旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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時間ない。

プライベートこわれる。


87話 イキの良い海パン少女 前編

「じゃ、ありがとね」

 

「はい!また、いつでもいらして下さいね?」

 

「ああ、また、来るといい。次は肉が食べたい」

 

「こ、コラ日向!!」

 

「ははは、じゃ、また!」

 

そして空から降って来る大矢。

 

「な、何だ?!!」

 

「敵襲かえ?!」

 

「提督を下げろ!空母は護衛!戦艦は前に!残りは警戒!!……くっ、気配が無かったぞ?!どう言うことだ?!!」

 

「あー、いや、これは……」

 

「……さあ、提督、帰りますよ」

 

赤城、怖い。

 

「早く帰るんや。早く早く。早く早く早く早く早く早く」

 

目の焦点が合ってない龍驤。

 

「嫌だなぁ……、提督の鎮守府はここじゃないでしょ?」

 

笑顔の蒼龍。

 

ふむ、両手と胴体を掴まれたか。

 

「まあまあ、これには訳が」

 

「話は」

 

「鎮守府で聞くよ」

 

「待ってくれ、待って、ああ、あああああああ!!!……」

 

 

 

「……あれ、大丈夫だろうかのぅ?」

 

「……まあ、死には、しないんじゃないか?多分」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?お帰りなさい、旦那様❤︎」

 

出迎えてくれたのは鳳翔。なんか知らんけど、竹箒とひよこエプロンはなんとなく未亡人感が出てしまうので勘弁。めぞん。

 

「おお、ただいま鳳翔」

 

「……で?皆さんは、旦那様に何を?事と次第によっては……」

 

「「「浮気です!!」」」

 

「………………へぇ」

 

一瞬で破壊される竹箒。原型も残っちゃいねえ。

 

「提督、よその子との結婚なんて、私は絶対に認めません」

 

「うちも、許さへんで」

 

「提督は私とずっと一緒なんだよ?」

 

「婚約者を裏切ってはなりませんよ、旦那様」

 

「「「「………………」」」」

 

あっ、あっ、あっ、睨み合ってる睨み合ってる。

 

蒼龍なんてあんなに牙を剥いて……。

 

…………。

 

ぺろっ。

 

「んん?!……ちゅ❤︎ぺろっ❤︎はむ、むぅ❤︎ぺろぺろ❤︎」

 

「「「ああーーーっ!!!」」」

 

「何やってるんや!司令官!!」

 

いやー、蒼龍の八重歯が可愛くてつい。

 

「ふひぇ〜❤︎」

 

エロドラゴンもほら、こんなもん。これが技巧Lv5の力だ。

 

「申し訳ないが仲間同士で争うのはNG」

 

「だ、だけど……」

 

「……分かりました、それはそうですね。ですが、事の発端は、貴方の浮気ですからね?!!」

 

その、赤城さんや、俺、今は恋人いないんだけど?

 

「そ、そうですよ!私と言う婚約者がありながら!!」

 

してないよ?婚約してないよ鳳翔?

 

「提督!うちにもチューして!!」

 

龍驤はかわいいなぁ!!

 

 

 

まあ、あの後は、適当にあしらって終わりだ。ただ単に構って欲しいだけだったんだろう。しっかりしているように見える子ほど甘えんぼってそれ一番言われてるから。怒ってたのは空母だけ、監視してるのは空母だからな。

 

実際に、大体の艦娘は笑って許した。

 

「だが、あの程度ではしっかり可愛がれていない……、そうは思わんかね、大淀」

 

「あ、私にもキスして下さい」

 

「はいはい……」

 

「ちゅっ❤︎……はっ?!血が……」

 

あー、まーた鼻血が。

 

血を拭った大淀は、取り繕うかのようにキリッとした雰囲気になり、提案してきた。

 

「……で、では、水着回、と言うのはいかがでしょうか?」

 

「水着回、とな?」

 

水着回。

 

「そうです、この暑い季節、避暑も兼ねて海に行くというのもよろしいかと」

 

「ふむ、艦娘のストレス発散にもなるな……、良いだろう」

 

「分かりました!」

 

「……なんで既に水着?そんなに海に行きたかったの?」

 

プールの授業が楽しみな小学生かな?

 

「あはははは、嫌ですね、何も、青葉さんがこっそりと水着の提督を隠し撮りして写真集を作るとか、そんないかがわしい計画がある訳ないじゃないですか。また新しいコレクションが増えるとかそんなんじゃないですよ」

 

おk、把握。

 

「まあ、良いか。じゃ、海に行くか!」

 

「お伴します!!……あ、アロハシャツは禁止です」

 

む、剥ぎ取られた。……その上持ち逃げされた。あのシャツ、結構気に入ってたんだが。

 

さて、鬱憤が溜まってそうな空母を呼ぼうか。他の艦娘は順次来る。

 

 

 

「海!!!」

 

青い空、白い雲。

 

そして、

 

「あっ!提督!」

 

「こっちこっちー!」

 

「よー、折角だから、オイルとか塗ってくれー」

 

おっぱい!!

 

おっぱいである。

 

え?仕事?いやぁ、最近は少なくてさ?領海にはもう残党しか残っていないし、出撃となるとかなり遠くまで行かなきゃならん。

 

最近なんか、輸送艦の護衛とかばっかりだ。正直言ってめっちゃ暇。

 

まあ、そのお陰で、隠蔽されがちな艦娘の活躍が表に出やすくなって、全体のイメージアップになっている、と思う。

 

人と艦娘、絶対的な力の差がある以上、平等にはなり得ないだろうが、この調子なら、戦後も、艦娘達に居場所が作ってやれるかもしれない。

 

「万人が同じことをする、と言うのは平等じゃない。艦娘には、艦娘が出来ることがある。きっとそれは、戦う事だけじゃない筈だ」

 

「……な、なんや、急にえらいカッコいいことを」

 

酷いぞ龍驤。俺は常にイケメンだ。

 

「あと龍驤、うち、新スク水は禁止。今すぐこの旧スクに着替えろ」

 

「なんでや!!」

 

そもそも、なんでスク水なんだ、龍驤。

 

 

 

……ん?

 

 

 

ちょっとおかしいぞ?

 

 

 

…………ああっ?!!

 

「き、君達ィーーー!!!!」

 

な、なんだその適当な水着はァ?!!

 

一航戦、サラシ!ダブルドラゴン、サラシ!鳳翔、水着(クッソ古いの)!隼鷹、サラシ!全員適当!!!あ、龍驤と瑞鳳はスク水。

 

「おかしいだろそれよぉ!!!」

 

「?」

 

「何か?」

 

くっ、恥じらえや!!ちょっと痩せたからって……!!相変わらず体脂肪率ランキング上位の癖に!!

 

「見てください提督、頑張って痩せましたよ」

 

赤城ィ!!!お腹を凹ませるなっ!!!

 

「あのなぁ!お前らなぁ!大淀を見ろ!この女子力!!パレオ!!かわいい!!!それに対してお前らは何だ!!!」

 

「「「「はあ……」」」」

 

「別に、私達の身体なんて見慣れているのではないのですか?」

 

「裸も水着も変わらないのでは?そこに何の違いもありはしないでしょう?」

 

「違うのだ!!!」

 

こんなこと、アトリームじゃ考えられない……。

 

「おーい、提督ー!!」

 

「お仕事終わったよー、遊ぼー!!」

 

「しれぇー!!」

 

他の艦娘もおいでなすっ……?!!

 

服のまま、下着、私服……?!

 

嘘だろ?!

 

脅威のガバガバ率!!!

 

 

 

これは、違う!俺が望んでいた展開と違う!!

 

 

 

「…………るぞ」

 

「え?今何と?」

 

 

 

「水着を作るぞーーー!!!」

 

世界を変える……!!この俺の手で!!!

 

 




空母
女子力がとんでもなく低い。最低限。ダイエット頑張った。(成功したとは言ってない)

旅人
水着が見たかった。

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