旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

579 / 593
ワクチンの三回目受けなきゃなあ……。

でも、あまり会社を休めないし……。


579話 英雄!一転攻勢!

一転攻勢!

 

俺達は、ニャルの化身をボコボコにしながら直進する。

 

「えい!」

 

比叡が砕く!

 

「やあっ!」

 

ビスマルクが貫く!

 

「ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー」

 

俺がBGMを担当する!

 

抜群だ……、抜群のコンビネーションだ……!!!

 

「ヘーイ、提督ゥー、危ないので退がっていてくださいネー」

 

「アッハイ」

 

 

 

「で、提督?作戦はどうしマスカー?」

 

金剛が俺を抱き上げながら聞いてきた。

 

作戦!

 

作戦は……。

 

「ないよ」

 

「え?」

 

「作戦はないよ」

 

「えぇ……?」

 

だって、ねえ?

 

「この世界の人達が真っ当に働けば、ニャル程度に負ける訳ないんだよなぁ……」

 

俺は、脳内の『瞳』で、世界を観測する……。

 

 

 

日本、東北地方。

 

「ヒョーーーッ、シャオッ!!!!」

 

『?!!』『!!!』『?!?!』

 

白髪の、男が、空を舞う。

 

ブラック企業に捕まり若白髪になった男だ。

 

今は、俺の紹介で『財団』のエージェントとして働いている。

 

その男の名はレイ、南斗水鳥拳の使い手。

 

真空の刃を発生させた手刀で、鉄をも切り裂くという拳法。

 

「ぬおおおおっ!!!畜生どもめえ!俺は今日、やっと取れた有休なんだぞ?!!!」

 

『『『『!!!』』』』

 

「何が『財団』のエージェントだ!またブラック企業じゃないか!アイリにももう半年は会えていないんだぞ?!ふざけるなぁ!!!」

 

『『『『?!!!』』』』

 

 

 

日本、東京。

 

「隼の術———」

 

黒髪の色っぽい女が。

 

刀を構えたまま、姿がブレる。

 

古いビデオテープの映像のように。

 

雷を操るとか、風を操るとか、そう言ったド派手な能力を持った『対魔忍』の中でも、ただ単に『早く動ける』だけの、それだけの能力なのに……。

 

最強の対魔忍の名をほしいままにする、この女は。

 

「———殺陣華!!!」

 

井河アサギ。

 

対魔忍の頭目である。

 

百を遥かに超える分身体。

 

これらは全て、限りなく『早く動いている』アサギの残像である。

 

それらの分身体は、それぞれが町中に広がり、ニャルの化身を一太刀で両断してゆく。

 

「召喚……、『前鬼』『後鬼』」

 

『『ゴアアアアッ!!!』』

 

鬼を呼び出し、刀を振るうのは、帝都の霊的守護の要たる、『ライドウ』。

 

今代の、葛葉ライドウである。

 

 

 

日本、海上都市新浜県。

 

「少佐ァ!何なんだあれは?!」

 

「知らないわ。でも、治安を乱す存在で、そして銃弾が効くなら、私達でも対抗できる」

 

「けっ、こんなの、『ヤタガラス』とやらの領分だろうが!三流アクション映画じゃあるまいし、なんで俺達が化け物相手に……」

 

『バトーさん、追加の弾薬ですー!』

 

『黒井鎮守府の方から流れてきた、退魔弾薬がよく効きますねー!理論はこれっぽっちも分かりませんけど!』

 

「タチコマ!火力が足りないわ、他の部隊にも援護の要請を!」

 

『わっかりましたぁー!』

 

青い小型ロボと共に戦うのは、公安九課。

 

 

 

日本だけではない。

 

イギリス……。

 

「お前は豚の餌だ」

 

『『『『?!!』』』』

 

「エイメェエエン!!!」

 

『『『『?!!』』』』

 

吸血鬼と、神父が踊る。

 

 

 

中国……。

 

「無寸勁……」

 

『?!!』

 

「石破!天驚拳!!!」

 

『『『『?!!』』』』

 

中国武術の頂点たる海王が、マスターアジアが。

 

 

 

アメリカ……。

 

「ジャービス、このままでは埒があかない。予備のスーツを遠隔操作して、人々を守れ」

 

『よろしいのですか?今期の予算は……』

 

「構わんさ、金より人命だろう?」

 

『了解しました』

 

「通信回線オープン……、キャプテン!そちらはどうだ?!」

 

『順調だ。ソーの攻撃がよく効く、恐らく敵は神秘関係だろう』

 

「そうか、それは面倒だな。私は《鉄の男(アイアンマン)》だからな、魔法やら何やらは専門外だ」

 

『そちらにはスパイダーマンを回した、協力してくれ』

 

「分かった」

 

ヒーロー達が。

 

 

 

世界の全てが、理不尽に抗っている。

 

 

 

「確かに、この世界はこうやって、定期的に滅びそうになるヤバいところだ。だけど……」

 

そう、だけど。

 

「世界はこんなにも、素晴らしい!」

 

英雄達が吼える、声が聞こえる。

 

そう、そうだ。

 

黒井鎮守府なんて、本来は不要なんだ。

 

だって、この世界には英雄がいるから。

 

俺が手を出さなくても、英雄達は、愛おしき我が友人達は、世界を守ってくれる。救ってくれるんだ。

 

俺は、俺達はただ、その手伝いをすれば良い。

 

俺は英雄にはならないし、なれないが。

 

英雄達を助けることはできる。

 

黒井鎮守府の中でもそうだ。

 

強く美しく、海の平和を守る艦娘達。

 

俺は、それと肩を並べて戦えるような存在じゃない。

 

だが、彼女達を守ることはできる。癒すことはできる。

 

俺はそうする、そうするんだ。

 

旅人号二号!発車!

 

ニャルの化身共にひき逃げアタック!

 

そして、窓を開き……。

 

「こんにちは!デリバリーです!ご注文の品をお届けしましたぁ!!!」

 

俺は、戦闘中のアサギとライドウさんにおにぎりをパスする。

 

「「えっ頼んでないんだけど」」

 

「まあまあ、そろそろ休んだら?うちの子代わりに連れてきたから、交代ってことで」

 

「「は、はあ」」

 

「じゃあ俺、他のところにも宅配しなきゃだから……」

 

旅人号一号!離陸!

 

そう言って俺は、飛行する旅人号から、戦闘中のスーパーロボット部隊に突撃する。

 

『新台さん?!危ないですよ?!!』

 

「甲児くぅーーーん!!!昼メシの時間だーーー!コクピット開いてホイ!!!」

 

「ああもう……、分かりました!ほら!」

 

「受け取れぇーっ!!!渾身のシャケおにぎりだあああっ!!!!」

 

「ありがとうございます!!!」

 

「どういたしましてぇ!!!!」

 

さあさあ、まだまだやるぞ。

 

 

 

「うおおおお!英雄の皆さーん!飯の時間だぞーーー!!!」

 




《旅人謹製パイロットおにぎり》
パイロットのSPを100回復。
1マップにつき、1回のみ使用可能。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。