旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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582話 旅人昔話 その2

途中で何人かの生存者を拾いながら、集団で集まって協力しながら移動……。

 

俺は、幼女を抱っこしながら移動して、知り合いの銃砲店に辿り着いた。

 

「ダディはね、てっぽう屋さんなの。けーさつの人とお友達なんだって」

 

「そっかぁ〜!エマちゃんはかしこいなあ!!!」

 

幼女は、かわいい。

 

かわいいので全て許される。

 

「ダディは、ロバートって言うんだー」

 

「……ロバート?ロバート・ケンド?」

 

「お兄さん、ダディの知り合いなの?」

 

ロバートさんと言えば、この近所の銃砲店の店主だ。

 

ジルさんにこの前紹介されたな。

 

それに、銃砲店なら武器もあるはず……。

 

とりあえず、そこに向かうか。

 

 

 

っとぉ……?

 

「撃て!撃てー!」

 

「おい何してる!バリケードを抑えておけ!」

 

「馬鹿!前に出たら……!」

 

ケンド銃砲店はどうやら、バリケードを築いて籠城中のようだ。

 

「イクゾーーー!!!!」

 

「「「「おおっ!」」」」

 

俺は、六角棒をぶん回して、ケンド銃砲店に群がるゾンビを殴り殺す。

 

ついてきた生存者達も、思い思いの武器で応戦してくれた。

 

「おおっ!あんたは、旅人!」

 

「ロバートさん、生きてたんですか?しぶといですねえ。あ、娘さんお返しします」

 

「ダディ!」

 

「エマ?!あんた、俺の娘を守っていてくれたのか?!!」

 

「いやあ、かわいかったんで拾ったんですが、まさか貴方の娘さんだとは」

 

「……やらんぞ?」

 

「アッハイ」

 

 

 

さて、ケンド銃砲店に集まった生存者。

 

合計で二十人くらいかな?

 

我々は、人海戦術でそこら辺から車や物資を運んできて、銃砲店を要塞化した訳だよ。

 

そこで俺は軽食を作り、配り歩っていた。

 

「だから、原因を究明しないとだな……」

 

「逃げることの方が先決よ」

 

「しかし、何も考えずに歩って逃げるのか?」

 

「車を使えば……」

 

「いや、それは無理だ。道路は車でいっぱいだからな、車は動かせそうにない」

 

「クソ、国は何をやっているんだ?!」

 

「はーい、ご飯だよー。イライラしてる人は甘いものもあるよー」

 

「「「「あ、はい」」」」

 

「エマちゃんもお兄さんとご飯食べようねぇ!」

 

「わーい!」

 

ご飯を食べられないとお腹がすくじゃないか。

 

お腹がすくと怒りっぽくなるじゃないか。

 

怒ると胃に悪いんだ。

 

胃が悪いとご飯が食べられなくなるんだぞ。

 

ご飯が食べられないとお腹がすくじゃないか。

 

つまりそういうことだ。

 

「さて、食べながらでいいから聞いてもらえます?」

 

俺は、ホットドッグ齧りながらこう言った。

 

「このままだと、どの道全滅する」

 

と。

 

「質問は後回しにして、とりあえず聞いてくれ。今回のこのゾンビは、アンブレラ社のウイルスが……」

 

………………

 

…………

 

……

 

「……と言う訳だね。だからつまり、これから俺達は、『脱出手段を探す』ことと、『Tウイルスのワクチンを探す』必要がある訳だ。両方をやらなくっちゃあならないってのが、生存者のつらいところだな」

 

「「「「………………」」」」

 

俺がそう言うと、一気に落ち込む生存者さん達。

 

えぇ、困るよ。

 

男は割とどうでもいいが、美人が辛そうにしているのは耐えられない。

 

俺の勘だとどうにかなりそうな感じだし、そんなに深刻な話じゃないんだけども……。

 

それにさあ。

 

「脱出手段は最悪(魔法で)どうとでもなるから心配なし。問題のワクチンだが、保存場所は既に分かっている」

 

「「「「おおっ!」」」」

 

俺は、ラクーンシティの地図をべろりと卓上に広げる。

 

「ここだ」

 

赤いピンで刺したのは……、「ラクーン大学」だ。

 

まあほら、大学病院ってやつだよね。

 

基本的に街ごとグルなんで、市の直属の大学が悪の組織の研究所になっててもおかしくない。いや、おかしいが。

 

そんな時。

 

「誰か!そこにいるの?!」

 

と、バリケードを叩く人の声が聞こえた。

 

この声は……。

 

「ジルさん!」

 

 

 

「ジルさん!生きてたのか!」

 

俺はジルさんに抱きついた。

 

「やあっ!」

 

「グエーッ」

 

そして、普通に投げ飛ばされた。バリケードの一部となっている棚に頭が突き刺さる。

 

そのままの状態で、俺は会話を始める……。

 

「ジルさん、今までどこに?」

 

「皆と一緒に行動していて……、途中でアンブレラ社の特殊部隊と会ったわ」

 

そこにいたのは、ブラッド、バリー、レベッカなどなど。

 

洋館事件で俺が助けたりなんだりして生き残ったS.T.A.R.S.のメンバー達がいた。

 

「へえ」

 

「アンブレラ社の特殊部隊は、一応、敵ではないみたいね。地下鉄で脱出しようと市民を集めているわ」

 

ふむ。

 

「ジルさん、悪いが、それはやめておいた方がいい」

 

「……何故?」

 

「ここにいる全員、既にウイルスに感染しているからだ。逃げてもどの道、逃げた先でゾンビになる」

 

「……そんな!」

 

ショックを受けるジルさん。

 

いや、皆、顔面を蒼白にしている。

 

「だが、ラクーン大学にワクチンがあるらしくてさ。俺はそれを手に入れるつもりだ」

 

「手伝わせて。私は戦うことしかできないけれど……、ブラッドは化学についての知識があるから、ワクチンについて何かわかるかも」

 

「助かる」

 

「私は、アンブレラ社の特殊部隊に、ワクチンの情報について伝えてくるわ」

 

ああ、この頃はPHSとかでなあ。

 

街のどこでも4G通信とはいかないんだ。それに、バイオハザード騒ぎで通信網が遮断されている。

 

だから、連絡するのにも人が移動しなきゃならない訳なんだよね。

 

「分かった。こちらで避難民を受け入れるから、そっちはそっちで動いてね。あ、それと、大学からガメて来たワクチンの構成式が尻ポケットにあるから、ブラッドに見せて」

 

「ええ……。これね?ブラッド」

 

「ああ」

 

そして、生存者の中にいた医者のジョージと名乗る男も書類を読み始めた……。

 




ビスマルク
「へえー、こんなことがあったのね」
「ラクーンシティ事件の真相、初耳だわ」

アイオワ
「oh……。MEの世代が命をかけて守ったアメリカの未来がこれなの?流石に怒りを覚えるわね」
「許せないわ、アンブレラ!」

旅人
「まあうん……、この当時の俺はまだ弱かったから」
「守れなかった人も多いんだよなあ」
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