旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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す〜いぃ〜へぇ〜せーんの終わりには、あああぁ〜!特に何もありません。

次はまた大規模作戦にしたい。ストーリー的なものを進めないと艦娘をこれくしょんできないからね、ちかたないね。


68話 海の旅人ン

さて、新入りの艦娘達とちょくちょくコミュニケーションを取りながら、ゆったりと過ごす。

 

なんか知らんけど、新入りの艦娘達はやたらとうちの艦娘を怖がるなー?なんで?

 

……にしても、最近は段々と暖かくなってきたな。

 

 

 

「よっしゃ!漁業、しよう!!」

 

素潜りしたい、釣りしたい。魚食べたい。

 

そうと決まれば、潜水艦だ。それも一人や二人ではない、全員だ!!

 

テンション上がってきた!!

 

潜水艦の子達は仲が良いから、いつも大体一緒にいる。多分、今なら部屋にいるだろう。ろーちゃんは、どうかな?まあ、多分いるだろう。

 

 

 

そして、潜水艦の部屋の前。すかさずノック。

 

「あー、あー、もしもーし?聞こえてるかな?」

 

 

 

「でっちー!」

 

「だから、でっちじゃないでち!……あれ?提督の声?」

 

「確かに聞こえたわね」

 

「ん、今、ノックされたよ?」

 

「はーい!イクが出るのー!」

 

ドアが開く。同時に抱きつかれる。あっ、あっ、やめて、勘弁して、イクはヤバい。無邪気さが俺を殺す。

 

だが、堪えて抱き上げる。

 

「よーしよし、今日も可愛いぞ、イク!……さて、良い子の皆んな!暇かい?良ければ、俺と魚を獲りに」

 

「「「「行きます」」」」

 

即答。食い気味に。

 

「よ、よし、じゃあ、準備を」

 

「「「「直ぐに行きます」」」」

 

怖いな君ら!!

 

 

 

 

 

海。OCEAN。

 

ここまで美しい自然に対しては、どんな形容詞も陳腐になる。だから、あえて口には出さないが、ただただ美しいと、そう心の中で賞賛する。

 

「提督?どうしたんでち?」

 

「ん?ああいや、ちょっと自然をリスペクトしてた」

 

「……?」

 

まあ、分からないか。良いさ、不用意に自然を破壊しなければそれで。

 

「ところで、何やってるの、はっちゃん?」

 

「え?漁をするんですよね?手っ取り早く魚雷で……」

 

モノローグ読んで?今、環境破壊はNGって、イワナ、書かなかった?

 

「やめなされ……、やめなされ……。水産資源保護法に触れる!」

 

そもそも、発破漁では、爆発の衝撃で魚の浮き袋が破けて、殆どが沈んじゃうし。まあ、量は獲れるかもしれないけど、無駄に殺すのはいかん。大切なのは、次に繋げることだ。

 

「わ、分かった、魚雷は使わない」

 

「じゃあ、手で獲るの?大変じゃない?」

 

イムヤの言う通り、うちのエンゲル指数から考えて、チマチマと魚を探してモリや素手で獲っていては埒があかない。

 

「うん、まあ、その辺は大丈夫。公海に出て魚群を探すから」

 

「公海って……、200海里よ?」

 

「なーに、ほんの370.4kmだよ」

 

「……ほんの?」

 

うん、ほんの。

 

今日の夜前には戻る予定だし、早く行こうか。

 

「その、提督?提督の輸送船じゃ20ノットくらい、ですね?公海に出るまで、大体10時間くらいはかかっちゃいます!はい!」

 

ふむ、ろーちゃんの言う通り、旅人号はいつも20ノットそこら、時速に直すと大体37km/hくらい。単純計算で10時間だわな。

 

単純計算では。

 

「大丈夫、大丈夫。5、6分くらいで直ぐに着くから。取り敢えず、船に乗って?」

 

「……まあ、分かったわ」

 

「提督が大丈夫だって言うんだから、大丈夫でち」

 

「提督?今度はどんな魔法を使うの?」

 

「んー?夕張に、新しいブースターのテストを頼まれてねー」

 

旅人号のボタンを押す。

 

「ブースター?」

 

 

 

「ヴァンガード・オーバード・ブースト……、時速4000km/hだって」

 

 

 

「「「「…………え?」」」」

 

 

 

 

 

数分後、排他的経済水域を抜けて、公海に。

 

「び、びっくりしたでち!」

 

「思いの外、衝撃は無かったね」

 

「凄かった、です!景色が全部線みたいで!」

 

大成功。

 

ガン積みしたショックアブソーバーもしっかりと動作したみたいだ。

 

さて、狙うは今旬の魚。もちろん、食べる分だけ。無駄に何百トン単位とかで獲る必要はない。

 

「それで、何の魚を獲るの?今の時期なら、鰹?」

 

「そうそう、目には青葉山ほととぎす初鰹って言うだろ?」

 

「?、なんでちか?それ?」

 

「あー、そうだな、じゃあ、初鰹は女房子供を質に置いてでも食え、とか?」

 

「もー!お嫁さんを売ったら駄目なの!イクは売られても帰ってきちゃうんだから!」

 

「提督、めっ!ですよ!ろーちゃんは売れません!お嫁さんですから!ね?」

 

「あはははっ、嫌ねぇ、司令官のお嫁さんである私が売られる訳ないじゃない!」

 

「はっはっは、俺まだ結婚してねぇんだけどなー?おかしいなー?」

 

物の例えだよ?それくらいに美味いって話で。

 

 

 

「その、提督?聞きたいんだけど、魚群ってそんなに簡単に来るの?」

 

はっちゃんが言う。

 

「んー?運が良ければね」

 

「その、えっと、じゃあ?」

 

「だから、運を良くするよ」

 

懐から、エヘカトル像を取り出し、使う。これで今日は幸運な日だ。

 

「更にブーストォ!」

 

ユクモ村産お守り、激運発動。貪欲な金の蛇の指輪、錆びついた金貨使用、発見力上昇。カレル文字『瞳』、うさぎのしっぽ……。

 

「な、何やってるんでち?」

 

「幸運になってる」

 

「えぇ……」

 

あ、来た。魚群だ。

 

「じょ、冗談じゃ……!」

 

現実だぞ。

 

「更に倍率ドン!究極撒き餌ー!!」

 

神室町のドリームマシンなるものに数十万程突っ込んだら出ました。

 

ちなみに、真島の兄さんは百万注ぎ込んでマグロを引き当てた。笑える。

 

「さあ、まずは釣るぞー!……はい、皆んなの分の釣竿。それ、クソ高いから壊さないでね?いやマジで」

 

三千万円もした。

 

「ゴ、ゴーヤ達、釣りなんてしたことないでち!」

 

「ああ、大丈夫。その釣竿なら糸を垂らすだけで釣れると思うよ」

 

かなり昔に買ったんだけど。

 

「また、まじっくあいてむ、でち?」

 

「いや、神室町の質屋で買った」

 

「質屋……」

 

何か問題あるかな?

 

「あ、あと、気を抜くとシーラカンスとか竜宮の使いとか釣れちゃうからな、気をつけて」

 

「「「「?!」」」」

 

ちょっと遠くまで投げると変なの釣れちゃうのがなー。そこが欠点。

 

さて釣ろうか。

 

「おっ、良いねぇ、ガンガン釣れるわ。入れ食いだわ」

 

「本当です!釣り針を垂らすだけで、魚が釣れるなんて!」

 

暫く釣りを続ける。いやあ、こうして普通に釣りをするのも楽しいな。ノースティリス流の釣りをすると、そこらの水溜りからクジラが釣れちまうからな。たまには普通の釣りをしよう。

 

そんな感じで、滞りなく釣りは続いた。

 

この子達も艦娘、一本釣りをするくらいの筋力と体力は十分ある。

 

そして……、

 

「その、提督?もう、甲板が一杯でち。もう終わりにする?」

 

「お、そうだな」

 

確かに、甲板は鰹で一杯だ。だがな、

 

「じゃあ、次は素潜りな!」

 

続投。

 

「その、こんなに沢山、どうやって消費するの?」

 

イムヤが心配そうに聞いて来る。けどさ、よく思い出して欲しい。

 

「……大和型、食うよなぁ……」

 

「あっ(察し)」

 

大和型の二人が来てから、黒井鎮守府のエンゲル指数は2、3割上昇。それくらいなら平気じゃん?とか思うかもしれないが、母数が違う。

 

艦娘は兎に角、よく食べるんだよ。かわいい顔した駆逐艦だって、並みの大人位は平気で食うし、軽巡、潜水艦なら数人分、重巡、軽空母以上なら十数人分!

 

更に、一部の大飯食らいは、数百人分は食う!!食うのだ!!!

 

……まあ、その一部には俺もいるんだけど。

 

そんなこんなで、食料はこの程度じゃ足りない。素潜りして獲って来ないとな!

 

「はい、網!適当に獲って、食べられないのはリリースね!!よーし、海にのりこめー^^」

 

「「「「わぁい^^」」」」

 

 

 

×××××××××××××××

 

「それは、食べられるね、そっちは毒あり、こっちは、まだ小さ過ぎ」

 

「じゃあ、海に帰すねー!」

 

素潜り。

 

最初は、何の装備もなしに飛び込んだ提督が心配だった。けど、やっぱり、提督は私達に、平気な顔をして着いてきた。やっぱり、提督は不死身でち。無敵でち。

 

「ほら、ゴーヤ!一緒に行こう?」

 

「はーい!ゴーヤ、潜りまーす!」

 

私の手を取った提督は、そのまま、手を繋ぎながら深海へ。

 

暗く静かな海の底、愛する人と二人きり。とってもロマンチックで素敵だ。

 

でも……、

 

「んー?どうしたのゴーヤ?いきなり抱き付いてきて?寒いのかい?」

 

優しく、撫でられてしまう。

 

 

 

……違う。

 

そうじゃなくって、私は……。

 

 

 

女の子として見て欲しい。

 

 

 

提督の目を見ると良く分かる。提督は、私達のことを、まるで妹とか、ともすれば娘とかみたいに見ている。

 

抱きしめてくれる、手を繋いでくれる、キスをしてくれる。……でも、私達を子供として見ている。

 

もちろん、家族がいない私達艦娘を目一杯愛してくれる提督は大好きだ。それこそ、私の全てを捧げても良いくらいに。

 

それでも、私達は女の子だ。こんな見た目でも、女の子なんだ。

 

……皆んな、提督に見て欲しくて、おかしくなってきている。

 

「ずるーい!イクもー!!」

 

「ろーちゃんも、です!」

 

「おー、どうした?皆んな抱き付いてきてさ?その、足にしがみつかれると泳げないよ?ちょっと、ちょっと待って?これ、沈んでるからね?待って?」

 

いや、私達はもう、おかしくなっているんだ。

 

提督は、私達に色んなことを教えて、どうにか外の世界に興味を持たせようとしているけれど、違う。

 

私達の居場所はここだ。

 

例え、ここ以外に私達を受け入れてくれる場所があったとしても、私達はここに居たい。

 

「てーとく?」

 

「んー?何だい、ゴーヤ?」

 

「大好きでち」

 

「そっか、ありがと」

 

 

 

今は、これだけ。

 

 

 

でも、いつかは……。

 

 

 




ゴーヤ
実は、潜水艦の中では一番まとも。

はっちゃん
一番ヤバい。提督の為なら仲間すら殺す。全部殺す。

イク
特に何も考えてない。死ぬ程ポジティブなので、どんなに嫌われようとも地獄まで追いかけてくる。

イムヤ
嫌われないかと常時ビクビクしてる。構ってあげないと死ぬ。

ろーちゃん
頭の中お花畑。かなりサイコな思考回路。ろーちゃんはお姫様、です!はい!

真島の兄貴
今巷で一番イケてる極道。ドスとバットで天下取ったるでー。

旅人
イムヤのような自己評価が異様に低い子を慰め、ろーちゃんのような妄想力カンスト勢をあやす、黒井鎮守府のキーパーソン。選択肢一つ間違えるだけで即バッドエンドな黒井鎮守府で、仲間割れや空中分解を防ぎながらも好感度を更に稼ぐ。無意識で。

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