でもまあ高評価くれる人いて嬉しいです。
今日も一日の業務が滞りなく終わった。昼間は、倉庫から武器を引っ張り出してきた艦娘達に稽古をつける日々が続いている。演習も終わり、皆、疲れが溜まっているのでは?
さーて、夕食後、休憩室でだらける、と見せかけて……。
「うむ、素晴らしい出来だな」
「もふ」
「お前に言われて、ノリと勢いで掘ったけど、かなりのもんだよな」
「もふもふ」
「まあ、掘る手間より役所とかに申請したり、水質調査する手間の方がめんどくさかったな!!」
「もふっ」
……そう、温泉である。首輪付きが、「この辺でいい温泉が掘れそうじゃね?」とのことなので、首輪付きと二人で、ほんの千メートル程地面を掘って、温泉を掘り当てた。皆んなにバレないよう、こっそりと計画を進行させ一週間、やっと完成したのだ。今夜、サプライズで提供しよう、そうしよう。
「じゃ、首輪付きよ、こっちに用意した別の風呂で一緒に一風呂浴びようぜ。一番風呂だぞ?喜べ!……あれ?首輪付き?どこ行った?」
「じゃあ、僕達もご一緒して良いかな?」
「嗅ぎ慣れないこの匂いは、温泉だったっぽい?」
…………番犬組ーーー!!!そ、そうか、普通は匂いで気付くか!!まあ鎮守府の風呂の裏だもんな!俺の馬鹿!!嗅覚が鋭いこの二人なら当然…………、ん?嗅覚が、鋭い?
「ああ、やっぱりこれ、温泉の匂いでしたか」
「おおー、凄いね、流石は提督だよー!」
猟犬組ーーー!!!しまった、この二人も鼻が利くんだった!!物理的に!!
不味い、このままだとまた混浴させられる!!番犬組ならまだ子供だと思えば行けるが、猟犬組は不味い!!重巡は洒落にならん!!結構出るとこ出てるから、この二人!!……逃げよう!!!
「あははは、どこへ行くんだい?提督?……逃がさないよ」
はい、知ってたー。
「良い湯ですね、提督」
まあ、皆さんの予想通り、捕まっちゃいました。ええ、捕まって、服を剥ぎ取られ、女の子用の露天風呂にぶち込まれちゃいましたとも。
俺なら逃げられたろ、だって?いやいや、無理よ、だって……。
「ね?だから言ったでしょ?提督は、しのごの言わせないで捕まえた方が良いって」
「提督と一緒だと、一段と気持ちが良いデース!!」
「いやぁ、露天風呂で月見酒!良いねぇ!」
「ぱんぱかぱーん!」
「流石に気分が高揚します」
「なるほど、これが日本のコンヨク!ハダカノツキアイ!!凄い文化ね!!」
鎮守府中が敵に回ったんだもの。
さっきから飲んでる隼鷹は、式神を飛ばしているし、陸奥も、すぐにこちらに飛びかかれる準備をしている。時雨と夕立は俺の手を掴んで離さないし、大淀は何故か隣にいる。気配を消しているが、近くには羽黒が潜んでいて、島風もいつでもスタートを切れる状態。
……こりゃ無理だ、申し訳ないけど。この子達を傷つけないで逃げるのは無理。観念しよう。
「はぁー、分かったよ、取り敢えず、髪を手拭いで巻くから、離してくれ」
「駄目だよ、逃げるじゃないか」
「提督、逃さないっぽい」
「あー、あのね?ここはそもそも、君達にリラックスして欲しくて作ったんだよ?……君達がそんなに気を張ってちゃあ、意味ないじゃん?」
「…………本当かい?」
「ま、実を言うと役得と思ってるくらいさ。良い女と混浴だぜ?喜ばないような不能じゃないよ、俺は。……だから君達あんまり近付かないで、流石にドキドキする」
「…………分かったよ、提督のこと、信頼してるから」
時雨と夕立が手を離すと、皆んなも警戒を解き始めた。そうだ、それでいい。折角の風呂で気を張るのは良くない。
じゃ、髪を纏めようか。……良し、OKだ。
「ん、いいよ、はい」
「……え?何だい、提督。この手は?」
「……お手?」
「え?手、握るんでしょ?髪纏めたから、握っていいよ」
「「…………うん!」」
腕に抱きつく様に手を握る時雨と夕立。
…………ふはははははは!!作戦成功!!要は、近付かれなきゃ良いんだよ!!後ろは壁、隣は子供の時雨と夕立!!もう何も怖くない!!
「ずるーい!私もー!!」
ふん!島風ちゃんめ!全裸より恥ずかしい艤装姿を見慣れてるんだ、怖くないもんねー!!
「もう、私もお側に置いて下さいね?司令官?」
如月ちゃんなんてただのマセガキですわ!!エロかわいいとかそんなあれは断じてない!!
他の駆逐艦達は、恥ずかしがって中々近づいてこないし(ただしガン見されてるけど)、大丈夫だわこれ。勝ったも同然ー!!(殺駆並感)スイカ割りしたいくらいだ!!
いやー、リラックスしますわ、俺も。たまにはさ?気を抜いてさ?ね?……まあ、気を抜かなかった試しがないんだけども。
まあ、ヨユーですわ、駆逐艦なんてね、子供みたいなもんやし。
「あは、提督の身体、凄い……❤︎」
まあほら、時雨に太腿をなぞられてゾクゾクするけど、子供やし。
「れろっ……❤︎提督の味……❤︎」
まあまあまあまあ、夕立に首筋舐められてるけど、子供やし。子供やし。
でもちょーっと危ないから、離れよう?子供だからって自分に言い聞かせてもキツイよ?
「はいはい、離れて離れて!」
「うん、良いよ?」
「分かったっぽい」
「アレ?」
意外に素直。どういうことだ?
「あはははははは、分かってるよ、提督。……僕の身体は子供のそれだ、悔しいけど、誘惑は難しい。……だから、もっと効果的なやり方を選ばせてもらうよ」
「私達、そこまでお馬鹿さんじゃないよ?自分の見た目くらい、客観的に見れるっぽい……。必要なのは、提督の理性?って言うのを無くしちゃえば良いってこと。少しづつ、少しづつ……」
両腕を掴まれたまま、温泉の奥へ。
んー?ちょーっと待って?ちょっと待って?そっちには……、
「それじゃ、陸奥、約束通りにね」
「ええ、捕縛ご苦労様。大丈夫、目一杯誘惑するから❤︎」
陸奥…………!!!
不味い、陸奥は駄目だ、理性が保たない!!
出るとこ出てて、それでいて引き締まった身体!!女優も裸足で逃げ出す美女!!
あっあっ、駄目、がっちり抱きつかれてる!
「逃げちゃダーメ❤︎……今日は、提督にリラックスしてもらいたくてね?楽しませてあげるわ、提督❤︎」
耳元で囁く陸奥。えっちすぎる。童貞ならとっくに死んでる。
「う、おおう!」
正面から抱き締められ、陸奥の大きな乳が身体に当たる。
「あらあら?私のおっぱい、気になるかしら?……触ってみる?」
触りてぇ……!!
「い、いや、と、取り敢えず、さ?す、座りなよ?身体冷えちゃうから、ね?」
「ふふ、そうね❤︎」
いかん、目の前の陸奥がかわいい!熱っぽい目で見つめられてる!!だ、駄目だ、このままだと押し倒しちまう、目を逸らして、
「ここは譲れません」
「あー!加賀さんばっかりずるい!私もー!」
ぷにぷに一航戦加賀に、ふわふわドラゴン蒼龍、だと?!!背中のこのぷにぷにとふわふわ、人を駄目にするってレベルじゃねえ、致死量だ!!!
「や、やめ」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいわね、これは……。ヌーディストビーチみたいなものかしら?……提督、その、私の身体はどうかしら?」
「いやあ、良い湯でありますなぁ……。提督殿には感謝してもしきれないでありますな!」
ぐおおおお!!!ビスマルクさんにあきつ丸ちゃんだとぉ?!!!ヤメロォ!!!そんな、デカイ乳は、本当に、ヤメロォ!!!
……よく見ると、辺りは、金剛型、空母、愛宕さん、龍田さん、摩耶など、(性的な意味で)超パワーの美女ばかりだ!!ソープじゃないんだぞここは!!!
「む、陸奥、か、勘弁してくれ!俺が何をしたって言うんだ?!」
「何もしてないわよ?」
「じゃあ、勘弁してよ!こんなん、我慢出来んわ!!」
「あらあら、我慢しなくて良いのよ?」
くっ、露骨に誘って来よる!!だがしかし、考えてみて欲しい!ここで陸奥とシンメトリカルドッキングした場合、周りの艦娘達はどうなるだろうか?!!
……『どうして?どうして私じゃないの?ねぇ、どうして?』
……『提督のお側に居れないなら、私の人生に意味なんて……』
……『やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ!!!!!』
大体こんな感じ!!多分。どの道、俺は死ぬ!!!
だれかたすけて。
「て・い・と・く❤︎……ちゅっ❤︎」
てめえこのふわふわドラゴン!!
「んっ、ぷはっ、あ、あのね?そう言うのはね、なんかこう、いかんよ?」
「えー?前にお酒飲んだ時はしてくれたよね?今は駄目なの?ほら、提督の好きなおっぱいだよ❤︎」
手を!胸に!挟むな!!
「い、いや、まあ、嫌いじゃないけどね?!」
「……えい!……ど、どうかしら、提督?!わ、私、スタイルには自信があるのだけど!!」
ビスマルクさん?!不味いですよ!!
「やめなよ、ビスマルクさん!これは最早全然日本の文化とかじゃないから!!」
「え、遠慮しなくても良いわ!わ、私が受け止めてあげるから!!好きにして良いのよ、提督!!」
やべー、やべー。どうすんだこれ。どうすんだこの状況。
……いや、そう言えば、夕立が「理性を無くす」とか言ってたような……?
つまり、今は本気じゃない。こうして狼狽えては、皆んなの思う壺!!
逆に考えるんだ、こう言う感じのお店だと、おっぱいパブ的な、なんかそんなんだと考えるんだ!!
しからば御免!!
「あっ❤︎提督……❤︎」
「んっ❤︎そんな風に、肩を抱かれては……❤︎」
……おお、この二人、肩までぷにふわ。
そもそも、だ。女の子と触れ合うのは慣れてる。肩を抱くなんて良くやったわ。AUO君に多額の借金(返す気無し)をして、ピュアな人だけが入れるキャバクラに通い詰めた俺の実力、見とけよ見とけよ〜?(天下無双)
「加賀、君の気持ち、分かっているよ。だから、焦らなくても良いんだ(イケボ)」
「提督……❤︎」
「蒼龍、俺の側に居てくれてありがとう、嬉しいよ。大好きだ(イケボ)」
「……あは、嬉しい❤︎」
「あきつ丸、ずっと仕える、なんて言わずにさ、もっと仲良くなろう?もっと親密な仲に、ね(イケボ)」
「……提督殿、よろしいんでありますね❤︎」
「ビスマルク、君は綺麗だ。美しいよ。もっと、君のことを見ていたいな(イケボ)」
「ほ、本当に……?嬉しい❤︎」
「陸奥、ごめんな。不安にさせちゃったんだよな?大丈夫、ずっと側にいるよ(イケボ)」
「提督……!分かったわ❤︎」
……ほらこんなもん。昔から、こうして肩を抱いて、適当な口説き文句をイケボで言えばどうにかなるんよ、俺は。雰囲気をエロく、ではなく、甘くしちまえば良い訳。ソープよりかはキャバクラの方がマシ。つまり、そういうこと。
あー、そう言えば昔、小遣い稼ぎに神室町でホストやったっけ。昔取った杵柄ってやつ?まあほら、艦娘ってのは皆んな得てしておぼこだし、こうして抱き締めたりなんだりして口説いちまえば勝ちよ。
……ただ、かなりキツイけど。歯の浮くような口説き文句を言うのは辛いもんよ?
まあ、問題はあれだ。
「「「「………………」」」」
あっちから凄い目で見てる他の子達も含めて、艦娘全員を口説く羽目になったってことかな?
番犬組
時雨、夕立。
猟犬組
古鷹、加古。
陸奥
できれば旅人を監禁したいが、どう考えても不可能なので、どうにかして逃げられないようにしたい。
旅人
自分のメンタルを犠牲に、必殺の口説き文句を放つ。