喉がなー。咳がなー。
完全に治るまではまーだ時間かかりそうですねぇー。
「違うんすよ、これは、違うんすよ……」
「現行犯だぞ」
「提督❤︎もっと❤︎」
ライダー助けて。
「公衆の場でセクハラって、おかしいよなぁ?それよぉ?」
な、何か言い訳、言い訳を……、そうだ!
「こ、これは、そう!恋人です!!」
「ほんと?!私、提督の恋人?!!」
あっ、やばっ。
後ろから聞こえてくる舌打ちの大合唱。アンド恨み言。
どーすっかなー、俺もなー、とか考えてると、蒼龍がいる方とは反対側の腕が掴まれ、胸を触らせられる。
ふむ、この胸の感触、加賀だな?
「妻です」
ドヤ顔の加賀。あのさ、何やってくれちゃってんの?この状況でさ?
「え、何それは……?(ドン引き)」
そして始まる大乱闘スマッシュブラザーズX。大騒ぎだ。一般の人達に迷惑をかけるな、とは何だったのか。
「私が妻です!」
「同棲してます!!」
「愛人です!!」
「将来を誓い合った仲です!」
「さっき結婚しました!」
あーもう滅茶苦茶だよ。
「司令官?!昨日はあんなに愛し合ったやろ?!忘れたんか?!」
「これは児ポですね、間違いない。何だこれは……、たまげたなぁ」
どうしてくれんの?このまま逃げるのは余裕だけど、立場上逃げられないじゃん。
「邪魔デース。退いて下サイ、police man……。提督ー!次は私デース!!」
「えぇ……(困惑)」
お巡りは困惑した。この子達は、救われることを望んでないのかって。
でも、お巡りは、この子達を救ってあげたかった。
だから、先に明らかにヤバい子を見つけ出し、止めることにした。
「(駆逐艦に向けて)君達、そう言ったことは……、やめようね!」
「……提督、何だい、これ。敵?殺す?」
「八つ裂き、っぽい?」
そして現れるガーディアン。よりにもよって、一番ヤベーのに声をかけやがった。
お巡りこわれる。
って、冗談言ってる場合じゃねえ。
このままじゃガチで殺しかねん。
やたらめったら殺しなんかしちゃならんよ。
第一、そんなことしたら、那珂ちゃんのゲリラライブや、謎の忍者の夜戦仮面の活躍、漁船などの民間用の船の護衛、工事現場に(半ば趣味で)出向く長門などなど、多くの艦娘の活動が無駄になってしまう。
「ステイ!!」
「「わんっ!!」」
封殺。危ないところだった。
警官殺しはいやーキツイっす。
………………。
「……お手っ!!」
「「わん!!」」
……成る程?
「お座り!!」
「「わんっ!!」」
成る程成る程?
………………。
「………………ちんちんっ!!!!」
「やっとその気になったのかい提督?ふふふふふ、良いんだ、良いんだよ、全部僕に任せて」「あはっ、嬉しいっぽい?提督のこと食べてあげちゃうっぽい?あははははは」
「ウオオオオオオ!!!!知ってたァァァアアアアア!!!!!けど止められなかったァァァアアアアア!!!!!」
そ、そうだ、こんな時こそお巡り!!オラお巡り!!逆レやぞ!!!何とか言っ…………、
「アーイキソ」
…………なーんで砂浜に埋まってるんですかねぇ?
クソザコナメクジかな?
「「レッツ背徳❤︎」」
「アイエエエエエエエエ!!!!」
「………………ん?ほ、本官は、一体何を……?」
「…………起きたか…………」
「む、お前は変質、者ぁぁぁぁぁ?!!何故に全裸だ!!!一番駄目だろ!!!!」
「安心しろお巡り。今、俺の股間は、謎の光で保護されている」
「謎の光?!!!」
「BD版では削除されるが、な」
「BD版?!!!」
秋雲の部屋にあったアニメを見て練習したからな。今の俺は、最早、公衆の場で肢体を露出するようなことはないだろう。無敵と言っても過言ではないな。
「……それより、ア↑レ↓、何とかして、どうぞ」
「……あー、あれは……、駄目みたいですね」
「はー、つっかえ……」
ア↑レ↓というのはもちろん、艦娘達のことだ。
ビーチバレーに勤しむ戦艦達。その美しさもそうだが、人目を惹くところがもう一つ。
「……あのボール、腹筋とか背筋とか鍛えるときのやつじゃん?」
「腹筋とか背筋とか鍛えるときのやつだね」
メディシンボールっつうんだけどもね、あれ。
オッ、霧島のスンゲェーアタック!隕石かな?
「海面に落ちた瞬間水が吹っ飛んだゾ」
「側面に100kgって書いてあるしな」
「死人が出るんだよなぁ……。勘弁して、どうぞ」
「あっちは大食い大会か何か?このクッソ暑い中、態々カレーの大食いとか、しなくていいから」
「いや、あれはいつものペースと量だな。周りの参加者は、多分お祭りだと思って勝手に参加してきたんだろう」
「えぇ……」
パタパタ動く鳳翔かわいい。単純に、料理が食べてもらえるだけで嬉しいんだろう。笑顔がいつもの三割増しだ。
え?バクバク食ってる空母連中?か、かわいいよ?かわいいともさ!ああ!
「すいませぇ〜ん、あの子達は、な〜んで海面を走ってるんですかねぇ?物理法則こわれる」
は?そんなの、片足が沈む前にもう片足を水面に叩き付けりゃ良いだけじゃん?
……走ってるのは案の定島風か。それと、川内だな。
追いかけっこの様だが、川内が分身や空蝉などの技で逃げるのに対し、島風が純粋なスピードで追う。
「中々良い勝負だな」
「そもそも常人には視認できないんですがそれは」
「で?あちらの方は釣りですか?ちょっと(釣果が)多過ぎんよ〜」
サビキでガッツリ釣りをしているのは、天龍ちゃんと楽しい遠征組の皆んな。釣ってるのはアジか。フライか、刺身か。何にでもできるな。
龍田?ああ、龍田はインドア派だから、近くのビーチパラソルの下でジュース飲んでるよ。
実際、この二人には随分助けられてる。駆逐艦の面倒は勿論、教育だったりもしてくれるし。
あと天龍ちゃん、アウトドア派だから話が合うのよねー。この前も、駆逐艦引き連れて鎮守府近くの堤防でエギングやってきたんだけど、天龍、かなり上手い。しかもイカ捌ける。魚も捌ける。
「あー、もう、これは全員逮捕やろなぁ……」
「えー?許して下さい何でもしまむら」
「よし、じゃあ、浜辺行って、(本官と)バトれ!!」
「は?(威圧)」
何言ってんだこいつ。
「とぼけちゃってぇ……。あんた、武の心得、あるよね?最終的には拳で語れってそれ一番言われてるから。自らの正当性は自らの力で示すんだよなぁ……(したり顔警察)」
それでいいのか警察。
「あっ(察し)、これは警視総監の命令だから。ちかたないね。これ、認可状」
「ふむ、要約すると、悪い人間かどうか調べろってだけで、戦えとは書いてないんじゃないか?」
だが、まあ、認可状は本物だな。このサインは確かに、警視総監の冴島十三さんの字だ。
「確かに、戦えというのは本官の提案だけど、他に調べる方法がないんだよなぁ。ま、軽く流す感じで良いからさ?大丈夫だって、安心しろよ」
しゃーない。お巡り一人倒せば済むなら、それで良いか。
「……いや、待て?その構え、迫真空手か?!」
「おっ、よく知ってんねぇ!!おおおおお!!虎↑哮↓!!!」
「ぐぅっ!!!」
やはり一筋縄ではいかんな、下北沢出身はタチが悪い。
だが、
「迫真空手は、何もお前だけの技って訳じゃねえ!!奥義『亜"僧華"』!!」
「ンアッーーー(≧Д≦)!!!や、やりますねぇ!!まさか奥義を使いこなすとは……!!」
いや、逆に、これで意識を刈り取れないとはな。
と、なると持久戦か?
…………いや、ナンセンスだね、そんなの。俺は海に遊びにきたんだ。決して、警官と殴り合いをしにきたのではない。
「久々に骨のある相手は、ああ^〜たまらねえぜ。汗まみれになるまでやろうや」
「いや、これで終わらせる」
「ファッ?!!」
「迫真空手究極奥義…………」
「そ、それは、まさか?!な、何故?!!」
「邪拳!!『夜逝魔聖音』!!!」
…………迫真空手とは、身体に秘められたオーラを以って戦う空手だ。オーラで身体を強化し、攻撃や防御の力を底上げすること。そして、そのオーラを放出することもまた、迫真空手の真髄なのだ。
まあ、大抵の相手は、迫真のオーラにあてられて「やめてくれよ……(絶望)」となるが。
「アッーーー!!!イキスギィ!!!!」
完 全 勝 利 !!
さあ、艦娘と遊んで「キャアアアアアア!!!!全裸の男の人が!!!!警察!警察を呼んでえええええ!!!!」
あっ、忘れてた!!!
俺、全裸だった!!!
以下、駆け込んでくる警官と殴り合いのループでした。
あー、クソ、笑えねえ。
艦娘
見た目の美しさとその超人的身体能力を一般市民に見せつけてしまった。ツイッターのトレンド入り。
警視総監
見た目と年齢の割に、少年ハートを忘れないおっさん。国民の血税でロボットをカッコ良くする。
旅人
またもやツイッターに上げられてしまう。