旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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年の瀬に俺は何を書いているんだろう……?


592話 練乳の味

「今年も終わりかー」

 

俺はそう呟きながら、休憩室でホールケーキを頬張る赤城を捕らえた。

 

フォーク一本で直径30cmはあるケーキを持ち上げて、一口でホールケーキが消滅するが、まあそんなこともあるよねー。

 

ギャグ漫画みたいだけど、ほら、この世界はタチの悪いジョークみたいなもんなのでセーフでしょ。

 

「赤城ぃ〜」

 

「や、やめてください〜」

 

赤城の腹肉をこねこねこねこね……。

 

あー幸せ。

 

「赤城、ほら、はーってして」

 

「え?は、はーっ?こうですか?」

 

俺は、赤城の口臭を嗅いだ。

 

その瞬間、脳内が痺れるほどの甘み!

 

最早、匂いだけで甘味を感じるレベル!

 

エ"ン"ッッッ!!!

 

……っはぁ〜、いい匂いだぁ。

 

クククク……、赤城は贅肉、ムダ毛、体臭そしてドスケベが含まれている完全美女(?)だァ……。

 

「あ、あの、提督……?そ、その、ですね?私も流石に恥ずかしいと言うか……」

 

顔を赤らめてもじもじする赤城。

 

かわいいね。

 

「普通に!普通に可愛がってください!」

 

普通に……?

 

つまり、こうか!

 

俺は、赤城の脇の匂いを嗅ぐ。

 

脇汗がほんの少しだけ染みになる程度染み込んだ芸術的な塩梅だ。

 

冬なのに汗染みとは、流石は体重XXXkgなだけある。体脂肪率40%超えは伊達じゃない。

 

そして肝心のその匂いは……。

 

あっっっまい!!!!

 

毛穴から糖分を排出してんのかい?!

 

あーいい匂い……。

 

やったぜ。

 

「普通に!!!普通に!!!」

 

はいはい、分かってますよ。

 

俺は、赤城を抱きしめた。

 

信じられないほどのデカ乳がもっちりずっしり身体を温める……。

 

身長差的には、俺より頭ひとつ分くらい小さいからな。

 

ついでに上から頭皮の匂いも嗅いでおく。

 

頭皮も激甘ふわとろ。

 

凡そ人体の匂いではない。

 

蟻とか寄ってきそう。アリだー!

 

ヨシ!

 

何も良くないがヨシ!

 

しかしここでおもむろに振り返ると……。

 

「………………」

 

むっ、とした顔の加賀が!

 

「加賀」

 

「……提督は赤城さんと愛し合っていれば良いでしょう?私は要らないのでは?」

 

あ、ちょっと不貞腐れてる。かわいい。

 

「そんなことないよぉ〜!加賀も大好きだよぉ〜!」

 

なでなでなでなで……。

 

すると加賀は、ムフーと鼻息を吐いてから、こう言ってきた。

 

「流石に気分が高揚します♡」

 

あぁ^〜。

 

助けて赤城さん。俺、この娘のこと好きになっちまう。

 

「むー……!」

 

そうやって俺が加賀ことを可愛がっていると、嫉妬した赤城が逆側から抱きついてきた。

 

XXXkgの肉の塊の突撃は、かなりの衝撃があった。オックスくらいあった。いや、最早ブーストチャージだ。

 

だが俺の安定感はタンク並みなので、辛うじて耐えることができた……。長男だし耐えられたよ。

 

「提督!私のことも可愛がってください〜!」

 

おほー!

 

あ、赤城くん!そんなに腹肉を押し付けては……!

 

「頭にきました。提督、私も愛してください」

 

おほー!

 

加賀もか!

 

デカパイにムッチリ腹肉が、俺の両脇からサンドしてくる。

 

赤城の方からは、気体化したグラブジャムンのような匂いが。

 

加賀の方からは、フローラルでありながらも生々しい女の香りが。

 

並の男なら、圧倒的な雌フェロモンで性癖こわれちゃーうだろうな。

 

俺は無敵なのでセーフだが。

 

そしてしかも……、これは!

 

二人の胸の先が濡れている!

 

「ペロッ……、これは母乳!」

 

やったぜ!

 

「あ、そういえば提督、ご存知ですか?母乳って、人によって味が違うんですよ」

 

「ああ、そうなんだってね」

 

「「飲み比べ、してみませんか♡」」

 

「はい」

 

はい。

 

 

 

美味しい美味しいヤミーヤミー。

 

ハッピースマイルなんだよなあ。

 

……ところで、赤城の母乳を搾って煮詰めたところ、練乳になったんだけど、これ大丈夫なやつ?

 

子供に飲ませて良いのこれ?糖尿まっしぐらでは?

 

……まあいいや、その辺は俺はちょっと分からない。

 

俺もまあ、魔界から来たベルゼバブの赤ちゃんを不良の子とあやしたりしたことはある。あとはスタンド使いの透明な赤ちゃんとか。

 

そもそも赤城が産んだ子なら、赤城の母乳にも耐えられるだろ。多分。

 

そんな感じで俺が煮詰めた赤城の母乳をイチゴにかけて摂取していると……。

 

「………………」

 

ニコッと微笑んだ雲龍がいた。

 

ごめん嘘、表情筋は殆ど動いてない。

 

クールキャラだから。

 

その雲龍が、無言でコップを差し出してくる……。

 

コップには、乳白色の液体が並々と注がれている。

 

なるほどね?

 

俺は雲龍が差し出した液体を飲み干した。

 

うーん、飲み慣れた味。

 

最近は「おっぱいが張っちゃって困ってるんです〜♡」という名目で、俺はありとあらゆる場面で母乳を飲まされる。

 

ベビベビベイベベイベベイベって感じ。

 

乙女チックなことを!

 

……イエスだね!

 

今では日課のランニングの終わりにまで母乳を飲まされる有様だからね。

 

スポドリちょうだいと要請すると何故か母乳入りの瓶を懐に捩じ込まれる。

 

もうなんか笑えてくるね。

 

とはいえ、捨てることもできないしなあ……。

 

半神レベルの神霊の母乳とか、裏業界の人間なら半人前でも悪用の方法が十や二十は容易く思い浮かぶもん。

 

ヤバいから飲んで処分しなきゃ。

 

飲んで応援みたいなもんだよね。

 

どうでも良い話だけど、絶滅しかけの鰻を「食べて応援!」とか言ってるメディアの人達って何考えてんのかな。ナチュラルにサイコパスだよね、怖い。

 

まあほら……、血とか髪の毛よりはさ、異常性が低いからさ。

 

このままの調子で、みんなには真人間になってほしい。

 




赤城
母乳が明らかに甘い女。

旅人
Q:母乳飲めるの?
A:おなかがつよいので……。

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