旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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チキンライス二キロ作っちゃった♡


502話 特に山場はない

よしよし、では早速、神州丸ちゃんを説得していこうか。

 

武器と、仲魔の入った管を没収されて、お漏らしで汚れた服も脱がされ、無地のジャージとシャツを着せられた神州丸ちゃんは、艦娘二人の見張りの下、黒井鎮守府内に拘束されている。

 

もちろん、ギアススクロールで、黒井鎮守府から出られないようにしてある。

 

アダマンタイトの手錠で動きを封じられた神州丸ちゃんは、天龍、龍田に両脇を挟まれた状態で椅子に座らされ、黒井鎮守府の一室にいる。

 

そこに、あきつ丸が俺と共に現れた。

 

「神州丸……」

 

「あきつ丸!貴様!裏切り者め!」

 

暴れる神州丸ちゃんは、両隣の天龍、龍田に取り押さえられる。

 

あきつ丸が、恨みの籠もった視線を向けてくる神州丸に、憐むような視線を返す。

 

「……何故だ?何故、裏切った?」

 

「裏切るも何も、先に裏切られたのは自分の方であります」

 

あきつ丸は、事の次第……、陸軍、大本営に騙されて、捨て駒のスパイとして黒井鎮守府に送り込まれたことを話す。

 

「……ということで、自分は拘束されて、本来ならば始末されるところを、提督殿の温情で生かしていただいたのであります。そして自分は、その恩義に報いる為に、ここで槍働きをさせてもらっている次第であります」

 

「……う、嘘だ!そんなことは聞いていない!」

 

「言っておくでありますが、自分は、何度も神州丸に連絡をしたでありますよ?」

 

「本官のすまほには、そんな連絡……!」

 

俺が口を挟む。

 

「ああ、それなんだが、軽く解析させてもらったところ……、神州丸ちゃんのスマホにはあきつ丸からの連絡をブロックするように、外部から設定を変えられていたぞ」

 

「な……?!そ、それは、本官のすまほに細工がされていたと?そんなの、信じられない!」

 

「手紙も出したのでありますが……」

 

「そんなもの、届いていないっ!」

 

「覚えていないのでありますか?いつか二人で、もっと旨いものが食べたいだとか、年頃の娘のように着飾って、遊んでみたいと語り合ったことを!」

 

「そんな話をした覚えはない!」

 

「神州丸……、本当は、気付いているのでありましょう?護国を謳っておきながら、国民たる提督殿の暗殺を依頼してくる大本営は間違っている、と……」

 

「……例え、例えそうだったとしても、我々兵士が裏切ることなどあってはならんのだ!!!」

 

「裏切りなど……!先に裏切られたのはこちらでありますよ?!」

 

「あ……、いや、国家に忠を尽くさなければならない」

 

「だから……!その国家が間違っているのであります!」

 

「国家に尽くさねばならない」

 

うーん?

 

様子がおかしいな?

 

「ちょっと失礼」

 

俺は解析魔法を使う。

 

……あー。

 

なるほど。

 

「天龍、龍田、押さえててくれるかな?」

 

「「はい」」

 

艦娘にも効く麻酔薬を、神州丸に注入!

 

「時雨、『視えて』いるんだろ?ちょっと来てくれ」

 

すると、時空の狭間から、時雨がぬるりと出てくる。

 

「何かご用かな?」

 

「神州丸を『元に戻して』やってくれ」

 

俺がそう言うと、時雨は、神州丸ちゃんに解析魔法をかける。

 

そして、納得したかのような顔をすると、一言。

 

「一時間もらうよ」

 

そう言って、時雨は、神州丸ちゃんを抱えて、再び時空の狭間に消えていった。

 

 

 

一時間後。

 

さっきと同じように、神州丸ちゃんと、天龍、龍田、そして俺とあきつ丸が集まった。

 

「本官に何をした?」

 

俺は、神州丸ちゃんに、ステンレスボードの上の金属片を見せる。

 

「これが、神州丸ちゃんの脳に仕込まれていた」

 

「こ、これは……?」

 

「まあ、簡単に言えば、洗脳チップだ」

 

「そ、そんな馬鹿な!」

 

「検査の結果、暴力性や敵愾心の向上と、命令と国家への絶対服従が設定されていた」

 

「そんな、そんなはずは……!」

 

「じゃあ、もう一回説得してみようか」

 

俺は、あきつ丸を前に出す。

 

あきつ丸が口を開く。

 

「神州丸……、どうでありますか、具合の方は」

 

「……おかしい。さっきまで、お前達が大嫌いで、憎んですらいたと言うのに、今は何も感じない」

 

「自分のことは、思い出してもらえたでありましょうか?」

 

「ああ……、どうして今まで忘れていたのだろうか?『首輪』をつけられて、牢獄のような営舎に閉じ込められて、貴様と色々なことを語り合った……」

 

「神州丸……」

 

「本官は……、本官は、騙されていたのだな……」

 

そう言って、神州丸ちゃんは涙を一雫、流した……。

 

 

 

その後は、拘束を解いてやり、俺と話をすることに。

 

「で……、神州丸ちゃん?どうする?」

 

「はい、こうなってしまっては、最早、陸軍には戻れないであります。その、本当に厚かましいこととは承知の上ですが……、よろしければ、提督殿の黒井鎮守府の末席に加えていただけないでしょうか!!」

 

ふむ。

 

「じ、自分からもお願いするであります!神州丸は、洗脳される前は、誠実な艦娘でありました!必ずや、提督殿のお力になれるであります!!」

 

あきつ丸もそう言って頭を下げた。

 

「もちろん、それは、こちらからお願いしたいくらいだよ。これからよろしく、神州丸ちゃん」

 

俺は、神州丸ちゃんの手を握る。

 

「あ、ありがとうございます!!!」

 




神州丸
脳内に洗脳チップを仕込まれていた。

旅人
全身に発信器付きチップを仕込まれている。
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