旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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説明と修羅場回。

あと、今度セクハラ回やりたいので、誰にセクハラすべきか教えて下さい。安価ssの如く。

活動報告に保有艦娘一覧置いときましたから。


73話 修羅場の修羅

「……コレガ、ワタシノ知ッテイルコトノ全テダ。コレ以上ハ何モ知ラン」

 

……ふむ、なるほど。

 

この目の前の超ドスケベミニサイズ婦警服の女、泊地棲姫……、鬼じゃなくって姫だそうだ……、彼女が言うには、海を守ろうとする意思が、自分達を強化した、らしい。

 

上位者、ではないな、何だろうか、この海そのものの意思なのだろうか?分からん。

 

そして、最近深海棲艦が強くなってきている理由は、艦娘が海に沈んでくるから、だそうだ。

 

要するに、轟沈、つまり海に還るその時、海がその艦娘の情報を得て、それを以って深海棲艦を強化している。

 

 

 

……なるほどな、原因は強化装置か。

 

強化装置を装備した艦娘が大量に轟沈、その情報を海に読み取られ、利用された、と。

 

更に、沈んだ艦娘の数もかなりのもの。

 

つまり、艦娘が沈んだ数だけ、深海棲艦は強化されると言うことか。

 

何となく、分かってはいたがなぁ。

 

「……ソノ、コノ服ノママ仲間ニ会ウノハ、本当ニ勘弁シテクレナイカ?モウ二度ト人ヲ襲ワナイカラ、ソレダケハ……」

 

因みに、今は、ひっ捕らえた泊地棲姫、南方棲戦姫、空母棲姫を、鎮守府近くの、深海棲艦の離島に護送中。

 

もちろん、写真は撮ったし、カメラも回してある。

 

「大丈夫だって、離島も君達みたいな変態ばっかりだから」

 

「ワタシハ変態デハナイ!!」

 

とぼけちゃってぇ(マジキチスマイル)。

 

「深海棲艦はスケベな変態ってそれ一番言われてるから」

 

「ナッ?!ソンナコトハ!!!」

 

反論しようとする泊地棲姫の後ろを指差してやる。

 

「……ホ、ホラ、アレハ、ソノ、例外ダロウ、多分」

 

そこには、水龍敬ランドみたいな格好のまま、優雅に紅茶を楽しむ南方棲戦姫と、裸エプロンにハイソックスで昼寝をする空母棲姫が。本人達曰く、慣れた、だそうだ。

 

その全裸より恥ずかしい格好に慣れちゃったら終わりだと思うんですけど(名推理)。

 

さて、そろそろ離島だ。泊地棲姫に現実ってやつを教えてやらねば。

 

 

 

 

 

「アラ?提督?マタ新シイ子ヲ捕マエテキタノカシラ?」

 

離島に到着。出迎えてくれたのは、優しく微笑む離島棲鬼。ゴスロリ。

 

「ホ、ホラ!離島棲鬼ハマトモダゾ?!!」

 

泊地棲姫がそう言うが、残念。

 

瞬時に離島棲鬼の服を剥ぎ取ってやる。

 

すると……。

 

「?!!!、ナナナナナナナ?!ナンダコレハァァァァ?!!!!」

 

「アン❤︎提督ッタラ、ダ・イ・タ・ン、ネ❤︎ンンッ、敏感ナトコロガ、風ニアタッテェ❤︎❤︎❤︎」

 

ゴスロリの中身は、荒縄で亀甲縛り、下着は着てない!!!やっぱり変態じゃないか!!!

 

「ショ、正気ニ戻レ!!離島棲鬼ィィィ!!!」

 

「アアン❤︎ナ、縄ヲ引ッ張ラレルト、キツク締マッテェ❤︎キ、気持チ、イイッ❤︎❤︎❤︎」

 

「離島棲鬼ィィィーーー?!!!」

 

「じゃあ、俺、帰るから。大人しくしてるんだよ、泊地棲姫、南方棲戦姫、空母棲姫。離島棲鬼ちゃん、あとよろしく」

 

「ハーイ❤︎」

 

「マ、待テ!!貴様、ワタシヲココニ置イテイク気カ?!!戦姫モ空母棲姫モ何カ言ッテヤレ!!」

 

離島棲鬼にガッチリホールドされた泊地棲姫。戦姫と空母棲姫に助けを求めるが、

 

「ホー、中々イイトコロダナ!」

 

「提督、マタ会イニ来テネ?」

 

駄目でした。

 

「チクショオオオオオオオ!!!!!」

 

 

 

さて、これにて一件落着!!

 

と言うことで、折角だから、音成鎮守府の子達も呼んで、黒井鎮守府で祝賀会だ!!!!

 

 

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

突然ですが、黒井鎮守府の空気が最悪です。

 

……あ。

 

ええと、すいません、音成鎮守府の提督、海原守子です。

 

本日は、合同作戦の成功を祝って、黒井鎮守府で宴会、とのことで……。

 

もちろん、恐縮のあまり、遠慮してしまいましたが、是非に、とお願いされちゃいまして、お邪魔させてもらいました。えへへ。

 

お酒もお料理も本当に美味しくて、皆んな楽しんでいたんです。

 

……あの時までは。

 

 

 

そう、問題のあの時、ビスマルクさんのあの一言が原因で……。

 

 

 

 

 

……「提督!そう言えば、私達の子供は男の子かしら、女の子かしら?!」

 

 

 

 

 

……ええ、空気が死にましたね、あの時は。

 

隣にいた、黒井鎮守府の軽空母、鳳翔さんが、全く笑っていない目で、「ふふふ、面白い冗談ですね?」とか言ったんですけど、そうしたらビスマルクさんが、

 

……「あら?さっきもまた子作りしたのよ?何回もしたから、双子かもしれないわ!」

 

とか言って!さっきまで楽しくワイワイしてた筈なのに、一気に皆んな黙って、ガラス玉みたいな目でこっちを見るんですよ?!!!

 

怖い!!!

 

もう私、本当に、怖くて怖くて……。

 

どうすれば良いのか分からなくって、取り敢えず、近くにいる、黒井鎮守府の提督さんに助けを求めようとしたら……、

 

「えっ?!い、いや、ヤってないよ俺?!!!」

 

そして、その一言を皮切りに、静寂は破られました。……そして、その一言は、今のこの惨劇の始まりでもありました。

 

「ヘーイ!!提督ー!!!どうして?!!!どうしてデスカ?!!!!」

 

「なん、で?私は、私は、貴方のヒロインでしょう?!何で?!何で?!!!」

 

怒り狂う子もいれば、

 

「榛名は、榛名は、榛名は、榛名は…………、ああああああああ!!!!!」

 

「嘘だ、よな?嘘だよな?!嘘だと言ってくれ、提督!!お、俺は、お前がいないと駄目なんだ!!強くなんてない、お前無しじゃ生きていられない、弱い女なんだ!!!頼む、側にいてくれよ!!!!なぁ!!!!」

 

おかしくなる子もいて、

 

「う、う、うぇぇぇん!!!提督!!提督が取られちゃう!!!やだぁ!やだやだやだやだ!嫌なのぉ!!!」

 

子供のように泣きじゃくる子もいれば、

 

「う、あぁ、そん、な、み、認め、ま、せん!認めるものですか!!!提督!貴方は!貴方は!!!貴方の隣にいるのは私でなければ!!この加賀でなければ、誰だと言うのですか?!!!」

 

提督さんに詰め寄る子もいて……。

 

地獄絵図って、まさにこのことなんだろうな……。

 

中には、

 

「ふうん、ビスマルクさん、おめでとう!次は私達の番だね、加古!」

 

「そーだね、古鷹!……まさか、ビスマルクと出来て、私達と出来ない、なんて道理は無いよね、提督?」

 

何故か喜んでる子もいましたけど、それは少数派。大半は、まあ、凄いことになっていました。

 

その、凄いことになった艦娘達は、提督さんを囲んで、愛憎入り混じった視線を向けてきました。

 

ど、どうするんですか、提督さん?!

 

こ、これ、このままじゃ、こ、殺されちゃいますよ?!!

 

……あと、私も何故か巻き込まれてるんですけど?!!

 

誰か助けて!!!!

 

 

 

「……あー、守子ちゃん?こっち向いて?」

 

「えっ?あっは、んんっ?!!」

 

な、えっ?キ、キス?!あっ、お酒の匂い、唇柔らかっ!……ん、これ結構気持ち良いかも?

 

じゃなくって!!!!何でこの局面でこんなことを?!!!

 

更に高まる殺気!あ、わ、私、ここで死ぬ?!!!

 

 

 

「て、提督?!!こ、このビスマルクの目の前で、他の女の子と子作りなんて!!!!う、浮気って言うのかしら?その、浮気?ってやつじゃない!!!怒るわよ!!!!」

 

 

 

「「「「…………は?」」」」

 

…………はい?

 

 

 

「良いか、ビスマルク?」

 

「な、何かしら?」

 

 

 

「キスで子供は出来ん!!!!」

 

「えっ?!そ、そうなの?!!」

 

 

 

……え?いや、その、まさか……?

 

「そ、そんなぁ、私、お母さんになれたんじゃなかったの?」

 

じゅ、純朴過ぎるっ!!!

 

「……はぁ、そう言うことだったのデスネー?焦って損した気分デース」

 

「よ、良かったぁ〜」

 

安心のあまり、艦娘達は皆んな膝から崩れ落ちました。た、助かった?

 

あ、わ、私も、こ、腰が抜けちゃって……。

 

「よっと、大丈夫かい、守子ちゃん?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ふわぁ、だ、抱きしめてもらってる?!……じゃない!早く離れないと、艦娘達に殺される!!

 

「だっ、だだだ大丈夫です!大丈夫ですから!!」

 

「……産まれたての子鹿みたいだけど?」

 

「も、元からです!!」

 

「そ、そうかい?なら良いんだけども」

 

 

 

……その後は、彼は、泣きついてくる艦娘を上手にあやして、やがて、元の雰囲気に戻してしまった。

 

不安そうな子の手を握り、泣いてる子の背中を撫でて、抱きついてくる子を抱きしめ返して……。

 

す、凄い、艦娘とあんな風にスキンシップをとるなんて……。

 

……艦娘は人間とは違う。艦娘は、比喩表現抜きで強いのだ。

 

その力の差は、大人と子供以上。

 

彼は、ああして簡単そうに抱き合っているけど、やっていることは猛獣にじゃれつかれているみたいなものだ。

 

私なら、抱きしめられれば、骨は折れちゃうし、内臓も潰れると思う。

 

おまけに、艦娘と言うのは、得てして幼い。

 

それもそのはず、艦娘がこの世界に現れてから、まだ十年もしていないからだ。

 

つまり、私より大人っぽい戦艦や空母の艦娘も、皆んな十歳以下。確かに、ある程度の知識を持って召喚されるとはいえ、その精神はまだまだ未熟さが残る。言ってしまえば、まだ子供だ。

 

そんな子供達を、あんな風になだめるなんて、かなり難しいことだと思う。

 

でも、それだけじゃなくって、ただ子供をあやすような優しさだけじゃなく、艦娘達を一個人として、一人の女性として尊重している。

 

殆どの提督は、艦娘の、素手で人体を引き千切る力と、入渠すれば欠損した肉体さえ治る耐久性、砲弾が飛び交う恐ろしい戦場を笑顔で駆ける精神、そう言ったものに恐れをなして、迫害するようになるのに。

 

でも彼は、そんな数多くの不可能を可能にしているからこそ、ここ、黒井鎮守府を日本最大の鎮守府にまでのし上げられたんだろう。

 

 

 

……やっぱり、彼は本当に凄い。

 

私の目標だ。

 

 

 

いつか私も、彼みたいな凄い提督に……。

 

 




音成提督
上京し大学生だったところを海軍にスカウトされるまで、田舎の港町で育った女の子。海を平和にしたい気持ちは誰にも負けない。性根が真っ直ぐで極めて善良。艦娘を差別しない。その性格から、音成鎮守府の艦娘から慕われている。好感度は高いが病んではいない。

旅人
神懸かり的な修羅場回避力。選択肢一つ間違えれば即死の空間で、常に最良以上の選択肢を選び続ける男。四六時中監視され、盗聴され、日用品が新品とすり替えられ……、というヤンデレだらけの黒井鎮守府で、図太さとイケメンさ、物理的な防御力回避力で生き残る。

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