トランスフォーマー道の授業初日。
グラウンドに履修者が集められ、授業開始を待っていた。
グルリと周りを見回してみると、私と沙織さんと華さん。それ以外には存外選択した人は少ないように思えた。
だが金髪に軍帽を被った人や土佐弁をしゃべっている人、何故かバレーボールのユニフォームを着た一団など、個性の濃さには事欠いていないようだ。
過剰な優遇措置が取られていたとはいえ、やはり最近になって流行に陰りが出ていた影響なのだろうかと思っていると、生徒会の人たちがやってきて説明を始める。
「ここに集まっているTF道選択者の諸君には、まず感謝を述べておく」
「本当に久しぶりのことだから、どれぐらい集まるか心配だったの」
私や沙織さんと華さんはその言葉に思わず苦笑する。
特に私には決定権はほぼなかったような気がする。
すると、近くにいた癖の強い黒髪の女子生徒が手を挙げた。
生徒会の人が名簿と女子生徒を見比べる。
「えぇと……秋山さん。何か質問ですか?」
「はい! 一体トランスフォーマーは誰がいるんでしょうか! スタンダードですか、それともビーストですか?!」
張り切っているのだろうか、元気よく質問する秋山さん。
その質問に答えたのは、授業が始まる前から干し芋を齧っていた生徒会長だった。
「うーん、そのことなんだけどさぁ。 まず私たちがやるのはトランスフォーマー探しなんだよねえ」
「トランスフォーマー探しでありますか?」
「うん。 前にTF道やってた頃のトランスフォーマーがまだ何台か残ってるみたいでさ、一体はそこの倉庫の中にあるんだけど」
親指で後ろにある大きな倉庫を指さしながら生徒会長は芋を齧る。
突然の方針に、当然といえば当然だが選択者の中から不満を漏らす声が聞こえてきた。
まぁトランスフォーマーに乗りに来たのにトランスフォーマーを探すことになるとは、私も予測できなかった。
「まぁ取りあえずここに残ってるトランスフォーマーを見てみようよ。 どんなんか気になるっしょ?」
生徒会長の言葉に多くの生徒が頷きで返す。
なんだかんだ言っても、やはり本物を見てからのほうが何かとモチベーションも上がることだろう。
生徒会の人が堅牢な倉庫の扉を開くと、何人かがむせ返ったり、コホコホと咳をする。中から鉄とオイルの匂い。加えて酷い埃が充満していた。
中をのぞいてみると、薄暗い倉庫の上には長らく使われた形跡のない運搬用クレーンや角材、修理に使われたと思わしきパーツが散乱していた。
そしてよく見ると、倉庫の中央にシートが被せられた車が鎮座しているのが見えた。
「あの車かな?」
「早くシートを取ってみましょう!」
先ほどから妙に元気な秋山さんとほか数人で掛けられていたシートを取ると、積もっていた埃が空気中に飛び散り思わずクシャミをする。
「なにこれ?」
「ちょっと古臭くない?」
「エンジンがまる見えじゃん!」
「でも意外と綺麗ですね」
「錆止めがしてあるんですよ」
姿を表した車両は赤いスポーツカーだった。
見たことがない車なので、恐らくフューチャーカーの系統なのだろう。
ボンネットには赤いファイアーパターンがペイントされており、改造したのであろうエンジンが剥き出しになっていた。
「本格的な整備は自動車部と悪魔博士先生に確約してあるとして……誰か簡単な確認ができるのはいるか?」
そういいながら、片眼鏡の人が視線を向けてくる。
こういう時のための私かと思いつつ、スポーツカータイプのトランスフォーマーに近づく。
ボンネットに触れると、ファイアーパターンのカラーリングとは相反して鉄の冷たさが伝わってくる。
久々の感触に寂しさと懐かしさがこみ上げてくる。
ドアを開けて乗り込むと、内部は黴臭さと埃でいっぱいだが、まぁ長い間放置されていたので仕方ない。
いざシートに座ると、身体に染みついた動きでハンドルやブレーキの感触、オルトモード状態の運転席から分かる情報を分析していく。
「質量変位システム……問題なし。意外、エネルゴン残量がいっぱいだ……」
「なんだかすっごい手慣れてる……」
「先輩、デキる女みたいでカッコイイ~」
外野から聞こえてくる声に若干の気恥ずかしさを覚えつつ、車内から出てボンネットを開ける。
中にはエンジンとランプを点灯させている幾つもの機械部品がある。取りあえず日常点検の要領での確認をする。
中のコードを触ったり、内部の機械をかちゃかちゃ弄るのを見て、生徒会の人が心配そうに話しかけてくる。
「どうだ、まともに使えそうか?」
「メインコンピューターの配線も大きな異常なし。一通り見ましたけど問題は無いみたいです」
「そうか、試しに動かせるか?」
「まだ本格的に動かすのは怖いですね……ちゃんとオーバーホールしてあげてからじゃないと」
ふむと頷くと、名簿に何か書き込む。
おおよそ使えるのか使えないのかの整理でもしているのだろう。
「ところで、質問なんですけど~……トランスフォーマーを探すって一体どこを探せばいいんですか?」
一年生らしき生徒がおずおずと尋ねる。
それを聞いて生徒会長はやれやれといった様子で肩を竦める。
「それがわかんないから探すんだよ」
「会長は無理難題を仰る……」
「重ねて言えば、人数の都合上あと四体は必要だ。それに明後日には指導教官がお見えになるのでそれまでには見つけること。以上、解散!」
一方的な解散宣言を受け、各々自然とグループになって動き始める。
当然と言えば当然だが、無茶振りにも程がある。
だが、以外にも生徒達はやる気なようで各々どのような方法で探すのか考え始めている。
「えぇ……どう探せばいいのさ」
「とにかく探し回ろう! 足腰のトレーニングだと思うんだ!」
「私の占いの本領発揮だな……」
沙織さんの方は気落ちした様子で、話と違うと言っていたが、生徒会長にカッコイイ教官が来ると言われあっという間にやる気になっていた。
恐らく教官といっても恐らく女性だろう。それ以前にTF道の男性教官は見たことが無い。
案の定一気に元気になり、倉庫からかけだしていく沙織さんを華さんと一緒に追いかけながら、こんな簡単に騙される沙織さんが何だか少し心配になった。
「って言われても……何処にあるっていうのよ~ッ!」
駐車場に沙織さんの声が空しく響き渡り、青空に消えてゆく。
結局あの後、車に変形するタイプなら駐車場にあるかもしれないとここまでやってきた訳だが、やはりというべきかトランスフォーマーらしき車は見当たらなかった。
「それに、車とかに変形してるトランスフォーマ-をどう見分けろっていうの!」
「車に紛れていたら、全く分かりません……」
実際二人が言うように、私も少し困っていた。
私が知っているトランスフォーマーだとしたら、恐らく外からでも少し確認すれば判別は付く。
だが、知らないトランスフォーマーだとしたら話は違ってくる。
一台一台車を見て虱潰しに探すなど、砂漠の中で一粒の砂を探すようなものだ。
せめて、ビーストタイプならまだなんとかなるかもしれないが。
これから今日を含めて後二日、どうしたものかと頭を抱えていると。
「あの~すいません」
後ろから声をかけられ、振り返ると授業始めに生徒会にトランスフォーマ-の種類に関して質問していた女子生徒……秋山さんがいた。
「あ、挨拶がまだでした。 普通二科、2-Cの秋山優花里と申します! ふ、不束者ですがどうぞよろしくお願いします! よければ一緒にトランスフォーマー探しをさせていただければと思いまして」
お辞儀しながら自己紹介する秋山さんに思わずこちらもお辞儀で返す。
華さんや沙織さんも歓迎しているようで、自己紹介をする。
「まぁ、こちらこそよろしくお願いします。 五十鈴華です」
「武部沙織だよ~」
最後に私がしようとすると、秋山さんに遮られた。
「存じ上げております! 西住みほ殿ですよね!」
最後の敬称に若干驚きながら、どうやら私のことを知っているらしい事にも驚いた。
どうして知っているのかと思ったが、授業の様子と次の秋山さんの言葉からだいたいの事が察せられた。
「私、トランスフォーマーの事に関すると目がないもので……しかし、この状況なら私の知識がお役に立てると思います!」
どうやら生粋のトランスフォーマー好きのようで、その関係で私の事を知っていたようだ。
確かにある程度その道に通じている人なら私の事は知っている人はそれなりにいることだろう。それほどにあの事は業界で話題になったはずだから。
思わず暗い考えに向かいそうになるのに気づき、話題を変えようと試みる。
「私も種類に関しては詳しいわけじゃないし、秋山さんがいれば心強いな」
「実際私たちじゃどうしようもありませんでしたし、是非お力をお貸しいただければ」
「いやぁ、それほどでもありませんよ」
これでなんとかトランスフォーマー捜索の大きな足掛かりは得られた。
しかし、駐車場を一回り見てはみたものの、やはりというかトランスフォーマーらしきものは見つけられなかった。
沙織さんの提案で駐車場裏の山林に足を運ぶと。
華さんが突然立ち止まり、すんすんと匂いかぎ出す。
秋山さんが何をしているのかと不思議そうな顔をする。
「どうかしたんですか?」
「こちらから土と草木の他に鉄とオイルのような匂いが……」
「匂いで分かるんですか?」
華さんの思わぬ特技に沙織さんが面食らう。
「華道やってるとそんなことまで分かるの?!」
「私だけかもしれませんが……」
一芸に秀でた者は多芸に勝るというが、華さんはそのタイプなのかもしれない。
華さんの後に続いていくと、森林の中に大きな影が見えた。
それは、車では無いが明らかに森の中で異彩を放っていた。
「もしかしてこれって!」
嬉しそうに秋山さんに尋ねる沙織さんに、秋山さんは嬉しそうな顔で返答する。
その見た目は、力強く雄々しい姿をそのままに鎮座する恐竜だった。
有機的な皮膚では無い、鉄の皮膚がその威圧感をより強く感じさせるが、多くの人がイメージするところの典型的な恐竜の顔とはことなりそれはどこか愛嬌すら醸し出していた。
今では全く異なる見た目ではあるとされているが、有名なアニメ映画にも出たどこか懐かしいデザインの恐竜は、俗にいうティラノサウルスだ。
私の記憶の中で、この特徴に一致するトランスフォーマーは一体しか居なかった。
「グリムロック……」
「なんかさっきのよりもすっごい大きいじゃん! それになんか顔つきも可愛いし!」
沙織さんが嬉しそうにする横で、秋山さんがワナワナと震えだしたと思えばグリムロックのボディにペタペタと触りだし頬ずりまでし始めた。
「グリムロック! あの戦いだけなら全トランスフォーマーの中でも最強の一角、ダイノボットのリーダー……あのコンボイ司令官の下で戦い、メガトロンとも互角以上に渡り合った素晴らしい戦士なんです! あ、ダイノボットというのは恐竜に変形するトランスフォーマー部隊の事なんです! ……あっ」
「凄い生き生きしてたね」
「す、すいません……」
「キャプテーン! 見つかりましたか~!」
「もうちょっとだー!」
「二人とも気をつけてくださいよー!」
上からの呼びかけに応えながら岸壁を蹴り順調にラぺリングしていく。最初はどうなることかと思ったが、日頃からバレーで鍛えていたおかげか見よう見まねでいけるものだ。
バレー部のアタッカー、河西忍が、シュルシュルと命綱の遊びを確かめながら話しかけてくる。
「本当にこんなところにトランスフォーマーがあるのかなぁ……」
「絶対にある! ……はず! 気合いがあればトランスフォーマーもある!」
「これだけは気合いじゃなんともなりませんって!」
岸壁の割れ目まで到着し、慎重に地面に足を付ける。
奥が薄暗くなっており、目がまだ慣れずよく見えない。
「キャプテン、ありましたか?」
「んー……あれかな?」
薄暗い中、ようやく目が慣れてきてその全容が見えてきた。
影の中に何か大きな鋭角の物体が見える。
更に近づいて見てみると、それは間違いなくロボット……トランスフォーマーだった。
オルトモードではなくロボットモードだったので分かりやすかった。
全身寸胴の体系をした濃緑色のボディ。右腕はその自体が武器なのか銃口の形をしていた。
顔はバイザー状で口元はフェイスマスクになっていた。
「これは……なんですかね?」
「わからん!」
細かい事は細目検討がつかない。
だが、いまはそのようなことは気にすることでは無い。
思わずブルブルと武者震いがする。
ここから、これから始まるのだ。
私の、私達の、バレー部復活の夢が。
水面から一本の細く長い竹筒がぷかぷかと浮いていた。
それを取り囲みながらじっと見守る私達。
足場は水だが水蜘蛛が取り付けられているおかげで沈む心配は無い。忍道の授業の成果が個々で役に立つとは、やはりハイテクよりもローテクのほうが時には優れているものだ。
古き業の良さを痛感していると、竹筒がどんどん浮かび上がり、水面に頭が浮かび上がってきた。
「どうだ? 見つかったか?」
「プッ……確かに見えた。 水底に沈んでる」
今日は占いの調子がすこぶるよかったようだ。
フンスと満足げに鼻を鳴らす。
左衛門座曰く
車の外観は、
一般の感性からすれば、近未来型の車の典型と言える見た目は、その系統がフューチャーカーであることを示しており、車体のあちこちに溶けた後や、何度も修繕したであろう継ぎ接ぎの合わせ目が見られる。
以上が見つかったトランスフォーマーらしき物の詳細だった。
「誰か分かるのはいるか?」
「うーん、トランスフォーマーの歴史は専門外ぜよ……」
「同じく」
歴史を嗜む者としては少々遺憾ではあるが、まぁ確かにトランスフォーマーの歴史に興味を持つ同好の士は私達の中にはいなかった。
だが、よくよく考えれば歴史好きとしてトランスフォーマーについての見聞を広めるのも一興だろう。
生きた歴史の生き証人とも言える存在だ。歴史好きとしては新しい風を取り入れるのも悪くないだろう。
心なしか、ワクワクと胸が高鳴るのを止められなかった。
「ほんとにこんなところにあるのかなぁ……」
「もうここしかないし、無かったらもう諦めるしかないよ」
もう日が沈み、辺りも暗くなった頃。私達はトランスフォーマーを探してウサギ小屋にやって来ていた。
昼間は図書館で資料を漁っていた私達だったが、その中にあった歴代卒業写真(199×年度版)の卒業写真の一枚に、ウサギ小屋の中になにやら車のような物が映り込んでいるのが見られたのだ。
それ以外にもそれらしき写真はあったのだが、普通の車だったり個人制作で作った高度な模型だったりと空振りの連続だった。
「暗くなってきたし、早く帰りたいー!」
「ライトこっちに向けてよ! 暗くて怖い!」
もう完全に肝試してきな雰囲気を醸し出していたが、ようやっとウサギ小屋に着くと目的の物が屋内に鎮座しているのが見える。
なんだか何処かで見たことがあるようなデザイン。一見して高級車的な雰囲気を醸し出しているこの車がトランスフォーマーなのか、私達には判断しかねた。
「よーし、鍵開けてー」
「アイー!」
安っぽい錠前を外し、中に入り近くでよく見てみるが、やっぱりよくわからない。
高そうな外車でありそうなことだけは分かるが、あとは白いボディとその中心に真っ直ぐと黒のラインが入っているということだけしか分からなかった。
するとあやが携帯で写メを撮る。
ポチポチとボタンを押してしばらくすると
「えぇーっ?!」
突然大声を上げたので、思わずその場にいた全員混乱する。
「ひえぇええっ?!」
「でたぁっ!」
「いやいや、お化けとかじゃなくてこの車! ぽぽぽぽ、ポルシェだって!」
ポルシェ? 一瞬名前を聞いて脳内で言葉がフリーズするが、落ち着いて考えて見ればとんでもないことだ。
みんなざわめきだし、売ったらいくらになるんだろうとあやの周りに集まりだす。
あやが震える手でかちかちとボタンを押し続ける。
「えっと、詳しい事はわかんないけどこの種類はポルシェでも935って仕様で……最近あったオークションの予想価格が……三十万〜四十万ユーロ?」
ユーロという海外通貨が出され、思わず困惑する私達。
すると、ボーッと車を見ていた紗希がポツリと言う。
「おおざっぱで……だいたい五千万」
「ご、五千万ッ!」
思わず泡を食う皆。
五千万……私達学生でなくともとんでもない金額だ。
思わず夢の様な大金の使い道を考えてしまう。
他の皆も同様なようで、虚ろな目をしてポルシェを見ていた。
しかし、私は違和感を感じずにはいられず、皆に尋ねる。
「ねぇ……仮にこれが五千万のポルシェだとしてさ、こんなところに置き去りにする?」
「……思い入れがなかったら、私だったら売っちゃってるなぁ」
あゆみの発言に、皆も同じような反応を示す。
ということは、仮説としてある可能性が浮上してくる。
「つまりさ、それはこれがトランスフォーマーだからじゃない?」
「確かに、本物の高級車だったらここに放置されっぱなしな訳ないもんね!」
「なーんだ、ちょっと残念」
優季の言葉に内心同意し、気落ちしながら生徒会の連絡先へコールした。
「よくやった。 回収は手配してある、自帰宅していいぞ」
そう言って連絡用トランシーバーの回線を切る。
正直もっと時間がかかるかと危惧していたのだが、予想以上に今回集まったメンバーは何かと
安物の椅子に腰掛けたまま眠っている会長を揺り起す。
んぁと間の抜けた声を出しながら、起き出す会長は私の持っていた名簿を奪い取り目を通しだす。
「ん~ん、以外とやればできるもんだねぇ」
「情報も無い状況でよくやってくれています」
うんうんと頷く会長は椅子から立ち上がり、遅くになっても電灯が灯ったままの倉庫へと向かい、私もそれに続く。
中は昼間の荒れ放題だった様子が嘘のように片付いており、昼間の間に運び込まれたトランスフォーマーが並べられていた。
そのトランスフォーマーの横で工具を運び入れていたり、ジャッキで持ち上げられた車体の下に上半身を突っ込んでいる自動車部の面々と柚子の姿があった。
その様子を見て、会長は満足そうな笑みを浮かべる。
「調子はどうだ~い」
「やぁ~キツいですよ」
赤い車のボンネットの中を資料を見ながら点検していた自動車部の中嶋悟子がボンネットをバタムと閉め、疲れを滲ませながら応える。
「まず一般の流通してる技術とはかなり乖離してますからね……。なによりハードならまだしも極小タイプのマイクロチップの修理は完全にお手上げです」
「そのために悪魔博士駆り出したんだから、安心してよ」
そんな事を話していると、柚子がノートパソコンを持って来た。
「会長、トランスフォーマーの種類の判別終わりました」
「よ~し、順番に説明よろしく」
柚子の説明を聞きながら時折真面目な顔をする会長。
トランスフォーマーを見る。
長年放置され、みすぼらしい見た目をしていたが今はそれにすら頼らなければならない。
教育局長のいけ好かない顔が思い出され思わず奥歯を噛みしめながら、あんな横暴に屈してたまるかと心を奮い立たせる。
私達には勝つしかないのだ。
会長にトランスフォーマーの解説をする柚子とその解説を聞きながら考え込む会長をみて改めて決意する。
大切な思い出を、守るために。
解説! TF用語
【スタンダードとビーストの違い】
スタンダードとは所謂、オルトモードが自動車などの車両や航空機などの一般的な機械に変形するトランスフォーマーを指す。
一方ビーストとは、オルトモードがライオンや恐竜等の動物へと変形するトランスフォーマー。ダイノボットやアニマトロンといった機械的な見た目の他にも、ライノックスやワスピーター等の見た目が完全に動物をコピーしているものもこのビーストの分類。
今作のTF道においては、スタンダードよりもビーストの方が扱いにくいとされているが、使いこなせればスタンダードを圧倒する性能を発揮できる熟練者向けの系統とされている。
追記.分からない単語等がありましたら後書きでの解説を行いますので、皆さんメッセージ等で気軽に質問してください。