旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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話の統合性など……、どうでも良いのだぁ!!!!


488話 裏社会と会合

誤解しないで欲しいから言っておくが、黒井鎮守府に侵入しても即座に抹殺されることはない。

 

資料室や、俺が封印してる『危険物置き場』や、艦娘の寮に強行突入でもしない限り、問答無用で消されたりはしないのだ。

 

調子に乗ったバカやスパイなんかは、質疑応答の末に追い出すか……、実験体にするかだ。

 

俺の知り合いならフリーパスで入れるぞ。

 

IDカードとかを持ち歩かずとも、顔認証システムなんかが黒井鎮守府のネットワークに存在していて、黒井鎮守府のガードロボットが判別するからな。

 

四天王の分霊を鎮守府の四隅に置き、霊的な防備も万全だ。

 

俺の知る限りのトップ層の退魔師が現れても、五分は保たせられる計算だな。

 

だから、まあ、基本的に誰でも入れる。

 

流石に、黒井鎮守府の中で麻薬の密売とかやられたら捕まえるが。

 

ただ、一つ言っておきたいのは、黒井鎮守府は中立中庸の存在であることだ。

 

黒井鎮守府は利益追求と世界秩序の維持の為にのみ戦う。

 

深海棲艦との戦いも、世界秩序の維持の為の戦いの一環に過ぎない。

 

秩序を乱すものは極力排除するが、余計な戦いは避ける。

 

金で動く組織だが、秩序を乱すものには金を積まれても加担しない。

 

だがまあ、人が数人死ぬレベルなら、金次第で協力しちゃうかもしれないし、艦娘個人の交友関係はよく分からないんで、その辺は謎。

 

もう一度言う。

 

黒井鎮守府は中立中庸、利益追求と世界秩序の維持の為に戦う。

 

故に。

 

「蟲師のギンコだ。まず〜、……と言う訳で、この辺の光脈筋は、旅人が管理してるもんで問題はないみたいだ」

 

「蒼月潮だ。こっちも特に報告なしだぜ。白面の者が封印されたから、そうそう強い妖怪も湧かないさ」

 

「墨村良守。こっちも報告なし。烏森はもう閉じたんだ、俺もお役御免だ。ライドウさんは?」

 

「葛葉ライドウだ。こちらも特に大きな問題はない。去年の夏に、関東に『神霊:エロヒム』が召喚されたが、僕が調伏した」

 

「井河アサギです。対魔忍は前回も報告した通り、身内で反乱があり……」

 

勝手に会議室を使う『裏』の人々に文句は言わないのだ。

 

ただ一言言わせて欲しい……。

 

「なんでうちでやるの????」

 

会議は他所でやれ!!!

 

 

 

蟲師、獣の槍に選ばれしもの、結界師、デビルサマナー、対魔忍。

 

対『魔』のスペシャリスト達。

 

それが、何故か黒井鎮守府に集まる。

 

なんで????

 

そして問題は、俺もライドウさんに捕まって、会議室に放り込まれたことだ。

 

なんで????

 

????????

 

俺はとりあえず、懐からシングルモルトウイスキーを取り出して、魔法で氷を作り、ロックでウイスキーをキメた。

 

酒はいい、心を落ち着かせる。

 

「……帰ってもらえます????」

 

「おいおい、俺にばっかり仕事をさせて、自分は酒をかっ喰らおうってか?そりゃないだろ」

 

ギンコがそう言った。

 

「ん僕ぅ……、関係ないんでぇ……、帰らせてもらっても……、良いですかねぇ?」

 

「関係ないってこたあないだろう……。この辺の光脈筋を弄ってんのも黒井鎮守府、ヤタガラスに協力して悪魔を調伏して回っているのも黒井鎮守府、魔界から現れる妖魔を殺して回っているのも黒井鎮守府。おまけに、蟲師やデビルサマナーの道具を売るのも黒井鎮守府だ。あんたほど『裏』に関わっている奴はいねえよ」

 

ヒー。

 

「ギンコ、それ以上正論を言うと、俺は駄々をこねるよ?外見年齢28の男が泣きながら床で転げ回る姿を見たいか?」

 

「お、おう……、見たくないな」

 

俺は、ウイスキーを一気に呷る。

 

「あのさあ、黒井鎮守府はね、基本的に営利団体なの!利益があれば誰にでもつくの!」

 

そう、そうなのだ。

 

利益があれば、誰にでも味方をするのだ。

 

「でも、貴方達は、骸佐の反乱側につかなかったわよね?引き抜きの話があった筈よ」

 

アサギが言った。

 

「だってあれ、魔族がバックにいるんでしょ?魔族、ロクなことしないから嫌いなのよね、俺。魔族に協力するとか、長期的に見て不利益だものね」

 

「でも、ヤクザやマフィアには手を貸すのよね?」

 

「知り合いだしねー。それに、半グレが増えるくらいなら、強いヤクザ者が裏社会を統率する方が何かと楽でしょ?おたくら対魔忍だって、東城会と繋がってるだろ?」

 

「認めるんだ、君は最早、一般人ではない」

 

ライドウさんが言った。

 

俺は、懐からスミノフ、ウォッカを取り出して、瓶ごと呷る。

 

かーっ!美味か!

 

「いや、まあね、分かってるよ?俺はもう既に、一般通過旅人ではいられないってことは。だがね、何でうちが物事の中心みたいな話になるのかね?」

 

「いや、実際、旅人の兄ちゃんはいつも物事の中心にいるじゃねえか」

 

潮君が言った。

 

「それに、今一番力を持っている組織は黒井鎮守府だしなあ」

 

良守君が言った。

 

確かに、光覇明宗は白面の者との戦いで数を減らし収縮し、裏会もなんやかんやで壊滅した。

 

ヤタガラスも前政権の事業仕分けによる予算カットで、その力は全盛期の数分の一まで落ち込み、対魔忍も二車骸佐達の反乱によりゴタゴタしている。

 

蟲師は、自然のバランスを整えることが仕事なので、そう言った裏社会のゴタゴタには巻き込まれないが、それでも立派な異能者であるからして、裏の繋がりからは逃れられない。

 

けど、うちは一応、表の組織なんだけどな?

 

まあ……、邪魔な大本営の人間をこっそり消したりしてるけどさ、基本的には表側の組織なんだよ。

 

「あんまり『裏』の事情に巻き込まれてもなあ。確かに、君らと知り合ったのは、俺がなんとなく面白そうだからついて行っただけだし」

 

「でも、黒井鎮守府が戦わなかったら、日本は破綻するわよ?」

 

アサギが言った。

 

「そーなのよねえ。君らがガンガン仕事投げるから、うちはガンガン仕事引き受けちゃって……。逆に聞くけどさ、なんでそんなに仕事投げてくるの?」

 

「それは、仕事の出来が良いからよ。金を積めばほぼ百パーセント依頼を達成する上に、敵に加担しない傭兵組織よ?おまけに、戦闘以外にも、諜報や潜入、偵察に技術提供、魔界技術にも通じるって、どんな万能で都合のいい組織か分かる?」

 

「大体にして何で対魔忍には脳筋しかおらぬのですか????仮にも忍者ですよね????」

 

「……それは、その」

 

しどろもどろになるアサギ。

 

「私が戦闘タイプ寄りの対魔忍だから、私を目指す若い対魔忍はみんな戦闘タイプなの……。お陰で、潜入とか諜報ができるのは九郎隊くらいのもので、仕事がどんどん増えて……」

 

アサギの目が虚ろだ!

 

「わ、悪かったよアサギ……。今度仕事手伝いに行くし、デートもしてあげるからさ、ね?」

 

「ええ……、本当にありがとう……」

 

アサギ……、ちょっと泣いてるぞ?!そんなに仕事が忙しいのか……。

 

 

 

とにかく、今後も黒井鎮守府はくれぐれもよろしく、って事で解散となった。

 

ぶっちゃけ、実際に仕事やるのは艦娘だから、俺には殆ど関係ない話なんだが。

 




蟲師
蟲に対処する人々。

獣の槍に選ばれしもの
妖怪退治をするもの。

結界師
界を管理するもの。

葛葉
悪魔を操り、調伏するもの。

対魔忍
魔に対抗するもの。

旅人
関係ないようである。
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