旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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弊社、自宅から遠いんだが。

ワープゲートって経費で下りますか?


578話 集結!奇人変人!

「攻撃開始ィーッ!!!」

 

瞬間、黒井鎮守府は街ごと浮遊!

 

移動要塞に変形した!

 

「うおお、マクロの空を貫いてェー?!!!」

 

やり過ぎだよ、明石?!

 

こんなんもうテロ組織認定されたら言い訳できないレベルじゃん!

 

銃刀法は艦娘という仕事の都合上まだセーフだけど、これはどう考えても破防法……、いや、気にしないでおこう。

 

かっこいいので許しちゃう。

 

「全砲門、斉射!砲門は自動照準モードで攻撃して、我が社のスーパーロボット部隊を援護してくれ!」

 

『『はい!』』

 

司令室の明石と夕張は、そのまま火器管制や機体制御を始める。

 

基本的にフルオートで動くらしいから、明石と夕張の仕事は微調整だな。

 

俺の指示通りに、黒井鎮守府要塞からにょきっと生えてきた多数の砲が、ちょっと洒落にならない火力を投射する。

 

そして俺は……。

 

「あきちゃん!」

 

「はーい、あきちゃんでありますよー♡」

 

おっぱい一揉み。

 

「あぁん♡」

 

……うむ!

 

「よおおおし!あきつ丸!何だか嫌な予感がするから国会議事堂に行くぞ!護衛してくれ!」

 

「了解であります!……あと、何故に自分は胸を揉まれたのでありますか?」

 

かわいいおっぱいがそこにあったから、つい……。

 

 

 

国会議事堂。

 

そこは今、修羅場も修羅場。

 

大量のニャルの化身に囲まれていた……。

 

「王虎寺超秘奥義!暹氣虎魂!!!」

 

その瞬間、議事堂の壁をぶち抜いて、超高密度の『氣』でできた虎が飛び出てくる。

 

これは……!

 

「桃さん!!!」

 

「新台か!」

 

内閣総理大臣、剣桃太郎さんだ!

 

うん、申し訳ないが、国会議事堂にいる最大の戦力は、総理大臣たる桃さんなんだ。

 

常に帯刀していて、狙撃でも何でも見切って避ける人にSPとか要らないでしょ?

 

だから、桃さんはSPをつけていないんだよ。

 

今回はそれが仇となったみたいだな。

 

桃さんの上質な気品あるスーツはズタボロ、切れた額から血を流している……。

 

恐らくは、戦闘能力のない一般的な政治家を身を挺して守り、怪我をしたんだろう。

 

ついでに言えば、議事堂を守っている一般通過SPさんでは、ニャルの化身を倒せない。

 

これは拙いな……。

 

「桃さん、状況はどうなってます?」

 

「拙いな。一般の議員が多く、手が回らない」

 

やはりそうか。

 

「あきつ丸」

 

「はっ!」

 

あきつ丸が朱槍を振るうと、複数体のニャル化身が消し飛ぶ。

 

「怪我人は?治療します」

 

その隙に、俺が懐からポーションを取り出してそう言った。

 

「任せる」

 

「いや、桃さんが一番ヤバいじゃないですか!治療受けてくださいよ!」

 

大体にして総理大臣でしょ貴方?!

 

あっ、行っちゃった……。

 

まあ良いか、驚邏大四凶殺でも大威震八連制覇でも天挑五輪大武會でも死ななかったんだし、どうせ今回も死なないでしょ。

 

それに、ああいうタイプの戦士は、傷付けば傷付くほど強くなるからなあ……。

 

論理的には、魔王の本体レベルの神秘濃度を誇る艦娘に、唯人である桃さんは勝てないはず。

 

だが、それでも、戦えば桃さんが勝つだろうという確信がある。

 

不思議だが、あの人が負ける姿は想像できないんだよなあ。

 

とはいえ、それはうちの艦娘達もそうだ。

 

俺はありとあらゆるものに負けるが、彼女達は強いんだ。

 

「……毎回思うのでありますが、総理大臣が人類最高峰レベルの拳法家なのはなんなんでありますか?」

 

「総理大臣だからね。強くなきゃ務まらないんだよ」

 

「えぇ……?」

 

「東條英機も強かったらしいじゃん?ヒトラーとガーナで空手と魔術を使って新しい国を建国したんでしょ?」

 

「どこ情報でありますかそれ????」

 

「北上がゆってた!」

 

「まーたクソ映画を見せられたのでありますか?!!目を覚ましてください、提督殿!!」

 

ばちーん!

 

「おれは しょうきに もどった!」

 

「アッ、壊れちゃったァ……!」

 

壊れてるのがデフォなのでセーフなんだよなあ……。

 

「ロシア式修理では旅人は治らないんだよ、旅人を治すならベッドの上でアクエリオン(意味深)しなきゃ」

 

「アッハイ」

 

「ところで、叩いて直すことをどうしてロシア式って言うんだろうね?」

 

「露助はアホだから叩くくらいしかできないんでありましょう(差別発言)」

 

「旧陸軍並みの反応やめちくりー」

 

そんな風に会話しながら、議事堂に入り込んだニャル化身を始末していく。

 

俺は、先日手に入れた獅子の大弓で遠距離攻撃。

 

あきつ丸は朱槍で物理攻撃だね。

 

そうやって戦っていると……。

 

「「「「桃ーーーっ!!!!」」」」

 

「うわあ」

 

男臭い連中が集まってきたぞぅ。

 

元男塾塾生の男達だ。

 

この場はもう大丈夫だな。

 

「一文字流斬岩剣!」

 

「マッハパンチ!」

 

「お前達……、来てくれたのか!」

 

なんか面白いことになってるなあ。

 

こんなんもうジャンプ漫画の展開じゃん。

 

スゲー……。

 

っと、議事堂内の安全確保完了だな。

 

「桃さん!全員を黒井鎮守府に送ります!」

 

「いや、俺はいい」

 

はぁん?

 

「日本国の危機に、首相として、真っ先に立ち向かう!」

 

アッハイ……。

 

「それでしたら、こちらのマップの方を見ていただけますか?マップのポイントは、病院や学校となっていますから、そこを優先的に守っていただけると助かります」

 

「病めるものや子供を守る……、うむ、そうだな。お前はどうする?」

 

「んー、そろそろだと思いますよ?」

 

「……?何の話だ?」

 

いや、だから……。

 

瞬間、空間が歪む。

 

空から飛んでくる。

 

大地を駆けてくる。

 

「ああ、来てくれたみたいです」

 

各地で仕事をしていた、うちの艦娘達が!

 

「さあ、みんな!ニャルに負けるな!一転攻勢だ!!!」

 

「「「「おおーっ!!!」」」」

 




桃さん
総理大臣。

あきつ丸
頭旧陸軍。

旅人
一転攻勢。

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