旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

90 / 593
FFは1と3と4と8と12と13しかやってません。

クリアまで飽きなかったのは4だけです。

次の新しい艦娘を増やす回までの繋ぎの話なんで、面白くはないです。




90話 ノムリッシュ旅人

「……え、なにこれ、どう云う純粋な闇の意思(キング○ムハーツ)……だと?」

 

何で腕輪?……何で言語ジャミング?何?何で?

 

部屋を見回す。

 

監視カメラ、植木鉢、盗聴器、テレビ、艦載機……、いつも通りだな、うん。

 

あ、いや待て、机の上に何か?

 

「えー、何々?…うっ……頭が……ッおっ、ユウヴァ=リスからの手紙か」

 

いやまてウザいなこれ!!

 

『〜提督へ〜

最近FFにハマったので、しゃべる言葉がノムリッシュ翻訳される腕輪を作りました。是非使って下さい。あ、それと、腕輪はFFを11とか14とかのオンラインのを除く全シリーズをクリアするとちゃんと外れます。それじゃ

〜貴方の夕張より〜』

 

………………。

 

「女神パドラ=ヌス・ユールはかくのごとく語れり。

「それじゃ」じゃねーよ!…つけあがるなよ小僧ッ!!」

 

 

 

 

 

「――――………というオプティマだ。すまんが、戦友んな助けてくれ」

 

「ごめん何言ってるか全然分かんない」

 

望月……。この鎮守府で最もゲームが上手いであろう女……。駆逐艦同士のポケモン大会に(強過ぎて)出禁になるなど、その凶悪さは計り知れない。

 

「うわー、何それ?提督、厨二?」

 

茶化すのはオータムクラウド先生。こちらもコアゲーマー。

 

「助けるのは構わないけど、オレはこの二人程上手くはねーぞ?」

 

天龍。いやぁ、今の状態で何言ってんのか伝わるの天龍ちゃんくらいだし。因みに、天龍ちゃんはゲームは結構上手い。特にゾンビゲーとか上手い。

 

「あらあら〜?提督ったら、お風呂上がりの天龍ちゃんみたいな喋り方ね〜?」

 

お風呂上がりに必殺技の名前を考えているらしい天龍ちゃんの妹、龍田だ。天龍を呼んだら着いてきた。

 

「私、携帯ゲーム機のゲームしかやらないんだけど……」

 

168。ほう、携帯ゲーム?…………FF零式、というものがありましてな?

 

「名作RPGキタコレ!お仕事でゲームとは、黒井鎮守府のホワイト企業っぷりに全俺が泣いたッ!」

 

漣。ゲームやりたそうな顔してたので。因みに、これも仕事扱い。

 

「はーい、鎮守府中に協力要請してきましたよ、っと。にしても、困ったものですねぇ、力尽くで外すと、ノムリッシュ翻訳が倍分かりづらくなるシステムなんて」

 

明石もゲーマー。基本的にアクションが中心らしいけど。

 

あ、あと、明石が言う様に、この腕輪はクソめんどくさいシステムと呪術的なアプローチによって作られてるみたい。無理に外すと、大人しくFFシリーズをクリアした方がマシなくらいめんどくさいことになる。

 

「夕張の名に相応しき戦士が魂に囁くには、伝説に謳われる腕輪は、FFの各シリーズを『 完成』…つまり『記憶の再生の眠り』を司ると外れるらしい。とは言え、俺――かつての名をセフィロス――ヒ=トゥリスで何者拾魔法絵本アルヴァニカも『 完成』「ルシ」の烙印を刻むのは不可能だ。手を貸して欲しい」

 

「…………天龍ちゃん、なんて?」

 

「えーと、ここにあるゲームを全部クリアすると、提督が元に戻るんだってよ」

 

「そ、そうなのね………………、多く、ないかしら?」

 

「まあ、人気シリーズだからな」

 

「じゃ、稲妻のごとく持って行ってくれ。目先の勝利に狂ったオレは久々に我らジュデッカをやり直すから。FFジュデッカは壱IDの名作、オプティマイズ人類の叡智は未だ及ばだね」

 

「…………その、天龍ちゃん?」

 

「え?あー、FF4はシリーズ一番の名作だ、だってよ。俺は……、そうだ、このFF15ってのにするか!へへ、なんかこれ、話題になってたし、面白いんだろーな」

 

「そうなのね〜。う〜ん、私は〜、FF10にしようかしら?」

 

「え?何これ?もう選ぶやつなの?えーと、じゃあ私はディシディアで」

 

「じゃあ私はFF8を」

 

「FFTAキター!」

 

「携帯ゲーム機用は……、あった、FF零式?これね」

 

「私はアクション系が……、あっ、ダージュオブケルベロスじゃないですか!」

 

決まったみたいだな。

 

「ならば、各自、適当(ランク:A+)に」

 

「「「「はい!」」」」

 

こうして、俺達、黒井鎮守府一同のFF強化週間が始まった……。

 

夕張?夕張は罰として離島送りにしたよ?言っておくけど、離島のあの子達はバイだ。後は、分かるな?

 

……まあ、あのままじゃ、俺に呪いをかけたと知ったマジギレの艦娘に殺されかねんからなー。神通教官168時間耐久のスペシャル特訓コースとか、プロのアスリートをダース単位用意しても余裕で死ねるレベルのキツさだし。

 

 

 

×××××××××××××××

 

「あああああ!!!もおおおおお!!!」

 

「アラ?ドウシタノ?生理?」

 

「ちっがう!!……何で私が、この変態の巣窟に送られたのかって話!!」

 

黙ってろこの変態ゴスロリ女!!

 

何なのもー!ちょっとは悪いと思ってるけどさー!たまには提督に休んでもらおうと思っただけなのに!!

 

「エイ」

 

「…………ひいやあああああ!!!」

 

む、胸!!も、揉まれてる!!!

 

「き、き、き、気安く触るなっ!!!」

 

ちっ、寸前のところで身を躱された!

 

「オマエ、貧乳ダナー。ドウセナラ、モット巨乳ノ艦娘ニ来テ欲シカッタナ」

 

確かこいつは、雷巡チ級!

 

「煩いわよ!!」

 

「デモマア、艦娘ノ胸ヲ揉メルノハ中々ナイカラナ、モット揉マセテ」

 

「嫌!!!」

 

提督以外に触られたくないんだけど!!!

 

「ジャア、ココハ?」

 

「………………?!!!」

 

おっ、お尻!な、撫でられて……!!!

 

「こんのぉ!!!」

 

「ヒギィ!!!」

 

振り向きざまに回し蹴り!!人のお尻を急に撫でるなんて最低よ!!……え?提督?提督に撫でられるのはオッケーでしょ?何言ってんの?

 

「フ、フフフ、流石ハ黒井鎮守府ノ艦娘ネ……。蹴リノキレガ違ウワ」

 

鼻血を数滴垂らしながら、ゆらりと立ち上がったのは戦艦タ級。なんか硬いと思ったら、こいつらもロック装置を装備してたんだっけ。

 

……と言うか、なんなのよこいつら。

 

なんで全員ほぼ全裸なの?

 

何考えてんの?

 

 

 

「ヲー、ゴハン、獲ッテキタヲ」

 

「「プギィ……」」

 

猪二頭、100kgくらいのだ。殴られたのか、意識はない。

 

「オオ!良クヤッタゾ、ヲっちゃん!!」

 

「ヲッ!!」

 

「ン、頑張ッタワネ、ヲっちゃん。ハイ、貴女モ手伝ッテ?」

 

「なんで私が……」

 

「働カザル者食ウベカラズ、ヨ?」

 

「……まあ、そうね。一応、世話になってる訳だし……」

 

 

 

猪の解体を手伝う。私とタ級、一人一頭づつ解体。

 

「……アラ、上手イモンネ?機械弄リ専門ジャナイノカシラ?」

 

「何言ってるんですか、生き物も機械と変わりありませんよ。脳がIC、筋肉がアクチュエータ、五感がセンサ……、パーツごとに解体する程度、訳ないわ」

 

まあ、明石さんならもっと上手く、手早く解体できるんだろうけど。

 

「普通ノ女ノ子ハ怖ガルンジャナイカシラ?」

 

「はっ、何を馬鹿な。艦娘が、血や肉を切り裂くことに抵抗を持つ訳ないでしょ?大体にして、いままでどれだけ貴女達深海棲艦を殺してきたと思ってるのよ?」

 

流れる血や剥がれる肉でいちいち生娘のように悲鳴を上げていたら、戦いにならないものね。……まあ、そう言う子もいるにはいるけど。

 

「……はい、こんなもんね。これ、誰に渡せば良いの?」

 

「離島棲姫ヨ。調理担当ナノ」

 

「あのゴスロリね、分かったわ」

 

 

 

クーラーボックスに肉を入れ、離島棲姫の元に届ける。

 

その離島棲姫は、と言うと。

 

「〜♪〜〜♪」

 

鼻歌を歌いながら、調理の下準備をしていた。

 

隣にいるのは、泊地棲姫だろう。

 

「ム、肉カ。スマナイナ、客人ヲ働カセテ」

 

「い、いや、これくらいはね」

 

……にしても、楽しそうだよなー、この人達。

 

 

 

「ウマッ、モグモグ、ウマッ」

 

「アァー、アッタマルナァ〜」

 

「デザートハ?」

 

「羊羹ヨ」

 

晩御飯は、牡丹鍋になりました。一人一つ鍋を渡されたけど、艦娘的には適量だ。

 

「……あ、おいしい」

 

味はすごくおいしい。臭みが無く、新鮮さを感じさせる一品だ。

 

……と言うか、何故私は自然に深海棲艦と食事しているんだろうか。

 

良く良く考えたら、この人達敵だったような気が。

 

「アラ?今ハモウ大人シイノヨ?」

 

隣の離島棲姫が言う。確かに、心を入れ替えて真面目に働いているとは聞いていたけど。

 

「……モウ、サッキカラ、ツレナイワネ。敵ジャナイノヨ?既ニネ」

 

「そうは言ってもね……」

 

「慣レテクレナキャ困ルワネ?提督ノ夢ヲ忘レタノ?」

 

提督の、夢……。

 

「…………皆んな仲良く世界征服、だっけ」

 

「ソウネ、ソレヨ」

 

……正直、私は無理だと思っている。確かに、黒井鎮守府はかなりの戦力があるけど、海上以外ではその戦力は半減、人数も少ない。世界征服なんて、とてもじゃないけど……。

 

「無理カドウカナンテ、大シタ意味ハナイデショウ?」

 

「大した意味は、ない……?」

 

「ソウ。……ダッテ、ソレハ、愛スル人ノ隣ニイル上デ、何ノ問題ニナルノ?」

 

……そっか、そうだよね。

 

例え提督が破滅に向かったとしても、私達は提督の隣から離れないもん。行き先なんてどこでも構わない、よね。

 

「ソレニ、「アノ」提督ヨ?ワタシ達ノ思イモヨラヌ方法ヲ考エツイタリ、戦ワズニ済マセタリトカネ……、キット、ワタシ達ヲ幸セニシテクレルワ」

 

「……うん、うん!そうね!」

 

そうだ、提督は、不可能なんかに屈する人じゃない!きっと、私達皆んなを幸せにして、それで、世界の一つや二つ、軽く征服しちゃうもんね!

 

皆んな仲良く、か……。

 

結局、それが一番良いし、提督もそう望んでる。思えば、最近は鎮守府がギスギスしてばかりだ。提督は、ここで暮らす深海棲艦達のように、皆んなに仲良くして欲しいのではないだろうか。

 

帰ったら皆んなに呼びかけてみよう。

 

 

 

皆んな、仲良く、と。

 




天龍
イグニスで腹がよじれるまで笑う。

龍田
ホラーやグロは平気なくせに、涙腺がガバガバ。引くほど泣いた。EDで声を上げて泣いた。

夕張
周りへの態度が軟化した。艦娘会議では、今一度協定の重要性を説き、艦娘達の連帯性を高めた。

旅人
おかしい、最近は修羅場が減って、アプローチが増えたような……?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。