旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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誰か時間下さい。金も下さい。愛とか希望とか、そう言うキラキラした、僕が既に捨ててしまった美しいものも下さい。

あ、あと結局、パソコン直しました。僕、ディスクが手元にないと不安なアナログおじさんなんで、スチーム?とか言うの良く分からないんですけど、これ凄く便利な雰囲気。取り敢えずテラリア買いました。後はデッドスペースとかバイオショックとかホットラインマイアミとか買います。




53話 キス島侵攻作戦 後編

良し、噂の特殊な潮の流れは抜けたな。

 

あとは進むだけだ。

 

でもまあ、うちの艦隊の練度なら、苦労はしないな。

 

問題は、ここの海域を牛耳るボスだ。ボスを倒さなきゃ、海域開放には至らない。

 

で、そのボスっていうのは、大体は強力な深海棲艦だ。たまに、「鬼」クラスと遭遇することもある。

 

まあ、強力な深海棲艦は、理性がある奴が多いから、適当に懲らしめてから説得すれば帰ってくれるのが救いか。

 

そんなことを考えつつ、目の前の狂った深海棲艦をぶん殴る。

 

……こいつらも可哀想だよなぁ。無為に使い潰された艦娘達の怨みか、深海棲艦に殺された人々の怨みか、はたまた、海そのものの怨みか……、まあ、多分全部だろうが。理性はなく、姿形は酷く醜い奇形。ただただ、怒りのまま、怨恨のまま暴れるだけの肉人形。

 

昔の深海棲艦のように、見た目は艦娘と同じようで、海を汚す人々に警告を与える、そんなまともな深海棲艦は殆ど見なくなった。……母なる海が、人という種を滅ぼそうとしている。人は、もうそこまで海の怒りを買ってしまった。まー、親子ゲンカにしちゃ、やり過ぎだわな。

 

……ま、いいか。何を言っても、どうせ態度を改める奴なんていないし。俺がやることは、襲いかかってくる狂った深海棲艦を殺すこと、そして、たまにいるまともな深海棲艦を捕まえて、鎮守府近くの離島に住ませてやること。

 

今日は多分、これから鬼クラスの深海棲艦に会うだろう。そんな気がする。そいつにお仕置きしたら、後は言い包めてとっ捕まえる。それだけ。

 

 

 

……にしても、それらしいのには会わないな。もうキス島に着いたんだが。

 

島の中を探すか?もう陽が落ちてきたしな。早く帰りたい。残業はしない主義なんだ俺は。

 

でも、ここまで来たってことは、必ず近くにはいるはずだろう。まさか、島の中で戦うなんてことはしないだろうし……。

 

 

 

あ、殺気だ。

 

「全員、雷撃だ、来るぞ!」

 

「クッ!!先制雷撃?!」

 

「やってくれるね!!」

 

夜の闇に紛れていた深海棲艦が姿を現す。

 

『ホントウハ……ヨルハネェ……? トォッ……テモ……コワイノヨ…………?』

 

「駆逐、艦、か?」

 

「初めて見ますね、新型かも」

 

「だがまあ、話は通じるみたいだ。全員、殺さないようにな」

 

ま、鬼クラスなら、全力でぶつかっても多分死なないが。丈夫だからな、鬼クラス。

 

『……貴方ハ…………』

 

「え、何?俺のこと知ってるの?」

 

『ウン、知ッテル……。戦鬼ト空母棲鬼カラ聞イタヨ……』

 

あー、そういや、この前戦って逃したんだっけ。元気かな、あの二人。また会いたいもんだ。

 

『エッチナ人デショ?』

 

よーし、覚えとけあの二人。パンツ剥ぎ取ってやる。んで、下の毛剃って、代わりに前貼り貼ってやる。

 

『デモ、面白イ人デ、美味シイ物クレルッテ。……ダカラ、捕マエテ小間使イニシテヤルッテ言ッテタ』

 

……ふむ、前貼りは勘弁してやるか。下の毛剃ってブラジル水着で許そう。

 

『…………ウン、決メタ。貴方、カッコイイカラ、ワタシノ小間使イニシテアゲル……。アノ二人ニハ悪イケドネ』

 

小間使いかー。この子可愛いし、ちょっとアリかなーって。

 

「……あ"?」

 

「……はぁ?」

 

「……殺すっぽい」

 

「……舐めてんのか?」

 

「……行くよ、如月」

 

「はぁい、行くわよ〜。……殺してやる」

 

マジギレである。

 

いつもの戦法。三日月ちゃんが先行、真正面から。如月ちゃんが後から、裏に回って。

 

だが、

 

『無駄ヨ!』

 

「……へぇ」

 

「厄介ね……」

 

三日月ちゃんのメイスを自分の手で、如月ちゃんのパイルを艤装の手で止める。

 

成る程、見た目よりパワーもある、と。

 

『……凄イパワーネ。噂通リ。……来ナサイ……』

 

すると、海中から深海棲艦。駆逐艦ばかりだが、兎に角数が多い。

 

「はぁ、嫌だね、あの癪に触る馬鹿女を斬り刻んでやりたいのに」

 

「雑魚の相手は面倒っぽい。早くあの雌犬を処分しなきゃ」

 

殺す気やんけ!いかんぞ!

 

「もー、二人とも?殺しちゃ駄目って命令でしょ?」

 

お、島風ちゃん偉い。

 

「そうだな、提督に楯突いたんだ、死ぬより辛い目に遭わせなきゃ、割に合わねぇだろ?」

 

え?ちょっと待って木曾?今なんか怖いこと言った?

 

「き、木曾?その、できれば優しく」

 

「さあ、行くぜ!深海棲艦野郎!!皆殺しにしてやるぜ!!!ダブルトマホーーーク!!ブーーーメランッ!!!!!」

 

木曾ォ!!

 

そうしているうちに無双ゲーが始まる。大暴れしまくる皆んな。ヤバい。

 

「ふっ……、はあっ!」

 

「死ね!死ね!死んじゃえ!!」

 

「あはははははは!!遅ーい!!!」

 

うん、最早出て来た瞬間にモグラ叩きみたいに殺されてる。

 

『クッ!!』

 

深海棲艦を召喚するペースより、うちの子達が殺すペースの方が早い。

 

さあ、どうする?

 

『ナラバ!!』

 

へえ、また闇に紛れるか。でも、それは悪手だなぁ。

 

「……時雨、夕立、頼めるか?」

 

「分かったよ、木曾」

 

「……うぅん、匂い立つなぁ……」

 

「うん、そうだ、こっち。…………そこだね?」

 

砲撃の音が響く。

 

『ガァッ!!ナ、何故?!!』

 

いやあ、隠れるんなら匂いまで消さないとなぁ?姿は隠しても、ねぇ?

 

「それに、隠れるのもヘタクソね。足柄くらいには」

 

まあ、探知能力が高い二人からすればね。足柄、今は下手だけど、筋は悪くないと思う。

 

それはさておき、

 

「どうする?もうネタ切れ?今降参するなら、お仕置きは少なめで許してあげちゃうよー?」

 

『舐メルナ!!』

 

真っ向勝負か?良いねぇ。

 

だが、うちの子達は強いぞ?

 

『ハハハハハ……! ヤミノナカデ……シズメェ!』

 

砲撃。だが、うちの子達には掠りもしない。速攻で間合いを詰められる。

 

「喰らえ……」

 

時雨の刺突。大きく身体を逸らし、やっとやっと回避。

 

「おっそーい!」

 

島風ちゃんの踵落とし。本体の腕で受けるが、余りの鋭さに出血。あらら、死ぬ程の怪我じゃないけど、可哀想だ。後で治療してやらなきゃ。

 

「死ぃ、ねっ!!!」

 

夕立の月光を纏わせた聖剣の一撃。艤装の腕で受けるが、敢え無く斬られる。あの聖剣の神秘はそりゃあもう、凄い。夕立の筋力と技量も相まって、正に必殺の一撃と化している。

 

『グ、オオォ!!オノレ……!オノレェ…………!!』

 

いやあ、それなりに強い鬼クラスの子だけども、相手が悪かったなぁ。俺達と勝負するなら、鬼クラスで艦隊組んで来るくらいじゃないと。

 

『斯クナル上ハ……!!』

 

おお、こっちに来る。ジャパニーズ・カミカゼってやつか?いや、俺を人質にでもしようって魂胆かね?

 

 

 

だがな、俺の元に来るとはな、これまた悪手。それも、考え得る最悪の。

 

「そぉい!」

 

『…………?!』

 

はいスカートゲットー。

 

『カ、返』

 

「そぉい!!」

 

はい上着ゲットー。

 

『イ、イヤァァァァ!!!』

 

おーおー、反応が良いねぇ?おっと艤装パンチ。危ねぇな、回避。同時に艤装の砲を折り曲げる。

 

『変態!変態!!コノ変態ーーー!!!』

 

「ふははははー!!!なんとでも言え!!悪い子にはお仕置きだどー!!!」

 

知らん知らん。悪い子にはお仕置き。さあ、今回はどうするか。

 

『オ、オ前!!ハ、早ク服ヲ返セ!!』

 

「うるせぇ!そぉい!!!」

 

『パ、パンツマデ?!!イ、イヤァァァァ!!!!』

 

胸と股間を押さえて蹲る。なんか、悪いことしてるみたいですわ。

 

うーん、この子、肌が綺麗だ。……よし、決めた。

 

「行くぞ必殺!ボディペイントォ!!!!(水で溶けるタイプの絵の具使用)」

 

『キャアアアアアア!!!!』

 

 

 

完 全 撃 破 !!

 

 

 

 

 




出撃組
黒井鎮守府の中でも危ない連中。基本的に、強さと危なさは比例する。

駆逐水鬼
この後、回収され、深海棲艦の離島へ。

旅人
素早さと器用さに物を言わせたノースティリス流の窃盗スキルは無敵。

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