旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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無様エロが見てぇんですわ。



548話 雑魚相手には強キャラムーブできるマン

俺の名は……、まあ、いいだろう。

 

本当の名前は捨てたし、仕事用の名前ならいくつも持っている。

 

この業界にいる奴なんかみんなそうだ。

 

名前を捨てない暗殺者なんて、アサシン教団の正義の味方気取りのアホ共くらいのもんだ。

 

だが、俺の通り名である『ジグソー』は、裏社会じゃちょいと有名だぜ?

 

そんな俺は、とある喫茶店の地下室に、他の暗殺者と共に集められた。

 

俺達暗殺者は、定期的に顔も名前も変えるから、ここにいる奴らに見覚えはない。

 

だが……。

 

「くっくっくっ……、楽しめそうな仕事ならいいんだがなァ……?」

 

あの金色の腕輪をしている奴は、古代インカ文明の秘宝であるガガの腕輪の劣化コピー品……。

 

通り名を『ペイン』と名乗る男だ。

 

「ふん、くだらん……」

 

あっちの眼帯の男は、恐らくは魔眼使い……。

 

となると、『ジャッカル』だろう。

 

「早くしてくれないかな……、あと一時間二十四分後には仲魔に餌をやる約束なのに……」

 

あのCOMPを腕に巻いている奴はデビルサマナーだろう。

 

多分、『百々目鬼』だろうな。

 

そんなこんなで十人程の暗殺者が揃った。

 

『もしもし?聞こえてるかな?』

 

そして、プロジェクターにメシア教を意味する十字架が映る。

 

つまりメシア教からの依頼……、と見えるが真実は闇の中だ。もしかしたら、メシア教のふりをした全く別の組織が依頼主かもしれない。

 

ただ、俺達もある程度裏を取ってある。

 

相手はメシア教と見てまず間違いない。

 

『今回の依頼だが……』

 

話を聞いたところ……、黒井鎮守府提督、新台真央の暗殺の依頼だった。

 

確か、相当にしぶといとか……。

 

そして、強力な力を持つ神霊に守られていて、暗殺は非常に困難とも……。

 

なるほどな、この人数を揃えた理由は理解できた。

 

だが、数撃ちゃ当たる鉄砲玉扱いってのは気に食わないがね。

 

 

 

ターゲットは、普段は難攻不落の黒井鎮守府の中にいる。

 

なので、ターゲットが一人で外出している時が狙い目だな。

 

何日か、黒井鎮守府の周辺で待っていると、ノコノコとターゲットが外に出た。

 

ターゲットは、そこら辺の人間とよく話す。

 

それは丁度、古いマフィア映画のボスのように、武力と組織力で街の住人の悩みを解決していた。

 

多分、後で『友人としてのお願い』とか言って、便宜を図ってもらおうって寸法だろう。

 

今時は流行らないやり口だ。

 

さて、そんなターゲットが……、一人で裏路地に入った!

 

今だ!行くぞ!

 

俺がターゲットの後ろから襲い掛かろうとしたその瞬間……。

 

「ビガラパ『ムセギジャジャ』バ?」

 

「は……?」

 

ターゲットは、こちらを振り向いてそう言った。

 

何語だ、これは……?

 

俺は一応、五カ国後くらいは話せるが、こんな言語は知らない。

 

「『ムセギジャジャ』バ、ドビギデギス」

 

「な、何を……?!」

 

「あっ、なるほど、君は人間か。その『魔石ゲブロン』はどこで拾ったのかな?」

 

笑う。

 

笑っている。

 

子供に諭すように、道を尋ねるかのような気安さで。

 

「おや、ゲブロンだけじゃないね。『悪魔人間化』の施術もしているのか。得物は腰の鎖に吊るしたアクセサリーを、モーフィングパワーで槍に変えるってところかな?凄いね、それなら『ゴ集団』並みにゲブロンの力を使いこなしてる」

 

「な、なにを、何を言ってるんだ、お前は?!!」

 

意味不明ながらも、俺の全てを見透かすように考察してきた。

 

『魔石ゲブロン』ってのが何なのかはよく分からないが、俺は警察官を買収して、警察が保管しているマジックアイテムらしき魔石を裏ルートで手に入れて、それを自分に埋め込んだんだ。

 

『モーフィングパワー』や『ゴ集団』とか意味の分からない単語があったが、俺が腰に吊るしているアクセサリーを、魔石の力で変形させて武器にするのは、俺の秘中の秘だ。何故それを知っている?!

 

それだけじゃない、『悪魔人間』であることまで見抜かれた?!

 

「ん?ああ、その顔だと、ゲブロンがなんだか分かってないみたいだねえ。大方、警察を買収して裏ルートで購入したってところかな?」

 

何故だ、何故わかる?!

 

どこまで知っているんだ、この男は?!

 

「う、あ、うおおおおおおっ!!!」

 

堪らずに、隣の『ペイン』がターゲットに襲いかかった。

 

「へえ、ガガの腕輪のレプリカかな?でも君、実物は見たことないでしょ。再現性が低過ぎるもん。多分、ガガの腕輪の似姿を作って意味を抽出して、無理矢理神秘を引き出しているんだと思うけどどう?ああ、あと、君は対魔忍の系譜だね?足運びで分かるよ。多分……」

 

「死ねぇ!!!」

 

「ああほら、やっぱり。『ふうま』の家系でしょその動き。えーと、多分、『二車』の分家筋でしょ?それは知ってる」

 

半笑いで、ペインの放つ凄まじい速さの突きを避けるターゲット。

 

「こ、これでどうだ!」

 

『ジャッカル』が、魔眼を発動させる。

 

「ははあ、『炎焼の魔眼』か。久しぶりに見たなあそれ」

 

すると、ターゲットに火がつき、炎に包まれる。

 

だが、ターゲットは……、炎に包まれながらも平然と喋り続けた。

 

「良いねえ、レアな魔眼持ちは。ん?でも君、『オーグマン』だよね?魔眼はオーグマンとしての特殊能力とは別なのかな?でも、それは知ってる」

 

「や、やれっ!」

 

『百々目鬼』が仲魔を召喚する。

 

「あー、『リオレイア』の『ドラゴンゾンビ』か。なるほどね、知ってるよ」

 

だが、ターゲットは、百々目鬼の仲魔に施餓鬼米を叩きつけて怯ませ、攻撃をするりと避ける。

 

何だ、何なんだ?!

 

さっきから、「知ってる」だと?!

 

「そっちの君のそれは『クラヴマガ』だね。こっちは『鹿島新當流』で、これは……、『八極拳』か。知ってるよ、対処できる」

 

こ、こいつ……?!!

 

今まで……、今まで一体、『何を』『どれだけ』見てきたんだ?!!!

 

俺の持てる手札を全て切っても、どれもが全て『知ってる』の一言で簡単に対処された!

 

十人……、十人だぞ?!

 

一流とまでは言わないが、そこそこのランクの暗殺者十人に囲まれて、何故平然としている?!

 

「今手を引くなら見逃すけど、まだやる?」

 

「て、てめぇ!舐めるんじゃねえ!」

 

「そうか、じゃあ……」

 

「Wasshoi!」

 

ニ、ニンジャ?!!!

 

「ドーモ、暗殺者=サン。川内デス」

 

「最後の忠告だ、死にたくなければ消えろ!」

 

「じょ、冗談じゃねえ!」「やってられっか!」

 

何人か逃げたが、まごついていた奴は……。

 

「敵対者殺すべし!慈悲はない!イヤーッ!!!」

 

「「「「グワーッ!!!!」」」」

 

一瞬で殺された。

 

ひ、ひいっ!

 

やべえ、に、逃げなきゃ!!!

 

 

 

もう、もう二度と関わらねえ!

 

暗殺者なんてやめだ!

 

貯金でパン屋でもやろう……。

 




旅人
大抵のことは体験しているので、何をやっても「もう見た」で対処してくる。「グロンギだー!」「もう見た」「悪魔人間だー!」「もう見た」みたいな。なので、未知の行動をとる奴を見つけるとスッゲェ喜ぶぞ!とは言え、スペックそのものは神域に達することはないので、某水銀のように全てが既知でつまらなくなることはない。「今日の空と明日の空は違う、景色一つだって毎日が未知でいっぱいだ!人生は楽しい!」とのこと。

川内
ニンジャにして旅人のセコム。イエスはいばらの冠を引っ張るとウリエルが飛んでくるが、旅人は指パッチンすると川内がどこからともなくエントリーしてくる。

殺し屋
この後、殺人級に美味いパン『ジグソーパン』でそこそこに稼ぐ。
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