旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ピカチュウ見る。


494話 久し振りのバトル

「て言うかさー、君ら、陸の仕事ばっかりで、深海棲艦倒してなくね????」

 

ボブは訝しんだ。

 

「そんなことないですよ?」

 

大淀はそう言うが、最近は深海棲艦の数が減ってると思う。

 

これはどう言うことだろうか?

 

「適当な話の通じる深海棲艦をシメたところ」

 

「シメたの?!」

 

怖……。

 

「はい、シメたところ、深海棲艦にも波があり、一斉に攻める時と、力を蓄えるため静かになる時の2パターンがあると言っていました」

 

「なるほど、じゃあ今は、隠れて力を蓄えているんだね」

 

「そうですね。しかし、予想だとそろそろ大攻勢を……」

 

Beep!Beep!

 

サイレンが鳴る。

 

『鎮守府放送、鎮守府放送。太平洋側に一万を超える深海棲艦が集まっています。全戦力緊急出動してください』

 

ふむ。

 

「じゃあ、行こうか」

 

 

 

あちゃー、運が悪かったね。

 

いや、深海棲艦側が。

 

今回は、艦娘が殆ど残ってたんだよ。旅行フリークの海外艦チームも、オタ系も、暗殺系も。

 

いやほら、コロナの影響であんま外出れないらしくて。

 

だから、今は、艦娘がたくさんいる。

 

こんな時に襲撃してくるとか、運がないなあ、深海棲艦。

 

えーと……、総司令官はいつもの戦艦棲姫に、集積地棲姫の改造キメラ深海棲艦が多数、それとレ級とネ級、深海鶴棲姫、護衛棲水姫、防空埋護姫と、豪華メンバーが揃っている。

 

『黒井鎮守府……!!!今日コソハ殺ス!!!』

 

戦艦棲姫が叫んだ。

 

「戦艦棲姫ちゃん、今日のパンツ何色ー?!!!」

 

俺が叫んだ。

 

『………………貴様ハ、殺ス。艦娘ヲ一人一人念入リニ殺ス姿ヲ目ノ前デ見セテカラ、嬲リ殺シニシテヤル』

 

ぴゃー、怖い。

 

「まあ、うちも丁度今、コロナで仕事が少なくなってるし、深海棲艦の間引きもしなきゃだしね。いいタイミングだよ」

 

『殺ス!!!!』

 

「『全隊……、突撃!!!!』」

 

俺と戦艦棲姫が叫ぶ。

 

 

 

さあ始まりました、艦娘と深海棲艦の殺し合いグランプリ!

 

艦娘の先鋒を務めますは、駆逐艦!

 

対するは、チ級改改!

 

穴の空いていないのっぺりとした仮面と、耳まで裂けた口。肥大化した右腕にはガトリングレーザーが二門。同じく巨大な左腕には成形炸薬弾魚雷管が四門設置されているモンスター巡洋艦だ。

 

これが、六千体くらい。

 

えっ、大丈夫?と思うかもしれないが……。

 

余裕だ。

 

睦月型がガトリングレーザーの弾幕をクイックブーストで回避した。

 

如月は、圧倒的な機動性で翻弄し、すれ違いざまにとっつき……、パイルバンカーをぶち込んでいく。

 

皐月が両肩のミサイルで深海棲艦をマルチロックオン。ミサイルが突き刺さった深海棲艦は爆炎に呑まれる。

 

文月が三百六十度にパルスキャノンをばら撒き、全てを焼き尽くす。これは、あの、一本一本付いている棒があるじゃないですか?あれが……、全部パルスキャノン。

 

三日月が超巨大メイスを振るえば、深海棲艦がまとめて数体、全身の骨が砕かれて死ぬ。

 

 

 

次は巡洋艦!

 

対するはレ級改改。

 

レ級改改は、人型ユニットを廃して、蛇のような、ドラゴンのようなユニットのみになっている。

 

目の部分にレールガン二門、口に大出力メガレーザー砲、鋭い爪を持つ化け物だ。

 

これが三千体くらい。

 

まあ、それも余裕。

 

経験値泥棒こと川内が現れ、深海棲艦をサクッと殺していく。

 

五十鈴がツインバスターでローリングバスターして深海棲艦が蒸発する。

 

大井と北上がスーパー雷巡キック。あいてはしぬ。

 

 

 

そして主力戦。

 

戦艦のエントリー!

 

対するは、量産型姫タイプ改改!

 

最も古いタイプの姫、南方棲戦姫のデータを元に作られた量産型姫タイプの改良版を更に改良したもの。

 

男女どちらとも判別できない奇形の人型で、頭には人間のような二つの目と、頭の横に更に目がついている。そして、口も耳元まで裂けていて、ギザギザの鋭い牙が並ぶ。

 

武装は手持ちの高周波ブレード二本と、レールキャノン六門、プラズマレーザー砲二門、対空パルスマシンガン十二門のモンスターマシンだ。

 

並の鎮守府では、この量産型南方棲戦姫改改に出会えば更地にされる。

 

これがおよそ千体。

 

だがまあ。

 

それも、まあ。

 

余裕なんですよね。

 

金剛が一秒間に10回くらい蹴りを入れると、深海棲艦の全身の骨が砕けて絶命。

 

武蔵が殴ると、深海棲艦は文字通り弾ける。

 

長門は、迫り来るレールキャノンの弾丸を弾きながら、猛牛のように深海棲艦を吹き飛ばしつつ突進。

 

『ナンナンダ……、オ前ラハ一体ナンナンダーーーッ?!!!』

 

叫ぶ戦艦棲姫。

 

なんだと聞かれたら、まあ……。

 

武蔵を連れてくる。

 

「なんだかんだと聞かれたら」

 

「答えてあげるが世の情け」

 

「世界の破壊を防ぐため」

 

「世界の平和を守るため」

 

「愛と真実の悪を貫く」

 

「ラブリーチャーミーな敵(カタキ)役」

 

「ムサシ!」

 

「コジロウ!」

 

「銀河を駆けるロケット団の二人には」

 

「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」

 

「もふっ!(ニャーんてな!)」

 

こんな感じかな。

 

『……?!?!!?!』

 

「まあ、俺コジロウじゃないんですけどねー」

 

『キ、貴様、舐メヤガッテ!!!』

 

「こいつは首輪付き。猫っぽいしニャースということで勘弁してほしい」

 

『死ネエエエエッ!!!!』

 

迫り来る戦艦棲姫だが……。

 

「ふんぬ!」

 

『グハッ!!!』

 

武蔵に殴られて吹っ飛ぶ。

 

「好きな声優は榊原◯子さんだわ。まあ、林原め◯みさんも好きだけどさ」

 

『ナンノ話ダ?!!!』

 

「雨◯天さんなんだよなあ!!!」

 

望月がノってきた!

 

「高橋◯依さんだよなあ!!!」

 

初雪もノってきた!

 

「花澤◯菜さんだよねえ!!!」

 

秋雲もノってきた!

 

「榊原さんはもうおばあちゃんじゃん!!」

 

「なんだとコラー!!言っちゃならんことを!!」

 

………………

 

…………

 

……

 

「ん?」

 

あ、そんな感じで言い合いしていたら、深海棲艦が撤退してる。

 

『覚エテローーー!!!!』

 

あちゃー、逃しちゃったか。

 

まあ、また来たならまたぶっ飛ばせばいいしな。

 




深海棲艦
ただの案山子ですな。

旅人
キリッとした声が好き。

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