

 

「焼かなければ売れる」

 

因みに、店長はちくわぶだった。

 

「店長、しかし、ここはパン屋です!」

 

「発想の逆転だ、あえて焼かないパンティー」

 

ちくわぶ店長が決め顔で言った。

 

「なるほど……!」

 

 

 

そして、そのパン屋は、次の日からラーメン屋になっていたんだ。

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

「……どうだ?」

 

「……????」

 

「ぐはぁっ!!!」

 

いかん!あきつ丸のツボだったか!

 

「あきつ丸ー!」

 

「く、くぅ……、なんなのだこいつは?!頭がおかしい!」

 

「チクショー!あきつ丸になんて酷いことを!よくもこんなことを!How dare you!!!」

 

「い、いや!貴様がやったのだろう?!!」

 

「^ ^」

 

「なんだその顔は?!!!」

 

「えっ、てか君陥没乳首なんだ……、可愛いね」

 

「……殺すっ!!!!」

 

 

 

 

 

数回殺したら、必ず殺す的な捨て台詞と共に去っていった神州丸ちゃん。

 

可愛いね。

 

なんかよくわからんけど陸軍の刺客らしい。

 

次会うときにはお友達になれたらいいなー。

 




謎の暗殺者神州丸ちゃん
陥没乳首。

あきつ丸
とてもかわいい。

旅人
見て!旅人が踊っているよ!かっこいいね!
艦娘がヤンデレなので旅人は踊るのをやめさせられベッドに引きずり込まれました。
艦娘のせいです。
あ〜あ。

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