旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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いやあ……、生きるの飽きたな。


588話 民間に媚びる

「民間に……、媚びよう!」

 

俺は、握り拳を作って突き上げた。

 

「「「「……?」」」」

 

本気で分からないと言った顔をする艦娘達……。

 

仕方がない、説明してしんぜよう。

 

「相変わらず、黒井鎮守府の評判は『ヤベー奴ら』です!これはいけません!なので、評判を上げる為に民間向けのイベントをします!!!」

 

「アドベント?」

 

「与えられた命はチャンスではない」

 

「ベン・トー?」

 

「見てない」

 

「サーペント?」

 

「ダブルガトリングガンいいよね……」

 

「いい……」

 

さて。

 

「はい、イベントです。内容はどうするか?みんなに決めてもらいます!」

 

「公開処刑とかどうかな?」

 

「時雨、後でお尻ぺんぺんね」

 

「ああ……、分かったよ、提督♡」

 

それを聞くとマゾ艦達がシュババと動き始めるが、俺はそれをスルーして他の艦娘に目を向けた。

 

尚、スルーされたマゾ艦達は、無視されたことにより勝手に悦び勝手に気持ち良くなっていた。

 

黒井鎮守府の床はもうびちゃびちゃ。

 

「では、兵器の展覧会とかどうです?」

 

「おっ、それ良いね!」

 

明石が久しぶりにまともなことを言った!偉い!

 

「私はぶっちゃけ、作ることにしか興味がないんですけど……、作ったものが売れないと、次のものを作れませんからねえ」

 

と、明石はつまらなそうに言った。

 

「入場料は、大人で千円くらいにしておきます。無料ですと、民度が低い奴らが集まってくるので」

 

と、今度は霧島。うちの財務担当だ。

 

うんうん、話がまとまってきたな。

 

「黒井鎮守府、兵器博覧会……。やってみようか!」

 

 

 

九月の末ごろ。

 

黒井鎮守府が一般開放され、兵器博覧会が始まった。

 

入場料以外にも、併設された黒井鎮守府カフェと黒井鎮守府ビアホール、黒井鎮守府お土産店で金を搾り取るスタイルだ。

 

兵器オタクや、そう言うのが好きな子供、酒や土産目当ての親なんかがやってくる。

 

美人コンパニオンを用意して、まるで新型の車を見せるかのように盛大に博覧会だ。

 

美人コンパニオン?

 

艦娘ではないよ。あの子らは俺以外には傅かないから……。

 

雇ったのは退役した対魔忍の人達かな。

 

この人達、頭はアレだけど見た目は百点満点だから……。

 

まあでも頭がアレなので重要な仕事は任せられないけどね!

 

とりあえずバニーガールの衣装のまま、愛想を振りまいてもらうだけだ。

 

この人らは、黒井鎮守府の技術なんかこれっぽっちも知らないし理解していない。頭がアレだから。

 

なので逆に、従業員兼警備員として信頼できてしまう。

 

対魔忍の悪いところは、頭がアレ過ぎて言うことを聞いてくれないところなのだが、一度敗北して心身共に壊された後、救出してあげると、ちゃんと話を聞くようになるのだ。

 

ゆきかぜちゃんみたいな、もう本当にトップクラスのアレでもない限り、ちゃんと話を聞いてくれるようになる……!

 

やっぱり痛い目を見るって大事だなあ。

 

痛くなければ覚えませぬ。

 

いや、擁護しておくと、頭がアレなこと以外は本当にまともなんだよ?

 

「こんにちわ!楽しんでいってね!」

 

「うん!」

 

今もほら、笑顔で子供に手を振っている。

 

あれだけ純真な笑顔を子供に向けられるのは、優しい人だ。

 

「こちらは、黒井鎮守府が製作した人型ロボット兵器の『グルンガスト』です!現在では参式までの三種類がロールアウトされており、日本軍の制式採用ロボットで……」

 

元対魔忍コンパニオンが、カンペを使って飾ってある兵器の説明をする。

 

目をキラキラさせた子供が、元対魔忍コンパニオンに抱っこされて、操縦席に乗せてもらう。

 

軍用の戦闘シミュレーターなんかも使えるので開放しているが、ゲームみたいで面白いと評判だ。

 

因みに、このシミュレーターは本物なので、良い成績を出した人がいると……。

 

「きみ、いいからだしてるね。黒井鎮守府機動兵器部隊にはいらないか?」

 

と、横からうちのゾンボルトさんとかが出てきて勧誘し、任意同行(任意とは言ってない)してもらう。

 

「ふむ……、シングウジ君か。荒削りだが、良いパイロットになるだろう」

 

「い、いや、俺は……」

 

む、いかん。

 

才能がありそうな子が逃げそうだ。

 

って言うか誰だ?スカウト担当をゾンボルトさんにしたのは。

 

セツコさんとかイルイちゃんとか、もっとまともなの連れて来いよ!

 

「あーっと、シングウジ君だっけ?」

 

「え、あ、はい」

 

「これ、うちの従業員の写真」

 

そう言って、水着姿のチトセちゃんのプロマイドを渡す。

 

「おおおっ!!!」

 

露骨に喜ぶシングウジ君。

 

「うちに入社してくれたら、可愛い子いっぱい紹介できるんだけどなあ……?」

 

「にゅ、入社します!させてください!!!」

 

ふ、勝ったな……。

 

「社長、このことは奥方様に報告させていただくので」

 

「おっっっと……?ゾンボルトさん????待ってください、許してください!なんでもしまむら!!!!」

 

「しかし」

 

「待て待て待て待て!話し合おう!何が欲しい?予算か?!ボーナスか?!!」

 

うおお!唸れ俺のポケットマネー!

 

「いえ……、奥方様から、見張っておけと命じられております故」

 

「ヒェー!!!!」

 

この後めちゃくちゃ怒られた。

 




霧島
予算に厳しい。

ゾンボルトさん
機動兵器部隊の偉い人。

旅人
「ま、待ってくれ!俺の、スパロボ美女グラビアファイルだけは勘弁してくれ!」

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